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心の時空

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a day in my life

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a0212807_12245985.jpg映画(モノクロ映像)は、ソル・ナザーマンの回想シーンから始まり、まず東ヨーロッパののどかな田園風景と川のそばで楽しそうにピクニックをしている家族を映します。
2人の子供が、野原ではしゃぎながら父親に駆け寄ります。
それを美しい母親が、慈愛に満ちたやさしい笑顔で見守っています。
まさしく幸福を絵に描いたようなシーンです。
a0212807_12385485.jpg突然、ここから映画は、暗転します。
何かの物音を耳にした父親が、その方向に目を向けると彼の表情は、恐怖に変わりました。
主人公のソル・ナザーマンは、悪の独裁者ヒトラー率いるナチスにより大学教授の職を奪われ、愛する家族とも離れ離れになり、ユダヤ人強制収容所に収容された暗い悲惨な過去を持っていました。
それから20余年経ったニューヨークでソル・ナザーマンは、過去のすべてに蓋をして質屋を営みながら、抜け殻a0212807_12383182.jpg同然にひっそりと暮らしていました。
しかし、強制収容所での惨憺たる壮絶な記憶は、腕に刻まれたユダヤ人収容者番号「64304」と同様、消えることなく、しばしば、彼を苦しめました。
主人公のソル・ナザーマンを演じる往年の名優ロッド・スタイガー(1925~2002)が、すばらしく ‘ソル・ナザーマンその人’に憑依したような会心の演技をしています。
ロッド・スタイガーは、1967年の名作「夜の大捜査線」でアカデミー賞主演男優賞とベルリン国際映画祭男優賞を受賞しています。
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共演は、往年の名女優ジェラルディン・フィッツジェラルド(1913~2005)が、ソル・ナザーマンに好意を寄せる社会福祉事業家を、一人生き残った義理の息子ソルを憎んでいる虐殺された亡き妻の父で寝たきり老人の役をルメット監督の実父が、それぞれ脇で名演しています。
a0212807_12384637.jpgいまや名優のモーガン・フリーマン(1937~)が、エキストラで出演しているようながら私には分かりませんでした。
傑作映画「質屋」を不朽の名作にしているのは、名撮影監督ボリス・カウフマン(1897~1980、エリア・カザン監督の1954年名作「波止場」でアカデミー賞撮影賞を受賞)の陰影の美しいモノクロ映像と、いまや稀代の名音楽家として名を馳せるクインシー・ジョーンズ(1933~)が、初めて映画音楽監督を務めた記念すべきa0212807_12555006.jpg作品だからです。
クインシー・ジョーンズと云えば、何といっても当時22歳の彼が、アレンジャーとして制作に関わった1955年ジャズ・ヴォーカルの傑作「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」で、このLPレコードの名盤は、私の宝物、いつ聴いてもシビレます。

by blues_rock | 2018-11-29 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_12232928.jpg「シネマの世界」を書き始めて7年半、今夜は、第900話記念としてアメリカ映画の名匠シドニー・ルメット監督(1924~2011)が、1964年に撮った傑作「質屋」を紹介いたします。
拙ブロク「シネマの世界」は、私が、見て感動した新作映画やこれまで見た映画で、傑作・秀作と思う作品を選び、映画ファンの方々と感動を共有したい優れた映画、何度も見ている名作、もう一度見たい旧作などその見どころを私の個人的な映画評を加えて書いているものです。
映画ジャンキーの私ながら ‘好き嫌い’ はげしく、ゴマンとある映画の中で私が、見ようと思う映画、見た映画は、ほんのわずかで、つい見てしまい、見なきゃよかった!と時間の無駄を後悔するハズレ映画も結構あります。
映画は、1893年にアメリカの発明家エジソンが、箱をのぞき込むキネトスコープ型を発明、それを見たフランスのリュミエール兄弟は、創意工夫し1895年現在(いま)のスクリーンに映すシネマトグラフ型を発明しました。
それから120年、映画の歴史は、まだ始まったばかりです。
その120年の間に膨大な数の映画が、製作されるも私の見た映画は、そのほんの一部で、その数などたかが、知れています。
a0212807_12241611.jpg時おり、「どんな映画を見ていますか? どんな映画が、好きですか?」と人から質問されますが、即答できず、監督・脚本・俳優 ‥ 撮影監督・音楽監督、美術(プロダクション・デザイン)やロケ地(ライン・プロデュー)などの話を始めると質問者は、もういいです!というような表情になるので、この人に映画の'すばらしさ'を語っても時間のムダとすぐに止めます。
「シネマの世界」は、私自身のため、やがて認知症を患う(後期高齢者の半数以上は、認知症か認知症初期症a0212807_12235920.jpg状を患う)であろう自分を予想し映画狂であった自分が、どんな映画を見ていたのか記憶の代わりに書き残しているブロクです。
閑話休題、シドニー・ルメット監督と云えば、何といっても1957年の記念すべき名作「十二人の怒れる男」が、まず挙げられます。
他に私の好きな作品をいくつか挙げるなら名優アル・パチーノを主演に撮った1973年作品の「セルピコ」および1975年作品「狼たちの午後」、そしてルメット監督の遺作となった2007年作品「その土曜日、7時58分」あたりが、a0212807_12243283.jpgすぐに頭に浮かびます。
「質屋」は、アメリカン・リアリズムの象徴のような作品で、この後に続く「俺たちに明日はない」などのアメリカン・ニューシネマの先駆けと云えなくもありませんが、映画のプロットに旧体制に対するアンチモラルや反体制へのテーゼは、ありません。
主人公の年老いたユダヤ人ソル・ナザーマンは、ニューヨークのスラム街で質屋を営んでいますが、頑(かたくa0212807_12244100.jpgな)に心を閉ざし、世の社会の出来事一切に無関心で、まわりの人たちとの世間話も拒絶していました。
彼は、「どんな人間も平等にクズ。 私は神を信じない。 芸術も科学も政治も哲学も信じない。」と感情の交流(コミュニケーション)をにべもなく拒否していました。 (後編に続く)

by blues_rock | 2018-11-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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ドゥニ・ヴィルヌーブ監督(1967~)の2015年秀作「ボーダーライン」(原題「Sicario」殺し屋)の続編「ボーダーライン2 ソルジャーズ・デイ」が、公開初日、一夜限定で「ボーダーライン」と新作「ボーダーライン2 ソルジャーズ・
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デイ」(原題「Sicario: Day of the Soldado」殺し屋:兵士の日)をセットにして二本立ての特別上映、なんとバケツみたいな容器に入ったポップコーン(映画館で初めて食べました)とビッグサイズ・ドリンク付きで2、500円とは、うれしa0212807_18292168.jpgい限りです。
前作と同じく‘続編’の脚本もテイラー・シェリダン(1970~、「ウインド・リバー」は初監督作品)なので、続編「ボーダーライン2 ソルジャーズ・デイ」を見る前に、まず前作で描かれたアメリカとメキシコの国境(ボーダーライン)を舞台にFBI&CIAとメキシコ麻薬カルテルとの麻薬戦争の現実を知ることでマフィアにとって国境が、いかに非合法ビジネスの儲け(麻薬取a0212807_18293846.jpg引と不法移民のアメリカ密入国は、カルテルの権益)場所であるか、そのための容赦ない殺戮は、日常茶飯事で、そのリアルな殺人現場を辟易するくらい見てそのまま続編へ移行です。
新作「ボーダーライン2 ソルジャーズ・デイ」の監督は、イタリアのステファノ・ソッリマ(1966~)です。
a0212807_18304421.jpg脚本のテイラー・シェリダンと主役の二人(ベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリン)が、同じで異なるのは、演出(つまり監督)となるとどうしても続編のソッリマ監督と前作のヴィルヌーブ監督の作品を見比べてしまいます。
続編もまた最後まで筋の読めないスリル満点のハードアクション映画ながら、前作ヴィルヌーブ監督の一瞬も緊張の弛まない演出に対し続編のソッリa0212807_18293597.jpgマ監督は、主役の二人に潜在する微かな‘感情’を持たせているところが、ポイントと私は、感じました。
そして、決定的に違うのが、エンディングです。
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督演出の「ボーダーライン(Sicario 殺し屋)」のエンディングが、徹底した絶望のリアリズムであるなら、続編のステファノ・ソッリマ監督演出は、わずかながら人の感情(かすかな希望)をa0212807_18503332.jpg描いています。
撮影監督は、ポーランド出身の名撮影監督ダリウス・ウォルスキー(1956~、1993年作品「蜘蛛女」は、撮影監督2作目、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ1~4の撮影監督)で、前作のイギリスの名撮影監督ロジャー・ディーキンス同様、クールにしてシャープな映像を見せてくれます。
a0212807_18302403.jpg前作の音楽は、アイスランドの故ヨハン・ヨハンソン(1969~2018没、死因は、オーバードースと推察、享年48歳)でヴィルヌーヴ監督との相性抜群、「プリズナーズ」・「ボーダーライン」・「メッセージ」とヴィルヌーヴ監督作品の音楽監督でしたが、ソッリマ監督の新作では、亡きヨハン・ヨハンソン音楽監督の弟子であった同アイスランドの女性a0212807_18305930.jpg作曲家 ヒドゥル・グドナドッティル(1982~、当年36歳)が、今回ドラマ性の増した分、サウンドトラックの果たすべき役割を良く心得ていて、前作のノイジーな連続音基調の師ヨハン・ヨハンソンの音をベースにしながらも無機的重低音のビート中心であった師ヨハンソンよりもエモーショナルな雰囲気を醸し出すメロディアスな音階で作曲家 ヒドゥル・グドナドッティルのa0212807_18310675.jpg個性を発揮、彼女は、2015年のアレハンドロ・イニャリトゥ監督作品「レヴェナント 蘇りし者」の音楽でチェロを弾いています。
閑話休題、映画のプロットは、前述のとおりながら前作でメキシコの麻薬カルテルから妻子を惨殺された元検事で復讐心に燃える殺し屋アレハンドロを名優デル・トロ・ベネチオ(1967~)が、目的のためなら手段を問わないCIAの特別捜査官マッa0212807_18310284.jpgトをジョシュ・ブローリン(1968~)が、同一人物を続編でも演じています。
女優は、前作で二人にとことん利用されるFBI捜査官役のエミリー・ブラント(1983~)から、まだ十代の新人女優イザベラ・モナー(2001~)に交代、二人に拉致されるメキシコ麻薬カルテル ボスの娘イザベルを演じています。
ほかに続編にも登場するのは、CIA特別捜査官役の名脇役俳優ジェフリー・ドノヴァン(1968~)です。
a0212807_18310968.jpg続編は、CIA特別捜査官マットから依頼を受けた殺し屋のアレハンドロが、メキシコの国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテル組織同士の縄張り抗争を勃発させるためマットと連携、極秘裏に一方の麻薬カルテル ボスの娘を誘拐しカルテル同士の潰し合い作戦を遂行するというベタなストーリーながら前作と続編を続けて見ると監督二人の個性(演出の相違)が、良く分かり「一夜限定のボーダーライン 2本立て上映」は、大収穫でした。

by blues_rock | 2018-11-25 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
福岡市中央区高砂にあった「ちゃんぽん かい乃」が、移転のため休店し早や1年3か月、糸島市二丈武で11月に新装オープンしました。
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チャンポン好きの私は、かい乃の再開店を首長くして待っていました。
新店「かいの」のチャンポンについては、4年半前の拙ブログ「ちゃんぽん かい乃」をご覧いただくとして、国道202号線a0212807_08081369.jpg(バイパス)を往還される方や近くにお住まいの方で鶏白湯(とりぱいたん)スープの‘美味しいチャンポン’を味わいたい方に所在地をご案内いたします。
道路から少し中に入りますが、202号線を唐津に向かって‘二丈武’の交差点(右前方にリョーユーパン野球場)を右折し道なりに少し行った右手にあります。

日・祭日が、休みで、営業時間は、11時~15時、ぜひ一度ご自分の舌でお試しください。

by blues_rock | 2018-11-23 00:03 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
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先夜に続きフランスの名匠ロマン・ポランスキー監督(1933~)の1992年作品「赤い航路」を紹介します。
「赤い航路」の原題は、「Bitter Moon」で「Honey Moon(ハネムーン)」の反対語のような夫婦旅行と理解していただくa0212807_06262653.jpgと映画は、分かりやすいと思います。
映画には、二組の夫婦が、登場、この二組の夫婦は、豪華クルーザーの船旅で出遭い、親しくなるうちに次第にお互い相手の夫と妻に‘男と女の部分’を露骨に見せ始め、やがて屈折した性愛に発展していきました。
ポランスキー監督は、シニカルな夫婦の愛情劇を描いたと云うか、相当捻じれた男女の(夫婦の)愛憎と性愛をa0212807_06263276.jpg抉(えぐり)り出すように描いたエロチック・ミステリー映画の秀作です。
結婚7年目のイギリス人夫婦、ナイジェル(ヒュー・グラント 1960~)とフィオナ(クリスティン・スコット・トーマス 1960~)は、傍目に仲の良いまじめなカップルで7年目の愛を確認するために豪華クルーザーの船旅に出ました。
二人は、船の中で車椅子のアメリカ人作家オスカー(ピーター・コヨーテ 1941~)と、オスカーの若い妻ミミ(エマニュa0212807_06264815.pngエル・セニエ 1966~)に出遭いました。
ミミの妖しい雰囲気やクールな言動にフィオナの夫でマジメ男のナイジェルは、出遭った時から翻弄されました。
ナイジェルの妻フィオナも夫が、ミミに興味をもっていると女の直感で察し警戒するも車椅子のミミの夫オスカーは、ナイジェルに「私の妻を抱きたいa0212807_06265404.jpgだろ? 正直に言ってみろ。」とナイジェルを挑発しました。
そして‥これから後の展開は、映像ならではの夫婦二組の愛憎と男女(夫と妻)のエロチックなシーンが、続きますので
‘この夫婦’の精神構造を理解したい方は、映画をご覧ください。
ヒュー・グラント演じる顕在化した男の性愛、ピーター・コヨーテの屈折した車椅子の初老男が、見せるサディステックな性愛への偏狂、クリスティン・スコット・トーマスは、他の女に興味をもつ夫への嫉妬による妻の乱心を、a0212807_06265904.jpgエマニュエル・セニエ演じる妖艶なエロチック女ぶり‥など、いずれも秀逸な演技でお薦めしたい映画です。
劇中のセリフが、すばらしく、「好きの反対語は、嫌いではない、好きの反対語は、興味がない」とか、「憎しみ合うために結婚する」、さらに「便利な女か 不要な女だ」とか、「世の中で一番悲しいことは、誰にも相手にされないことだ」と続きます。
憎しみ合える関係を結べた夫婦(男女)は、‘運命の人’(男ならばファムファタル)と出遭ったのだとポランスa0212807_06270234.jpgキー監督のつぶやく声が、聞こえるようです。
劇中、インド人の父親と娘(少女)が、時おり登場するのは、ポランスキー監督の演出の妙で、この屈折した夫婦の性愛(愛憎)ドラマに良い塩梅のバランス(社会の現実に引き戻す)役をしているように思いました。

by blues_rock | 2018-11-21 05:55 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_06243090.jpg名匠にして鬼才監督ロマン・ポランスキー(1933~)は、ユダヤ系ポーランド人で幼年期ナチスドイツに侵略支配されたポーランドの古都クラクフのユダヤ人ゲットー(強制収容所)で育ちました。
父親は、幼い息子ロマンをゲットーから脱出させると強制収容所に送られました。
生き別れた母親が、アウシュビッツ強制収容所で虐殺され、父親は、別の強制収容所へ送られるも採石場での強制労働により戦後まで生き延び再会しています。
戦争難民としてフランスへ亡命したロマン少年ですが、ここも安住の地ではなくナチスドイツに支配された傀儡のフランス政府による「ユダヤ人狩り」で逃亡生活を余儀なくされました。
ロマン・ポランスキー少年期の精神的肉体的な艱難辛苦(かんなんしんく)は、映画監督になり彼の映像表現に大きな影響を与えているように思います。
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戦後ポーランドへ帰還し大学で映画制作を専攻、俳優になりますが、フランスのヌーベルヴァーグを想わせる1962年の長編映画デビュー作「水の中のナイフ」で監督になりました。
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共産党独裁の社会主義国家ポーランドで「水の中のナイフ」は、無視されますが、アメリカやヨーロッパで絶賛されました。
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1963年、イギリスに亡命したロマン・ポランスキー監督は、1965年に新人女優カトリーヌ・ドヌーブを主演に迎えて撮った「反撥」が、好評で鬼才ロマン・ポランスキーの名は、またたく間に西側世界に広がりました。
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その後アメリカに渡り、1968年「ローズマリーの赤ちゃん」、1974年「チャイナタウン」、1979年「テス」、1988年「フランティック」、1992年「赤い航路」など話題作(数々の名作)を発表しました。
a0212807_06254209.jpgポランスキー監督は、アメリカ長期在住中スキャンダラスな事件にいくつも遭遇、それに翻弄され続けプライベートが、保てなくなりフランスへ移住し1989年、33歳年下のフランスの女優エマニュエル・セニエ(1966~)と結婚、二人の子供にも恵まれ家庭的に安定、85歳の今も元気に映画製作に励んでいます。 (最後の写真 : ボート上のラブシーンを撮影しているポランスキー監督、中央)

by blues_rock | 2018-11-19 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
木胎や紙胎に漆を塗って漆器や漆調度品する匠(たくみ)を塗師(ぬし)と称します。
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石川県奥能登で漆工房を営む塗師赤木明登さんの作品展が、早良区石釜の「クラフトの店 梅屋」で開催されたので見に行きました。
a0212807_14434801.jpg赤木さんは、家庭画報編集者のとき、漆器に出会い感動し輪島に移住され、漆職人の修行をして独立、塗師作家として胎に和紙を貼り、その上に漆を塗った個性的な独特の作風(スタイル)を確立しました。
見た目の美しさは、当然のことながら、その本当の良さが、実感できるのは、器を手に持ったときです。
輪島塗の製造工程は、各工程のスペシャリスト(名工)が、分業していて、あの非の打ち所のない輪島漆器を完成させます。
だが、赤木さんの作品は、同じ輪島塗漆器でも赤木さんの作家性(個性) が、色濃く反映されています。
実際、梅屋で多くの器を手にしてみて私は、赤木漆器の魅力が、良く解りました。
その前に石釜に着いたのが、ちょうどお昼でしたので、そのまま三瀬トンネルを抜けて神崎脊振の遊山へ蕎麦を食べに行きました。
遊山のまわりは、深い秋で紅葉(もみじ)が、美しい季節でした。
この日、私が、食べたのは、割り箸くらいの太さでコシのある十割手打ち蕎麦「ごんくれ」(一日10食限定)です。
そのしっかりした歯応え(食感)と蕎麦の風味(味わい)は、なんだか病み付きになりそうです。
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食後にすっかり色づいた遊山裏庭の紅葉(もみじ)を眺めながらしばらく散歩しクラフトの店梅屋に向かい赤木明登さんの漆器をゆっくり拝見、感動いたしました。
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by blues_rock | 2018-11-17 00:07 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)
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今年の秋は、例年になく良い映画の公開が、続き、拙ブロクの‘シネマの世界’も見た順序ではなく、旧い名作と併せ、私の気分とキーボードの趣くまま、いくつかの作品を同時に書いていますので映画の時間軸は、バラバラ
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です。
10月に見たフランス映画「負け犬の美学」(原題「Sparring」)も珠玉の作品でした。
a0212807_11010757.jpgサミュエル・ジュイ監督(1975~)は、この映画が、長編監督デビューとか、されど初演出とは、思えない情感溢れる好いシーンを随所で見せてくれます。
主演は、名優にして名監督であるマチュー・カソヴィッツ(1967~)が、戦歴49戦13勝33敗3引き分けという引退間際の中年ボクター、a0212807_11011626.pngスティーブを渋く演じ、彼の信念 ‘負け犬の美学’をさすがという演技で見せてくれます。
45歳になるスティーブは、生活のため家族のために、時おり声のかかる前座試合に出場し、ボロボロになりながらボクシングを続けていました。
a0212807_11014139.jpg愛する妻と子供たち(娘と息子)が、彼の宝でボクシングに敗れても人生に負けたわけじゃないという信念をもってボクシングを続けていました。
ある日、スティーブは、ボクシング仲間の誰もが、敬遠する欧州チャンピオン、タレク・エンバレク(ソレイマヌ・ムバイエ1975~、元WBA世界スーパーライト級チャンピオンなのでリアリティと迫a0212807_11014842.jpg力満点)の‘スパーリングパートナー’の仕事を耳にし、愛する娘の将来(パリの学校でピアノを学びたいという娘の夢)のために回りが、止めるのも聞かずスパークリング(Sparring)相手として打たれ役を引き受けました。
a0212807_11015212.png当然のことながら映画には、多くのファィティング・シーンが、登場し前述のとおり元世界チャンピオンのソレイマヌ・ムバイエは、映画初出演ながらスティーブ役のマチュー・カソヴィッツを相手にリアルなボクシングを披露、二人のファィトシーンが、圧巻で劇中の家族ならずとも映画を見てa0212807_11172041.jpgいるこちらまで‘見ちゃおれない’心境になりました。
ボロボロになりながらスパーリングパートナーをやり遂げたスティーブをチャンピオンは、見直し(大いに評価し)スティーブにとって50戦目となる‘引退試合’を提案しました。
a0212807_11222190.jpgスティーブは、愛する家族と「自分の引き際」のために闘う決意をしました。
今まで自分のボクシングを見たがる娘が、試合に来ることをスティーブは、認めませんでしたが、自分の父親を友だちやまわりから‘負け犬’と揶揄(からか)われ、それにじっと耐えてきた愛娘オロールをリング脇に座らせ最後に渾身の思いでボクシングをしました。
a0212807_11172308.jpgオーディションで選ばれた娘オロールを演じる少女俳優ビリー・ブレインの無垢な笑顔と父親を心から愛する純真な眼差しが、じつに秀逸で、この父と娘(親子)を見るだけでも「負け犬の美学」は、見る価値が、あります。
a0212807_11021121.jpgスティーブの妻でオロールの母マリオンを演じる女優オリヴィア・メリラティ(1982~)の二人に間合いを取ったクールな、されど深い慈愛に満ちた視線や立ち振る舞い(演技)もこの映画の引き立て役でしょう。

by blues_rock | 2018-11-15 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_10250914.jpg現在公開中の「華氏119」は、これまで2002年「ボウリング・フォー・コロンバイン」で、政治に大きな権力をもつアメリカ・ライフル協会を、2004年「華氏911」で、当時のブッシュ大統領を、2009年「キャピタリズム マネーは踊る」で、ウォール街(金融資本家たち)を、リアリズム映像を駆使し痛烈に批判し、コケにしてきたドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーア(1954~、監督・製作・脚本・出演)が、今回は、先の11月6日アメリカ議会選挙と知事選の中間選挙に向け、反トランプを鮮明にしてアメリカにおける民主主義崩壊の危機をプロットにして撮ったドキュメンタリー映画の怪作です。
a0212807_10254781.jpg華氏119」の119は、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントンが、得票数で286万票(福岡市人口の1.9倍)上回りながら共和党候補のトランプに破れ‘得票数の少ない’トランプが、勝利宣言した11月9日を表しています。
ちなみに「華氏911」の911は、アメリカ国民ならずとも世界中の人が、知っているアメリカと世界を震撼させたアメa0212807_10263703.jpgリカ貿易センタービル(ツインタワー)航空機自爆テロ事件発生の9月11日を表しています。
2016年11月9日までメディアや調査機関のほとんどが、ヒラリー候補の勝利を予想する中、ムーア監督自身は、反トランプながらその一か月前の10月18日に「トランプランド」というドキュメンタリー映画を発表、早くも悪しきトランプ新大統領の誕生を予a0212807_10264347.jpg言していました。
なぜか?
アメリカ中西部のラストベルト(錆び付いた地域)と称されるミシガン州フリント市出身のムーア監督は、父親も祖父も自動車工場で働く組立工労働者(ブルーカラー=民主党のシンボルカラー)でした。
a0212807_10264643.jpgそれまで中西部(ラストベルト)は、民主党優位の州でブルー・ステイツ(州)でしたが、この地域に住む保守的で白人中間層の有権者は、民主党大統領候補のヒラリーを支持していないことを宗教心の強い(敬虔なカトリック信者)ジャーナリストでドキュメンタリー作家マイケル・ムーアの‘現地・現場・現実’を明晰に見る目(慧眼)は、ワシントa0212807_10264985.jpgンやニューヨークにいると見えない彼らの気持ち(ポピュリズム)を見抜き 肌で感じていました。
人種差別を公言し独善で独裁志向のトランプが、劇中ムーア監督に「私の映画は、撮らないでくれよ」と懇願するシーンや女癖悪くワイセツなスキャンダルの絶えない父トランプと娘イヴァンカとの近親相姦的なスキンシップ(父親がいつも娘の腰やお尻に手を置いている)と卑猥な会a0212807_10265405.jpg話などムーア監督の容赦ない反(嫌)トランプの映像は、徹底しています。
これが、中国、ロシア、中東アラブのイスラム諸国、北朝鮮などアジア・アフリカの独裁国であれば、とっくの昔、ムーア監督は、暗殺か反逆罪で処刑されていることでしょう。
映画は、巨額の国税を使い既得権益(富裕層・資本家)に譲歩を重ね、労働者を見棄てた当時のオバマ大統領、ヒラリー(元国務a0212807_10265749.jpg長官)民主党大統領候補への視線も手厳しく、最後まで民主党の大統領予備選で、ヒラリーの対抗馬として民主党員に人気のあったバーニー・サンダース上院議員をヒラリー派の民主党首脳が、排除したことなども鋭く指摘しています。
民主党・共和党を含め、ポストオバマ大統領選出の大統領予備選全候補の中で、唯一アメリカ保守白人中間層に向けの(テレビ番組で鍛えた嘘八百の暴言・虚言を駆使した)パフォーマンスでワシントン(政治家)とニューヨーク(金融資本家ら)の既存体制(エスタブリッシュメント=支配階級)ならびにa0212807_10270848.jpg既存メデイアに罵詈雑言を浴びせ批判し喝さいを浴びたポピュリスト候補トランプ人気と彼を当選させたアメリカ社会の劣化に鋭く斬り込んでいきます。
映画は、またリベラルな価値観を信奉するリベラリストのムーア監督が、故郷ミシガン州フリントの水道水汚染問題を俎上にのせ、ミニ・トランプの様なミシガン州知事をアポなし突撃インタヴュー、フリント市民の水道水汚染によa0212807_10271273.jpgる健康被害データの改ざんを痛烈に告発しています。
返す刀でムーア監督は、当時のオバマ大統領が、ミシガン州健康被害データの改ざんに協力したかのような誤解を与えるフリントの水道水を飲むパフォーマンスを冷ややかに映し、さらにウェストバージニア州の教職員ストを突撃リポートし支持を表明する映像、フロリダ州では、退学a0212807_10451804.jpgさせられた元高校生が、恨みを晴らすためM16自動小銃ライフルを高校に持ち込み乱射、17名の高校生と学校職員を殺した事件に対し、事件後まわりの大人たちの妨害に屈せず高校生たち自ら銃規制を訴える活動にムーア監督は、密着取材し積極的にその活動を支援しています。
a0212807_10271578.jpgムーア監督は、先の11月6日中間選挙を前に「うんざりして諦めたとき独裁者が、現われる」と、あえて煽情的なプロパガンダ手法で撮影し、2年後の2020年に2期目4年の大統領改選を迎えるトランプにナチスドイツの独裁者ヒトラーの映像を重ね合わせアメリカ国民へ「自分たちの民主主義を守る」行動を呼びかけ、徹底した反トランプのa0212807_10534959.jpg熱血漢として真っ向勝負を挑んでいます。
その中間選挙の結果は、皆さんご存知の通りです。
字幕の監修をジャーナリストの池上彰氏が、担っているのもこの映画のポイントです。

by blues_rock | 2018-11-13 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
a0212807_05083700.jpgパイプオルガンの原理は、巨大な管(くだ、パイプ)を天に向かって数多並べ(NHKホールのパイプオルガンは、7,600本とか)、管に空気を送り、音栓(ストップ)と手足による鍵盤(キーボード)操作で音を創る(旋律を奏でる)楽器です。
11月10日土曜日午後、福岡女学院のギール記念講堂で「パイプオルガンとトランペットの出遭い」コンサートが、開催されましたので、つぶさに‘パイプオルガン’を見ようと演奏者(パイプオルガニストの野美山由加里さん)の背後席から演奏の様子を観察しました。
すごい! 鍵盤のうえを演奏者の指が、生き物のように動き回り、二本の足は、12本の鍵盤バーを飛び跳ねるように動き、演奏者の音魂(おとだま)が、宙(そら)を飛び交い、カッチーニ(1551~1618)、バッハ(1685~1750)、メンデルスゾーン(1809~1847)の音魂(音楽)となって聴衆に舞い降りて来ます。(参考:「フェルメールの楽器」 )
演奏曲目は、トランペットとの楽曲と合わせ全8曲、私が、知っている曲は、「カッチーニのアベマリア」、「バッハのトッカータとフーガ」くらいながら、初めて聴く曲も新鮮な感動が、ありました。
作曲もする野美山由加里さんが、サプライズでプログラムにない現代音楽(作曲家不明)を演奏してくれ、これに私は、一目ならぬ一耳惚れでグサッと私のハートに刺さりました。
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私が、映画監督なら次作のサスペンス・スリラーか、サイコ・ホラー映画のサウンド・トラックに使いたいな。
しかし、‥ 悲しいかな、ただの映画好き、されどモッタイナイので、ロマン・ポランスキー監督か、フランソワ・オゾン監督に推薦しようかな。

by blues_rock | 2018-11-11 01:11 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)