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心の時空

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a day in my life

「エタニティ」(Éternit 永遠)は、12歳のときヴェトナム戦争の難民となり、旧盟主国のフランスに移住、奮闘努力して映画監督になった トラン・アン・ユン脚本・監督(1962~)が、19世紀のフランスを舞台にブルジョアながら
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女性三人の幸福と苦難に満ちた人生を抒情的に描いた映画です。
主人公である三人の女性を演じるのが、美貌・実力ともにフランスを代表する名女優たちで、オドレイ・トトゥa0212807_07011258.jpg(1976~、2001年「アメリ」で一世を風靡)、メラニー・ロラン(1983~、2001年18歳の時出演した日本未公開の成人映画「これが私の肉体」でヌードも辞さず熱演、2009年「オーケストラ!」の美しい清楚な演技も印象に残る) 、ベレニス・ベジョ(1976~、何といっても2011年アカデミー賞作品賞・監督賞「アーティスト」は秀逸)です。
三人の女性が、それぞれ結婚し子供を産み、夫や愛する子供と死に別れながら人生を生きていく、ストーリーa0212807_07011929.jpgは、いわばベタなメロウ・ドラマですが、ユン監督は、三人の名女優をセット(シークエンス)のなかの道具のように配する演出で美術監督(プロダクションデザイナー)トラン・ヌー・イェン・ケー(1968~、ユン監督の妻)が、パリ装飾美術館に入り浸って考えたという19世紀当時の衣装・髪型(ヘアスタイル)さらにセットに配置された小道具類・室内装飾(インテリア)なども徹底的に時代考証され、これらを台湾の名撮影監督 リー・ピンビン(1954~)のカメラは、草や木、空、a0212807_07012423.jpg湖や海の光など印象派の画家たちが、感動した自然を色彩豊かな美しい映像で映しています。
映画に登場する人物の会話(セリフ)は、少なく、主人公女性三人の人生が、女性のナレーション(ナレーターは、美術監督のトラン・ヌー・イェン・ケー)で淡々と語られていくというのもユニークです。
三人の女性たちを巡る生命の誕生と、そして死が、繰り返され、次の世代に受け継がれ「エタニティ」(永遠)は、a0212807_07014551.jpg現代のパリ、ポンヌフ(新橋)のうえで恋人同士の若い男女が、抱擁するシーンで終わります。
主人公の中心となる女性ヴァランティーヌをオドレイ・トトゥが、17歳の少女から老いて亡くなるまでを演じ、ヴァランティーヌの娘マチルドをメラニー・ロラン、マチルドの従姉妹ガブリエルにベレニス・ベジョとお互いすばらしい演技でコラボレーションしています。
サウンドトラックのクラシック音楽が、また秀逸で、ドビュッシー・バッハ・ベートーベン・ヘンデル・リスト・ラヴェルa0212807_07013250.jpgなどの名曲が、女性三人の人生絵巻を抒情的に美しく盛りあげています。
映画に登場する少女たちが、皆な美しく白い肌に紅潮した頬や唇、恥じらう表情、好奇心を秘めた瞳など絵画を想わせる耽美的な作品です。
無垢な美しさを愛する方にお薦めしたい映画です。

# by blues_rock | 2018-04-28 07:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
ロンドンから友人母娘(おやこ)が、家族の結婚式に出るために帰国、寒いイギリスの森しか知らない5歳の幼い娘ミズキちゃんに新緑の九州の自然を体感させたいとの友人の願いを叶えてあげようと大分県 飯田高原に行
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きました。 (上写真 : 私の最年少の友だち ハナ=ミズキ・T・ラムナラインちゃん5歳、と下写真 : 生後6か月のころ)
標高1000㍍の飯田高原は、いま春真っ盛り、昼間のポカポカ陽気の中、目に映る山一面のクヌギの新緑が、
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5歳の幼いミズキちゃんの心を解放するのかいつもより快活で大はしゃぎ、母親である友人は、「ロンドンのいつもの娘とちがう」と目を細めていました。 (下写真 : 叶館の庭、正面右の林の中に私お気に入りの露天風呂)
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その日宿泊する湯坪温泉の「お宿 叶館」の庭には、春の花が、咲いて飛び交う蝶を追いかけて走り回る幼い少女の様子を見ていると私までウキウキ、楽しくなります。 (下写真 : 叶館の庭から眺めた暁光)
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太陽が、沈み夕方になると飯田高原は、まだ肌寒く、庭の片隅にある新緑に囲まれた心地よい露天風呂で ゆるり温泉タイムです。
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そして、九重町 飯田高原で採れた身土不二の食材で料理された叶館の夕食に舌鼓をうちながら、お互い近況を語り合うおしゃべりタイムとなり ・・ 英語と日本語ともに流暢な5歳のミズキちゃんが、叶館の食卓を愉快に盛り上げてくれa0212807_15584478.jpgました。
飯田高原は、いま星が、一番きれいな季節とか、で 急きょ「星見会」となり、真っ暗闇の中、坂道の窪みに墜ちないよう 皆なで手を繋ぎ、満天の星を見上げていると「あっ、流れ星だ!」と母娘(おやこ)が、大歓声、ロンドンで星を眺めることはないのだとか、母の国で母親と一緒に見た流れ星の思い出は、ミズキちゃんの心にずっと残ることでしょう。
夜更けに露天風呂でまったり長湯しているとミズキちゃんが、寒い中、防寒服を着て乱入、露天風呂の洗い場から「お風呂が長い、早く出て」と彼女にお説教されました。
間もなくロンドンに帰る母娘(おやこ)家族との心行く迄の楽しい旅でした。

# by blues_rock | 2018-04-26 00:06 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(2)
a0212807_03441215.jpgこのところフランスを代表する名女優 イザベル・ユペール(1953~、1974年21歳の時出演したインモラル青春映画「バルスーズ」のハスッパな不良娘役で注目される)が、主演あるいは、出演している映画の紹介を続けています。
イザベル・ユペールも65歳、必ずしも艶やかな美人女優では、ありませんが、フランス以外の名監督作品に主演女優としてキャストされ、どんな難しい役柄もイザベル・ユペールならではの個性的な演技で一作ごとに確実に世界の映画ファンのハーa0212807_03441751.jpgトを掴み、今では、フランス、EUどころか、世界的な大女優になりました。
1988年製作のフランス最後のギロチン死刑となった女性の実話を描いたシリアスなフランス映画「主婦マリーがしたこと」(監督・脚本 クロード・シャブロル1930~2010) の主人公マリー役の演技でベェネツィア国際映画祭女優賞を受賞、フランス女優 イザベル・ユペールの秀逸な演技力は、ヨーロッパのa0212807_03452712.jpg名監督たちの目にとまり以降、主演のオッファが、目白押しとなりました。
「主婦マリーがしたこと」は、ナチスドイツに占領された北フランス、ノルマンディーを舞台に主婦マリーが、貧しい暮らしの中で夫ポール(フランソワ・クリュゼ 1955~、2011年ヒューマンコメディ映画「最強のふたり」主演)への愛情も失せる中、子供二人を抱え、女としての憧れの生活をa0212807_03453941.jpg夢見て金になる闇の堕胎(非合法妊娠中絶)に手を染めたことから起きる悲劇を描いています。
マリーは、戦時下に望まぬ妊娠をした隣人女性が、自分の体を痛めつけ無理やり流産しようとしているのを見て妊娠中絶の手伝いをしてあげました。
やがて、マリーの闇堕胎を耳にした女性たち ‥ 夫の出征中に他の男の子供を身ごもった主婦や娼婦からマa0212807_03454229.jpgリーのもとに非合法の妊娠中絶依頼が、来るようになりました。
そんな中、マリーは、リュシー(マリー・トランティニャン 1962~2003没、享年41歳、ジャン=ルイ・トランティニャンの娘)という娼婦と親しくなりました。
一介の家庭の主婦であったマリーの生活は、一変し、ナチスドイツの軍需物資を扱うフランス人ブローカーの愛人もでき派手な生活が、家庭を壊してしa0212807_03461189.jpgまいました。
マリーの稼ぎで安アパートから高級アパルトマンへ引っ越し食生活も豊かになったマリーの家族でしたが、腹に据えかねた夫のポールは、あろうことか マリーの闇の堕胎(非合法妊娠中絶)をナチスドイツの傀儡である地元警察に密告しました。
a0212807_03461321.jpg望まぬ妊娠をした女たちの妊娠中絶は、人助けと主張する当事者のマリー、妻マリーの行為を軽い罪と考え、元の主婦マリーにしたかった夫のポール、いくらなんでも一介の主婦マリーの行った闇の妊娠中絶で死刑になると予想しなかったフランス市民でしたが、地元警察から連絡を受けた現地のナチスドイツ軍司令官は、占領下のフランス国民への見せしめとa0212807_03461773.jpgしてマリーにギロチンによる死刑を命じました。
「主婦マリーがしたこと」は、フランスにおける最後の女性ギロチン処刑(実話)となりました。

# by blues_rock | 2018-04-24 04:24 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
オーストリアの名匠 ミヒャエル・ハネケ監督の最新作「ハッピイエンド」は、2012年製作の名作「愛、アムール」に続く、フランスの名優 ジャン=ルイ・トランティニャン(1930~、1966年 クロード・ルルーシュ監督作品「男と女」で
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世界的に有名となる)と、名女優 イザベル・ユペール(1953~、近作では、2015年作品「アスファルト」、2016年作品「エル ELLE」・「未来よ、こんにちは」・「母の残像」いずれも秀作)の二人を親子にした秀作映画です。
a0212807_04223801.pngフランス北部の港町カレーを舞台に元建設会社のオーナーで富豪ながら自殺願望のある85歳のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)と、その後継者で現オーナー娘のアンヌ(イザベル・ユペール)を軸に、ジョルジュの孫娘エヴ(ファンティーヌ・アルドゥアン 2005~、現在13歳ながらハネケ監督の‛お眼鏡’に適う不穏な雰囲気と辛辣な眼差しの少女を見事に演じた新人女優)の冷徹な視線(クールで批判的な目)で、この三世代を取りa0212807_04224317.png巻く家族の欺瞞・悪意・不穏・エゴなどネガティブな感情をあからさまに暴いていきます。
ハネケ監督は、冒頭いきなり エヴが、自分のスマホで撮影した一緒に暮らす離婚した母親のプライベートな日常生活(下着姿・洗面・トイレなど)の映像を見せて見る者の心を挑発、そして妙な不快感にさせるハネケ監督ならではの演出は、さすがです。
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2009年秀作「白いリボン」、2012年秀作「愛、アムール」と二作続けてカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したハネケ監督の “人間” を見つめる視線は、2017年製作の最新作「ハッピイエンド」でも健在です。
a0212807_04230029.jpg映画は、難民が、多く暮らすフランス北部の港町カレーで彼らを雇い、豪華な邸宅に暮らす建設会社経営者のロラン家家長で祖父ジョルジュ85歳の誕生日に、三世代の家族が、集まるところから始まります。
この家族は、皆な嘘や裏切りなど家族の誰にも言えない秘密を抱えており、いつも一緒に食事していますが、温かい団欒(だんらa0212807_04230485.jpgん)には、ほど遠くいつもギスギスした雰囲気に包まれています。
一家の長ジョルジュは、高齢のためすでに事業から引退、娘のアンヌが、家業を継いでいました。
社長のアンヌは、建設現場の作業員の人身事故に会社の管理責任を問われ、その問題解決に次期後継者である一人息子のピエール(フランツ・ロゴフスキ 1986~)をa0212807_04230738.jpg担当させるも対応能力が、なく、さらに社長の母親アンヌが、創業者の祖父ジョルジュ85歳の誕生日パーティに招待した顧客の前で母親への当てつけのような恥さらしの大失態を演じました。
アンヌの弟の医者トマ(マチュー・カソビッツ 1967~)は、前妻と暮らす13歳の娘エヴが、起こした事件をきっかけに再婚した妻アナイス(ローラ・a0212807_04233355.jpgファーリンデン 1984~)との新しい家族に彼女を迎え入れるも父トマには、すでに新しい愛人が、いることをエヴは、すぐ見抜きました。
お互い無関心な家族を冷徹な目で眺める13歳の孫娘エヴに自殺未遂の後遺症で車いす生活の祖父ジョルジュは、自分の秘密を打ち明けました。
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ハネケ監督が、13歳の少女エヴの目を通して描く人間ドラマは、どこまでも辛辣でクール、同朋の撮影監督 クリスティアン・ベルガー(1945~、2013年撮影の「悪童日記」は、秀逸)が、撮った映像もハネケ監督の演出同様
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ひんやりしています。
映画のラスト・シーンでアンヌ(イザベル・ユペール)が、自殺未遂ながらジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャa0212807_04240328.jpgン)の自殺を幇助しようとしたエヴ(ファンティーヌ・アルドゥアン)に振り返りながら向ける‘何とも言いようのない冷ややかな視線’は、映画史に残るイザベル・ユペールの名演技と言って良いでしょう。  (上写真 : ジャン=ルイ・トランティニャン、ファンティーヌ・アルドゥアンと撮影の打ち合わせをするミヒャエル・ハネケ監督)

# by blues_rock | 2018-04-22 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
私が、時おり訪ねる六本松「節魚 すし宗」に、オーナーのご好意で拙金継ぎ作品の展示コーナー `金継ぎのマ・ギャラリ´ が、できました。
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私が、金継ぎや漆にとり憑かれ、没頭しても拙作を見ていただける方あってこその質と技の向上です。
これは、絵画、映画、音楽、すべての芸術に言えることながら、やはり厳しい批評の目が、ないと、拙くとも自分
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の満足できる作品は、できません。
何より私は、小鳥の巣のような自宅に作品の置き場(保管場所)が、なく困っていましたので、すし宗に展示させ
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ていたくのは、渡りに舟でした。
コーナーの片隅に私のカード(上写真右下)を置いていますので、ご意見やご感想をお聞かせください。

# by blues_rock | 2018-04-20 08:20 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_14180426.jpg1971年のイギリス映画「シークレット」は、フィリップ・サビル監督(1930~)が、27歳当時 人気絶頂であったイギリスの美人女優 ジャクリーン・ビセット(1944~、1968年24歳でスティーブ・マックイーン主演の「ブリッド」の相手役に抜擢されて注目された)を主演に迎え 倦怠期の人妻をインモラル(背徳的)に撮った不思議なサスペンス映画です。
ジャクリーン・ビセットは、容姿端麗で美貌と知性を併せもった人気女優でしたが、この映画では、1970年代初頭にしては大胆な性描写もあり人気絶頂の美人女優ジャクリーン・ビセットが、乳房もアンダーヘアも見せるフルヌードで ラブシーンを演じています。
a0212807_14190135.jpgジャクリーンは、プライベートでも美貌と知性(英語とフランス語ともに流暢に話す)を兼ね備え、凛とした雰囲気のある女性で、ゴシップ話とも縁が、なく生涯未婚で、アンジェリーナ・ジョリー(1975~)の両親(父親は、名優のジョン・ボイド)と親しかったこともあり、彼女のゴッドマザー(名付け親で後見人)でもあります。
この映画「シークレット」のプロットは、タイトルのとおり「秘密」、それも家族三人それぞれの秘密です。
主人公の妻 ジャッキー(ジャクリーン・ビセット)は、夫のアラン(ロバート・パウエル 1944~)と結婚して9年、オマセな小学生の一人娘ジョジー(トーカ・キングズ)が、いるものの鬱々とした日々を過ごしていました。
ジャッキーは、失業中の夫アランへの愛もだんだん薄れ倦怠期、日々平凡な暮らしの自分を眺め一生が、このa0212807_14190611.jpgまま終るのではないかと不安を募らせながら「私の人生は、こんなはずじゃなかった」と悩んでいました。
その日、面接に行く夫アランを送り出したジャッキーは、娘ジョジーとコインランドリーに行きぼんやり洗濯機を見ていると、突然「公園に行ってくる」と娘一人残して出ていきました。
コインランドリーに残された娘ジョジーは、レイモンド(M・C・サーリー)という少年と知り合い誘われて彼の家へ遊びに行きました。
早足であてどなく街の通りを歩くジャッキーを高級車に乗る男が、後ろから付いて来ました。
高級車の男は、執拗にジャッキーを追い公園に入るや身なりの良い立派な紳士であるラウル(パール・オスカーソン)が、ジャッキーに近づき少し話をしたいと伝えました。
彼を無視し歩き続けるジャッキーにラウルは、自分の電話番号を書いた名刺を渡し車で立ち去ろうとすると突然車の電話が鳴り、あたりを見回すと公園の電話ボックスにいるジャッキーを見つけました。
そのころ娘のジョジーは、広大な屋敷の温室の中でレイモンド少年からキスされました。
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子供の彼女にとって父親以外の男性からされた初めてのキスでした。
ジャッキーは、ラウルに誘われるまま彼の豪邸に行くとラウルが、仕事の長電話をしている間、室内を見て回りa0212807_14201117.jpgベッドルームに飾られたラウルの妻の写真を見つけジャッキーは、彼の妻が、自分にそっくりなのに驚きました。
ラウルは、辛そうに病気で若くして死んだ妻のことをジャッキーに話しました。
ジャッキーは、ラウルが、居間で電話をしている間に写真に写る亡くなった彼の妻と同じ化粧をし、クロゼットにあったドレスを着て抱かれることで 彼の死んだ妻へ忘れえぬ愛を満たしてあげました。
夫のアランは、就職活動先の面接官ベアトリス(シャーリー・ナイト・ホプキンズ 1936~)と意気投合し彼女をデートに誘い口説いていました。
a0212807_14201469.jpgその夜、家に帰った夫婦親子の三人は、自分の秘密を胸にベッドに入りました。
ジャッキーは、何事もなかったようにベッドで夫アランの腕に抱かれていました。
47年前の旧作映画ながらプロットは、斬新で ‛秘密のない人生なんて つまらない’ ことを考えさせるイギリス映画の秀作です。
a0212807_14461055.jpg国宝級の美人女優が、映画の中で 時空を超えて 永遠に生きているのを見ると(その美しさを見ると)映画ファンは、無上の喜びを感じます。

# by blues_rock | 2018-04-18 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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女性主人公ララ・クロフトで大人気のアドベンチャー活劇「トゥームレイダー」のリメイク新作にいまや人気女優となったスウェーデンのアリシア・ヴィキャンデル(1988~、2012年「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」、2015年a0212807_07340554.jpg「リリーのすべて」、2015年「エクス・マキナ」、2016年「ジェイソン・ボーン」)が、ララ・クロフト役で出演、楽しみにしていた半面、「トゥームレイダー」のララ・クロフトと云えば、私は、すぐアンジェリーナ・ジョリー(1975~、2001年「トゥームレイダー」 、2003年「トゥームレイダー 2」)のイメージが、強く(秀逸なララ・クロフト役でした)アリシア・ヴィキャンa0212807_07341592.jpgデルファンの私としては、心配でしたが、アリシア・ヴィキャンデルのララ・クロフトもなかなかで 杞憂でした。
監督は、ノルウェーのローアル・ユートハウグ(1973~)でアメリカ製作(ハリウッド)映画に招かれての初監督作品です。
女性のトレジャーハンターを主人公にした冒険アクション映画なので女性版 インディ・ジョーンズと云えるかもしれません。
a0212807_07341991.jpg女性トレジャーハンターのララ・クロフトは、7年前に行方不明になった父リチャードの残した暗号を解読すると、父リチャード(ドミニク・ウェスト 1969~)が、古代日本の女王 ヒミコの墓(トゥーム)のある絶海の孤島に向かったことを知りました。
a0212807_07343816.jpg映画のプロットは、古代日本の女王 ヒミコの墓(トゥーム)の秘密にまつわる荒唐無稽のB級アドベンチャー活劇ながら、ララ・クロフトの役作りのため筋肉を鍛えた美貌のアリシア・ヴィキャンデルを見るための映画です。
a0212807_07342320.jpg個性派の名女優 クリスティン・スコット・トーマス(1960~、2014年「パリ3区の遺産相続人」、2017年「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」のチャーチル夫人)が、影の悪役を、登場するシーンは、短いながらエギゾチック美人女優 ハンナ・ジョン=カーメン(1989~)なども注意して見るとおもしろいと思います。
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「レッド・スパロー」は、フランシス・ローレンス監督(1971~)が、2013年の「ハンガー・ゲーム2」シリーズで組んだ今やスター女優のジェニファー・ローレンス(1990~)を主演に迎え、妖艶なロシアの女スパイ(レッド・スパローa0212807_07432693.jpg=娼婦然とした容姿と性フェロモンのハニートラップを武器に、敵国の要人を暗殺する女工作員、中世日本(戦国から江戸時代の女忍者 ‘くノ一’ と同じ使命)ドミニカを演じています。
少女だったジェニファー・ローレンスもいまや 28歳の女盛り、私は、2008年18歳のデビュー映画「早熟のアイオワ」と「あの日、欲望の大地で」、2010年20歳の時に主演した「ウィンターズ・a0212807_07434489.jpgボーン」でジェニファー・ローレンスが、演じた気丈ながらも屈折した少女の面影を残す娘役の印象強く、あれから早10年2018年の最新作「レッド・スパロー」で見せた身長175㌢の成熟した女性28歳の‘フルヌード’に、内心うれしいやら、正直とまどうやら、ジェニファー・ローレンスの妖艶な女スパイ ドミニカは、ミスキャスト(ジェニファーの責任ではありませんが)のような気が、しa0212807_07434239.jpgました。
彼女が、恋に落ちるCIA工作員ネイトを演じるのは、ジョエル・エドガートン(1974~、2016年に主演した「ラビング 愛という名前のふたり」は秀逸)、姪のドミニカをレッド・スパローにするロシア情報庁副長官ワーニャ役をベルギーの俳優 マティアス・スーナールツ(1977~、2010年ベルギー映画「闇を生きる男」、2012年フランス映画「君と歩く世界」)、冷徹なスa0212807_07441069.jpgパイ養成所の教官にシャーロット・ランプリング(1946~)、ロシアの将軍をジェレミー・アイアンズ(1948~)、闇の政商ザハロフ役にキーラン・ハインズ(1953~)とそうそうたる名優と女優が、脇で支えています。
映画のプロットは、ボリショイ・バレエのプリマドンナだったドミニカが、公演中に仲間の仕組んだ事故で足を骨折、バレリーナの道を断たれた彼女は、仲間二人を惨殺しa0212807_07441704.jpgました。
ロシア情報庁副長官の叔父ワーニャは、ドミニカの女としての魅力に目を付け、彼女の母が、難病で治療の継続を条件に姪であるドミニカをレッド・スパロー(ハニー・トラップの女スパイ)にするためにロシアの国家スパイ養成所に送りました。
彼女の最初のミッションは、アメリカCIA機関に接近してロシアに潜む反逆スパイを摘発することでした。
a0212807_07442010.jpgしかし、その過酷なミッションの遂行中、彼女の命は、CIAだけではなくロシア政府の秘密組織からも狙われました。
女性ハード・アクション映画は、1990年のフランス映画の傑作「ニキータ」以来、少しずつ増える傾向にあったものの、お下品ネタの絶えないアメリカ大統領の登場で、その製作数を間違いなく増やしているように思います。
a0212807_08055903.jpg理不尽な悪漢 および悪徳犯罪者たち ならびに反社会的な暴力男らを痛快に打倒(始末)していくプロットは、どれも定番ながら社会的地位を笠に ‘ワイセツなセクハラを繰り返す男ども’ に泣き寝入りしていた女性たちが、「Me Too」と声をあげたり、女性軽視の風潮に「Enough」と主張していることなどもそのきっかけになっているのだろうと思います。  (上写真 : 撮影中のジェニファー・ロレンス)

# by blues_rock | 2018-04-16 04:16 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
福岡市のチベットと揶揄(からか)われる私の村、柏原からマイ・カーで、長丘~小笹~福岡市 動・植物園を経由し、天神や薬院へ向かう(朝夕の通勤・通学時間を外せば、最短距離の最短時間)とき、あるいは、福岡市 動
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・植物園から桜坂経由で六本松に出るときなど県道555号線ルートで出かけます。
この県道555号線を桧原から小笹(右折し平尾に向かうと山荘通り)への両沿道には、いろいろな飲食店や日用
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品を商う店が、並び賑わっています。
私は、‘とんかつ’を食べたくなると、長尾中入口交差点そばにある「とんかつ 廣(ひろ)」に立ち寄ります。
a0212807_10450852.jpgヒレかつ、ロースかつ、おろしかつ、かつカレー、かつどん、などメニューにあるもの どれを選び 何を食べても ‘美味しんぼ’ です。
豚肉は、厚切りで柔らかくジューシィで、さくさくとしたキツネ色の衣が、口当たり良く、食味感満点です。
行きでも帰りでも食事時間に県道555号線を車で通られる(バスなら56~59番「上長尾」停下車すぐ)ことあれば、お薦めいたします。

# by blues_rock | 2018-04-14 00:04 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
第二次世界大戦の戦中と戦後、イギリス首相であったウィンストン・チャーチル(1874~1965没享年90歳)ほど、毀誉褒貶(きよほうへん)の多い、個性的な(自我の塊のような)破格の政治家(カリスマ的な人気は、今でも
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NO.1)は、いないでしょう。
チャーチルは、若いころ軍人を目指しますが、26歳で国会議員になると保守党と自由党を行き来し首相に推挙
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されるや保守党の宿敵である労働党を抱き込み、第二次世界大戦中の1940年5月、挙国一致内閣を組閣し、独裁者ヒトラー率いるナチスドイツ相手に戦況不利な中、背水の陣でイギリス軍の形勢を立て直し、アメリカとソ連
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の軍事大国をイギリス・フランスの連合国に引き入れドイツ・イタリア・日本の枢軸国を敗戦に追い込む稀代の国際政治家でした。
a0212807_16204386.jpg映画のサブタイトルにある ‘ヒトラーから世界を救った男’ は、歴史を後付けした言い回しであって、当時のチャーチルは、政治家としての秀でた才能であった演説(言葉)で国民の愛国心を鼓舞しナチスドイツのイギリス侵略(ブリテン島侵攻)を阻止しつつ ヨーロッパの戦争に参戦するつもりのないアメリカを 第二次世界大戦に参戦させ、a0212807_16211869.jpgノルマンディへの上陸作戦を転機にヒトラー率いるナチスドイツ軍を敗戦に追い込んだのであって、‘ヒトラーから世界を救う’ ためではなく大英帝国の滅亡を阻止するためでした。
前任のチェンバレン首相は、イタリア(ムッソリーニ)を介してヒトラーとの和平交渉を試みますが、相手にされず辞任、主戦派チャーチルは、敗戦も覚悟のうえで、ヒトラードイツとの決戦をa0212807_16213200.jpg決断しました。
チャーチルは、親の代からの借金と併せ自分の豪奢な生活で借金を重ねイギリスのユダヤ系金融財閥ロスチャイルド家などから多額の借金が、あることもあってイギリスのユダヤ人に友人も多く、シオニストでしたので、ユダヤ民族を迫害し虐殺するヒトラーを嫌悪した政治家でした。
a0212807_16212363.jpgチャーチルは、どこにそんな時間が、あったのかと思うくらい ヨーロッパ史に関わる膨大な自伝を著作しノーベル文学賞を受賞、さらに日曜画家としても 500枚以上の油絵を描き、ピカソから画家になれると評されたほどの絵の腕前でした。
チャーチルといえば、葉巻、大変なヘビースモーカーで酒豪(食事でシャンペン1本空け昼間ウィスキー、夜ブランデーを毎日飲んa0212807_16213641.jpgでいた)、猫背で肥満ながら 運動のために早足で歩くチャーチルを名優の ゲイリー・オールドマン(1958~)が、‘まるでウィンストン・チャーチルその人’ のように、じつにリアルに演じています。
ゲイリー・オールドマンの面影は、目に少しあるくらいで、60代半ばのウィンストン・チャーチルを名演したことでアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。
a0212807_16214088.jpg同時にゲイリー・オールドマンを見事 ‘ウィンストン・チャーチル’ に変身させた特殊メイク・アーティストの辻一弘(1969~)が、アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しました。
監督は、イギリスの名監督ジョー・ライト(1972~、2005年「プライドと偏見」、2007年「つぐない」)です。
a0212807_16214636.jpgライト監督の演出は、切れ味(テンポ)が、よく、チャーチルを追うフランスの名撮影監督 ブリュノ・デルボネル(1959~、2001年「アメリ」、2007年「アクロス・ザ・ユニバース」、2011年「ファウスト」、2013年「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」)は、撮影カメラを駆使し、時代のリアリティあふれる映像を撮っています。
a0212807_16215082.jpgチャーチルの秘書(タイピスト)役にリリー・ジェームズ(1989~、2016年「偽りの忠誠 ナチスが愛した女」、2017年「ベイビー・ドライバー」)、チャーチルの愛妻クレメンタイン役を個性派女優のクリスティン・スコット・トーマス(1960~)、2010年映画「英国王のスピーチ」の主人公であった吃音の国王ジョージ6世役にベン・メンデルソーン(1969~)が、それぞれ秀逸に演じています。
a0212807_18350162.jpg映画は、外交の失敗で辞任したチェンバレン首相の後任に、貧乏クジを引くような首相の適任者は、おらず、イギリス政界の嫌われ者であったチャーチルに首相の白羽の矢が、立つところから始まります。
国王ジョージ6世も偏屈なチャーチルの相手をするのが、イヤで冷たい態度でした。
しかし、首尾一貫してヒトラーとナチスドイツへの徹底抗戦を訴えるチャーチルしか イギリスの首相として戦時下a0212807_18350792.jpgの国家を率いる適任者は、いなかったのです。
そのころ フランス軍と連合し西ヨーロッパでナチスドイツ軍と戦っていたイギリス軍は、敗退しフランスのダンケルク海岸に追い詰められ全滅の危機を迎えていました。
チャーチルは、首相になるや ‘ダンケルク’ にいるイギリス将兵ほか40万人の救出(救出されたのは33万人)作a0212807_18351165.jpg戦を国家総動員令で実施しました。
現在公開中の話題作映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」は、1940年5月から6月にかけて首相になったばかりのチャーチルを描いています。
ゲイリー・オールドマンいわく、1945年2月、クリミヤ半島のヤルタで、ドイツと日本に勝利した後の覇権(世界の領土分割)をイギリス首相のチャーチル、アメリカ大統領のa0212807_18465636.jpgルーズベルト、ソ連共産党書記長のスターリンが、密会し協議したヤルタ会談(3国秘密協定)の映画製作企画もあるのだとか ‥ いま世界の至る所で起きているすべての領土紛争の原因は、この3者によるヤルタでの秘密協定によるものです。
ぜひ歴史に忠実なリアリティのある映画にして欲しいと強く思います。

# by blues_rock | 2018-04-12 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
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「ペンダゴン・ペーパーズ/最高機密文書」の原題は、「The Post」、つまり新聞社の‘ワシントン・ポスト紙’のこと、先に公開された新作「ザ・シークレットマン」で、ワシントンのポトマック河畔にあるウォーターゲート・ホテルに設営された民主党選挙対策本部へ5人の男たち(元CIA工作員と元FBI捜査官)が、1972年6月17日の深夜、忍a0212807_01365295.jpgび込み盗聴機を取り付けようとして逮捕された‘ウォーターゲート事件’の顛末が、描かれ、現在公開中の「ペンダゴン・ペーパーズ/最高機密文書」では、その前ぶれとなる1971年のベトナム戦争に関わる国家最高機密文書(ペンダゴン・ペーパーズ)漏洩事件が、描かれています。
映画は、実話に基づく社会派政治サスペンスそのものでベトナム戦争にアメリカが、介入して17年、戦況は、日a0212807_01363182.jpgに日に悪化するばかりで 北ベトナムと戦う南ベトナム政府と軍に戦争の当事者能力は、ありませんでした。
そんな中、アメリカの国内では、若者を中心とした反戦気運の高まりで、大規模な反戦デモが、起きていました。
アメリカ国防総省(ペンタゴン)は、ベトナム戦争について介入時より客観的な調査と分析を行ない文書(最高機密文書)にして保管していましたが、ベトナム戦争の長期化(敗戦が濃厚な泥沼化)により文書は、7000枚という膨大な量になっていました。
a0212807_01363512.jpg1971年のある日、その文書のコピーが、国防総省(ペンタゴン)から流出、ニューヨーク・タイムズは、いち早く最高機密文書の一部を入手(スクープ)し報道しました。
ライバル紙のニューヨーク・タイムズに出し抜かれたワシントン・ポストの編集主幹 ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス 1956~)は、焦り、残りの最高機密文書を独自に入手するや急ぎ報道しようとワシントン・ポスト紙の社主で発行人責任者のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ 1949~)に許可を求めました。
a0212807_01363950.jpgニクソン大統領は、最高機密文書の漏洩が、スパイ防止法違反に当たるとして警告、あらゆる手段で、ワシントン・ポストの記事掲載を阻止しようとしました。
ホワイトハウスを敵に回して‘報道の自由’の信念を貫くのか、ワシントン・ポスト紙の発行人責任者である社主キャサリンと編集主幹ベンは、その決断を迫られました。
アメリカ政府は、スパイ防止法違反として記事の差し止めを求め裁判所に提訴するも敗訴、このことでアメリカa0212807_01364294.jpg中の新聞が、ペンタゴン・ペーパーズ(最高機密文書)を報道、アメリカ国内の反戦運動に火を点けました。
映画は、深夜ウォーターゲート・ホテルの民主党選挙対策本部に何者かが、侵入しているところで終わります。
監督・製作は、巨匠スティーヴン・スピルバーグ(1946~)、撮影が、1993年の傑作「シンドラーのリスト」以来、スピルバーグ監督作品のすべてを撮影した名撮影監督ヤヌス・カミンスキー(1959~)です。
a0212807_01364750.jpgスピルバーグ監督は、「脚本を読んだとき、映画化まで2年も3年も待てない。すぐに映画化しなければならない。」と感じたそうで、時まさに現アメリカ大統領が、誕生した直後、スピルバーグ監督の呼びかけに優秀な映画人が、結集すぐに撮影に入りわずか半年で完成、スピルバーグ監督の映画で「最も短期間で完成した作品」になりました。
アメリカ合衆国 憲法修正第一条で保証されている報道の自由こそが、“この国の未来を守る” との心意気は、a0212807_01365479.jpgわが忖度する国民に決定的に欠けているものでしょう。
余談ながら、当時のニクソン大統領は、あろうことかペンタゴン・ペーパーズ報道差し止め裁判の担当裁判長に対し「FBIの長官になりたくはないか」と懐柔しようとしたとか、なんだか娘と娘婿しか信じられらくなった現大統領が、だんだんニクソンに似てきているように思います。
(上写真 : スピルバーグ監督 中央と打合わせる メリル・ストリープ 左と トム・ハンクス 右)

# by blues_rock | 2018-04-10 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)