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心の時空

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a day in my life

この陶胎皿は、手練り茶碗を作っているとき、陶土(つち)を弄りながら 丸めたものを押し潰し円盤状に均(なら)し、よれた針金で引くように横切りしたものです。
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横に引いて上下を分けると左右対称の陶皿が、2枚できますので、縁を少し持ち上げ、素焼きしてもらいました。
一年以上そのままにしていましたが、ああでもない こうでもないと 試行錯誤の末 というより手に負えなくなり
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ジ・エンド(おしまい) となりました。
数年前、確か百円ショップで 平板と‘K’の文字板を購入、これまた ほんの遊び心で、風変わりな根来の飾り台
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を作りました。(上写真 : ベランダから眺める油山を背景に撮影)
繋ぎ(組立て)も塗りも、すべて 漆オンリーです。

# by blues_rock | 2018-07-09 00:09 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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この5月、新作の「君の名前で僕の名を呼んで」を見て、シネマの世界でご紹介しようと書き始めたら、6月に「君の名前で僕の名を呼んで」を共同製作し脚本を書いたジェームズ・アイボリー監督(1926~、1996年秀作「サa0212807_07595540.jpgバイビング ピカソ」)が、1987年に撮った(脚本・監督)「モーリス」(4K)の上映を知り 私は、まだ見ていなかったので「モーリス」を見て書くことにしました。
「君の名前で僕の名を呼んで」、「モーリス」(4K)、さらに2005年の「ブロークバック・マウンテン」は、ホモセクシャル映画の秀作であると思います。
a0212807_07595878.jpg同性愛については、観念的にしか理解できない(ヘテロの)私ながら同性愛映画は、プロットが、ホモセクシャルであれ、レスビアンであれ、映画を演出する監督、出演する俳優や女優で見るようにしています。
ポルノ映画を撮るわけではないので、脚本の質も当然のことながら、監督の表現(演出)才能、それを受けて演じる俳優や女優の品性と美しさが、映画の良し悪しを決めるa0212807_08000294.jpg重要なキーポイントになります。
映画は、総合芸術! 同性愛映画を製作するときには、とくに細部にこだわるプロデュースセンス(神は細部に宿る)が、ないと、市中に出回る薄汚くゲスで愚劣なポルノ映画(まあ、これはこれで劣情を刺激するAVのひとつ)となるでしょう。
同性愛でもプラトニックな関係(ゲイでも)なら友愛・友情と呼び、これにスキンシップ(キス・全裸の抱擁・セックa0212807_08000607.jpgス)が、加わると男性の場合 ホモセクシャル、女性の場合 レスビアンと呼ばれ、同性愛カップルの「相思相愛」を理解できない異性愛カップルの男女(ヘテロセクシャル)にとって異次元の異常な「性愛関係」に想えるのでしょう。
その中間(ニュートラル)に両性愛(バイセクシャル)で偽装恋愛、偽装結婚している人たちもいて彼らは、それぞ
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家庭を持ち子供もいるようです。
だから私は、人間の棲む三千世界が、とてもおもしろく、映画製作のネタに事欠かないのだろうと思っています。
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このところノーマルなヘテロセクシャルの恋愛映画が、あまりにくだらなくつまらないので(と思えるので)性的な感動を刺激して欲しい私は、同性愛映画の秀でた作品を見るようにしています。
a0212807_08013686.jpg女性の同性愛映画なら2013年「アデル、ブルーは熱い色」、2015年「キャロル」、男性の同性愛映画であれば、1987年「モーリス」(2018年4K再映)、2005年「ブロークバック・マウンテン」、2018年「君の名前で僕の名を呼んで」は、いずれも秀作です。
a0212807_08014623.jpg今夜は、前述のとおり「君の名前で僕の名を呼んで」と「モーリス(4K)」をご紹介したいと思います。
1987年映画「モーリス」の脚本を書き監督であったアイボリー監督は、当初「君の名前で僕の名を呼んで」の脚本(アカデミー賞脚色賞受賞)を書き自ら製作・監督するつもりだったようですが、共同製作するイタリアのルカ・グァダニーノ監督(1971~)に監督は、すa0212807_08014334.jpgべて任せました。
二作とも同じアイボリー監督の脚本ながら映画の時代設定が、「モーリス」の100年前のイギリスと「君の名前で僕の名を呼んで」の現代(1983年)のイタリアとでは、ホモセクシャルへの社会環境が、大きく変化しているものの、やはり‘監督(演出)’の違いは、如実に出ています。
a0212807_08015126.jpg「君の名前で僕の名を呼んで」は、北イタリアを舞台に考古学教授の息子17歳の少年エリオ(ティモシー・シャラメ 1995~)と教授の助手で博士論文執筆中の24歳の青年オリバー(アーミー・ハマー 1986~)二人のひと夏(6週間)の耽美的な情感溢れる同性愛の恋模様を描いています。
a0212807_08015386.jpg息子の恋人オリバーが、去り、傷心の息子に父親の語りかける言葉は、慈愛に満ち、名脚本家 ジェームズ・アイボリー監督の面目躍如です。
アイボリー監督が、アカデミー賞脚色(脚本)賞を受賞したこともあり、1987年(31年前)に脚本・監督した秀作「モーリス」もまた ‘4K’(ウルトラHD=超高画質)で再公開されました。
a0212807_08020320.jpg映画の舞台(時代設定)は、同性愛が、重罪であった百年前1910年のイギリス、ケンブリッジ大学の学生モーリス(ジェームズ・ウィルビー 1958~)とクライブ(ヒュー・グラント 1960~)、そしてクライブと別れたあとモーリスの愛人となる下僕の青年アレックス(ルパート・グレイブス 1963~、1992年「ダメージ」に出演)の物語です。
a0212807_08020594.jpg徹底した男社会の旧い保守的なイギリス上流階級の子息令嬢たちの役割は、年頃になったら家柄の良い(高い爵位)階級の異性と社交界で知り合い結婚し家系と資産(家督)を守ることでした。
それに反する観念や意識、行動は、重罪で社会的身分の消滅と家系からの抹殺と身の破滅、時に死刑も科されていました。
a0212807_08022803.jpg異性愛(ヘテロ)であれ、同性愛(ゲイ)であれ、命がけの恋(=性愛)が、プロットの映画でなければ、面白くも美しくもありません。
そう云えば、今日ご紹介した同性愛映画の傑作・秀作は、いずれも美男・美女ばかり、美しさに感動する同性愛映画でなければ、見るに堪えられないのも確かです。

# by blues_rock | 2018-07-07 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
大根仁監督(1968~)作品は、初めて見ますが、2016年の「SCOOP!」は、秀逸でした。
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何より、福山雅治(1969~)演じる やさぐれた芸能スキャンダル写真週刊誌の 中年パパラッチと彼に裏情報をタレこむ覚醒剤中毒の男を演じたリリー・フランキー(1963~)の二人が、すばらしい!
a0212807_18145491.jpg映画の終盤、リリー・フランキー演じる覚醒剤中毒の男が、幻覚症状で錯乱、溺愛する娘に会わせようとしない元妻とその愛人を射殺し、旧くからの親友(福山雅治)に、娘と二人の写真を撮らせようとするシークエンスの何と ‘すばらしい!’ こと、リリー・フランキーは、本当にジャンキーではないかと思わせるくらいの ‘ド迫力とリアリティ’ で、覚醒剤中毒男を怪演しています。
a0212807_18154651.jpg新作「万引き家族」で リリー・フランキーが、演じたのは、これと真逆の、心根のやさしい人の好い犯罪者(万引き犯)でしたが、カンヌ国際映画祭審査員の一人から、是枝監督に「(リリー・フランキーについて)彼は、何者か? 俳優なのか?」と質問あったそうな ‥ ‘役者目利き’ であるカンヌの審査員の目には、リリー・フランキーが、不思議な俳優に見えたことでしょう。
この映画「SCOOP!」は、ワルでスケベな福山雅治と完全に壊れたリリー・フランキーを見る映画(必見)です。
a0212807_18173105.jpg借金まみれで酒とセックスだけの自堕落な生活をしている中年パパラッチ(福山雅治)に絡むのが、写真週刊誌「SCOOP!」の新人記者を演じる二階堂ふみ(1994~)と副編集長役の吉田羊(年齢不詳 40代か)二人の美人女優です。
女優 吉田羊を「SCOOP!」で初めて見ましたが、良い監督の作品に出演すれば、印象に残る女優になるだろうと思います。
a0212807_18172149.jpg少女と思っていた二階堂ふみも今や22歳、ならば劇中、福山雅治と演じるベッドシーンに 中途半端な下着姿ではなく、オールヌードで挑んで欲しかったと思います。
これは、本人の責任ではなく、所属事務所の意向や大根監督の演出(制約があったと推察)なのでしょうが、二階堂ふみの女優としての将来(カンヌ・ベルリン・ヴェネチアに出品する映画への出演)を考えるa0212807_18180757.jpgと、本人の意思でトライして欲しかったと思います。
私の好きなフランスの名女優ばかりで恐縮ながら、レア・セドゥ(1985~)は、28歳のとき出演した2013年同性愛映画の傑作「アデル、ブルーは熱い色」でポルノと見紛うレスビアンの激しいセックスシーンを全裸で演じ、メラニー・ロラン(1983~)は、18歳のときに出演した2001年「これが私の肉体」で、若く美しいヌードを披露、a0212807_18192658.jpgエマニュエル・ベアール(1963~)が、23歳のとき出演した1986年「愛と宿命の泉 泉のマノン」では、芸術的なヌードを惜しげもなく見せてくれました。(28歳のときの「美しき諍い女」の全編ヌードは芸術!)
大女優のカトリーヌ・ドヌーブ(1943~)たるや、まだヌードご禁制の旧き時代にあって1969年映画「暗くなるまでこの恋を」の出演時、26歳のきれいな胸(乳房)を普通にスクリーンで見せてくれました。
a0212807_18193125.jpgおや、と思ったのは、塚本晋也監督(1960~)が、出版社編集長役でカメオ出演していたこと、そんなことより 名女優の資質をもつ 二階堂ふみの美しいヌードを早く見たいものだと、いちファンとして思います。

# by blues_rock | 2018-07-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
「拭き漆」は、誰にでも、すぐできる 漆工芸の一つです。
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‘漆かぶれ’が、どうも‥という方は、市販されている使い捨ての衛生薄ゴム手袋を両手に装着して作業されるとかぶれることは、ないでしょう。
a0212807_17244999.jpgそれでも念(用心)のため作業後に食用油を少し手の平にのせ、両手首から指先まで摩り付けティッシュでよくふき取り、そのあと石鹸水で脂分を洗い流しておけば、大丈夫です。
もし、知らないうちに漆に触れていて、そこに小さな水疱が、でき痒みを感じたら 漆かぶれ(翌日か翌々日くらい後、触れたところに発疹ができる)ですが、痒止め軟膏を塗ると痒みは、治まり、かぶれ痕も残りません。
漆かぶれは、漆成分の一つウルシオールが、人間の細胞(抗体)に反応して痒みを引き起こす接触皮膚炎(アレルギー皮膚炎ではありません)です。
私は、普段ゴム手袋なし、使っても片手だけ使用して作業しますが、不注意により気づかないうちに、漆を付け
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てかぶれることもあり、万一対策として私は、オイラックス軟膏を常備しています。
さて、前置きは、これくらいにして初めての方向けに「拭き漆」について説明します。
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まず、準備するのは、木目のきれいな(おもしろい)木地板です。
樹種は、問いませんが、樹肌の粗い木地だと拭き始めるまで下地作り(木胎)にひと手間かかりますので注意し
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ましょう。
つぎに‘漆’の準備が、必用ながら漆は、多種多様 ‥ 本格的に漆工芸をするのでなければ、「生漆(きうるし)」
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一つあれば、OKです。
テーブル(机)の上に全開した新聞紙を数枚(朝刊一日分くらい)重ねて広げ、その上で作業すると後片付けも
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簡単、きちんと折りたたみ古紙として他の人が、触らないよう2日、3日くらい別保管し他の古紙と合わせて資源ゴミ回収に出せば良いと思います。
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牛乳パックは、捨てないでよく洗い取っておき、乾いたらハサミで切り広げ漆をのせる定盤(パレット)にします。
ピンポン玉くらいに丸めた脱脂綿をコットン(綿の古布、使用済の下着やTシャツ)で、てるてる坊主のような打包(a0212807_17262544.jpgたんぽ)を作り、ゴム手袋を両手にして定盤に出した生漆を浸けて一生懸命拭くだけです。
縦に拭き、横に拭き、「の」の字を書くように回し拭きし、また「逆の」の字にも回し拭き‥ 拭いて、拭いて、万遍なく拭いたら、ダンボールにビニールを敷き濡れタオルを広げで(拭き板に水が直接つかないよう注意)、簡単な漆風呂に入れ3日、4日して乾いていたら(表面凝固していたら)指先で触り、ざらつくようなら#400(~#600)のサンドペーパーで軽く研いでください。
2回、3回と拭いて、乾かし研いで、とだんだん#800、#1000~#2000とペーパーを緻密にしていきながら自分の目と指を信頼して「拭き漆の木面を5回~10数回)磨いていく」のが、コツです。
‘ワイプオール’(万能清拭紙)を小さく折りたたみ重ねてハケにようにして(ハケに見立てて)拭くのも良いと思います。
生漆オンリーで十分ながら、ちょっと上質な(ワンランク上の)拭き漆にしたいのなら最後に‘透き漆(生正味)’で良く拭きあげると漆芸家なみの「拭き漆」となるでしょう。
後片付けのとき、漆の付着した布や紙、定盤、ゴム手袋は、専用の廃棄用ビニール袋にまとめて捨てゴミ袋に入れてください。

# by blues_rock | 2018-07-03 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_20561857.jpg次に見たのが、農家出身の映画監督 ユベール・シャルエル(1985~)のデビュー作にして社会派(深刻な酪農問題を扱った)作品の「ブラッディ・ミルク」です。
映画は、酪農を営む青年ピエール(スワン・アルロー 1981~、2010年「美しき棘」出演)を主人公に家族経営の零細農家の立場からEUの官僚的な農業政策を真っ向から問題提起した話題作です。
同時に私たち消費者の「食と農」への安易な認識(安全な食品が、安心していつでも簡単に買えるという思い込み)を問いかける農家出身のシャルエル監督の真骨頂が、ここにあります。
主人公ピエールの毎日は、老いた両親から受け継いだ小さな農場と20数頭の乳牛の世話、そして時々訪ねてくる獣医の妹(サラ・ジロドー 1985~)で回っていました。
ある日、フランスで原因不明の牛の伝染病が、初めて発見されました。
ピエールが、一番恐れたのは、自分の牛たちへの感染でした。
しかし、彼の努力も空しく一頭の牛が、伝染病の兆候(症状)を見せ始めました。
a0212807_20573160.jpg彼は、役所に報告し手塩にかけて育ててきた大切な牛たちを感染経路不明のまま殺処分することなど、どうしてもできませんでした。
そして、酪農のほかに自分のできること、したいことが、何もないこともよく知っていました。
ピエールは、愛する牛たちを助けるために、どんなことでもする決意をしました。
この「ブラッディ・ミルク」は、フランスのアカデミー賞と称されるセザール賞で作品賞、主演男優賞(スワン・アルa0212807_20574193.jpgロー)、助演女優賞(サラ・ジロドー)を受賞しています。
三作目の「トマ」は、わずか13分の短編でプロローグ(序章)とエピローグ(終章)だけの映画ながら女優のローラ・スメット(1983~、2015年「ブルゴーニュで会いましょう」)が、母親の名女優 ナタリー・バイ(1948~、フランス映画祭2018の団長)を主演に撮ったなかなか洒脱な短編映画です。
a0212807_20575250.jpgアンナ(ナタリー・バイ)は、朝起きて、いつものようにコーヒーを作ろうとしたら、コーヒー・メーカーが、故障していました。
彼女は、初めて行く電化製品店で新しいコーヒー・メーカーを購入、新規の顧客リストを作る手続きをしようとしたらすでに彼女の名前が、顧客リストにあり、数日前に電化製品を購入していると告げられました。
a0212807_20582332.jpg最後4作目は、ナタリー・バイとエマニュエル・ドゥヴォス(1964~)が、共演(主演)したミステリー映画「モカ(モカ色の車)」です。
スイスのフレデリック・メルムー監督(1969~)は、サスペンス仕立ての演出で、老いても尚美しいナタリー・バイと成熟した中年女性の魅力あふれるエマニュエル・ドゥヴォスをたっぷり見せてくれました。
ディアンヌ(エマニュエル・ドゥヴォス)は、スイスのローザンヌで一人息子が、モカ色のメルセデスベンツから轢き逃げされ、亡くなってからというもの喪失感と犯人への憎悪で立ち直れないでいました。
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失意のディアンヌは、進展しない警察の捜査に業を煮やし、事故を目撃したバスの運転手の証言「轢き逃げしたのは、モカ色のメルセデスベンツ、運転席に金髪の女性、助手席に男が、乗っていた」ことを手がかりにスイ
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スに向かいました。
途中フェリーで知り合った違法薬物運び屋の青年を助けたことから親しくなり、国境近くの田舎町エヴィアンで、a0212807_20584666.jpg拳銃を手に入れ、彼にモカ色のメルセデスベンツ捜しを依頼しました。
名女優の二人、ナタリー・バイとエマニュエル・ドゥヴォスの絡むシーンが、すばらしいので、メルムー監督の演出に難クセつける気は、ないものの ミステリー映画で犯人が、早く分かるのもさみしく、もう少し引っ張って欲しかったな、と私は、思いました。

# by blues_rock | 2018-07-01 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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今年も恒例のフランス映画祭が、6月22日から24日までの3日間、西鉄ホールを会場に開催されました。
上映演目は、長編8本と短編1本、の計9本、私が、見たのは、長編3本と短編1本、の4本です。
a0212807_12062074.jpgまず、名優でもあるギヨーム・カネ(1973~、2016年「セザンヌと過ごした時間」)が、監督し、妻のマリオン・コティヤール(1975~)と共演した新作のギャグ・コメディ映画「ロックンロール(Rock’ n Roll)」を見ました。
主人公は、43歳の映画俳優 ギヨーム(ギヨーム・カネが、本人役で出演)とその妻 マリオン(実生活の妻 マリオン・コティヤールも本人役で出演)で、名優の二人が、本人役を大まじめに、可笑しく演じています。
脇を固めるのは、友情出演なのかどうか分からないもののフランスの名優ジル・ルルーシュ(1972~、2010年「この愛のために撃て」、2012年「テレーズの罪」)、アメリカから若手俳優ベン・フォスター(1980~)、図らずもこの映画が、遺作となったフランスで国民的人気のあったロックンローラー ジョニー・アリディ(1943~2017没 享年74歳)で、これまた74歳の現役ロックンローラー ジョニー・アリディ 本人役で出演しています。
俳優のギヨーム・カネ、43 歳は、人気もあり、愛妻と愛息との満ち足りた生活で、自然豊かな広大な別荘で趣味の乗馬を楽しみ、順風満帆の幸福な人生を送っているa0212807_12063650.jpgと思っていました。
しかし、ある日ギヨームは、映画出演のオッファーが、若い娘の‘父親役’ばかりで、昔のように若く美しい娘たちの恋人役のオッファーは、一つもないこと、仕事(映画の撮影現場)で共演する若い女優たちからも‘オッサン(中年)’扱いされていると知り、愕然としました。
a0212807_12070647.jpg現在(いま)のすべてが、「ダサい男」のイメージにつながっていると思い込んだ彼は、何とかしたいと考えました。
自分が、まだ十分に若く、男として「イケてる」証明をしようと、妻マリオンを始めマネージャーや友だち、プロダクションの呆れ顔をよそに、サプリメントやプロテインの大量摂取による肉体改造や激しい筋トレなどまわりの困惑と心配を無視してありとあらゆることに挑戦a0212807_12071872.jpgしました。
その甲斐あってギヨーム・カネは、それまでの彼と‘別人’のように大変身(笑えます)、やがてハリウッドからも映画の新しいオッファーが、来るようになりました。
マッチョな男に変身したギヨーム・カネが、とにかく可笑しく映画のメーキャップ技術のスキルアップに驚きます。 (下写真 : 長男マルセルを抱いた聖母マリアのようなマリオン・コティヤール)
a0212807_12075342.jpgさすが、名女優のマリオン・コティヤール、吹き出しそうになるのを逆噴射して、大真面目に演技しているのも見どころの一つです。(後編に続く)

# by blues_rock | 2018-06-30 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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フランスの名女優 マリオン・コティヤール(1975~、1998年「TAXi」 出演時23歳 美しい、2007年「エディット・ピアフ 愛の賛歌」でアカデミー賞主演女優賞受賞)も今や43歳、二児の母親にしてこの美貌、まったく驚きです。
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監督は、アルジェリア出身の女優(1981年「愛と悲しみのボレロ」に出演)でもあるニコール・ガルシア(1946~、2010年監督・脚本の「海の上のバルコニー」は、秀作)です。
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この2016年フランス映画の日本公開タイトルを「愛を綴る女」にしたのは、女性として絶頂期にあるマリオン・コティヤールの美貌を日本の映画ファンに印象付け観客動員数を増やすためなのでしょうが、映画のプロットからa0212807_18165673.jpgするとトンチンカンそのもの、原題「Mal de pierres(石の病い=結石)」の意味深長なタイトルのほうに、この映画の主題である ‘幻想と真実の愛’ は、表れています。
撮影が、ベルギーの撮影監督 クリストフ・ボーカルヌ(1965~、2017年「永遠のジャンゴ」)、音楽監督は、イギリa0212807_18160626.jpgスの作曲家ダニエル・ペンバートン(1977~、2017年「モリーズ・ゲーム」)で、ガルシャ監督のミステリアスな演出に呼応するようなボーカルヌ撮影監督の映像とペンバートン音楽監督の音楽も秀逸です。
a0212807_18170011.jpg南フランス小村の美しい村娘 ガブリエル(マリオン・コティヤール)は、妄想癖が、あり恋する相手構わず、自作のエロティックな詩をラブレター代わりに届けていました。
ガブリエルは、最愛の理想の人との結婚を夢想しながらも発作性ヒステリー症と、腎臓結石(Mal de pierres)のa0212807_18171067.jpg持病があり、ガブリエルの奇行と併せ、婚期を逸していることから両親は、彼女の将来を心配し、ガブリエルに好意をもち彼女にやさしく接するスペイン人の正直者ジョゼと無理やり結婚させました。
a0212807_18162933.jpg夫となったジョゼ(アレックス・ブレンデミュール 1972~、2017年「永遠のジャンゴ」に出演)は、妻のガブリエルに愛情深く、献身的に尽くしますが、ガブリエルは、結婚したその日、ジョゼに「あなたを絶対に愛さない。」と強く言い放ちました。
a0212807_18171247.jpgある日、ガブリエルは、持病の腎臓結石発作を起こし、治療(湯治)のためアルプス山麓の療養所へ送られました。
そこで、ガブリエルは、インドシナ戦争で負傷した帰還兵アンドレ中尉(ルイ・ガレル 1983~、2001年「これが私の肉体」、2016年「プラネタリウム」)と出遭いました。
a0212807_18172038.jpgここから、チャイコフスキー「舟歌」のピアノの調べ(劇中何度も流れる)にのってミステリアスで幻想的 かつエロティックな愛の物語が、展開していきます。
エキセントリックなガブリエルを演じるマリオン・コティヤールの変幻自在な演技と美しさ、感情を顔に出さずストイックな表情で地味なジョゼを演じるアレックス・ブレンデミュール、二人のコントラストが、じつに見事、ガブリエルとジョゼ夫婦の17年間を描いた愛の軌跡(君に生きて欲しくて)は、愛の真髄かもしれません。

# by blues_rock | 2018-06-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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高台のある古唐津陶片を刻苧で復元し青貝の蒔絵に仕上げました。
陶片の形が、面白く宇宙空間を漂う「隕石」に見立ててみました。
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陶芸を始めた頃、土弄り(つちいじり)していて何気に作った四角の陶盤を根来風の陶胎敷板にしてみました。
韓国ビストロ「七階のナム」のオーナーシェフが、11年前レストランをオープンしたときに愛用していた懐い出の
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コーヒーカップだとか、大きく割れた陶片を見て 修理するより新規購入を勧めるも懐い出のいっぱい詰まったコーヒーカップなので棄てられないと言われ、カップ腰から下の色と同じ弁柄漆の ‘金継ぎ’ にしました。
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# by blues_rock | 2018-06-26 07:00 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
壊れた人間を描く名人の鬼才白石和彌監督(1974~)が、撮った映画をいままで5作品見ました。
白石監督のどの作品にも、もし私の身近にいたら決して関わらない(関わりたくない)生理的に嫌な、ろくでなし(チンピラ)やジコチュー女(娘)など壊れた連中(男たちは言うに及ばず女たちも)たちが、たくさん登場します。
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そんなに嫌なら見なきゃいいじゃないの、と思われるかもしれませんが、白石監督は、見ている者に感情移入させない完璧な演出により、登場人物を突き放して描く(撮る)名人なので見ている方は、胸くそ悪くても案外冷静に他人(ひと)事のように見ておれます。
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白石監督作品は、薬物のようなもの、一度見るとその魅力の虜になり、やがて白石映画ジャンキーになります。
白石監督は、反骨の映画監督若松孝二(1936~2012、2008年「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」、2010年「キャタピラー」)に師事し映画監督になっただけに白石監督が、描く世界は、救い難いワル(犯罪者)、身持ちのa0212807_00031620.jpg悪い奴(女)、うだつのあがないチンピラなど社会の底辺で蠢くアウトローが、主人公のピカレスクロマンです。
私が、見た白石監督作品は、2009年「ロストパラダイス・イン・トーキョー」(監督デビュー作品)、2013年「凶悪」、2016年「日本で一番悪い奴ら」、同2016年「牝猫たち」、2017年「彼女がその名前を知らない鳥たち」、そして2018年の新作「孤狼の血」です。
今夜は、白石監督の、さらなる新境地を現した才気溢れる2017年の作品「彼女がその名前を知らない鳥たち」を紹a0212807_00032037.jpg介いたします。
映画に登場する人物たちのキャラが、とにかく‘ヒドイ!’、この映画は、一人の女と三人の男四人の過去と現在が、交錯する群像劇ながら四人を始め登場するのは、全員身勝手で皆な徹底してジコチューな女と男、相手を傷つけても自分が、良ければ平気、自分の欲望のためなら平然とウソをつき、思うとおりにならないと逆ギレして喚き、暴力を振るうこれもまたピカレスクロマン映画です。
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そんなにヒドイのなら見なきゃいいものを一度見始めるともう途中で止められない魔訶不思議な秀作映画です。
とくに主人公四人の軸である女、十和子(蒼井優 1985~、2017年の国内映画祭で主演女優賞総なめ)は、ジコチューで自堕落な女、性にだらしなく、そのフシダラな悪女ぶりは、絶対関わりたくない女の典型です。
a0212807_00034067.jpg十和子と同棲している15歳年長で身のまわりが、不潔で、うだつの上がらない粗野な男、陣治(阿部サダヲ 1970~)の偏執狂的な十和子への執着は、見る方を辟易させますが、十和子から「あんたみたいな不潔な男にそんな触られ方をしたら、虫酸が、走る!」と罵倒され、さらに「不潔・下品・下劣・貧相‥」などと、あらん限りの罵詈雑言を浴びせる十和子のエキセントリックな言動ぶりも、常軌を逸しており、前半は、愛のカケラもない二人の歪んだ共依存関係が、描かれます。
a0212807_00034323.jpg十和子は、陣治の収入で生活しながらも8年前に酷い仕打ち(強制売春)を受け、あげく殴打されて別れた黒崎(竹野内豊 1971~)を忘れられずにいました。
さらに、腕時計のクレームで知り合ったデパート店員の水島(松坂桃李 1988~)と情事に溺れ、同時に黒崎との過去の甘美な日々の記憶が、忘れられませんでした。
このシークエンスで十和子が、水島と情事に耽るラブホテルの天井から降り注ぐ砂の雨や汚れたアパートの部a0212807_00034783.jpg屋から黒崎と一緒にいるリゾート地の美しい海岸へ反転する映像(フラッシュバック)など白日夢めいた幻想シーンは、ある日、街角で十和子が、黒崎らしき人物を見かけたと錯覚し、家に訪ねてきた刑事から黒崎が、5年前から行方不明であること、十和子と水島との情事を知りながら「十和子が幸せならそれでいい」と陣治は、黙認するも 十和子を執拗に尾行しじっと監視する彼の行動などを重ね合わせ後半、白石監督のピカレスクロマンが、
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次第に不穏(サスペンスタッチ)になり、そして見る者が、あっと驚くエンディングに至ります。
普段なら入らないところにふと立ち寄り、その妖しい魅力に憑かれワクワクするような、悍(おぞ)ましいような「彼女がその名前を知らない鳥たち」は、そんな不思議な映画でした。

# by blues_rock | 2018-06-24 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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イギリス出身の稀代の名優 ダニエル・デイ=ルイス(1957~、1989年「マイ・レフトフット」、2007年「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、2012年「リンカーン」で3度のアカデミー主演男優賞受賞、歴代ただ一人)が、鬼才ポール・トーa0212807_07161061.pngマス・アンダーソン監督(1970~) の新作「ファントム・スレッド」(アンダーソン監督=製作・脚本・監督・撮影の4役)を最後に、俳優業から引退すると宣言、彼は、靴職人でもありますから、靴の専業職人になるのかもしれません。
引退の理由が、「映画の撮影中、突然の悲しみに包まれた」からとか、天才の気持ちを推し量ることなどできまa0212807_07162283.jpgせんが、どの映画に出演しても劇中のその人物に憑依したような怪演(名演とか熱演の域を超えた唯一無二の演技)を見せてくれた名優でしたので何とも‘もったいない’話です。
私が、ダニエル・デイ=ルイスと出遭ったのは、1988年にフィリップ・カウフマン監督が、撮った傑作「存在の耐えられない軽さ」のトマシュ役でした。
a0212807_07162544.jpgそれ以来、ダニエル・デイ=ルイスが、出演した主な作品は、ほとんど見てきましたが、新作「ファントム・スレッド」は、2007年の傑作「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の鬼才ポール・トーマス・アンダーソン監督と天才俳優 ダニエル・デイ=ルイスが、2度目のタッグを組んだ作品です。
1950年代のイギリスを舞台に、ダニエル・デイ=ルイスが、演じるのは、カリスマ、オートクチュール・デザイナーa0212807_07162918.jpgのレイノルズで、彼のデザインしたドレスを着ることが、王侯貴族夫人方のみならず当時の上流階級の女性たちすべての憧れでした。
しかし、レイノルズは、表の顔と裏腹にたいへん神経質で 他者とのコミュニケーションが、大の苦手、毎日同じルーティンで生活しないと不機嫌な偏執狂(強迫観念症)でした。
a0212807_07163802.jpgある日、気晴らしに出かけた田舎のレストランで、アルマ(ヴィッキー・クリープス 1983~)という若いウェイトレスの容姿に興味を持ちました。
レイノルズは、アルマに声かけ、自宅アトリエに連れて帰ると、さっそく服を脱がせ、ベッドへ誘われると思っているアルマを尻目に、メジャーで彼女の体の寸法を細かく測り始めました。
a0212807_07164101.jpgレイノルズの姉シリル(レスリー・マンヴィル 1956~)は、弟レイノルズの豪華なファッションハウス(最新の高級服のメーカー)の事業管理をし、彼の人生にも大きな影響を与える人物でした。
シリルは、弟のレイノルズが、田舎で見つけた娘アルマは、ドレスのデザインにひらめきを与える ‘ドレス創造のミューズ ’として見ていると察しアルマをa0212807_07164658.jpg姉弟の自宅に迎え入れ、同居を始めました。
常に仕事をしているレイノルズは、食事中もデザイン画を描いていて、アルマが、トーストにジャムを塗る音、紅茶を混ぜるスプーンの音にも、眉をしかめ不機嫌になりました。
レイノルズは、自分のじゃまをしない限り身の回りの世話をアルマに任せ、アシスタントそして ‘最愛の人’ と思
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うようになりましたが、結婚する意思は、ありませんでした。
アルマは、レイノルズを愛するあまりレイノルズが、望まないことも ‘レイノルズのために’ と思い、少しずつ自分a0212807_07172312.jpgの気持ちを彼に押し付けるようになりました。
ここから映画は、レイノルズの偏愛とアルマの独善愛の交錯した ‘偏執狂的愛’ の物語(プラトニックSMラブ)になっていきます。
ダニエル・デイ=ルイスが、天才俳優と称される所以(ゆえん)に、役の人物に憑依する名演技にあり「ファントム・スレッド」では、ドレス・デザイナーの役作りのため ヴィクトリア&アルバートa0212807_07172705.jpg博物館に通い、2年間縫製(スレッド)を学び、実際、立派なドレスを自分で縫い、そのドレスを妻のレベッカ・ミラー(1962~、映画監督・脚本家・女優、劇作家アーサー・ミラーの娘)に着せたといいますから驚きです。
衣装を担当したマーク・ブリッジスは、2011年の傑作「アーティスト」(アカデミー賞作品賞・監督賞と併せ衣装デa0212807_07172598.jpgザイン賞など5部門で受賞)に続き「ファントム・スレッド」で 2度目のアカデミー賞衣装デザイン賞に輝きました。
音楽は、楽器なら何でも熟(こな)す多才なロック・ミュージシャン ジョニー・グリーンウッド(1971~、2007年ダニエル・デイ=ルイス 2度目のアカデミー賞主演男優賞受賞作品「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」や先日紹介した新作「ビューティフル・デイ」の音楽監督)でa0212807_07172987.pngエレガントに、時には、官能的に撮影監督でもあるアンダーソン監督のカメラクルーが、手持ちカメラで撮った数々の、美しい色鮮やかなドレスの映像とシンクロし見る者の視覚を刺激、映画は、“総合芸術”であることを私たちに改めて教えてくれました。

# by blues_rock | 2018-06-22 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
現在、使用されている器の修理を依頼されました。
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織部釉が、美しくアワビ形の粋なデザインの小皿(2枚)は、持ち主の方もたいへんお気に入りのようで、どうして
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も本金直しの金継ぎにして欲しいと依頼されました。
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この織部の長皿もなかなかシャレていて、下地に引っかき線を入れ、半円形の黄土釉 部分を残し、さらにたっぷり青漆色(せいしついろ)の織部釉をかけて焼成されています。
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長皿の右上と中央下やや左よりに2箇所カケが、ありましたので刻苧と錆漆で固め、錫直しにしました。
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唐津三島文片口の口先(アゴ部分)にカケが、あり 織部長皿と同じように刻苧と錆漆で固めで錫継にしました。

# by blues_rock | 2018-06-20 00:02 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
子供のころ私も含め、私のまわりの大人も友だちも皆な ‥ 往年の西鉄ライオンズの大ファンでした。
やがて、西鉄ライオンズ(わずか21年存在した球団)が、消滅し私は、プロ野球に興味を失いかけていました。
そのころ、セ・リーグのお荷物球団と揶揄されていた市民球団の広島東洋カープが、赤いユニフォーム、赤いヘa0212807_09353513.jpgルメット姿で不死鳥のように、さっそうと登場しました。
以来40年、私は、広島カープの隠れファン、先日、ヤフオクドーム 一塁側内野席の、ホークスファンが、陣取る真っ只中、孤立無援で広島カープの応援をしてきました。
残念ながらホークスの勝ち、工藤監督の采配センスが、勝っていました。
前半5回までは、カープ2 : ホークス0で、広島カープが、リードしていましたので少し安心し、ビールを飲みながらa0212807_09353904.jpg(このところ普段あまりビールを飲まなくなりましたが、球場で飲むビールの味は、格別美味しい)、ホークスの工藤監督になったつもりで監督の采配シュミレイション遊びを始めました。
ピンチヒッター、ピンチランナーの起用、投手交代、送りバント指示、ホームラン期待など、ヴァーチャルの監督采配遊びです。
ところが何と、私のヴァーチャル監督のイメージが、工藤監督の采配とシンクロしたようにことごとく当たり、結果a0212807_09354310.jpgは、7回裏ホークスが、逆転し、カープ2 : ホークス6の見事な逆転勝利でした。
隠れカープファンとしては、心中複雑な思いでしたが、40年前と比べ、いま熱狂的カープファンの多いこと、福岡は、アウェイのはずなのに、レフトスタンドほか、ヤフオクドーム球場の至るところが、‘赤い色’に染まり、かつてどこの球場に行ってもガラガラだった広島カープ応援席を懐かしく憶い出しました。
やはり、ロックも野球も、ライブが、いいね。

# by blues_rock | 2018-06-18 00:08 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
a0212807_00193092.jpg福岡女学院大学(福岡市 南区 日佐) コミュニケーション論の担任教授である友人からの依頼を受け、同大学2年生(女子学生) 48名の受講生に特別講座、と言っても立派な講座ではなく、よもや話の類い(おしゃべり)で良ければと、興味半分で引き受け、昨日講義(90分授業)をしてきました。
a0212807_00193992.jpgなんと私に与えられたテーマは、学生のお一人から担任教授へ事前にリクエストのあった「非言語コミュニケーション」 ‥ 教授いわく、この女子学生は、言葉(言語)による直接のコミュニケーションだけではなく、言葉(言語)以外の間接的なコミュニケーションに関心が、あり、それを学びたいと、リポートに書いて提出していたそうです。
私が、日ごろ考えているコミュニケーションは、自分の意思や意見、さらに感情や気持ちを伝え、相手と信頼関係を結ぶための行為であるのなら、まず
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相手の目を見て自分の思い(考え)を直接伝え、さらに言葉以外の間接的な表現方法(非言語コミュニケーション)で自分の心(内面)を伝えようとしなければ、あなたの伝えたいことは、きちんと相手に伝わらないでしょう。
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コミュニケーションを日本語で表記するなら「間(ま)」と私は、思います。
私たちのことを「人間」と言います。
a0212807_00195529.jpg人には、個と個の間に「間」が、あり、この「間」をどう接触させてしっかり結ぶのか ‥ 言葉による直接的な行為であれ、間接的な非言語表現であれ、いずれにしてもコミュニケーションの本質は、この相手との「間」を本人が、どう縮めるのかだと思うとリクエストした48名の女子学生中にいる一人の学生に伝えました。
拙ブログ「心の時空」の「映画(シネマの世界)」、「絵画」や「音楽」、「愛/人生」、「金継ぎ」などスクリーンに映し、時間(歴史の年月)や空間(時代)を超えて伝わっていく人間の魂(普遍=究極のコミュニケーション)について話しました。
私の話す内容が、少し散漫で 授業時間90分は、すぐ時間切れとなりました。
私は、果たしてきちんと48名の女子大生とコミュニケーションできたのだろうかと、その不安に駆られながら帰途につきました。

# by blues_rock | 2018-06-16 00:06 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(1)
a0212807_20343282.jpg是枝監督は、23年(13作)の監督生活で培った演出の技量を新作「万引き家族」(=原作・脚本・監督・編集)の随所で見せています。
映画の終盤、途中死亡した老女(祖母=樹木希林)を除き 残された家族全員が、万引き、年金の不正受給、少女誘拐容疑で警察の取調べを受けるシーンは、2017年作品「三度目の殺人」を思い起こさせました。
a0212807_14311490.jpgやっと自分の居場所(家族)を見つけたかに見えた5人も、やがてバラバラになりますが、それでも一緒に暮らした日々の中でお互いの心に育った家族としての絆は、消えませんでした。
今回のカンヌ国際映画祭審査員長で稀代の名女優 ケイト・ブランシェットは、劇中、母親役の安藤サクラが、取調官から誘拐動機について厳しい取a0212807_14311876.jpgり調べ受けているとき ‥ 「この子(幼い少女)は、捨てられたんだよ。 棄てられたものを拾って何が悪い! 悪いのは、この子を棄てた母親だろうが ‥」 と吐き捨てると絶句、両手で涙を拭きながら泣くシーン(カメラの長回しで是枝監督は、安藤サクラに台本を渡さず演技させたとか)を大絶賛、「今後、私も含め今回審査員を務めた俳優は、これから出演する映画のなかで泣くシーンa0212807_14564843.jpgが、あったら彼女(安藤サクラ)の真似をしたと思っていい。」と是枝監督に伝えたそうです。
映画のエンディングで、実の母親のもとに連れ戻された5歳の女の子が、アパートの通路で独り遊びながら、手すりから身を乗り出してじっと外を見ているシーンは、あまりに切なく、大人の保護と愛情が、絶対不可欠な幼い子供たちへの虐待は、無関心を装う回りの大人たちも同罪と改めて思いました。
(追記 : 三度目の「万引き家族」に続く)

# by blues_rock | 2018-06-14 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
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現在(いま)活躍中の、日本映画の監督で好きな監督を一人挙げて欲しいと求められたら私は、迷わず是枝裕和監督(1962~)の名前を挙げるでしょう。
a0212807_14272900.jpg是枝裕和監督は、1995年「幻の光」で長編映画監督にデビュー以来23年、現在公開中の「万引き家族」を入れ、これまで13の長編映画を発表しています。
是枝監督作品13作のすべてを見た私の感想は、新作「万引き家族」を是枝監督が、23年13作品の監督キャリアで培った演出の集大成にして撮ったと思いました。
a0212807_14275411.jpgそして、「万引き家族」は、カンヌ国際映画祭で‘パルムドール’(最優秀作品賞)を受賞、それだけの質を持った傑作映画で、一ファンとして慶賀の念に堪えません。
今年のカンヌ国際映画祭の審査委員長は、私の敬愛する名女優 ケイト・ブランシェット、審査員の8名が、ロシアの名監督アンドレイ・ズビャギンツェフ、カナダのドゥニ・ビルヌーブ監督、フランス若手の名女優 a0212807_14275882.jpgレア・セドゥー、アメリカ若手の名女優 クリステン・スチュワートなど、いずれも私の好きな名監督、名女優で構成され映画製作の立場ながら‘目利き’の方々ばかりです。
「万引き家族」のすばらしさは、どんな言葉より、映画館のスクリーンで実際ご覧いただくのが、一番です。
a0212807_14291554.jpgプロットをざっくり述べると 東京下町のビルの谷間にポツリとある古く小さなあばら家で 肩を寄せ合い ‘家族’ としてひっそり暮らす6人の物語です。
「万引き家族」は、イタリアネオレアリズモ映画の傑作「自転車泥棒」を彷彿とさせるもニッポン版ネオレアリズモ映画の新作それも傑作が、加わったと思えば良いでしょう。
a0212807_14293656.jpg閑話休題、彼ら6人‘家族’は、老女(年金暮らしの祖母=樹木希林 1943~)のわずかばかりの年金と併せ、日々の生活に必要な食料や日用品を男(日雇い労働者の父親=リリー・フランキー 1963~)と少年(未登校児の長男=城桧吏 2006~)が、スーパーや雑貨店から万引きすることで暮らしていました。
a0212807_14300282.jpg男の連れ合いと思われる女(パート勤務の母親=安藤サクラ 1986~)は、クリーニング店のパートとして働き、もうひとり若い女(母親の妹、風俗嬢=松岡茉優 1995~)が、同居していました。
ある冬の寒い晩、男と少年が、万引きを終えて帰宅しているとアパートの片隅にうずくまる幼い少女(5歳の児童虐待被害児=佐々木みゆ 2011~)を見つけました。

a0212807_14305114.jpg「万引き家族」の公開直前、東京目黒区で‘お願い、許して’と詫びる5歳の幼い少の子を寒さ厳しい真冬、裸足で外に出し凍傷させ餓死させるという鬼畜にも劣る言語道断な‘この映画の児童虐待シーンよりはるかに惨い虐待事件’が、実際に発生、劇中に登場する虐待シーンの数々は、まるでこの虐待事件を目の前で見ているような是枝監督の演出のリアリティ(迫真力)a0212807_14303897.jpgに、ただもう驚くばかりです。
この6人の‘家族’に、近所で小さな駄菓子屋を営む老店主(柄本明 1948~)など格差社会の底辺で、貧しくも慎ましく暮らしている善良な人たちが、絡み、是枝監督は、正しく現在(いま)の日本で拡大深化していくインビジブルな社会の原風景を見事な映像にして可視化(リアリティ映画に)しました。(後編に続く)

# by blues_rock | 2018-06-12 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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現在、博多駅Tジョイで、単館上映中の「ビューティフル・デイ」(原題「You were never really here お前は、決してここにいちゃいけない」)は、才能あるのに寡黙なイギリス(グラスゴー出身)の鬼才女性監督 リン・ラムジー
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(1969~)が、脚本(今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞受賞)を書き、アメリカの名優ホアキン・フェニックス(1974~、同じく今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞受賞)を主演に迎え、旧くからの友人で撮影監督 トム・タウa0212807_06544270.jpgネンドならびにイギリス気鋭の映画音楽家 ジョニー・グリーンウッド(1971~、ロックバンド‘レディオヘッド’ のギタリスト) とタッグを組んで撮った秀作映画です。
撮りたい映画しか撮らないラムジー監督の「ビューティフル・デイ」へのこだわりは、このスリラー(クライム・サスペンス)映画にも、顕著に顕われ、一筋縄ではいかないラムジー監督の‘映像言語’が、多くの見せa0212807_06544762.jpg場を作っています。
映画の原題は、「You were never really here お前は、決してここにいちゃいけない」なのに、何で日本版のタイトルが、「ビューティフル・デイ」になるのか、映画の終盤、主人公のジョーは、行方不明であった少女ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ 2003~)を拉致されていた高級売春宿から連れ出し、失踪少女ニーナが、ジョーに救い出された後、彼に「It's a a0212807_06545033.jpgbeautiful day!」と言ったことから日本版のタイトルは、「ビューティフル・デイ」になりました。
しかし、映画のプロットとストーリーは、「ビューティフル・デイ」の響きとは、真逆の、ホアキン・フェニックス演じる退役軍人で元FBI捜査官のジョーが、幼いとき父親から受けた虐待や戦場の殺戮による心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱え、治療のための鎮痛剤を常用、さらに慢a0212807_06551450.jpg性的な不眠と自殺願望による自殺衝動など常に意識朦朧としながらも、高齢で病気の母親を養うため「失踪者捜索」を生業として暮らしていました。
ラムジー監督の演出は、主人公ジョーが、抱える子供のころからの「絶望感(死にたい願望)」を抱え、成人しても人生に虚無と倦怠の中で暮らす中年のジョー(ホアキン・フェニックス)の姿a0212807_06553054.jpgを、そのヒゲ面と引き締まった巨体で具現化、女性とは思えない(ラムジー監督自身談)切り口で、粗暴にしてニヒルな殺し屋ジョーの絶望と心の闇をシャープに描いています。
音楽(サウンド・トラック)を担当したジョニー・グリーンウッドの重低音で鳴り響く、同時に割れたガラス片が、ぐさぐさと突き刺さって来るようなサウンドをバックに、数秒間フラッシュバックされるジョーの子供a0212807_06552123.jpg時代の虐待や戦場での殺戮の忌まわしい記憶、その傷みから逃れようとする自殺願望 ‥ ホアキン・フェニックスの怪演とラムジー監督の見る者に挑むような(不親切なくらい余計な説明をしない)クールな演出は、秀逸です。
ラムジー監督の「ビューティフル・デイ」演出意識の中に、マーティン・スコセッシ監督作品「タクシードライバー」
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(1976)へのオマージュが、あったのかどうか、私には、分かりませんが、ともに映画の終盤、「タクシードライバー」でロバート・デ・ニーロ演じるモヒカン頭の青年トラヴィスと、「ビューティフル・デイ」のホアキン・フェニックa0212807_06552783.jpgス演じる顔面ヒゲ面の中年ジョーとが、重なりました。
カンヌ国際映画祭で、パルムドールを受賞した「万引き家族」の対抗馬であった「ビューティフル・デイ」は、映画ファン必見の映画です。
余談ながら、稀代の名優ロバート・デ・ニーロ(1943~)は、嫌悪するアメリカのゲスなフェィク大統領を聴衆の面前で、こっぴどく貶(けな)すスピーチを繰り返しています。
a0212807_06553812.jpgこれにキレてツィッターする(ツィッターでしか反発できない)お下品大統領の神経を逆なでし、さらにヒワイな言葉(ブラック・ジョーク)で答える ‘お笑い芸人’ ロバート・デ・ニーロのおちょくりが、可笑しくて、つい熱烈に応援したくなります。
(上写真 : 撮影した映像を確認するリン・ラムジー監督とカンヌ国際映画祭 主演男優賞受賞のホアキン・フェニックス)

# by blues_rock | 2018-06-10 00:10 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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現在(2018年6月)、公開中の「孤狼の血」の監督 白石和彌(1974~、2013年「凶悪」、2016年「日本で一番悪い奴ら」、2017年「彼女がその名を知らない鳥たち」 いずれも優れた作品)が、2016年に撮った「牝猫たち」(監督・a0212807_09173514.jpg脚本)も秀作です。
是枝裕和(1962~)は、カンヌ国際映画祭で最新作の「万引き家族」が パルムドール賞受賞後のインタビューで「映画は、文化である。 いま日本の文化が、衰退している。」と日本映画の水準低下を憂慮していましたが、私は、是枝監督から私たち日本の映画ファンへ日本映画に対する目利き度(映画批評精神)を上げて欲しいとのメッセージと理解しました。
a0212807_09184539.jpgさて、この白石監督の「牝猫たち」ですが、白石監督は、大都会東京、池袋にカメラを持ち込み、徹底したリアリズムでデリヘル嬢と呼ばれる出張売春をする性風俗業に携わる3人の若い女性に密着、主人公となる3人を媒体として日本文化の現実を描いています白石監督の演出のもと白石監督作品の常連撮影監督 灰原隆裕(白石監督作品以外では 2013年「0.5ミリ」が秀逸)ほかa0212807_09191557.jpg製作陣(ラインプロデューサーほか録音・編集などスタッフ)のチームワークも抜群で、大都会東京に人知れず生存している若者たちの孤独と自業自得と云える‛愛の不毛’ (刹那=秒より短い時間の単位)をクールに描いています。
インターネットカフェを転々としながらスマホでデリヘルの指示を待つホームレスの雅子(井端珠里 1987~)、夫のいる里枝(美知枝、2016年「沈黙 サa0212807_09191160.jpgイレンス」出演)、児童虐待する未婚の若い母 結依(真上さつき 1996~)を中心に映画は、展開していきます。
この主人公 3人のデリヘル嬢に絡む主な男たちが、デリヘル店を経営する男(音尾琢真 1976~、2018年「孤狼の血」の暴力団幹部が秀逸)、店員で送迎ドライバーの青年(吉村界人 1993~、2014年「百円の恋」、2018年「モリのいる場所」に出演)、母親結依からa0212807_09195836.jpg虐待されている男の子のベビーシッターの青年(松永拓野 1992~、2016年「沈黙 サイレンス」出演)の3人です。
劇中、おやっ!? と思ったのが、1970年代初め日活ロマンポルノ映画全盛時代ロマンポルノの女王と呼ばれた女優白川和子(1947~)で、SMクラブのオーナー役でワンシーンに登場していました。
a0212807_09200583.jpg映画は、インターネット社会の裏側(闇)も映し出し、インターネットの中だけにしか居場所のない(自己表現できない、コミュニケーションできない)哀れな若者たちや、他人の不幸を見る(他人の足を引っ張って狂喜する)ことでしか心を癒せない歪んだ欲望と孤独をもつ今日本国中どこにでもいる男女の現実をリアルに表現しています。
a0212807_09195528.jpgこの映画「牝猫たち」を2017年作品「最低。」と併せてご覧になると現代社会に蠢(うごめ)く「老若男女の空ろな愛」の姿が、透けて見えて来ます。

# by blues_rock | 2018-06-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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フランスの女性監督 リサ・アズエロス(1965~)が、フランス伝説のディーバ(歌姫)「ダリダ(Dalida)」を撮った新作の伝記映画です。 (下写真 : 在りし日のダリダと ダリダを熱演したイタリアの女優 スベバ・アルビティ)
a0212807_13265532.jpg日本でダリダと云えば、1973年にアラン・ドロンとのアンサンブルで大ヒットした「あまい囁き(パローレ、パローレ)」が、有名です。
中高年の方なら誰もが、一度は、耳にしたことのある有名な曲で、ダリダの “パローレ、パローレ、パローレ” と歌いあげる情熱的な(実際は 愛想つかしの)フレーズに、往年の美男俳優 アラン・ドロンが、渋く低い声で囁く「あまい囁き(パローレ)」(実際は 未練の口説き)を年配の方は、記憶されていると思います。
アズエロス監督は、一世を風靡するも「人生に耐えられない、許して」と書き残し54歳のとき自ら命を絶つダリダa0212807_13265171.jpg(1933~1987没、睡眠薬自死)へのオマージュとして美貌も雰囲気も‘ダリダそっくり’のイタリアの新進女優 スベバ・アルビティ(1984~、33歳)をキャスト、1960年代から80年代フランスのみならず世界的に人気を博し多くの人に愛されたフランスの国民的歌手ダリダ(生涯1億4千万枚のレコードをリリース)と、子供のころから孤独に苛まれ、愛を渇望したヨランダの、一人の女性の
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二律背反する人生の‘光と影’をかなり忠実に描いています。
映画は、ダリダ(本名 ヨランダ)が、イタリア系移民の子としてエジプトに生まれカイロで育ち、少女時代、弱視でa0212807_13272461.jpgぶ厚いレンズの眼鏡をかけていたので学校でイジメを受け、自分の容姿に強いコンプレックスを抱いていました。
十代の終わりフランスに移り歌手としてデビュー、次第に成功を収めるも54歳のとき、ついに孤独に耐えられず自死しました。
十代のダリダは、歌手デビューするや、その美貌とエキゾチックな歌声でフランス女性の憧れにして、a0212807_13274890.jpgすべてのフランス男性が、恋したと言われるくらい一躍スターになりますが、その華やかな生活とは、裏腹に‘普通の女として愛する人と結婚し子供を産み家庭に入る’ことを夢見ていました。
ダリダは、12人の男性を愛し、うち3人の男性と結婚、2人と同棲(映画、この5人が、映画に登場) うち3人の男性が、ダリダを失った喪失感で自殺しています。
a0212807_13275366.jpg私生活のダリダは、いつも孤独に苦しみ、その苦悩を癒すために愛を渇望、自分に求愛する男性の愛を一旦受け入れますが、自由奔放な愛を歌うことで人気のあった歌手ダリダは、34歳のときの愛人であった18歳の学生とのスキャンダルすら「18歳の彼」という曲にして自分のロマンスを赤裸々に歌いました。
a0212807_13281586.jpg一方で、当時無名のミュージシャン ララ・ファビアン(1970~)の曲「私は病気(Je suis malade)」を歌い、まわりが、猛反対するなか、自分の心情を絞り出すように ‥ 「私は病気  完全に病気  私は、自分の血すべてをあなたに注いだ  私は、死んだ鳥みたいだ  あなたが、眠っている時に  私は病気  完全に病気  あなたは、私から歌を奪った  私の言葉をすべて奪a0212807_13282710.jpg


い去った  私には、才能があった  あなたを知るまでは  この愛は、私を殺す  もしこんな気持ちが、続くなら  私は一人で朽ち果てる  ラジオのそばで  抜け殻のように  私の歌を聴きながら ‥ 」と切々に歌いました。
このシーンが、映画の終盤に登場しますので、映画「ダリダ」を これからご覧になる方は、お見逃しのないように、切なく感動的なシーンです。

# by blues_rock | 2018-06-06 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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‘唐塗り’とは、江戸時代(1603~1868) 刀の鞘を漆で加飾した鞘塗り、印籠塗り、和竿(釣竿)塗りなど‘変わり塗り’と呼ばれていた 漆工芸技法の一つで、現在の津軽塗や若狭塗などが、代表的な漆器です。
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‘金継ぎ’は、息を凝らしてする作業も多く、長く続けていると息苦しくなり、精神状態にも 良くありません。
何よりいけないのは、楽しいはずの金継ぎが、楽しくなくなることです。
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そんなとき、私は、気分転換(息抜き)のため、竹籠やそこらにある板を手に取り 勝手気ままに、漆を塗る 漆遊び をしていました。
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昨年初夏、博多漆芸研究所を主宰する漆芸作家 松生ご夫妻(ぬり松工房)の作品展を見て、私は、インターネット上の様々な漆芸サイトで自己学習しトライしてみたものの四苦八苦するだけでした。
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そこで昨年秋より、博多漆芸研究所に入門、松生ご夫妻から指導を受け半年が、過ぎました。
念願の陶胎と併せ木胎(木地)への‘唐塗り’漆器も少しずつ出来てきました。
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来年秋、私として(たぶん)最初で最後の金継ぎと漆工芸の作品展を友だちの協力を仰いで ‥ しようかな、と企んで(誇大妄想して)いるところです。
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参考ながら、上と下の ‛根来塗り’ は、漆遊び をしていたころの作品です。
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やっと漆工芸の麓に たどり着き、山の頂は、まだ雲の上で見えませんが、どこまで登れるか ‥ えっちら おっちら 上り続けたいと思います。


# by blues_rock | 2018-06-04 00:04 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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沖田修一監督(1977~、2008年「南極料理人」、2012年「キツツキと雨」)、脚本・監督の新作「モリのいる場所」は、平日の午後にも関わらず補助イスが、いるくらい満席で、その盛況(頻繁に行くKBCシネマで私が、見る初
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めての光景)に驚きました。
「モリのいる場所」は、沖田監督いつもの演出(眼差し)よりさらに温和で、ほんのりしています。
a0212807_04402815.jpg映画の主人公である 当年94歳の画家 熊谷守一(愛称モリ 1880~1977没、享年97歳)を演じるのは、映画史に残る名優の山崎努(1936~)、もう一人の主人公、モリに長年連れ添った糟糠の妻秀子で、稀代の名女優 樹木希林(1943~)が、山崎努演じるモリと軽妙な掛け合いをする二人の名演を見るための映画です。 (下写真 : 文化勲章授賞を「断ってくれ」というシーン)
a0212807_04403586.jpgこれを沖田監督作品の常連である撮影監督 月永雄太(1976~)が、撮った映像も秀逸です。
映画を見ていたら、津端修一氏90歳と妻の英子さん87歳の老夫婦を撮ったドキュメンタリー映画「人生フルーツ」を憶い出しました。
映画の冒頭、林与一(1942~)演じる昭和天皇が、美術館で熊谷守一の絵をじっと見つめながら「これ、子供の絵?」と側近に質問されるところから
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始まります。
映画のプロットは、東京の豊島区に住み、外出することなく30年、自宅の家と庭だけで暮らし、庭にいる猫や飛a0212807_04411710.jpg来する小鳥、棲息する爬虫類、小魚、虫類を毎日じっと見つめ絵のモチーフとして描いた、その風貌から仙人と呼ばれた伝説の画家 熊谷守一94歳と老妻秀子のある夏の一日を描いています。
山崎努と樹木希林は、文学座の先輩後輩の間柄で、50年もの長い付き合いながら二人が、共演するのは、この「モリのいる場所」が、初めてというから不思議です。
a0212807_04412102.jpgさりとて、稀代の名優二人の芸達者な ‘阿吽の演技’(アドリブも自然)は、必見です。
沖田監督は、「モリのいる場所」の演出に、いくぶん遊び心(コミカルなギャグ)を加え寓話的に脚色していますが、居間の天井から降ってくる金ダライと庭に現れる宇宙人は、サービス過剰気味で少し脱線しているように感じました。
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共演の俳優陣も偏屈な老画家 熊谷守一の信頼厚く彼の写真を撮り続ける写真家役に加瀬亮(1974~)など登場シーンは、少ないものの脇を固めるのが、芸達者な俳優揃いなので、映画を見ている者は、熊谷家の居間と
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庭で彼らが、演じるユーモラスなシーンの連続をクスクス笑いながら大いに楽しめます。
(上写真 : 晩年の熊谷守一、下写真 : 油彩画「猫」)
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# by blues_rock | 2018-06-02 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)