拙ブロクにお立ち寄りくださった皆様方に 暑中お見舞い申しあげます。

5年前にも‘ハングドラム’については、書きましたが、ハングドラムの音色は、暑い季節、木蔭で冷たいビールか、ミントを浮かべたアイスティを飲みながら聴くと爽やかになります。21世紀になりスイスで発明されたのが、‘手で叩いて音楽を奏でる’メロディ演奏打楽器のハングドラムです。

打楽器の元祖は、さしずめアフリカ(西アフリカ)の‘ジャンベ’でしょう。
人類の知能を超越しようとしているAIとは、対極にある慈愛に満ちた 限りないやさしい音で人間の心をそっと包んでくれます。
ハンクドラムの音色を聴いていると、私の体内を爽やかな涼しい風が、吹き抜けて行きます。

Hang Massive 「Once Again」
◇
Hang Drum in a Tunnel of London
◇

ハンクドラムのGigでは、ありませんが、あまりに ‘すばらしい!’ ギターを中心としたマルチ演奏(何と18歳!)なので貼付しました。
multi instrumental rock the 12 string guitar
ハンクドラムのGigを聴いて、世界は、本当に広い ‥ いがみ合っても仕方が、ないと思いました。

明日から八月です。
これからも暑い日が、続きます。
皆様方におかれましては、熱中症や冷房よる夏カゼにお気をつけくださるようご自愛ください。



SFデストピア映画は、ざっと指を折るだけでも1971年「時計じかけのオレンジ」、1982年「ブレードランナー」、1985年「未来世紀ブ

主演は、若き名女



ニアを愛するも感情に表わさなかったサイラス(ニコラス・ホルト)でしたが、検診結果に感情発症の予兆は、顕われ始めていました。
「イコールズ」で服従を装い暮らしていたサイラスは、ニアを強制収容所から脱走させ外の世界へ逃亡することを決意しました。


安藤忠雄氏設計のシャープで、機能的な建築物は、どれも正に近未来都市の壮観です。 (下写真 : 新潟県 長岡造形大学キャンパスでの ロケーション撮影風景)


この短編3作品の上映を企画したのが、IF九州映画担当の、フランスから 6か月研修で派遣された政治学を専攻する青年でした。
7月の映画を最後に、フランスに帰国するそうですが、博多山笠の追い山に閉め込み姿で参加したことをたいへん喜んでいました。
さて、世界は、いま‘暴力’に満ち溢れ、悲しく哀れな事件が、絶えません。
私は、ヴァイオレンス映画の秀作を好んで見ますが、私の見るヴァイオレンス映画のほとんどは、“勧善懲悪”をプロットにしており、卑怯卑劣な巨悪や権力が、跋扈(ばっこ)し、勝利して終わる映画(プロバガンダ映画)を見ることは、ありません。
1作目の「ぼくたちのジュネーブ条約」は、ブノワ・マルタン監督による2016年の短編映画(15分)です。
放課後バスで帰宅しようとしていた少年が、彼ら少年グループの争いに巻き込まれます。
争いの原因は、同級生に20ユーロ(2、500円くらい)を貸したと云う生徒が、借金を返さない生徒に暴力で返済を


移民の子供も入れた多民族の、多種多様な意見をもつ少年少女が、対立しながらケンカになる前に何とか解決しようとする姿を映したこの短編映画は、世界の好戦的で愚かな大統領や首相たちに見せたい作品です。
2作目の「グループ・ヴァイオレンス」は、2015年にカリム・プケルシャー監督が、発表した15分の短編映画です。
15分の短編映画に 何とフランスの名優ヴァンサン・カッセル(1966~)が、主演、自分の精神疾患である暴力依存症の衝動に必死で打ち克とうとする男の姿をリアリティ溢れる演技で表現しています。
黒いブルカ(イスラム女性の着衣)をまとったナゾの女たちの出現に、取り締まりを強化した警察に対し若者たちは、怒りを爆発させ暴力事件を起こしていました。
若いころ暴力の絶えなかった元チンピラのヴィンス(ヴァンサン・カッセル)は、日々の生活に疲れ果て、昔のよう

苦悩し葛藤するヴァンサン・カッセルの表情が、秀逸です。

グザヴィエ・ルグラン監督は、「すべてを失う前に」を 30分という尺(上映時間)の中で家庭内暴力という主題をあからさまに見せる演出ではなく、フランスにとどまらず世界中どこにでもある社会問題としてスリ

映画は、暴力夫(父親)から逃げる妻(母親)と子供(思春期の娘と幼い息子)の3人中心にスリラーのようなタッチでテンポよく描いています。
学校に行かず橋の下に隠れている少年、居場所を先刻承知で迎えに来る母親、恋人との別れが、切なく涙にくれている少年の姉、そんな子供たちを順番に車に乗せながら3人は、急いで母の務めるスーパーマーケットに行きました。
夫の暴力から逃れるため子供たちと遠くに移住することを決めた彼女は、会社に給料の精算を頼みに行ったのでした。
事情を知る上司や同僚(中にはトンチンカンな同僚もいてハラハラさせます)の応援を得て、どうにか給料未払い分の一部を手に外に出ようとしますが、後を追ってきた夫は、すでにスーパーの店内に入り、家族を捜し出てくるのを待っていました。
この家庭内暴力の短編プロットを起承転結のある長編映画として撮れば、かなりおもしろいサイコサスペンス

今回、フランスの短編映画特集を見てフランス映画界の懐の深さを感じました。
唐津特有の鉄分の多い陶土(つち)をロクロで荒挽きして創りあげ、焼き絞めただけのような正しく自然そのまま

私の手にピッタリ収まり、私は、これでお茶やコーヒーを飲んでいます。


金継ぎをしているせいか、唐津=古唐津で、今様の唐津に、さして興味なく、ほとんどスルーしていました。
作家モノと称する小賢しい陶器が、市中に氾濫する昨今、中川自然坊氏のバサラな陶器は、異彩を放ちます。
まあ、ともあれ、私の個人的な趣味(好み)ですが‥。


ドイツとオーストリア合作の「ありがとう、トニ・エルドマン」は、摩訶不思議なコメディ映画で‘初老の父親とアラフォー前の独身娘’の物語ながらコメディなのに笑えないシーンが、多く、撮影監督パトリック・オルト(1968~)のカメラは、父トニ・エルドマンと娘イネス親子のお互いギクシャクした愛情のズレを

父親のヴィンフリート=トニ・エルドマンをオーストリアの名優 ペーター・シモニスチェク(1946~)が、娘イネスをドイツの女優 サンドラ・ヒュラー(1978~)が、二人ともに秀逸な演技で親子のズレた愛情を見事に表現しています。

悪ふざけが、大好きな父 ヴィンフリート(ペーター・シモニスチェク)とドイツの大手経営コンサルタント会社で働くエリート社員の娘イネスは、性格も人生観も正反対の二人ながら親子が、たまに会っても娘のイネス(サンドラ・ヒュ

ヴィンフリートは、仕事に追われるイネスが、心配のあまり「おまえ、本当にそれでも人間なのか?」と親子であっても‘それを言っちゃオシマイよ’というようなキツイ言葉で彼女の人生を皮肉りました。

ヴィンフリートは、愛犬の老衰死をきっかけに娘のイネスが、仕事で駐在するルーマニアの首都ブカレストを訪ねました。


神出鬼没のトニ・エルドマンが、イネスに付きまとい彼女の会社に奇妙な肩書きのコンサルタントで現れたり、彼女のいる高級レストランや顧客を招いたホテルのパーティ会場にドイツ大使と

とにかく劇中のいろいろなエピソードが、おもしろく ユニークです。
とくに女性のアーデ監督が、演出したイネスの同僚で愛人(セフレ)とのセックスシーンも滑稽かつ秀逸でした。



イネスが、会社の上司や同僚、友人を招いたホームパーティ誕生会で突如癇癪を起こし(ストレスを爆発させ)出席者全員をヌードにさせるエピソードやそのヌードパーティに突然毛むくじゃ

「ありがとう、トニ・エルドマン」は、早くもハリウッドでジャック・ニコルソン(1937~)とクリスティン・ウィグ(1973~)

(右写真:左からペーター・シモニスチェク、マーレン・アーデ監督、サンドラ・ヒュラー)

2014年の製作から3年経ちDVDスルーされた日本版のタイトルが、これまたダサく、原題の「マングルホーン」


俊英デビッド・ゴードン・グリーン監督(1975~、2013年「グランド・ジョー」、2015年「選挙の勝ち方教えます」)は、「マングルホーン」(主人公である偏屈で孤独な老人の名前)その人であ

鍵の修理屋を営みながら孤独に暮らす老人マングルホーンは、若いころ愛した女性クララ(色褪せた若い女性の写真だけで映画には登場しない)へ今でもラブレターを書いていました。

そんなある日、マングルホーンは、よく行くカフェでドーンの姿を見つけました。

しかし、マングルホーンは、昔愛した女性クララへの未練を今も引きずっていました。
撮影監督ティム・オアー(1968~、2013年「グランド・ジョー」、2015年「選挙の勝ち方教えます」など デビッド・

(右写真 : アル・パチーノと演技の確認をするデビッド・ゴードン・グリーン監督)

しかしながらシャープな形が、捨てがたく、欠損した部分を刻苧(こくそ=地粉・綿粉・米粉を漆で練り合わせ乾燥させたもの、極めて強固)で成形し再生することにしました。





左は、古唐津無地茶碗の陶片を刻苧で復元し「梨子地銀 青貝蒔絵直し」で再生したものです。
詳しくは、こちらをご覧ください。

“3人の女優”とは、フランスからシャルロット・ゲンズブール(1971~、2007年「アイム・ノット・ゼア」、2009年「アン


この3人の女優に絡むのが、映画の主人公で作家のトマスを演じるアメリカの俳優ジェームズ・フランコ(1978~、2002年「容疑者」、2008年「ミルク」、2011年「猿の惑星/創世記」)と、トマスが10年前、カナダ、モントリオール郊外の雪道で起こした交通事故の被害者で16歳になった少年クリストファーを演じるカナダの若手俳優ロバート・ネイラー(1996~)の2人の俳優です。


「誰のせいでもない」(原題 Every Thing Will Be Fine すべてうまくいく)は、視界の悪い雪道に突然飛び出してきた幼い子供二人の乗ったソリと走行中のトマスの車との不可抗力の「誰のせいでもない」偶発的な交通事故ながら、トマスとその後、彼の人生に深く関わる3人の女性たちならびに雪の坂道から道路にソリで飛び出して幼

名匠ヴィム・ヴェンダース監督演出のすばらしさもさることながらヴェンダース監督が、見出したノルウェーの脚本家ビョルン・オラフ・ヨハンセン(1965~)のシナリオもまたすばらしく映画は、登場人物のさまざまな感情 ‥ 罪悪感、怒り、赦し、失望など、彼らの心

ベルギーの撮影監督 ブノワ・デビエ(2010年クリステン・スチュワート主演映画「ランナウェイズ」の撮影監督)のトーンを落とした映像が、秀逸で、寒々としたカナダの雪景色を登場人物5人の心象風景と重ね合わせ、さらに映画音楽の名作曲家 アレクサンドル・デスプラ(1961~

ヴェンダース監督演出の上手さは、シリアスな心理ドラマをミステリーっぽく見せ ‘これから何か事件が起きるのでは’ と見る者に予感させるサスペンス仕立てにして最後



‘精神情動障害’を抱える 主人公のドニーを演じたのが、今や名優のジェイク・ギレンホール(1980~)で、撮影当時十代の終わりか二十歳くらいながら主人公を絶妙に演じ、インディペンデント系映画の新人俳優として一躍注目を浴びました。


さらにドニーの主治医 精神科医 リリアン役で、なんとアメリカン・ニューシネマの代表的な名女優 キャサリン・ロス(1940~ 1967年の名作「卒業」、1970年の傑作「明日に向って撃て!」の主演女優)が登場、こ

ドニーが、恋している女子高生 グレッチェンの役で、当時十代半ばの若手女優 ジェナ・マローン(1984~)も出演しています。
映画は、1988年、ヴァージニア州の小さな町 ミドルセックスが、舞台です。

ドニーは、頭脳明晰ながらも情動障害のあるティーン・エージャーで、精神科医リリアン(キャサリン・ロス)の心理カウンセリングを受けていました。

銀色のウサギは、彼に「あと28日6時間42分12秒」で世界が、終わるとドニーに告げました。
翌朝、近くのゴルフ場で目を覚ましたドニーが、自宅に帰ると、墜落した飛行機のエンジンが、ドニーの部屋を

前夜もしドニーが、自室のベッドで寝ていたら即死していたはずでした。
銀色のウサギ フランクは、ドニーを「未来へ来い」と誘いました。
10月30日に行くとドニーの母親(メリー・マクドネル 1952~)と妹の乗るロスアンジェルス発ヴァージニア行の飛行機のエンジンが、故障し10月2日にタイムスリプしダーコ家に落ちていたのでした。
「あと28日6時間42分12秒」は、それまでに残された時間でした。

傑作(秀作・名作)映画三つの基本要素が、監督・脚本・俳優であることを教えてくれる映画です。 (上写真 : 撮影中のリチャード・ケリー監督)
あとは、映画を見る人のレベル ‥ いや、好みの問題です。

私は、テレビを見ない (しつこい NHK こちら)ので、それだけでも以前のようなダラダラ生活(すべて自己責任ながら)をしなくなり自分のために使える時間が、多くなりました。
私の‘断捨離’は、残りの人生できるだけ‘自分のしたいこと’だけするために自分の身のまわりにある不快なこと、不愉快な関係をシャットダウンする(五つの「う」から遠ざかる)ことです。 (上写真 : 私のベッドのうえ)



(付 録)
私の働く 高齢者介護施設 の同僚女性の大きなマグカップ(シンガポール・ライオン)にコルクを落とし数種のエラプランツを載せてみました。
そうしたところ、夜な夜な 「ガーォ!」 と唸るそうです。
(な、わけないか)