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心の時空

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a day in my life

a0212807_12245985.jpg映画(モノクロ映像)は、ソル・ナザーマンの回想シーンから始まり、まず東ヨーロッパののどかな田園風景と川のそばで楽しそうにピクニックをしている家族を映します。
2人の子供が、野原ではしゃぎながら父親に駆け寄ります。
それを美しい母親が、慈愛に満ちたやさしい笑顔で見守っています。
まさしく幸福を絵に描いたようなシーンです。
a0212807_12385485.jpg突然、ここから映画は、暗転します。
何かの物音を耳にした父親が、その方向に目を向けると彼の表情は、恐怖に変わりました。
主人公のソル・ナザーマンは、悪の独裁者ヒトラー率いるナチスにより大学教授の職を奪われ、愛する家族とも離れ離れになり、ユダヤ人強制収容所に収容された暗い悲惨な過去を持っていました。
それから20余年経ったニューヨークでソル・ナザーマンは、過去のすべてに蓋をして質屋を営みながら、抜け殻a0212807_12383182.jpg同然にひっそりと暮らしていました。
しかし、強制収容所での惨憺たる壮絶な記憶は、腕に刻まれたユダヤ人収容者番号「64304」と同様、消えることなく、しばしば、彼を苦しめました。
主人公のソル・ナザーマンを演じる往年の名優ロッド・スタイガー(1925~2002)が、すばらしく ‘ソル・ナザーマンその人’に憑依したような会心の演技をしています。
ロッド・スタイガーは、1967年の名作「夜の大捜査線」でアカデミー賞主演男優賞とベルリン国際映画祭男優賞を受賞しています。
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共演は、往年の名女優ジェラルディン・フィッツジェラルド(1913~2005)が、ソル・ナザーマンに好意を寄せる社会福祉事業家を、一人生き残った義理の息子ソルを憎んでいる虐殺された亡き妻の父で寝たきり老人の役をルメット監督の実父が、それぞれ脇で名演しています。
a0212807_12384637.jpgいまや名優のモーガン・フリーマン(1937~)が、エキストラで出演しているようながら私には分かりませんでした。
傑作映画「質屋」を不朽の名作にしているのは、名撮影監督ボリス・カウフマン(1897~1980、エリア・カザン監督の1954年名作「波止場」でアカデミー賞撮影賞を受賞)の陰影の美しいモノクロ映像と、いまや稀代の名音楽家として名を馳せるクインシー・ジョーンズ(1933~)が、初めて映画音楽監督を務めた記念すべきa0212807_12555006.jpg作品だからです。
クインシー・ジョーンズと云えば、何といっても当時22歳の彼が、アレンジャーとして制作に関わった1955年ジャズ・ヴォーカルの傑作「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」で、このLPレコードの名盤は、私の宝物、いつ聴いてもシビレます。

# by blues_rock | 2018-11-29 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_12232928.jpg「シネマの世界」を書き始めて7年半、今夜は、第900話記念としてアメリカ映画の名匠シドニー・ルメット監督(1924~2011)が、1964年に撮った傑作「質屋」を紹介いたします。
拙ブロク「シネマの世界」は、私が、見て感動した新作映画やこれまで見た映画で、傑作・秀作と思う作品を選び、映画ファンの方々と感動を共有したい優れた映画、何度も見ている名作、もう一度見たい旧作などその見どころを私の個人的な映画評を加えて書いているものです。
映画ジャンキーの私ながら ‘好き嫌い’ はげしく、ゴマンとある映画の中で私が、見ようと思う映画、見た映画は、ほんのわずかで、つい見てしまい、見なきゃよかった!と時間の無駄を後悔するハズレ映画も結構あります。
映画は、1893年にアメリカの発明家エジソンが、箱をのぞき込むキネトスコープ型を発明、それを見たフランスのリュミエール兄弟は、創意工夫し1895年現在(いま)のスクリーンに映すシネマトグラフ型を発明しました。
それから120年、映画の歴史は、まだ始まったばかりです。
その120年の間に膨大な数の映画が、製作されるも私の見た映画は、そのほんの一部で、その数などたかが、知れています。
a0212807_12241611.jpg時おり、「どんな映画を見ていますか? どんな映画が、好きですか?」と人から質問されますが、即答できず、監督・脚本・俳優 ‥ 撮影監督・音楽監督、美術(プロダクション・デザイン)やロケ地(ライン・プロデュー)などの話を始めると質問者は、もういいです!というような表情になるので、この人に映画の'すばらしさ'を語っても時間のムダとすぐに止めます。
「シネマの世界」は、私自身のため、やがて認知症を患う(後期高齢者の半数以上は、認知症か認知症初期症a0212807_12235920.jpg状を患う)であろう自分を予想し映画狂であった自分が、どんな映画を見ていたのか記憶の代わりに書き残しているブロクです。
閑話休題、シドニー・ルメット監督と云えば、何といっても1957年の記念すべき名作「十二人の怒れる男」が、まず挙げられます。
他に私の好きな作品をいくつか挙げるなら名優アル・パチーノを主演に撮った1973年作品の「セルピコ」および1975年作品「狼たちの午後」、そしてルメット監督の遺作となった2007年作品「その土曜日、7時58分」あたりが、a0212807_12243283.jpgすぐに頭に浮かびます。
「質屋」は、アメリカン・リアリズムの象徴のような作品で、この後に続く「俺たちに明日はない」などのアメリカン・ニューシネマの先駆けと云えなくもありませんが、映画のプロットに旧体制に対するアンチモラルや反体制へのテーゼは、ありません。
主人公の年老いたユダヤ人ソル・ナザーマンは、ニューヨークのスラム街で質屋を営んでいますが、頑(かたくa0212807_12244100.jpgな)に心を閉ざし、世の社会の出来事一切に無関心で、まわりの人たちとの世間話も拒絶していました。
彼は、「どんな人間も平等にクズ。 私は神を信じない。 芸術も科学も政治も哲学も信じない。」と感情の交流(コミュニケーション)をにべもなく拒否していました。 (後編に続く)

# by blues_rock | 2018-11-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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ドゥニ・ヴィルヌーブ監督(1967~)の2015年秀作「ボーダーライン」(原題「Sicario」殺し屋)の続編「ボーダーライン2 ソルジャーズ・デイ」が、公開初日、一夜限定で「ボーダーライン」と新作「ボーダーライン2 ソルジャーズ・
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デイ」(原題「Sicario: Day of the Soldado」殺し屋:兵士の日)をセットにして二本立ての特別上映、なんとバケツみたいな容器に入ったポップコーン(映画館で初めて食べました)とビッグサイズ・ドリンク付きで2、500円とは、うれしa0212807_18292168.jpgい限りです。
前作と同じく‘続編’の脚本もテイラー・シェリダン(1970~、「ウインド・リバー」は初監督作品)なので、続編「ボーダーライン2 ソルジャーズ・デイ」を見る前に、まず前作で描かれたアメリカとメキシコの国境(ボーダーライン)を舞台にFBI&CIAとメキシコ麻薬カルテルとの麻薬戦争の現実を知ることでマフィアにとって国境が、いかに非合法ビジネスの儲け(麻薬取a0212807_18293846.jpg引と不法移民のアメリカ密入国は、カルテルの権益)場所であるか、そのための容赦ない殺戮は、日常茶飯事で、そのリアルな殺人現場を辟易するくらい見てそのまま続編へ移行です。
新作「ボーダーライン2 ソルジャーズ・デイ」の監督は、イタリアのステファノ・ソッリマ(1966~)です。
a0212807_18304421.jpg脚本のテイラー・シェリダンと主役の二人(ベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリン)が、同じで異なるのは、演出(つまり監督)となるとどうしても続編のソッリマ監督と前作のヴィルヌーブ監督の作品を見比べてしまいます。
続編もまた最後まで筋の読めないスリル満点のハードアクション映画ながら、前作ヴィルヌーブ監督の一瞬も緊張の弛まない演出に対し続編のソッリa0212807_18293597.jpgマ監督は、主役の二人に潜在する微かな‘感情’を持たせているところが、ポイントと私は、感じました。
そして、決定的に違うのが、エンディングです。
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督演出の「ボーダーライン(Sicario 殺し屋)」のエンディングが、徹底した絶望のリアリズムであるなら、続編のステファノ・ソッリマ監督演出は、わずかながら人の感情(かすかな希望)をa0212807_18503332.jpg描いています。
撮影監督は、ポーランド出身の名撮影監督ダリウス・ウォルスキー(1956~、1993年作品「蜘蛛女」は、撮影監督2作目、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ1~4の撮影監督)で、前作のイギリスの名撮影監督ロジャー・ディーキンス同様、クールにしてシャープな映像を見せてくれます。
a0212807_18302403.jpg前作の音楽は、アイスランドの故ヨハン・ヨハンソン(1969~2018没、死因は、オーバードースと推察、享年48歳)でヴィルヌーヴ監督との相性抜群、「プリズナーズ」・「ボーダーライン」・「メッセージ」とヴィルヌーヴ監督作品の音楽監督でしたが、ソッリマ監督の新作では、亡きヨハン・ヨハンソン音楽監督の弟子であった同アイスランドの女性a0212807_18305930.jpg作曲家 ヒドゥル・グドナドッティル(1982~、当年36歳)が、今回ドラマ性の増した分、サウンドトラックの果たすべき役割を良く心得ていて、前作のノイジーな連続音基調の師ヨハン・ヨハンソンの音をベースにしながらも無機的重低音のビート中心であった師ヨハンソンよりもエモーショナルな雰囲気を醸し出すメロディアスな音階で作曲家 ヒドゥル・グドナドッティルのa0212807_18310675.jpg個性を発揮、彼女は、2015年のアレハンドロ・イニャリトゥ監督作品「レヴェナント 蘇りし者」の音楽でチェロを弾いています。
閑話休題、映画のプロットは、前述のとおりながら前作でメキシコの麻薬カルテルから妻子を惨殺された元検事で復讐心に燃える殺し屋アレハンドロを名優デル・トロ・ベネチオ(1967~)が、目的のためなら手段を問わないCIAの特別捜査官マッa0212807_18310284.jpgトをジョシュ・ブローリン(1968~)が、同一人物を続編でも演じています。
女優は、前作で二人にとことん利用されるFBI捜査官役のエミリー・ブラント(1983~)から、まだ十代の新人女優イザベラ・モナー(2001~)に交代、二人に拉致されるメキシコ麻薬カルテル ボスの娘イザベルを演じています。
ほかに続編にも登場するのは、CIA特別捜査官役の名脇役俳優ジェフリー・ドノヴァン(1968~)です。
a0212807_18310968.jpg続編は、CIA特別捜査官マットから依頼を受けた殺し屋のアレハンドロが、メキシコの国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテル組織同士の縄張り抗争を勃発させるためマットと連携、極秘裏に一方の麻薬カルテル ボスの娘を誘拐しカルテル同士の潰し合い作戦を遂行するというベタなストーリーながら前作と続編を続けて見ると監督二人の個性(演出の相違)が、良く分かり「一夜限定のボーダーライン 2本立て上映」は、大収穫でした。

# by blues_rock | 2018-11-25 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
福岡市中央区高砂にあった「ちゃんぽん かい乃」が、移転のため休店し早や1年3か月、糸島市二丈武で11月に新装オープンしました。
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チャンポン好きの私は、かい乃の再開店を首長くして待っていました。
新店「かいの」のチャンポンについては、4年半前の拙ブログ「ちゃんぽん かい乃」をご覧いただくとして、国道202号線a0212807_08081369.jpg(バイパス)を往還される方や近くにお住まいの方で鶏白湯(とりぱいたん)スープの‘美味しいチャンポン’を味わいたい方に所在地をご案内いたします。
道路から少し中に入りますが、202号線を唐津に向かって‘二丈武’の交差点(右前方にリョーユーパン野球場)を右折し道なりに少し行った右手にあります。

日・祭日が、休みで、営業時間は、11時~15時、ぜひ一度ご自分の舌でお試しください。

# by blues_rock | 2018-11-23 00:03 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
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先夜に続きフランスの名匠ロマン・ポランスキー監督(1933~)の1992年作品「赤い航路」を紹介します。
「赤い航路」の原題は、「Bitter Moon」で「Honey Moon(ハネムーン)」の反対語のような夫婦旅行と理解していただくa0212807_06262653.jpgと映画は、分かりやすいと思います。
映画には、二組の夫婦が、登場、この二組の夫婦は、豪華クルーザーの船旅で出遭い、親しくなるうちに次第にお互い相手の夫と妻に‘男と女の部分’を露骨に見せ始め、やがて屈折した性愛に発展していきました。
ポランスキー監督は、シニカルな夫婦の愛情劇を描いたと云うか、相当捻じれた男女の(夫婦の)愛憎と性愛をa0212807_06263276.jpg抉(えぐり)り出すように描いたエロチック・ミステリー映画の秀作です。
結婚7年目のイギリス人夫婦、ナイジェル(ヒュー・グラント 1960~)とフィオナ(クリスティン・スコット・トーマス 1960~)は、傍目に仲の良いまじめなカップルで7年目の愛を確認するために豪華クルーザーの船旅に出ました。
二人は、船の中で車椅子のアメリカ人作家オスカー(ピーター・コヨーテ 1941~)と、オスカーの若い妻ミミ(エマニュa0212807_06264815.pngエル・セニエ 1966~)に出遭いました。
ミミの妖しい雰囲気やクールな言動にフィオナの夫でマジメ男のナイジェルは、出遭った時から翻弄されました。
ナイジェルの妻フィオナも夫が、ミミに興味をもっていると女の直感で察し警戒するも車椅子のミミの夫オスカーは、ナイジェルに「私の妻を抱きたいa0212807_06265404.jpgだろ? 正直に言ってみろ。」とナイジェルを挑発しました。
そして‥これから後の展開は、映像ならではの夫婦二組の愛憎と男女(夫と妻)のエロチックなシーンが、続きますので
‘この夫婦’の精神構造を理解したい方は、映画をご覧ください。
ヒュー・グラント演じる顕在化した男の性愛、ピーター・コヨーテの屈折した車椅子の初老男が、見せるサディステックな性愛への偏狂、クリスティン・スコット・トーマスは、他の女に興味をもつ夫への嫉妬による妻の乱心を、a0212807_06265904.jpgエマニュエル・セニエ演じる妖艶なエロチック女ぶり‥など、いずれも秀逸な演技でお薦めしたい映画です。
劇中のセリフが、すばらしく、「好きの反対語は、嫌いではない、好きの反対語は、興味がない」とか、「憎しみ合うために結婚する」、さらに「便利な女か 不要な女だ」とか、「世の中で一番悲しいことは、誰にも相手にされないことだ」と続きます。
憎しみ合える関係を結べた夫婦(男女)は、‘運命の人’(男ならばファムファタル)と出遭ったのだとポランスa0212807_06270234.jpgキー監督のつぶやく声が、聞こえるようです。
劇中、インド人の父親と娘(少女)が、時おり登場するのは、ポランスキー監督の演出の妙で、この屈折した夫婦の性愛(愛憎)ドラマに良い塩梅のバランス(社会の現実に引き戻す)役をしているように思いました。

# by blues_rock | 2018-11-21 05:55 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_06243090.jpg名匠にして鬼才監督ロマン・ポランスキー(1933~)は、ユダヤ系ポーランド人で幼年期ナチスドイツに侵略支配されたポーランドの古都クラクフのユダヤ人ゲットー(強制収容所)で育ちました。
父親は、幼い息子ロマンをゲットーから脱出させると強制収容所に送られました。
生き別れた母親が、アウシュビッツ強制収容所で虐殺され、父親は、別の強制収容所へ送られるも採石場での強制労働により戦後まで生き延び再会しています。
戦争難民としてフランスへ亡命したロマン少年ですが、ここも安住の地ではなくナチスドイツに支配された傀儡のフランス政府による「ユダヤ人狩り」で逃亡生活を余儀なくされました。
ロマン・ポランスキー少年期の精神的肉体的な艱難辛苦(かんなんしんく)は、映画監督になり彼の映像表現に大きな影響を与えているように思います。
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戦後ポーランドへ帰還し大学で映画制作を専攻、俳優になりますが、フランスのヌーベルヴァーグを想わせる1962年の長編映画デビュー作「水の中のナイフ」で監督になりました。
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共産党独裁の社会主義国家ポーランドで「水の中のナイフ」は、無視されますが、アメリカやヨーロッパで絶賛されました。
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1963年、イギリスに亡命したロマン・ポランスキー監督は、1965年に新人女優カトリーヌ・ドヌーブを主演に迎えて撮った「反撥」が、好評で鬼才ロマン・ポランスキーの名は、またたく間に西側世界に広がりました。
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その後アメリカに渡り、1968年「ローズマリーの赤ちゃん」、1974年「チャイナタウン」、1979年「テス」、1988年「フランティック」、1992年「赤い航路」など話題作(数々の名作)を発表しました。
a0212807_06254209.jpgポランスキー監督は、アメリカ長期在住中スキャンダラスな事件にいくつも遭遇、それに翻弄され続けプライベートが、保てなくなりフランスへ移住し1989年、33歳年下のフランスの女優エマニュエル・セニエ(1966~)と結婚、二人の子供にも恵まれ家庭的に安定、85歳の今も元気に映画製作に励んでいます。 (最後の写真 : ボート上のラブシーンを撮影しているポランスキー監督、中央)

# by blues_rock | 2018-11-19 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
木胎や紙胎に漆を塗って漆器や漆調度品する匠(たくみ)を塗師(ぬし)と称します。
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石川県奥能登で漆工房を営む塗師赤木明登さんの作品展が、早良区石釜の「クラフトの店 梅屋」で開催されたので見に行きました。
a0212807_14434801.jpg赤木さんは、家庭画報編集者のとき、漆器に出会い感動し輪島に移住され、漆職人の修行をして独立、塗師作家として胎に和紙を貼り、その上に漆を塗った個性的な独特の作風(スタイル)を確立しました。
見た目の美しさは、当然のことながら、その本当の良さが、実感できるのは、器を手に持ったときです。
輪島塗の製造工程は、各工程のスペシャリスト(名工)が、分業していて、あの非の打ち所のない輪島漆器を完成させます。
だが、赤木さんの作品は、同じ輪島塗漆器でも赤木さんの作家性(個性) が、色濃く反映されています。
実際、梅屋で多くの器を手にしてみて私は、赤木漆器の魅力が、良く解りました。
その前に石釜に着いたのが、ちょうどお昼でしたので、そのまま三瀬トンネルを抜けて神崎脊振の遊山へ蕎麦を食べに行きました。
遊山のまわりは、深い秋で紅葉(もみじ)が、美しい季節でした。
この日、私が、食べたのは、割り箸くらいの太さでコシのある十割手打ち蕎麦「ごんくれ」(一日10食限定)です。
そのしっかりした歯応え(食感)と蕎麦の風味(味わい)は、なんだか病み付きになりそうです。
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食後にすっかり色づいた遊山裏庭の紅葉(もみじ)を眺めながらしばらく散歩しクラフトの店梅屋に向かい赤木明登さんの漆器をゆっくり拝見、感動いたしました。
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# by blues_rock | 2018-11-17 00:07 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
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今年の秋は、例年になく良い映画の公開が、続き、拙ブロクの‘シネマの世界’も見た順序ではなく、旧い名作と併せ、私の気分とキーボードの趣くまま、いくつかの作品を同時に書いていますので映画の時間軸は、バラバラ
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です。
10月に見たフランス映画「負け犬の美学」(原題「Sparring」)も珠玉の作品でした。
a0212807_11010757.jpgサミュエル・ジュイ監督(1975~)は、この映画が、長編監督デビューとか、されど初演出とは、思えない情感溢れる好いシーンを随所で見せてくれます。
主演は、名優にして名監督であるマチュー・カソヴィッツ(1967~)が、戦歴49戦13勝33敗3引き分けという引退間際の中年ボクター、a0212807_11011626.pngスティーブを渋く演じ、彼の信念 ‘負け犬の美学’をさすがという演技で見せてくれます。
45歳になるスティーブは、生活のため家族のために、時おり声のかかる前座試合に出場し、ボロボロになりながらボクシングを続けていました。
a0212807_11014139.jpg愛する妻と子供たち(娘と息子)が、彼の宝でボクシングに敗れても人生に負けたわけじゃないという信念をもってボクシングを続けていました。
ある日、スティーブは、ボクシング仲間の誰もが、敬遠する欧州チャンピオン、タレク・エンバレク(ソレイマヌ・ムバイエ1975~、元WBA世界スーパーライト級チャンピオンなのでリアリティと迫a0212807_11014842.jpg力満点)の‘スパーリングパートナー’の仕事を耳にし、愛する娘の将来(パリの学校でピアノを学びたいという娘の夢)のために回りが、止めるのも聞かずスパークリング(Sparring)相手として打たれ役を引き受けました。
a0212807_11015212.png当然のことながら映画には、多くのファィティング・シーンが、登場し前述のとおり元世界チャンピオンのソレイマヌ・ムバイエは、映画初出演ながらスティーブ役のマチュー・カソヴィッツを相手にリアルなボクシングを披露、二人のファィトシーンが、圧巻で劇中の家族ならずとも映画を見てa0212807_11172041.jpgいるこちらまで‘見ちゃおれない’心境になりました。
ボロボロになりながらスパーリングパートナーをやり遂げたスティーブをチャンピオンは、見直し(大いに評価し)スティーブにとって50戦目となる‘引退試合’を提案しました。
a0212807_11222190.jpgスティーブは、愛する家族と「自分の引き際」のために闘う決意をしました。
今まで自分のボクシングを見たがる娘が、試合に来ることをスティーブは、認めませんでしたが、自分の父親を友だちやまわりから‘負け犬’と揶揄(からか)われ、それにじっと耐えてきた愛娘オロールをリング脇に座らせ最後に渾身の思いでボクシングをしました。
a0212807_11172308.jpgオーディションで選ばれた娘オロールを演じる少女俳優ビリー・ブレインの無垢な笑顔と父親を心から愛する純真な眼差しが、じつに秀逸で、この父と娘(親子)を見るだけでも「負け犬の美学」は、見る価値が、あります。
a0212807_11021121.jpgスティーブの妻でオロールの母マリオンを演じる女優オリヴィア・メリラティ(1982~)の二人に間合いを取ったクールな、されど深い慈愛に満ちた視線や立ち振る舞い(演技)もこの映画の引き立て役でしょう。

# by blues_rock | 2018-11-15 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_10250914.jpg現在公開中の「華氏119」は、これまで2002年「ボウリング・フォー・コロンバイン」で、政治に大きな権力をもつアメリカ・ライフル協会を、2004年「華氏911」で、当時のブッシュ大統領を、2009年「キャピタリズム マネーは踊る」で、ウォール街(金融資本家たち)を、リアリズム映像を駆使し痛烈に批判し、コケにしてきたドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーア(1954~、監督・製作・脚本・出演)が、今回は、先の11月6日アメリカ議会選挙と知事選の中間選挙に向け、反トランプを鮮明にしてアメリカにおける民主主義崩壊の危機をプロットにして撮ったドキュメンタリー映画の怪作です。
a0212807_10254781.jpg華氏119」の119は、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントンが、得票数で286万票(福岡市人口の1.9倍)上回りながら共和党候補のトランプに破れ‘得票数の少ない’トランプが、勝利宣言した11月9日を表しています。
ちなみに「華氏911」の911は、アメリカ国民ならずとも世界中の人が、知っているアメリカと世界を震撼させたアメa0212807_10263703.jpgリカ貿易センタービル(ツインタワー)航空機自爆テロ事件発生の9月11日を表しています。
2016年11月9日までメディアや調査機関のほとんどが、ヒラリー候補の勝利を予想する中、ムーア監督自身は、反トランプながらその一か月前の10月18日に「トランプランド」というドキュメンタリー映画を発表、早くも悪しきトランプ新大統領の誕生を予a0212807_10264347.jpg言していました。
なぜか?
アメリカ中西部のラストベルト(錆び付いた地域)と称されるミシガン州フリント市出身のムーア監督は、父親も祖父も自動車工場で働く組立工労働者(ブルーカラー=民主党のシンボルカラー)でした。
a0212807_10264643.jpgそれまで中西部(ラストベルト)は、民主党優位の州でブルー・ステイツ(州)でしたが、この地域に住む保守的で白人中間層の有権者は、民主党大統領候補のヒラリーを支持していないことを宗教心の強い(敬虔なカトリック信者)ジャーナリストでドキュメンタリー作家マイケル・ムーアの‘現地・現場・現実’を明晰に見る目(慧眼)は、ワシントa0212807_10264985.jpgンやニューヨークにいると見えない彼らの気持ち(ポピュリズム)を見抜き 肌で感じていました。
人種差別を公言し独善で独裁志向のトランプが、劇中ムーア監督に「私の映画は、撮らないでくれよ」と懇願するシーンや女癖悪くワイセツなスキャンダルの絶えない父トランプと娘イヴァンカとの近親相姦的なスキンシップ(父親がいつも娘の腰やお尻に手を置いている)と卑猥な会a0212807_10265405.jpg話などムーア監督の容赦ない反(嫌)トランプの映像は、徹底しています。
これが、中国、ロシア、中東アラブのイスラム諸国、北朝鮮などアジア・アフリカの独裁国であれば、とっくの昔、ムーア監督は、暗殺か反逆罪で処刑されていることでしょう。
映画は、巨額の国税を使い既得権益(富裕層・資本家)に譲歩を重ね、労働者を見棄てた当時のオバマ大統領、ヒラリー(元国務a0212807_10265749.jpg長官)民主党大統領候補への視線も手厳しく、最後まで民主党の大統領予備選で、ヒラリーの対抗馬として民主党員に人気のあったバーニー・サンダース上院議員をヒラリー派の民主党首脳が、排除したことなども鋭く指摘しています。
民主党・共和党を含め、ポストオバマ大統領選出の大統領予備選全候補の中で、唯一アメリカ保守白人中間層に向けの(テレビ番組で鍛えた嘘八百の暴言・虚言を駆使した)パフォーマンスでワシントン(政治家)とニューヨーク(金融資本家ら)の既存体制(エスタブリッシュメント=支配階級)ならびにa0212807_10270848.jpg既存メデイアに罵詈雑言を浴びせ批判し喝さいを浴びたポピュリスト候補トランプ人気と彼を当選させたアメリカ社会の劣化に鋭く斬り込んでいきます。
映画は、またリベラルな価値観を信奉するリベラリストのムーア監督が、故郷ミシガン州フリントの水道水汚染問題を俎上にのせ、ミニ・トランプの様なミシガン州知事をアポなし突撃インタヴュー、フリント市民の水道水汚染によa0212807_10271273.jpgる健康被害データの改ざんを痛烈に告発しています。
返す刀でムーア監督は、当時のオバマ大統領が、ミシガン州健康被害データの改ざんに協力したかのような誤解を与えるフリントの水道水を飲むパフォーマンスを冷ややかに映し、さらにウェストバージニア州の教職員ストを突撃リポートし支持を表明する映像、フロリダ州では、退学a0212807_10451804.jpgさせられた元高校生が、恨みを晴らすためM16自動小銃ライフルを高校に持ち込み乱射、17名の高校生と学校職員を殺した事件に対し、事件後まわりの大人たちの妨害に屈せず高校生たち自ら銃規制を訴える活動にムーア監督は、密着取材し積極的にその活動を支援しています。
a0212807_10271578.jpgムーア監督は、先の11月6日中間選挙を前に「うんざりして諦めたとき独裁者が、現われる」と、あえて煽情的なプロパガンダ手法で撮影し、2年後の2020年に2期目4年の大統領改選を迎えるトランプにナチスドイツの独裁者ヒトラーの映像を重ね合わせアメリカ国民へ「自分たちの民主主義を守る」行動を呼びかけ、徹底した反トランプのa0212807_10534959.jpg熱血漢として真っ向勝負を挑んでいます。
その中間選挙の結果は、皆さんご存知の通りです。
字幕の監修をジャーナリストの池上彰氏が、担っているのもこの映画のポイントです。

# by blues_rock | 2018-11-13 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
a0212807_05083700.jpgパイプオルガンの原理は、巨大な管(くだ、パイプ)を天に向かって数多並べ(NHKホールのパイプオルガンは、7,600本とか)、管に空気を送り、音栓(ストップ)と手足による鍵盤(キーボード)操作で音を創る(旋律を奏でる)楽器です。
11月10日土曜日午後、福岡女学院のギール記念講堂で「パイプオルガンとトランペットの出遭い」コンサートが、開催されましたので、つぶさに‘パイプオルガン’を見ようと演奏者(パイプオルガニストの野美山由加里さん)の背後席から演奏の様子を観察しました。
すごい! 鍵盤のうえを演奏者の指が、生き物のように動き回り、二本の足は、12本の鍵盤バーを飛び跳ねるように動き、演奏者の音魂(おとだま)が、宙(そら)を飛び交い、カッチーニ(1551~1618)、バッハ(1685~1750)、メンデルスゾーン(1809~1847)の音魂(音楽)となって聴衆に舞い降りて来ます。(参考:「フェルメールの楽器」 )
演奏曲目は、トランペットとの楽曲と合わせ全8曲、私が、知っている曲は、「カッチーニのアベマリア」、「バッハのトッカータとフーガ」くらいながら、初めて聴く曲も新鮮な感動が、ありました。
作曲もする野美山由加里さんが、サプライズでプログラムにない現代音楽(作曲家不明)を演奏してくれ、これに私は、一目ならぬ一耳惚れでグサッと私のハートに刺さりました。
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私が、映画監督なら次作のサスペンス・スリラーか、サイコ・ホラー映画のサウンド・トラックに使いたいな。
しかし、‥ 悲しいかな、ただの映画好き、されどモッタイナイので、ロマン・ポランスキー監督か、フランソワ・オゾン監督に推薦しようかな。

# by blues_rock | 2018-11-11 01:11 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
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伝説のロックバンド‘クイーン’のリード・ボーカル(楽器は、ピアノ・ギター) フレディ・マーキュリー(1946~1991没、エイズ発症により気管支系肺炎で病死、享年45歳)の伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、11月9日公開をa0212807_03551308.jpg前に11月8日夜、IMAXプレミアム・レイトショウとしてキャナルの映画館で上映され私は、居ても立ってもおられずに出かけました。
IMAXの大画面と大音響で聴く「クイーン」のすばらしいこと!心底、感激しました。
とくに1985年、アフリカの子供たちの飢餓救済チャリティ・ロックコンサート“ライブ・エイド” クイーン21分のパフォーマンスをそのまま再現した映画ラa0212807_03553629.jpgストのシークエンス(シーンの連続)は、最高でした。
この音源は、クイーンのパフォーマンスのようでフレディが、ピアノを奏で「♪ママァ、ウゥウー」と歌うと、「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞のシリアスな意味と相俟って涙もの、もういけません。
映画の中で再現される1985年ライブ・エイドでクイーンが、演奏するのは、「ボヘミアン・ラプソディ」、「レディオ・ガガ」、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」、「伝a0212807_03551660.jpg説のチャンピオン」など代表曲にして名曲ばかり、クイーンファンならずともロックファン必見の映画です。
ちなみに、いま女性のロックミュージシャンで最高のエンターテイナーと評されるレディー・ガガの名前は、クイーンの名曲「レディオ・ガガ」に由来しています。
監督は、1995年に秀作「ユージュアル・サスペクツ」を撮ったブライアン・シンガー監督(1965~)です。
a0212807_03552061.jpg主人公のフレディ・マーキュリーを演じるのは、ラミ・マレック(1981~、2013年秀作「ショート・ターム 12」新人スタッフのネイト役)で、まるでフレディ・マーキュリーが、憑依しているかのような熱演を見せてくれます。
名ギタリストで天体物理学博士でもあるブライアン・メイ(1947~、ピックではなくコインで弾く個性的なギターが、特徴)をグウィリム・リー(1983~)、ドラマーでコーラスa0212807_03554638.jpgのハイ・キー(ファルセット)を担う ロジャー・テイラー(1949~)をベン・ハーディ(1991~)、メンバー最年少ながらバンドにクールな存在感を示すベーシストのジョン・ディーコン(1951~)をジョセフ・マッゼロ(1983~、1993年「ジュラシック・パーク」で子役出演)と、まだ無名に近い俳優たちながら、それぞれ名演しています。
a0212807_03552357.jpgラミ・マレックが、演じるクイーン初期の髪の長いフレディ・マーキュリーは、どちらかというとローリングストーンズのミック・ジャガーに似ていて、髪を短くしたフレディ・マーキュリーになるとまるで憑依したようにそっくりでした。
私は、グウィリム・リー演じるブライアン・メイが、そっくりなのにも驚きました。
a0212807_03554320.jpgフレディ・マーキュリーは、インドからの移民を親に持つパキスタン系イギリス人の若者で空港の荷役仕事をするナイーヴな青年が、やがて人気ロック・ミュージシャンになるもその栄光は、彼の人生に暗い影を落とし心の闇も深くなり孤独に苛まれ苦悩します。
フレディの精神と肉体は、次第にアルコールとドラッグに蝕まれ、彼のバイセクシャルな(ゲイである)性癖によりa0212807_03560395.jpgHIVに感染、そして気管支系肺炎のエイズにより1991年11月24日に亡くなりました。
フレディ・マーキュリーの元恋人で、終生彼の親しい友人であったメアリー・オースティン役のルーシー・ボーイントン(1994~)、最後の恋人(パートナー)であったジム・ハットン役のアーロン・マカスカー(1978~)も脇で好演しています。
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現在公開中の「ボヘミアン・ラプソディ」は、音楽総監修をブライアン・メイとロジャー・テイラーの二人が、担当しているのでライブの臨場感(‛クイーン’サウンドのリアリティ)たるや すばらしく、クイーンファンならずともロックファンにも感涙ものです。

# by blues_rock | 2018-11-10 00:10 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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初夏に創り始めた陶の風鈴が、晩秋になりやっとできあがりました。
玄洋窯で硬く(1250度くらいで)焼成してもらい、私の想像よりも 清んだ好い音で、チリンチリンと 鳴ります。
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さりとて季節は、間もなく冬、窓辺に吊るした風鈴が、木枯らし吹くとき ♪毎日 吹雪 吹雪 氷の世界~ぃ ♬ と、鳴るのかな?(‥独り言です。)
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(上写真、西日本新聞記事から : 明日11月10日 土曜日の14時から、福岡女学院ギール記念講堂で ‛パイプオルガンとトランペットの出遭い’コンサートが、開催されますので、この機会に 迫力ある‛生のパイプオルガン’をお楽しみください。)

# by blues_rock | 2018-11-09 00:01 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
現在キャナルシティの映画館で公開中の「ハナレイ・ベイ」は、私の好きな女優‘吉田羊’が、主演しているので何としても見ようと思いました。
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吉田羊(1974~、福岡県久留米市出身、本名 羊右子 ようこ)を知ったのは、2016年映画「SCOOP!」で、初めて彼女を見て一目惚れ、テレビドラマに多く出演しているようですが、テレビを見ない私には、知る由もありませんa0212807_01340478.jpgでした。
松永大司監督(1974~)の作品を見るのは、この「ハナレイ・ベイ」が、初めてです。
松永監督は、主演の吉田羊に性格の反り合わず嫌いだった一人息子が、ハワイのハナレイ・ベイでサーフィン中にサメに襲われ突然亡くなっても涙一つ流さず気丈に振る舞うも喪失感を心の中に抱き続ける母親の深い悲しみを見事に表現させました。
a0212807_01341037.jpgサチ(吉田羊)は、亡き息子の命日になると必ずハナレイ・ベイへ行き息子の帰りを待つかのように海岸で本を読み、時おり海を見て過ごしていました。
息子の死から10年が、経ったある日、サチは、海岸で偶然知り合った若い日本人サーファーから「赤いサーフボードを持った右脚のない日本人サーファーが、ハナレイ・ベイの海岸にいる」という話を聞き、死んだ息子でないと分かりつつもa0212807_01342559.jpg海岸を探し回り、近くの住民に「片足のない日本人サーファーを見なかったか?」と訊ね歩きました。
息子は、なぜ自分の前に現れないのか、なぜ母親の自分に息子が、見えないのか、サチは、憑かれたように右脚のない日本人サーファーの姿を探しました。
a0212807_01342858.jpg映画のラスト、東京の街角でサチが、ハワイで知り合ったサーファーの若者から偶然声をかけられたとき生前、息子に言ってやれなかった「女の子をもの(恋人)にする方法は、3つ。 一つ、相手の話を黙って聞いてやること。 二つ、着ている洋服(ふく)を褒めること。 三つ、できるだけ美味しいものを食べさせてあげること。」を言い、映画は、ハナレイ・ベイ
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の海岸に佇み海を見ているサチを映して終わります。
まだ42歳ながらすでに名匠の域にある近藤龍人撮影監督(1976~、2010年「海炭市叙景」、2013年「私の男」、a0212807_01343517.jpg2014年「そこのみにて光輝く」、2016年「オーバー・フェンス」、2018年「万引き家族」と秀作を撮り続けている)の静謐な長回しカメラと松永監督の丁寧な演出、これに応える吉田羊の演技が、見事でサチの凛としてクールな表情の奥に潜む一人息子を亡くした母親の喪失感(哀感)を切なくも美しく表現しています。
この「ハナレイ・ベイ」は、すべからく女優‘吉田羊’を見るための映画です。
a0212807_09434743.jpg私の見果てぬ夢かも知れませんが、是枝監督映画に出演している‘吉田羊’を見てみたいと私は、思います。

# by blues_rock | 2018-11-07 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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2006年の政治サスペンス映画「ザ・シューター」からフークア監督は、映画のプロットに現在(いま)に至る権力(国家)の政治的な陰謀に絡んだハードでクールなアクション映画をコンスタントに撮るようになりました。
a0212807_10230793.jpg「ザ・シューター」の主人公は、政府秘密機関のダークなグループによって大統領暗殺未遂犯に仕立てられ命を狙われるという元アメリカ海兵隊軍曹スワガー(マーク・ウォールバーグ 1971~)です。
フォース・リーコン(武装偵察部隊)の優秀な狙撃兵であったスワガー軍曹は、狙撃の観測手を担う上等兵のドニーと北アフリカ砂a0212807_10233856.jpg漠の紛争地帯に前哨(ぜんしょう)として任務に就き、敵小隊の動きを止めるため敵兵を狙撃していました。
この砂漠の紛争地帯に前哨(ぜんしょう)シーンは、「ザ・シューター」公開の11年後、2017年にダグ・リーマン監督が、戦争シチュエーションパニック映画「ザ・ウォール」で詳しく描いていて、この映画も大変おもしろいのでお薦めします。
a0212807_10232435.jpgさて、スワガー軍曹とドニー上等兵が、前哨作戦に従事していた砂漠の紛争地帯は、上層部の情報と大きく相違し敵勢力が、圧倒的に大きく彼らは、敵の一斉攻撃を受け、ドニー上等兵は、戦死、スワガー軍曹も九死に一生を得て生き延びました。
a0212807_10233692.jpg政府と軍上層部に不審を抱いたスワガー軍曹は、軍を除隊し人里離れた山奥で隠遁生活をしていました。
それから3年経ったある日、元軍人でジョンソン大佐(ダニー・グローヴァー 1946~)と名乗る男が、スワガーを訪ねて来ました。
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彼は、天性の狙撃センスをもつスワガーに何者かが、大統領の全国遊説のとき遠距離から狙撃して暗殺するという不穏な動き察知したのでテロリスト(暗殺狙撃手)ならどこから大統領の命を狙うか、‘暗殺地点’を推察してa0212807_10255207.jpg欲しいというものでした。
頑なにスワガーは、依頼を拒否するも彼の中にある愛国心をくすぐられ協力することにしました。
だが、ジョンソン大佐の関わる官・軍・民の秘密組織は、はじめからスワガーを大統領の命を狙う暗殺犯にでっち上げようとする陰謀をもって彼に接近したのでした。
戦友ドニーの恋人サラ(ケイト・マーラ 1983~、名女優ルーニー・マーラの姉)とFBIの新人捜査官ニック(マイケa0212807_10261833.pngル・ペーニャ 1976~)が、密かにスワガーの逃亡と復讐を助けます。
映画のラストが、フークア監督の本領発揮で、そのハードなアクションシーン(シークエンス)は、爽快です。
2009年の「クロッシング」は、警察官3人の群像劇として描くクライムサスペンス映画です。
a0212807_10261275.jpg人生に意欲を失くしたベテラン警察官をチャード・ギア(1949)、子沢山で黴(かび)アレルギー病に苦しむ妻を救おうと新居購入のために犯罪者から金を横取りする麻薬課の刑事にイーサン・ホーク(1970~)、麻薬組織に深く侵入した麻薬捜査官をドン・チードル(1964~)と名優演じる3人の警察官の人生が、次第に交差していくクライa0212807_10262669.jpgムサスペンス群像劇の秀作です。
アントワン・フークワ監督の作品にハズレは、ありませんので自信を持ってお薦めいたします。

# by blues_rock | 2018-11-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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私は、先月まで博多漆芸研究所で漆工芸を学んでいました。
その博多漆芸研究所作品展が、国の有形登録文化財指定の箱嶋家住宅で開催され、私の卒業制作展となりました。
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作品展会場の箱嶋家住宅は、福岡市東区馬出の旧唐津街道沿いにあり、築140年の明治初期の旧い家が、当時のまま現存している貴重な住宅文化財でもあります。
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私が、博多漆芸研究所で学んだ一年と一か月、その間に手がけて仕上がった塗り漆、拭き漆、変わり塗り漆、青貝蒔絵漆、陶胎茶碗、漆塗り箸など10数点を出品しました。
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箱嶋家住宅のすぐ近くに史跡大社の筥崎宮が、ありますので、時間に余裕のある方は、作品展(11月2日~4日、13時から17時、最終日16時まで)の後、散歩されると ‘日日是好日’ の好き一日になることと思います。
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床の間に筑前琵琶が、事も無げに立てかけてありました。
時おり、筑前琵琶のコンサートも開催されているそうです。
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最寄り駅は、地下鉄貝塚線 馬出九大病院前で駅から歩いて5分くらい、旧唐津街道沿いの箱嶋家住宅の前と横にコインパーキングが、あり車で来られる方にも便利です。

# by blues_rock | 2018-11-03 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
a0212807_10533845.jpgアメリカの名監督アントワーン・フークア(1966~)のことは、最新作「イコライザー 2」の記事で紹介しましたが、フークア監督初期の2001年クライムアクション映画「トレーニング デイ」のキレの良い演出と迫力、アフリカ内戦(ナイジェリアの民族・宗教戦争)の惨状をリアルな映像で告発した2003年戦争映画「ティアーズ・オブ・サン」、2006年の政治サスペンス映画「ザ・シューター」で描いたフークア監督の今に至るハードなアクション描写、2009年の警察官3人の群像劇を織り込んだポリスサスペンス映画「クロッシング」と見応えある秀作も多く前後編に分け4作品を紹介したいと思います。
2001年「トレーニング デイ」は、これ以降フークア監督のアクション映画と、切っても切り離せなくなる名優デンゼル・ワシントン(1954~)が、極悪非道な悪徳麻薬捜査官を演じアカデミー賞主演男優賞を受賞する怪演を見せ、1997年の傑作「ガタカ」で主演し、脚光を浴びた若手名優イーサン・ホーク(1970~)演じるa0212807_10183274.jpg正義感の強い新人捜査官との対立(演技コラボレーション)をフークア監督は、辛口のスパイスを効かせた演出で見せてくれました。
ロス市警麻薬取締課のベテラン捜査官アロンゾ(デンゼル・ワシントン)は、上司の命令で新人捜査官ジェイク(イーサン・ホーク)と組みますが、「狼を倒せるのは、狼だけだ。悪を倒すには、悪になる必要が、ある。」と容赦のないワルぶりをa0212807_10182847.jpg見せ、正義感の強い新人刑事のジェイクは、次第にアロンゾへの不信感を募らせていきます。
フークア監督の迫力ある演出を撮影監督 マウロ・フィオーレ(1964~)のカメラが、見事に捉え、エキサイティングなストーリーにしています。
a0212807_10202195.jpg2003年「ティアーズ・オブ・サン」は、「ダイ・ハード」シリーズで有名な名優 ブルース・ウィリス(1955~)が、アメリカ海軍特殊部隊SEALコマンド7人の隊長ウォーターズ大尉を熱血に演じています。
共演は、イタリア語、フランス語、英語、ペルシャ語を話せるという才色兼備のイタリアの美人女優モニカ・ベルッチ(1964~、「マレーナ」は必見)で、内戦の殺戮が、激しいナイジェリアの奥地で医療活動するアメリカ国籍のイタリア人女性医師リーナを演じています。
ウォーターズ大尉の小隊にとってアメリカ人女性医師リーナを救出せよという命令は、ごくありふれた簡単な任務のはずでした。
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しかし、リーナ医師は、内戦で傷付いた瀕死の患者たちや外国人の同僚、現地スタッフたちを置いて脱出することを頑なに拒みました。
a0212807_10212256.jpg任務の完遂を最優先するウォーターズ大尉は、リーナ医師に患者たちも救援ヘリで脱出させると嘘を付き拒む彼女を強引にヘリに乗せ帰路につきました。
そして、ウォーターズ大尉が、上空から見たものは、反乱軍から無惨な姿で容赦なく殺戮された累々たる死体でした。
a0212807_10212851.jpgそれを見たウォーターズ大尉は、直ちに引き返し置き去りにした患者たちの歩けない者や幼い子供たちを優先してヘリに乗せ脱出させました。
ウォーターズ大尉の小隊は、リーナ医師と歩ける患者や難民たちを護衛し山岳地帯のジャングルをカメルーンとの国境を目指し歩き始めました。
撮影監督は、「トレーニング デイ」のマウロ・フィオーレ(1964~)で、ウォーターズ大尉の小隊とリーナ医師たちが、雨の山岳地帯を脱出するシークエンスと戦a0212807_10212525.jpg闘シーンの難しい撮影を見事にやり遂げ、凄まじい内戦のその様子をリアリティある映像で撮っています。
名映画音楽作曲家ハンス・ジマー(1957~)の音楽も見事です。
後編に続く)

# by blues_rock | 2018-11-01 11:01 | Comments(2)
a0212807_03030560.jpg「大正浪漫三部作」の最後が、1991年作品「夢二」です。
タイトルのとおり‘大正ロマン’ の象徴のような画家(元祖グラフィック・デザイナー) 竹下夢二を主人公に鈴木清順監督は、‘夢二’と関わる女たちを艶やかにして幻想的な映像により耽美主義の清順美学を見せてくれます。
a0212807_03033235.jpg「大正浪漫三部作」の中でもこの「夢二」に鈴木監督の色彩へのこだわりを一番感じます。
映画のプロットは、竹久夢二の詩と絵で有名な「宵待草」と見返り美人図として有名な「立田姫」をモチーフにしており、劇中、夢二に関わる三人の女それぞれに同じ着物をa0212807_03033536.jpg着せて夢二との絡みのシーンを撮ったり、映像を黄・赤・青・緑など明確な色調(トーン)で表現したり、鈴木監督悠々の遊び(美しくも軽やかな印象)を感じました。
映画は、1917年大正6年の金沢が、舞台です。主人公の夢二を沢田研二(1948~)が、一生懸命軽やかに演じているものの反って不自然で彼は、歌手であって俳優でa0212807_03033888.jpgないと分かっていても小林薫など演技達者な俳優に演じてもらいたかったと思いました。
「夢二」に絡む三人の女、巴代を毬谷友子(1960~、出演時31歳)、彦乃を宮崎萬純(1968~、同23歳)、お葉を広田レオナ(1963~、同28歳)が、それぞれの個性を生かしたa0212807_03034184.jpg美しさで(鈴木監督の演出手腕もあって美しく)、「大正浪漫三部作」に出演した女優たち皆なに共通することながら彼女たちの美しさは、際立っていました。
共演の原田芳雄、大楠道代ほか、劇中夢二と同じ時代に活躍した日本画家(速水御舟がモデル)を演じた坂東玉三郎(1950~)など
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が、脇を固めていました。
a0212807_03122686.jpg「大正浪漫三部作」以外でも2001年作品「ピストルオペラ」は、シュールにしてコミカルな不条理劇(前衛劇)です。
プロットは、あの世(霊界=死後の世界)とこの世(顕界=現世)の境界が、溶解してゆく怪異譚(たん)で、世にも不思議な(摩訶不思議な)怪奇エロチック映画です。
a0212807_03122892.jpgこの映画にストーリーうんぬんは、関係なし、この「ピストルオペラ」も女優を見るための映画です。
主演の江角マキコ(1966~、出演時35歳)は、28歳のとき今や日本を代表する名監督(名匠)是枝裕和監督の1995年デビュー作品「幻の光」で売れっ子モデルから女優に転身(女優デビュー)、7年のキャリアを積んでの出演なのでコミカルな演技も堂に入っています。
a0212807_03123140.jpgすばらしいのは、主演の江角マキコだけでなく、トップモデルの山口小夜子(1949~2007、出演時52歳、1989年「利休」の茶々役が、印象に残ります)、出演時11歳の韓英恵(1990~、女優デビュー作品、2018年「菊とギロチン」に出演)、さらに稀代の名女優 樹木希林(1943~2018、出演時58歳)たちが、鈴木監督に乗せられa0212807_03032134.jpgて楽しそうに演じています。
鈴木監督は、テンポよくシュールにしてコミカルに、不条理劇「ピストルオペラ」を演出、これにエゴ・ラッピンの音楽が、心地良くシンクロして行きます。
混沌とした「ピストルオペラ」のストーリーながら、それもさほど気にならず最後まで大いに楽しめる映画です。

# by blues_rock | 2018-10-31 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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a0212807_03000627.jpg鈴木清順監督(1923~2017)の作品(特集)を福岡市総合図書館シネラで見ました。
やはり、何といっても鈴木清順監督が、異彩を放つのは、映画の製作と興行とが、一体となったシネプラセット上映の名プロデューサー荒戸源次郎(1946~2016)と名脚本家田中陽造(1939~)との異色の才人三人による「大正浪漫三部作」です。
a0212807_03000181.jpg1980年の怪奇的耽美映画「ツィゴイネルワイゼン」は、冒頭、作曲家サラサーテが、自らバイオリンを演奏し録音したSPレコード盤の名曲「ツィゴイネルワイゼン」を聴いた二人の男が、演奏と一緒にレコードに録音されているというサラサーテの呟(つぶや)きについて「何て言ったんだろ!?」、「君にもわからないか?」と語りながらカットインしてくるところから始まります。
スペイン(バスク人)の作曲家サラサーテが、ジプシー(ロマ)音楽をもとに作曲した物憂げで哀感たっぷりの「ツィゴイネルワイゼン」をバックに映画「ツィゴイネルワイゼン」は、退廃的なエロティシズムと夥(おびただ)しい食べるシーンが、散りばめられた死の感触を醸し出していきます。
男が、「腐りかけがいい。 何でも腐ってゆくときが、一番美味いのさ。」と女の肉体を貪り、女は、腐りかけた桃を口に入れ、その水蜜桃の皮まで舐めるシーンなど秀逸至極、傑作「ツィゴイネルワイゼン」は、耽美派映画監督 鈴木清順の演出するエロティシズムが、鮮烈です。
主人公の男二人を一人は、稀代の名優 原田芳雄(1940~2011)、もう一人を映画監督にして俳優 藤田敏也(1932~1997)が、演じています。
得体の知れない男の原田芳雄とからむ妖艶な女を演じるのが、藤田敏也演じる大学教授の妻役の大楠道代(1946~、デビュー当時安田道代、美しかった! 結婚で女優を引退するもこの「ツィゴイネルワイゼン」で女優大楠道代a0212807_03021161.jpgとして復活、当時35歳、妖艶な女のエロティシズムが、秀逸)です。
原田芳雄演じる放蕩資産家の貞淑な妻を大谷直子(1950~、出演時30歳)が、演じ、性欲を圧し殺したその禁欲的な表情もまたエロチックでした。
映画ファン、映画評論家から絶賛されa0212807_03011929.jpgた「ツィゴイネルワイゼン」の翌年の1981年、鈴木清順監督は、‘フィルム歌舞伎’と呼ばれた「陽炎座(かげろうざ)」を発表、当時人気アクション俳優の松田優作(1949~1989病没、享年40歳)を主役に起用、鈴木清順監督は、彼の前で直径1mの円を描き、「この円の中から出ないような演技をしてa0212807_03011531.jpgください。」と当時32歳の松田優作を指導、この映画出演後の彼が、演技の‘新境地’を拓いた作品として見るとたいへん興味深いと思います。
1926年、大正最後の年15年(昭和元年)の東京、新派の劇作家松崎(松田優作)は、落とした手紙が、縁で品子a0212807_03025767.jpg(大楠道代)と出遭います。
その後も松崎は、偶然品子と出遭い、彼が、品子と一夜を共にしたその部屋は、彼のパトロン玉脇(中村嘉葎雄、1938~)の部屋にそっくりであることに気が、付きました。
松崎は、品子の「金沢で待つ」という手紙に誘い出され金沢に向かいますが、a0212807_03030396.jpg品子は、手紙を出した憶えはないと言いました。
その後、松崎は、パトロン玉脇から品子との心中をしつこく唆(そそのか)され、逃げ出し松崎は、アナーキストの和田(原田芳雄)と知り合いました。
そして、不思議な祭り囃子に導かれ、奇妙な芝居小屋の「陽炎座」にたどり着きました。
出演している女優は、大楠道代のほかに加賀まりこ(1943~、出演時38歳)、楠田枝里a0212807_03030758.jpg子(1952~、同29歳)、「陽炎座」の原作が、怪奇ロマン作家の泉鏡花(1873~1939)、製作=荒戸源次郎、脚本=田中陽造、監督=鈴木清順、これに前作「ツィゴイネルワイゼン」を撮った撮影監督の永塚一栄(1906~1982)を加えた最強のカルテットですから、映画「陽炎座」が、おもしろくないはずはありません。(後編へ続く)

# by blues_rock | 2018-10-30 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_15400178.jpgたぶん幕末(江戸末期くらい)のころ、古伊万里の呉須深皿(経15㌢・立て5㌢)を「焼き継ぎ」したものでしょう。
呉須の釉(ブルー)が、少し薄いのは、良質な呉須(コバルト)釉薬が、幕末には、貴重となり 手に入り難くなっていたからと推察します。
三瀬のヴィレッジアンティークでいつものように掘り出し物を探していたら ‘キズ’ というシールに小さく価格を記してある格安古伊万里深皿を発見、キズの直し(接着)の痕跡(あと)が、少し気になったものの購入後、一旦外し、再度 糊漆できれいに繋ぎ直し「金継ぎ」しようと考えました。
深皿の汚れは、一時間ばかり漂白水に浸して中性洗剤で洗うときれいに落ちました。
接着部分を鋭利なカッターで弄ってみると非常に硬質で、いまの接着剤(ボンドなど)の類ではなく‘強固なガラス質のもの’であることが、分かりました。
磁器が、伊万里と呼ばれ一般庶民に高嶺の花であった江戸時代、現在(いま)では もう消滅した特殊な‘金継ぎ技法のひとつ’(金継ぎとは、陶磁器修理技法の総称)で、江戸時代普通であった「焼き継ぎ」の痕跡(あと)と気付きました。
「焼き継ぎ」について興味のある方は、こちら をご覧いただくとして、この貴重な江戸時代の文化遺産「金継ぎ生活史」の証拠品を私が、台無しにしてしまわな
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いよう保存することにしました。
骨董店(アンティーク・ショップ)に立ち寄ってみると時おりこんなレアな掘り出し物に出遭いますから骨董店覗きをなか
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なか止められません。

# by blues_rock | 2018-10-28 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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戦争が、終わり73年、いまだに韓国と日本との国家間のイザコザは、絶えませんが、先日の日経新聞記事によれば、韓国の若い世代に日本の ‘文化’ に関心をもつ若者たちが、増えているとありました。
a0212807_17351140.jpgさりとて、国のレベル(政府間)となると長い歴史にわだかまる民族意識と‘マネー’目的の利権が、交錯、両国民ともに90%近くは、「戦争を知らない子供たち」世代なのに忌まわしい過去に引きずられ、また新たな諍(いさか)いを起こそうと云うのですから開いた口が、ふさがりません。
a0212807_17351445.jpg歴史の事実として悪の帝国であった旧大日本帝国は、1910年に李氏朝鮮王国を滅ぼし日韓併合、1945年の敗戦(無条件降伏)まで35年間、朝鮮半島を植民地としていた事実は、これからも変わりません。
韓国と日本は、過去3千年の間、弥生時代から現在まで地球上の最隣人であり、国の場所を動かすことが、でa0212807_17351712.jpgきない以上、「過去は、過去として、もう二度と決してお互い相手を攻撃しない(悪口も言わない)」という固い信念と友情を持ち続けなければ、両国とも不幸しか招かないことは、歴史が、証明しています。
さて、閑話休題、韓国内にも根の深い歴史の瑕疵(かし、キズ)が、あり今夜紹介する韓国映画「1987、ある闘いの真実」は、1980年の光州事件(韓国国民の民主化運a0212807_17352061.jpg動を朴大統領暗殺事件に絡み、クーデターで大統領になった全斗煥軍事独裁政権が、暴力で弾圧した流血事件)を描いた2017年映画「「タクシー運転手」から7年後の韓国社会、つまり絶対権力の ‘暴力装置である軍’ の本質をリアルに描いています。
監督のチャン・ジュナン(1970~)は、光州事件のとき10歳、撮影監督キム・ウヒョン(1972~、2015年「暗殺」の映像は抜群) が、a0212807_17353536.jpgまだ8歳、そして1987年に起きた大統領直接選挙制を求める大規模な民主化運動に火を点けた全斗煥大統領独裁政権による学生運動リーダー2人を拷問で虐殺した殺人事件のときジュナン監督は、まだ17歳の高校生、ウヒョン撮影監督15歳たるや中学性の多感な時代でした。
a0212807_17353888.jpg「1987、ある闘いの真実」(原題「1987: When the Day Comes」)は、わずか31年前に起きた韓国現代史をもとにリアリティに徹したジュナン監督の演出と、それにシンクロしたウヒョン撮影監督カメラクルーのハンドヘルド撮影が、正に「1987年のその日」にいるような(タイムスリップしたような)見事な現実感を醸し出しています。
a0212807_17354166.jpgハンディカメラの性能が、向上(デジタル化で操作が、簡単でコンパクト)したことで ハッタリ(だます)のためにハンディカメラやスマホを多用、ドキュメンタリー風な映像(ハンドヘルド撮影)で誤魔化す監督(=撮影監督)が、あまりに目立ち(ポルノPoV撮影の悪影響)、彼らの撮った締まりのない映像は、見るに堪えず「カメラを止めよ!」と余計なことを言いたくなります。
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ハンドヘルドカメラの多用は、ときに逆効果でハンドヘルド撮影を生かした秀作と云えば、2004年映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」でしょう。
a0212807_17362667.jpg当時24歳のアルゼンチンの医学生チェ・ゲバラに密着取材したドキュメンタリーのようでハンドヘルドは、本来映画の質を高める高度な撮影技法です。
この「1987、ある闘いの真実」は、映画解説を百回読むより30年前の韓国をリアリティあふれる映像で描いているので、ぜひ我が目で見ていただきたいと思います。
a0212807_17363198.jpg極悪非道で 血も涙もない無慈悲な脱北反共主義者で特務機関のパク所長を演じる名優キム・ユンスク(1968~、2008年「チェィサー」主演」が、実に秀逸で その年の韓国映画祭で主演男優賞を受賞しています。
彼に抵抗するソウル地検公安部長チェを演じるのは、名優ハ・ジョンウ(1978~、2013年「ベルリンファイル」、2016年「お嬢さん」主演)、映画に登a0212807_17363627.jpg場する拷問で虐殺された学生パク・ジョンチョル(1965~1987拷問死、享年22歳)をヨ・ジング(1997~)、韓国民主化闘争の象徴で学生運動の中心的役割を担った延世大学の学生イ・ハンニョル(1966~1987催涙銃で射殺、享年21歳)をカン・ドンウォン(1981~)、拷問虐殺の証拠を民主化運動のグループに渡す永登浦刑務所看a0212807_18113194.jpg守ハンを名優ユ・ヘジン(1970~)など実在の人物が、多く登場し映画にリアリティを持たせています。
危険を承知で獄中情報を届ける看守ハンの姪で延世大学の女子大生ヨニを演じるのは、若手女優キム・テリ(1990~、2016年「お嬢さん」孤児の少女スッキを演じ注目)で、ジュナン監督が、虐殺されるイ・ハンニョルに淡い恋心をもつ女性として映画のためにa0212807_17363314.jpg登場させた架空の人物です。
韓国の現大統領 文在寅(ムン・ジェイン、1953~)も1980年光州事件当時27歳で人権派弁護士見習い(司法研修生)であり、戒厳令を敷く全斗煥軍事独裁政権に反旗を翻す民主化市民運動の活動家でした。
なのに ‥ 大統領になったとたんにチンプンカンプン、あの反骨の気概は、どこへ行ったのでしょうかね。

# by blues_rock | 2018-10-26 00:26 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)