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心の時空

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a day in my life

私が、カナダのジョナサン・ソボル監督(1983~)作品を見るのは、この2018年映画「リベンジ・チェイス」(原題「The Padre」神父)が、初めてながら日本語タイトルの「リベンジ・チェイス」そのままに逃げる詐欺師(=ニセ
リベンジ・チェイス  シネマの世界<第916話>_a0212807_00111094.jpg
父)と復讐のため追う(リベンジのためにチェイスする)元連邦保安官というシンプルなプロットと地味な構成の‘おもしろい’映画でした。
リベンジ・チェイス  シネマの世界<第916話>_a0212807_00111993.jpg映画の舞台は、南アメリカのコロンビア、名優ティム・ロス(1961~)演じる飲んだくれの詐欺師でニセ神父が、名優ニック・ノルティ(1941~)演じる元連邦保安官ネメスの個人的な復讐心のために個人懸賞金までかけられ執拗に追いかけられコロンビアへ逃亡していました。
コロンビアの警察官ガスパル(ルイス・ガスマン 1956~、プエルトリコ出身)は、懸賞金5千ドル欲しさにネメリベンジ・チェイス  シネマの世界<第916話>_a0212807_00112131.jpgスのニセ神父捜しに協力していました。
このむくつけし(無骨で無作法な)男3人にからむのが、コロンビアの美人女優バレリア・エンリケス(1994~)演じるレナで、8歳のとき両親を失くし教会の児童養護施設に収容されたもののたった一人の家族の妹をアメリカのミネソタに売られ教会の施設から逃げると妹を取り戻すためアメリリベンジ・チェイス  シネマの世界<第916話>_a0212807_00112833.jpgカに行く(密入国する)資金稼ぎのため、まがい物の時計を大人たちに売りつけて暮らしていました。
そんなある日レナは、酔っぱらいながらスリの上手いニセ神父と出遭い、しつこく付きまとい軽犯罪で貯めた紙幣を見せながらコロンビアから自分を連れ出してくれるよう依頼しました。
リベンジ・チェイス  シネマの世界<第916話>_a0212807_00113347.jpgリベンジ(復讐)のためチェイスする(追う)というプロットは、映画の定番で在り来たりながらティム・ロスとニック・ノルティという名優二人の渋い演技に加え、共演のルイス・ガスマンの泥臭い存在感と相俟って見ているとヒューマンな心打たれる心理劇映画になるから不思議なものです。
リベンジ・チェイス  シネマの世界<第916話>_a0212807_00113592.jpgソボル監督の演出を名撮影監督のポール・サロッシー(1963~)が、外連味なく淡々と撮影、ニセ神父(ティム・ロス)と元連邦保安官(ニック・ノルティ)との間に横たわる怨念と復讐(過去の因縁)の顛末、それに合わせて2人にからむ浮浪の娘レナ(バレリア・エンリケス)の未来を暗示しながら幕を引くエンディングは、秀逸でした。

# by blues_rock | 2019-01-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
朝日のあたる家_a0212807_10340761.jpg
古いブルースに「朝日のあたる家」という名曲が、あります。
中でも、ジ・アニマルズのエリック・バートンが、熱唱する「朝日のあたる家」は、最高です。
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さて、私の住まう福岡市柏原は、交通アクセスの不便さから福岡市のチベットと友人たちから揶揄され(冷やかされ)ますが、私の部屋は、東南向きなので、朝日が、射すためか、真冬にエラプランツが、可憐な花を咲かせ
朝日のあたる家_a0212807_10354099.jpg
ました。
決して華やかでは、ありませんが、週に一度わずかばかりの水分を噴霧するだけなのに、エラプランツは、いつ
朝日のあたる家_a0212807_10355001.jpg
の間にか花を咲かせました。
今年秋の作品展には、エアプランツにも登場してもらおうと思っています。
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# by blues_rock | 2019-01-25 00:05 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22341519.jpg
日本では、劇場未公開ながら私が、‘お一人さま映画劇場’で見た秀作映画の一つ、骨董に例えるなら 掘り出し物 の作品でした。
ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22344474.jpg「ビリー・リンの永遠の一日」は、主人公の青年ビリー・リンの姉キャスリンを演じているのが、私の好きな名女優クリステン・スチュワート(1990~)でしたので、ずっと以前に見た映画ながら「若き名女優 クリステン・スチュアート ~ その3 シネマの世界<第786話の続き>」で書こうと思い、つい先送りしていました。
ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22344873.jpg今夜、予定を変更しご紹介したいと思います。
イギリス・アメリカ・台湾共同製作の2016年作品「ビリー・リンの永遠の一日」(Billy Lynn's Long Halftime Walk)は、アカデミー賞監督賞を2度受賞した台湾の名匠アン・リー監督(1954~、2005年「ブロークバック・マウンテン」、2007年「ラスト、コーション」、2012年「ライフ・オブ・パイ トラと漂流したビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22345513.jpg227日」と立て続けに秀作を発表)が、偶然の出来事でイラク戦争の英雄になった青年(一兵士)の心にわだかまる葛藤を通して ‘アメリカ社会の現在’(何でもフェィク!フェイク!とわめき散らす愚かなフェイク大統領を選んだアメリカ社会のポピュリズム)を鋭利に切り取った社会派映画です。
ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22350357.jpgこれまた2度アカデミー賞撮影賞を受賞した撮影監督ジョン・トール(1952~)の映像が、すばらしく! とくに必見なのは、一兵士のビリー・リンが、イラク前線の戦闘で起きた事件の記憶を蘇らせる「ラスト12分」は、世界初という映像技術(120 フレーム/秒)を駆使した秀逸なエモーショナル映像です。
ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22350694.jpgこの映画は、いまTSUTAYAでレンタルできますので「何か良い映画が、見たい」という映画ファンの方に見ていただけるようにドラマのポイントを紹介いたします。
2004年のイラク戦場で19歳の新兵ビリー・リンは、突然の敵の襲撃に動転、恐怖と目の前で上官の軍曹が、撃たれて倒れましたので咄嗟(とっさ)に激しい銃撃にも関わらず跳び出しました。
ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22354278.jpgそれを従軍カメラのレンズが、偶然捉えていました。
その瞬間を映した映像が、全国放送のニュースで取りあげられるやビリー・リンの部隊は、一躍イラク戦争の英雄となり、軍から一時帰国させられ全国イラク戦争キャンペーンに(イラク戦争凱旋ツアー=戦意高揚のための宣伝部隊として)駆り出されました。
故郷の歓迎ぶりと裏腹にビリー・リンは、ただ騒ぐだけの大衆の嘘っぽさが、次第にイヤ(憂鬱)になり、芽生えたビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22354572.jpg除隊しようという(再出兵をためらう)気持ちの一方で、イラク戦争のヒーローとして扱われる自分に違和感を抱くようになりました。
そしてビリーが、イラクへ帰る前日、凱旋ツアー最大の目玉として計画されたアメリカン・フットボールのハーフタイム・イベントでビリーは、自分たちの部隊に熱狂するふりをしているだけで敬意を抱いていない群衆を見ているうちにイラクの現実が、まるでウソビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22360810.jpg(フェイク)のように思え、戦場での壮絶な体験と目の前の光景とのギャップに戸惑いました。
この映画でデビューしたイギリスの新人俳優ジョー・アルウィン(1991)が、主人公の青年ビリー・リンを好演、準主役として精神疾患PTSDを理由に除隊するよう勧める姉のキャスリン役にクリステン・スチュワート、戦死するシュルーム軍曹をビン・ディーゼル(1967~、「ワイルド・スピード」シリーズのアクション俳優ながらシュルーム軍曹ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22363861.jpgの演技は、秀逸)、一方でテキサスのアメリカン・フットボール会場オーナーで大資産家ノームを演じるスティーブ・マーティン(1945~)の傲慢さと俗っぽさは、今のアメリカ大統領に被さり、そのアイロニー(皮肉)に笑ってしまいました。
また、祖国の英雄に祭りあげられたビリー・リン人気にあやかるべく自分の売名のためビリーに近づく鼻持ちならないキリスト教ビリー・リンの永遠の一日  シネマの世界<第915話>_a0212807_22365925.jpg原理主義者の美人チアリーダー役をイギリスのポルノ女優マケンジー・リー(1979~)が、好演、わが国なら人気アイドル女優からAV(ポルノ)女優に変身するその逆パターンながらキャスト(妖艶な悪女、えげつない美女、したたかな娼婦など)によっては、良い女優になるかもしれないと妙なことを想像していました。

# by blues_rock | 2019-01-23 22:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11090034.jpg
ドラゴンのタトゥーをした天才ハッカー、リスベット・サランデルを主人公した‘ドラゴンのタトゥーの女’(ミレニアム・シリーズ)第3弾の新作「蜘蛛の巣を払う女」(原題「The Girl in the Spider's Web」)を期待してみましたが‥
蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11093617.jpg
「ミレニアム」の原作者スティーグ・ラーソン(1954~2004没、享年50歳、「ミレニアム」は、3部構成)のオリジナル原作から起こした脚本では、ないため(ミレニアム・シリーズ第4話「蜘蛛の巣を払う女」は、スウェーデンの作家蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11093943.jpgダビド・ラーゲルクランツが、執筆)プロットのメインが、リスベット出生の秘密(謎の多い過去)と二卵性双生児の妹カミラとの確執が、中心となり前作シリーズより多いアクションも霞んでしまいました。
監督は、ウルグァイ出身のフェデ・アルバレス(1978~)で今回、主人公のリスベット・サランデルをイギリスの女優クレア・フォイ蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11105342.jpg(1984~)が、演じています。
2009年「ミレニアム3部作」は、スウェーデンの女優ナオミ・パラスが、2011年「ドラゴンのタトゥーの女」では、アメリカの女優ムーニー・マーラが、それぞれ個性的なリスベット・サランデルを演じました。
新作「蜘蛛の巣を払う女」のストーリーの骨子は、人工知能(=AI)の世界的権威フランスのバルデル博士が、開発した核保有国の蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11104894.jpg核攻撃システムにアクセス(侵入=ハッキング)するプログラムが、図らずもアメリカ国家安全保障局(NAS)の手に渡りました。
核保有国の核攻撃システムへのアクセスプログラムを開発したことをいたく後悔したバルデル博士は、天才ハッカーのリスベットに「君しか頼めない。私が、犯した罪(核攻撃システムへのアクセスを可能にしたこと)を取り戻して欲しい。」と依頼しま蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11105141.jpgした。
世界中のハッカーからスズメバチと呼ばれ一目置かれている天才ハッカーのリスベットにすれば、精巧なセキュリティのかかったアメリカ国家安全保障局(NAS)システムへの侵入は、簡単なはずでした。
だが、厳しい冬のストックホルムには、河も人の心も凍てつかせる陰謀が、渦巻いていました。
蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11111870.jpgリスベットは、16年前に生き別れた双子の妹カミラが、元KGBに所属しその極秘組織を裏で操っていた亡き父親(=精神異常者で双子の姉妹は、彼の虐待の被害者であった)の後継者となり、スパイダーという秘密組織を率いて世界征服と自分を置いて逃亡した姉のリスベットを恨み、彼女の回りを蜘蛛の巣のように張り巡らした罠(怨念の復讐)であることに気づきました。
蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11112115.jpg双子の妹カミラをオランダのシルビア・フークス(1983~、2013年「鑑定士と顔のない依頼人」、2017年「ブレードランナー 2049」に出演)、リスベットの協力者で雑誌「ミレニアム」の記者ミカエルをスウェーデンのスベリル・グドナソン(1978~)が、演じ、出番は、少ないもののミカエルの妻にビッキー・クリープス(1983~、2017年「ファントム・スレッド」で引退する名優ダニエル・デイ=蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11111667.jpgルイスの相手役に抜擢)、さらにアメリカ国家安全保障局(NAS)の特別IT監視官アロナをラキース・スタンフィールド(1991~、2013年「ショート・ターム」で自殺未遂常習の黒人少年を好演)が、脇をしっかり固めています。
面白い映画ながら前作の2作品に比べインパクト(リアリティと云っていいかも)に欠けるのは、スパイダーという蜘蛛の巣を払う女  シネマの世界<第914話>_a0212807_11112435.jpg秘密組織の存在が、希薄なことと十重二十重に厳重なシステム防御(ブロック)されているはずの高性能クラウド・コンピューターへのアクセスが、あまりにも簡単過ぎ、すぐハッキングされるシーンの連続は、やや鼻白み、もう少し演出の工夫(メリハリとキレ)が、欲しかったと私は、思いました。

# by blues_rock | 2019-01-21 00:21 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
私の漆遊戯の新作です。 (下写真3枚、陶胎漆器)
2019年、早春 (秋の作品展 ご案内)_a0212807_13155313.jpg
寝ても覚めても ‥ 漆姫君のことばかり、妄想(イメージ)するとこの恋心を掻き立てます。
2019年、早春 (秋の作品展 ご案内)_a0212807_13160319.jpg
もうそうなると居ても立ってもおられずに、塗る、拭く、蒔く、磨く、の何かをせずには、おれません。
2019年、早春 (秋の作品展 ご案内)_a0212807_13163953.jpg
まさに「遊びをせんとや 生れけむ、戯れせんとや 生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ 動がるれ。2019年、早春 (秋の作品展 ご案内)_a0212807_13165063.jpg(と続き、写真が、結び)」の心境です。
新春のご挨拶が、遅れました。
まだ、春も夏も来ていないのに少し早いご案内ながら、日々是好日をわが口実にして、まったりと暮らす ‘怠け癖’ を今しばらく払拭するために自分の生前葬のつもりで、今年の秋、10月26日土曜日から11月4日月曜日(祭日)まで、クラフトの店「梅屋」(福岡市早良区石釜)ギャラリーKOYAにて「金継ぎ、陶と漆の作品展」を開催いたします。
夏の終わりのころ、詳しいご案内をいたしますが、たぶん最初で最後の個展(玄
2019年、早春 (秋の作品展 ご案内)_a0212807_13165952.jpg
洋窯陶とあすなろ木工の主宰者の友人二人も新作出品で支援予定)なので、ぜひご覧くださりご批評いただけ
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ると光栄です。 (上写真2枚は、金継ぎ、下写真 右が、錫箔粉と青貝の絞漆「八角筒」、左は、小石の文鎮)
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普段、拙ブログは、映画(シネマの世界)が、メインながら今年は、そういう理由(わけ)で「金継ぎ、陶と漆」を多く
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掲載しますので、よかったら気楽にお立ち寄りくださいますようお待ち申しあげます。 (上写真 根来塗)

# by blues_rock | 2019-01-19 00:00 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)

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