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心の時空

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a day in my life

<   2019年 03月 ( 16 )   > この月の画像一覧

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ロシア発のサイト・ニュース「スプートニク(Sputnik) 日本」で、「日本人にも金継ぎを知らない人がいる」 と、ロシアの金継ぎ職人が 、‘もののあはれ’や‘わびさび’、さらに「金継ぎのこと」、そしていつか日本を訪問する夢に
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ついて熱く語った記事を見つけましたので、まずご紹介したいと思います。
壊れたものを繕い直して再生、そして愛でる ~ もののあはれ、わびさび ‥は、今まで外国人に理解できないだ
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ろうと日本人が、思い込んで、勝手に考えていた ジャポニカ・メンタル・カルチュア(日本の伝統文化)は、いまや海外、世界中の至るところ、とくに若い世代を中心に伝わっていることを私事ながらたいへんうれしく思います。
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このサイトの記事で、ロシア人金継ぎ師の若者が、なかなか粋なことを述べていますので、興味ある方は、ぜひこちらをご覧ください。
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さて先夜、「唐物茶入れ」を掲載しましたので今夜は、「和物茶入れ」それも古高取茶入れをいくつかご紹介したいと思います。
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博多の東洋陶磁美術館は、福岡市城南区七隈(福岡大学近く)の住宅街にあります。(大阪の東洋陶磁美術館は、こちらをご覧ください。)
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先日、美術館の前を通り掛かったので、ふらり立ち寄りました。
平日の午後だったこともあり鑑賞者は、私ひとりでしたので、ゆっくり一点一点見ることが、できました。
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辺りに人の気配を感じないので見たい逸品に集中でき(ガラス越しなので手に取って弄れないのが残念ながら)とてもハッピィな時間でした。
a0212807_13480489.jpgこっそり撮った(無粋な撮影禁止の掲示なく)私のお気入り(数多ある名品コレクションの中から)を今夜拙ブログにお立ち寄りくださった皆さまにご紹介いたいと思います。
私は、常日頃、目利きになりたいと本気で思うのなら逸品や一級の名品を山のように見ること、できれば、手にもち弄り撫でながらじっくり眺めること(叶わぬ夢ながら自分a0212807_13480777.jpgの暮らしの普段使いにすること)と、そう自分に言い聞かせています。
それを繰り返し、できるだけ他人の言うことを聞かないで、自分の目(感受性)だけを信じながら、たくさんのミスをして(赤つ恥をかいたり、騙されたりして)、きちんと体感して覚えるしか 目利きなる方法は、ないと思っています。

by blues_rock | 2019-03-31 00:01 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)
天下の大名物「唐物茶入」は、室町から安土・桃山時代(戦国時代)に、所領一国と同じ価値あり、と伝えられ、とくに、「唐物茶入、銘 初花」を所有した者が、天下人(最高権力者の象徴)とされ、天下統一した豊臣秀吉は、
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北野の大茶会で織田信長が、所有していた大名物「唐物茶入、銘 初花」を全国の諸大名に披露することで「信長の後継者は、自分である」と周知徹底しました。
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豊臣家を滅亡させた徳川家康は、大阪城落城の火事跡から発見された(茶道具を探させたとも云われています)粉々に壊れた「唐物茶入」二つを漆で復元(金継ぎ)させました。
a0212807_07585891.jpga0212807_07590193.jpgその完璧な姿(修理後の完成品)に天下人の家康は、大興奮し(感極まり)修復した漆工(塗師の藤重藤元・藤厳親子)に莫大な恩寵を与えたそうです。
それが、大名物の「唐物茶入 新田肩衝(上写真)」「唐物茶入 付藻茄子(九十九髪茄子 つくもなす、左写真)」の二つです。
私も現物の二つを見ましたが、木っ端微塵の「唐物茶入」を完全復元(修復の跡を見せない究極の金継ぎ)したとは、到底思えず、いたく感動したことを憶えています。
「唐物茶入」には、その形から茄子(なす)・文琳(ぶんりん、リンゴのこと)・肩衝(かたつき)などあり、肩衝にも一文字肩・怒り肩・撫で肩とあるので、そんなことを想いつつ眺めると茶の湯(茶道)をまったく嗜まない無粋な私でも茶の湯古陶が、また一段と楽しくなりました。
先日、玄洋窯で作陶中(漆を塗る陶胎のロクロを回しながら)、ぽつり「私も‘茶入れ’に挑戦したい。」とつぶやいたら、即座に「ムリ!」と断言、いつa0212807_07593083.jpgもは、やさしく笑顔で「やってみたら‥」と背中を押してくれる冨永師匠の毅然とした口ぶりに驚きました。
さもありなん、貴重な‘茶入れ’に関する資料(書籍3冊)と秘密道具(普通、陶工は、自分の道具を決して他人に見せない、まして同業者の前では、決して見せないとか)を見せて「陶で‘茶入れ’が、一番難しい」と詳しく、その技術的な難しさを教えていただきました。
a0212807_07593965.jpg今夜、この拙ブログを読んでくれた方に、こっそり理由(ヒント)をチョットだけご紹介します。
‘茶入れ’ の命は、反りのある口縁を作る技術と良質な陶土(つち)の手当、その良質な陶土も今や見つからず、桃山陶の名陶工たちの技術も今やないのなら、これからもう好い ‘茶入れ’ の出現は、ないのかもしれません。
その昔、一国と同じ価値が、あったと云う大名物「唐物茶入れ」の物語にリアリティを感じた一日でした。

by blues_rock | 2019-03-29 00:09 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)
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デンマークのヤヌス・メッツ監督(1974~)が、1980年ウィンブルドン決勝での同大会4連覇中の世界ランキング第1位ビョルン・ボルグ(1956~、スウェーデン)対、同第2位ジョン・マッケンロー(1959~、アメリカ)二人の3時間
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55分にわたる死闘と表現しても決して大袈裟ではないテニス史上に残る ‘不滅の名勝負’ を再現(アカデミー賞4部門受賞の「ボヘミアン・ラプソディ」の再現手法に似ている)しました。
a0212807_22383930.jpg「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」(原題「Borg McEnroe」)のとおり、ストイックそのままに表情を変えないことから ‘氷の男’ と称賛された天才ビョルン・ボルグ(1980年当時24歳)と ‘炎の男’ どころか、審判や観客への悪態と暴言から ‘悪童 マッケンロー’ と ヒールなニックネームで呼ばれた(揶揄された)これまた紛れもない天才ジョン・マッケンロー(1959~)二人の「真a0212807_22384251.jpg実は、小説よりも希なり」の伝記(レジェンド)映画です。
ビョルン・ボルグを演じたのが、スウェーデンの俳優 スベリル・グドナソン(1978~、ビョルン・ボルグの少年時代を彼の息子レオ・ボルグが、演じています)で ‘ボルグそっくり’ なのに驚き、ジョン・マッケンローは、アメリカの俳優 シャイア・ラブーフ(1986~、脚本を絶賛「初めて読んだときに泣いた」とコメント)で、‘悪童’ぶりa0212807_22390282.jpgを名演しています。
その脚本は、ロニー・サンダール(プロファイル不詳)で、デンマークの撮影監督ニルス・タストゥム(1973~)が、「ボルグとマッケンロー天才二人の不滅の名勝負」をリアルに臨場感あふれる映像で撮っています。
とくに、4セット7ゲーム目のマッチポイント、タイブレーク18-16‥まで 延々と続く名勝負は、‘ノーガードで打ち合うボクシング’ のようで息の詰まる、まさa0212807_22390526.jpgしく固唾を飲んで見るドラマチックなシーンです。
メッツ監督の二人に対するリスペクトは、演出にも表われ、1980年ウィンブルドン決勝前の二人と少年時代をカットバックさせながらウィンブルドン決勝当日を映し激戦の末、ボルグが、5連覇を達成、帰国するマッケンローは、ヒースロー空港の出発ロビーにいたボルグを見つけると駆け寄り健闘を讃えて別れます。
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翌1981年のウィンブルドンでは、マッケンローが、ボルグの「6連覇」を阻止し優勝、世界ランキング第1位になりました。
a0212807_22391796.jpgビョルン・ボルグは、ラケットに80ポンドと云うこれ以上強くガットを張れないという強度から繰り出す鉄壁のストローク(とくに両手打ちのバックから狙いすましたダウン・ザ・ラインは、圧巻)で、当時の世界のテニス界に君臨、そのボルグの前に宿敵として登場したのが、ジョン・マッケンローで、ガットをぎりぎりまで緩く張った(何と38ポンドと云う驚異的なローテンション
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の)ラケットを完全にコントロールした‘サーブ&ボレー’の絶妙なタッチは、芸術でした。
私は、草テニス(もちろんダブルス)をやっていた頃、‘悪童マッケンロー’に憧れ、彼の真似をしてガットを緩a0212807_22393952.jpgく張り、審判と試合相手に悪態ばかりつき(私の場合、下手くそテニスを暴言で誤魔化していただけ)、サーブやレシーブするとすぐネットにつめ、ミラクル・タッチのドロップ・ボレーばかり狙っていましたので、先刻承知の相手から見透かされて(おちょくられて)、いつも高いロブを上げられ、もつれた足でバックしテニス・ボールで、ヘディングばかりしていました。
a0212807_22400684.jpg懐かしくもお笑い草テニスの戯れ話は、さておいて、ビョルン・ボルグは、このあと緊張の糸が、切れたのか、1983年26歳の若さで引退しました。
ジョン・マッケンローは、1992年まで 勝っても負けても 悪童のまま現役を続け 33歳で引退、今でもビョルン・ボルグと親しく友だち付き合いをしているようです。
スウェーデンの元デ杯監督にしてボルグのコーチであったレナート役をスウェーデンの名優ステラン・スカルスa0212807_22401161.jpgガルド(1951~)、ボルグの婚約者でルーマニアの女子テニス・プレイヤーのマリアナを同じくスウェーデンの女優ツヴァ・ノヴォトニー(1979~)が、脇を固め ボルグとマッケンローという稀有な二人の天才テニス・プレイヤーの伝記映画を人間劇映画に変奏する重要な役割を担い好演していることも見逃せません。

by blues_rock | 2019-03-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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イギリスのジャスティン・チャドウィック監督(1968~)が、スペイン(スペイン・ハプスブルグ家)の支配から逃れ、独立国家となったオランダ(ネーデルラント連邦共和国)の黄金時代、当時 ‘チューリップ・フィーバー’と呼ば
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れ、チューリップ球根に熱狂した‛バブル経済‘に酔い痴れた市民社会を繁栄の象徴でもあった‘絵画ブーム’と重ね合わせ「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」(原題「Tulip Fever」)をドラマチックに描いています。
a0212807_07505347.jpg当時のオランダ、デルフトの画家フェルメール(1632~1675)を描いた2003年映画「真珠の耳飾りの少女」に対するチャドウィック監督のオマージュを感じます。
このオランダの黄金時代は、オランダ絵画も絶頂期で、フェルメールの他にもハルス(1581~1666)、レンブラント(1606~1669)、ステーン(1626~1679)など美術史上著名な画家が、数多くいて、多くの傑a0212807_07505702.png作油彩画を遺しています。
映画の舞台は、1634年のオランダで 東インド会社が、アムステルダムにもたらす巨万の富(経済繁栄)の黄金時代もピークを過ぎオランダは、時まさにヨーロッパ諸国を巻き込んだキリスト教カトリックとプロテスタントの三十年戦争(1618~1648)の最中でした。
映画の時代考証が、実にすばらしく撮影のエイジル・ブリルド(1971~)、美術のサイモン・エリオット(プロファイル不a0212807_07510067.jpg詳)、衣装のマイケル・オコナー(1965~)と製作スタッフいずれも秀逸です。
スペイン王国から独立し共和国となったオランダの修道院育ちの美しい娘ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル 1988~)は、若くして年の離れた豪商のコルネリス(クリストフ・ヴァルツ 1956~)に嫁ぎました。
a0212807_07510309.jpgそこには、同世代の召使いマリア(ホリデイ・グレインジャー 1988~)が、おり、魚売りの青年ウィレム(ジャック・オコンネル 1990~)と恋仲でした。
主のコルネリスは、友人の画商から紹介された若手画家ヤン(デイン・デハーン 1986~)に妻ソフィアの肖像画を依頼しました。
ヤンは、美しいソフィアを見たとたん一目惚れしました。
ソフィアは、最初ヤンを避けていたもののやがて密かに逢瀬を重ねるようになりました。
魚売りのウィレムは、マリアと結婚するためチューリップ球根の取引で一攫千金を夢見ていました。
a0212807_07513954.jpgウィレムは、チューリップの球根を育成している聖ウルスラ修道院の庭で、純白と真紅の混ざったブレイカーと呼ばれる希少種を発見するも強かな修道院長(ジュディ・デンチ 1934~)から見透かされ高値で購入しました。
ソフィアが、召使いマリアのマントを無断借用してヤンに会うため外出した丁度その時、マリアを訪ねて来たウィレムは、そのマントの色から顔を隠しa0212807_07514765.jpgたソフィアをマリアと想い尾行、ヤンの部屋に入る後ろ姿を見て茫然自失、アムステルダムから姿を消しました。
突然のウィレムの失踪で、気が、狂わんばかりのマリアは、妊娠していることをソフィアに告白しました。
ソフィアは、ソフィアで、コルネリスとの間に子供が、できず悩んでいたこともあり、一計を案じ、医者を丸め込んで自分の子供として出産させることにしa0212807_07515078.jpgました。
ヤンは、恋焦がれるソフィアと駆け落ちするため、彼もまた一攫千金のチューリップ球根の取引を行ないますが、はじけたバブルの後遺症で大損、無一文になりました。
やがて、コルネリスは、ソフィアが、産んだという子供は、召使いマリアの子供と知ることになります。
a0212807_07515565.png冒頭、映画を見る人に「あなたが、生まれる前のオランダは‥」と自分の子供に語りかけるように話す女性が、マリアで、コルネリスは、死後召使いマリアの子供に自分遺産を与えました。

by blues_rock | 2019-03-25 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
九州道 筑紫野インター下の道を山神ダム方向へ車で5~6分(インターから5㌔くらい)走ると山神ダム展望公園が、あります。
知る人ぞ知る「麺工房 筑紫庵」は、その山神ダム展望公園駐車場入口の道路を挟んだ山手側にあります。
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麺工房と言っても古い民家を改造した「うどん店」で工場(こうば)の趣は、なく食堂です。
緑に囲まれた広い庭には、野外ライブ(ミニ・コンサート)が、できる設えもあり、これからのシーズン(春から秋まで)、また訪ねることになりそうです。
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広い古民家には、ギャラリーも併設され、ご主人から「金継ぎ作品の展覧会に使用していいよ。」と声かけられましたので今年秋(2019年10月26日から11月4日まで)の「金継ぎ、陶と漆の作品展」(クラフト店「梅屋」のギャラリーKOYA、福岡市早良区石釜)が、終わったら来年(2020年)春、新緑のころ開催しようかな、と思案しています。
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「麺工房 筑紫庵」の完全無添加 ‘手抜きうどん’ は、one&only ‥ 自分の舌で味わったら分かる「美味しい‘うどん’」です。

by blues_rock | 2019-03-23 00:03 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
アスガーを演じるのは、スウェーデンの名優ヤコブ・セーダーグレン(1973~、2010年トマス・ヴィンターベア監督作品「光のほうへ」主演)です。
a0212807_07055737.jpg共演者は、電話向こうにいる三人、ひとりが、車に拉致されどこかに連れ去られている女性イーベン(イェシカ・ディナウエ 1993~、声だけの出演)、その怯えて恐怖に喘ぐ途切れ途切れの声でアスガーは、異常事態が、発生していることを知ります。
a0212807_07055490.jpg警察官であったアスガーは、不祥事件の原告として係争中で、そのため緊急ダイヤル指令室のオペレーターとして左遷されていました。
元警察官のアスガーは、捜査経験を生かし通報者のイーベンから身元、拉致状況、車の位置情報を誘導しながら聞き出そうとするも、時おり聴こえる男の怒鳴り声に‘助けて!’と怯(おび)え、喘(あえ)ぐa0212807_07060275.png彼女の声が、聴こえるだけでした。
イーベンは、電話で話している相手が、幼い自分の娘と装い、緊急ダイヤル指令室に助けを求めてきたのでした。
アスガーは、聞き出した少ない情報から拉致した男が、イーベンの元夫ミカエル(ヨハン・オルセン 1969~、声だけの出演)で、二人の間に幼い娘(少a0212807_07060536.jpg女、声だけの出演)と息子(少女の小さな弟)が、いると分かりました。
真っ暗闇の自宅でひとり、受話器を握りしめ一生懸命アスガーの問いかけに答える幼い少女は、安全なのか、奥の部屋に小さな弟が、いるという家の状況を知ろうとアスガーは、必死でした。
当初は、家庭内DVに端を発した単純な暴力拉致事件と思えましたが、モラー監督は、「視覚的な」音の感覚をa0212807_07062026.jpg絶妙に駆使しながら、見る者(声と音と聴く者)の先入観を打ち砕き、どんでん返しの予想しない方へ私たちを連れていきます。
モラー監督の脚本と演出の冴えも見事ながら、撮影監督 ジャスパー・J・スパニング(1987~、31歳)の映像と音楽監督 オスカー・スクライバーン(プロファイル不詳)の音響が、見る者の不安(不穏な心理)を煽
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り、‘声と音’の効果は、抜群です。
タイトルの“ギルティ(罪)”の意味は、この不可解な拉致事件と相俟って主人公アスガーが、抱える係争中の刑a0212807_07062281.jpg事事件の“罪”でもある重層的な意味であることを見る者は、知ることになります。
そして、「The guilty/ギルティ」は、次第にイマジネーション・スリラーから重層的なクライム・サスペンスへと変奏し‘深い余韻’を残して終わります。
a0212807_07062674.jpg早くもハリウッドは、名優ジェィク・ギレンホール(1980~、右写真)主演で、リメイクするとのこと、このことからも「The guilty/ギルティ」が、いかにすばらしい作品であるか、お分りだろうと思います。

by blues_rock | 2019-03-21 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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デンマーク映画界は、コンスタントに秀逸な(鬼才や異才)監督を輩出しています。
この30年余年、1987年に「バベットの晩餐会」を撮ったガブリエル・アクセル監督(1918~2014)以来、ラース・a0212807_07032010.jpgフォン・トリアー監督(1956~、1996年「奇跡の海」、2000年「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、2003年「ドッグヴィル」、2005年「マンダレイ」、2009年「アンチクライスト」、2011年「メランコリア」、2014年「ニンフォマニアック」)、トマス・ヴィンターベア監督(1969~、2010年「光のほうへ」、2012年「偽りなき者」)、スサンネ・ビア監督(1960~、2009
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年「マイ・ブラザー」、2010年「未来を生きる君たちへ」、2014年「セリーナ 炎の女」)、ニコライ・アーセル監督(1972~、2009年「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」脚本、2012年「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」)、ニコa0212807_07033405.jpgラス・ウィンディング・レフン(1970~、2010年「ヴァルハラ・ライジング」、2011年「ドライヴ」、2013年「オンリー・ゴッド」)など世界映画史に残る名作を撮った名監督たちに続く新星として若干30歳の新鋭グスタフ・モラー監督(1988~)が、登場しました。
a0212807_07034639.jpg「The guilty/ギルティ」が、初監督作品のモラー監督は、「見る人に挑み、驚かせるようなジャンル映画を作りたい」とデンマーク(人口570万人)の首都、コペンハーゲン北部緊急ダイヤル指令室を舞台に電話の向こうから聴こえる‘声と音’を道具立てに、映画センス抜群のイマジネーa0212807_07035182.jpgション・スリラーとワンシチュエーション・サスペンスを融合させた‘新感覚の密室劇’(プロット)を発表しました。
「The guilty/ギルティ」は、今や世界中の映画関係者(とくに映画配給会社、ネット映画放送会社など)が、注目するインディペンデント系映画(国籍問わず各国の新作、a0212807_07050986.jpg新人監督作品)の発表の場であるサンダンス映画祭で大絶賛(観客賞受賞)されました。
サンダンス映画祭(グランプリ)から有名になった主な作品に2008年「フローズン・リバー」、2012年「ハッシュパピー バスタブ島の少女」、2014年「セッション」などが、あります。
a0212807_07035570.jpg余談(前置き)が、長くなりましたので閑話休題します。
映画を見る者は、1時間半に満たない(88分の)映画「The guilty/ギルティ」を冒頭から最後までずっと息を殺し固唾をのんで「主人公と一緒に電話の向こうの“声・息づかい・沈黙”に耳を凝らす」ことになります。
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映像に終始映るのは、主人公の緊急ダイヤル指令室オペレーター警官アスガーただ一人、まわりに同僚オペレーターが、いるにはいるものの彼の背景みたいな役回りです。
a0212807_07053265.jpg出ずっぱり、それもエクストリーム・クローズアップで映し出されるアスガーの表情(目に現われる感情)が、見る者の心にシンクロしていくので緊張感は、途切れることが、ありません。(後編に続く)

by blues_rock | 2019-03-19 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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造船所で働く兄良夫(松浦祐也)は、右足が、悪く引きずるように歩き、発達障碍が、あり放浪癖のある妹真理子(和田光沙)を鎖につなぎ外から鍵をかけ狭いアパートに閉じ込めていました。
ある日、鎖を切り、鍵を壊した真理子は、アパートから出て居なくなりました。
a0212807_23151201.jpg夜も更けたころ公衆電話から「娘を保護しているのですぐ来て欲しい」と良夫の携帯に電話が、入りました。
真理子をアパートに連れ帰り、風呂に入れ、脱衣した衣類を洗濯しようとしたところ服のポケットに一万円札が、入っていました。
そして、良夫は、真理子の下着に精液が、付着しているのを発見しました。
一万円札をどうしたのかと、風呂にいる真理子に良夫が、訊ねても「もらった」としか答えませんでした。
同じころ良夫は、造船所をリストラされ食料も尽き電気も止められてしまいました。
生活に困窮した良夫は、思い余って妹の真理子に売春させようとポン引き(売春の斡旋)を始めました。
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良夫は、真理子を連れ長距離トラックの駐車場に行き一時間一万円の売春を勧誘し、チラシを作って二人で配って歩きました。
真理子は、売春を冒険と呼び客をとるうちに性に目覚めたのか積極的になり、やがて客のひとりである小人症a0212807_23153382.jpgの男に淡い恋心を抱くようになり一時間を過ぎて良夫が、真理子を迎えに行っても売春先の男のアパートから帰ろうとせず、無理やり連れ帰ると悲しみました。
二人が、生きるためとは言え、どこか妹に売春させる後ろめたさを感じていた良夫は、売春を冒険と呼び、積極的に行こうとする屈託のない妹真理子の喜びや悲しみを知って戸惑いました。
a0212807_23154300.jpg真理子の売春を知った良夫の幼な友だち(警察官)が、妹の売春を止めさせようとアパートを訪ねて来ました。
そして、良夫は、真理子の妊娠を知りました。
産婦人科の女医役で、1980年代の日活ロマンポルノを支えた風祭ゆき(1953~)が、出演していました。
片山監督は、「岬の兄妹」のクランク・イン前、障碍者の関係者や福祉に関わる人たちから厳しい批判の声が、
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上がると覚悟していたそうです。
だが、片山監督によると障碍者福祉の専門家たちの方は、障碍者も自分らと同じ人間であると理解していて、一般人のほうが、自分勝手に「障碍者」というフィルターを通し狭量に考えているのでイチャモンを付けて来たa0212807_23155342.jpgのは、一般人(最も危ないのは、自分を健常者と誤認している人たち)だったそうです。
「岬の兄妹」のエンディングでスクリーンに映る冷徹なリアリティは、私の胸にぐさりと突き刺さり、その切なさとやりきれなさの相俟った余韻(秀逸な映画を見た感動)が、映画館を出たあとも私の心にいつまでも残りました。
a0212807_23155668.jpg片山監督の次回作が、今から楽しみで、私の提言ながら、2019年カンヌ国際映画祭(ベルリンでもヴェネチアでも良いのですが)には、この傑作映画「岬の兄妹」を現代日本映画の代表として出品して欲しいものです。
(右写真 : 主演の二人)

by blues_rock | 2019-03-17 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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インディペンデント映画「岬の兄妹」は、現代日本社会の底辺に住まう人たちの現実(私たち日本人が、見て見ぬふりをしている真実)を片山慎三監督(1981~、現在38歳 製作・監督・脚本・編集の4役、長編映画監督デビュー作品)が、主人公の兄妹ともに障碍(兄は、右足が、不自由、妹は、発達障碍で放浪癖が)あるも、押し潰a0212807_23030159.jpgされそうな厳しい現実の中で生きていく姿を冷徹な目でリアルに描いています。
兄のリストラによる貧困、困窮した生活ゆえに行き着いた妹に売春させるという重くシリアスなプロットに時に、笑いを誘う‘コメデアスなシーン’のバイアスをかけ、初監督と思えない緩急自在の見事な演出で、映画の冒頭、居なくなった妹を捜す兄のシーンから、やはりエンディングで居なくなった妹を捜す兄のシーンまでa0212807_23030627.jpg徹底したリアリズムとテンションを貫き、すばらしい映画(傑作です)にしました。
片山監督は、社会派映画と呼ばれるのを避け、押しつけがましさのない見る人たちに兄妹や彼らに関わる人たちもまた「同じ人間」であると思ってもらいたいと、若干寓話性を持たせて映画を撮った(そのため障碍者施設や福祉行政のことについては、敢えて触れなかった)と公開後のインタビューに答えています。
a0212807_23032008.jpg「岬の兄妹」には、2010年の傑作「海炭市叙景」の貧しい兄妹愛と昨年(2018年)話題となった傑作「万引き家族」の貧困と生きて行くための万引き(「岬の兄妹」は、売春)が、シンクロしたような印象を私は、受けましたが、‘人間の本質’を これでもかという、おぞましいシーン、えげつないシーン、胸締め付けられる切ないシーン、やりきれないシーン、また人を思いやる情愛溢れるシーンなどの描a0212807_23031804.jpg写は、「海炭市叙景」・「万引き家族」の両傑作に勝るとも劣らない新しい傑作映画の誕生だと思います。
私が、信じられないのは、インディペンデント系とは言え、これほどの上質な映画が、西日本(京都以西九州全域)で上映されているのは、福岡市郊外の粕屋郡志免町にあるイオンシネマ福岡一館(単館)だけということです。
a0212807_23032379.jpg映画製作に当たって片山監督ほかスタッフ陣総がかり体制で(低予算ゆえスタッフが、一人何役も兼ね、移ろう四季折々のシーンを2年がかり)で撮影しています。
とくに、主人公の兄妹(きょうだい)、右足を引きずる兄良夫役の松浦祐也(1981~)、発達障害のある妹真理子役の和田光沙(1983~、2018年「菊とギロチン」に女力士役で出演)が、実にすばらしく、二人の迫真演技に私は、心底感動a0212807_23032720.jpgしました。
薄幸ながら微塵の屈託もない天真爛漫な妹真理子を演じた和田光沙の名演‘体当たり’の演技(真理子を不幸に見せないよう演じたとコメント)は、稀代の名女優 故樹々希林が、演じたどの役柄の存在感にも通じる演技の本質(リアリティ)を感じました。
片山監督は、兄良夫役を早くから松浦祐也とイメージし脚本を書いていたそうながら真理子役が、決まらずオーa0212807_23032501.jpgディションで和田光沙に決定したのだとか、和田美沙は、撮影移動車輌の運転やチラシの配布の裏方仕事も積極的(強い映画愛の顕われ)だったそうで、映画冒頭からの全身裸での体当たり演技にそれは、よく表れています。
映画は、とある岬の小さな港町(三浦半島の三崎港で撮影)で暮らす共に障碍をもつ兄妹が、主人公です。
後編に続く)

by blues_rock | 2019-03-15 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
制作していて次の工程に行き詰まるとわが技量の至らなさに気持ちが、沈み爆発しそうになるので「白檀塗」
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を私は、「爆弾塗」と自虐的にシャレて そう呼んでいます。
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まだ完成には、ほど遠いのですが、恥を忍んで制作中の「木胎漆変わり塗り四角平皿( 裏に「=」のゲタ高台)」
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2枚をあえて掲載しました。 (上下写真 : 変り塗りの表と裏)
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どなたか この白檀塗のグレード・アップ法をアドバイスくださると光栄です。

by blues_rock | 2019-03-13 00:03 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)