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心の時空

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a day in my life

カテゴリ:映画(シネマの世界)( 1021 )

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博多駅Tジョイのフランス映画「パリ、嘘つきな恋」(原題「Tout le Monde debout」 さあ皆さん、立って)を見た当日の日本経済新聞朝刊の文化欄コラムに、アメリカのロストジェネレーション(彷徨ボヘミアン世代)の詩人にして
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文芸批評家マルコム・カウリー(1898~1989)の著書「八十路から眺めれば」には、老化の目安として、「美しい女性と街ですれ違っても振り返らなくなったとき」(男性の場合ですが)と記述されているそうな、蓋(けだ)しa0212807_20100940.jpg名言です。
今夜は、不朽の名作を次々に製作する世界最古のインディペンデント系映画会社ゴーモン(Gaumont 創設1895~)が、障碍者を主人公にした映画として2011年のハートフル・コメディ(バディ・ムービー)の名作「最強のふたり」に続き、2018年にラブロマンス・コメディ「パリ、嘘つきな恋」を発表、この映画を見た私の感想は、「さすが! 上手い!」の一言です。 (下写真 : 秘書のマリーが、酔っ払って嘘をバラそうとするシーン、抱腹絶倒です。)
a0212807_20101238.jpgこの「パリ、嘘つきな恋」が、初監督というコメディ俳優フランク・デュボスク(1963~)は、主演・脚本・監督を一人で担い、人生へのシニカルなアイロニーとして ‘エスプリ’(知的ユーモアとウィットの融合した感性)を利かせ、‘大人の恋’(酸いも甘いも知る中年男女の純愛)をノリの好い軽妙洒脱(しゃだつ)な会話a0212807_20101783.jpgや下ネタジョークで屈託なく笑わせ見ている者を最後まで惹き付けます。
「笑えてウットリでき、ストーリーが、シャレていてドラマに驚きも感動もある贅沢なラブコメを見たいなぁ」と思っておられる方(とくに女性)にお薦めします。
映画のプロットは、「恋するゆえの嘘」であり、主人公のジョスラン(フランク・デュボスク)が、偶然知り合った車イa0212807_20102171.jpgス障碍者の女性フロランス(アレクサンドラ・ラミー 1971~、笑顔のときのエクボが、チャーミング)に会うために ‘自分も車イスの障碍者’と、とっさに付いた嘘をつき続けるストーリーです。
パリでスニーカー・シューズ総代理店のヨーロッパ支社長を務めるジョスランは、空港の出入国管理官であれ(映画は、女性管理官を口説くシーンかa0212807_20105430.jpgら始まります)、レストランのウェイトレスであれ美女に出遭うと所構わず声をかけ口説く中年独身男です。
ジョスランは、経営者として成功、豪邸に住み赤いポルシェを乗り回し金も地位も手に入れ女性にも自由奔放(ジコチュー)でしたが、ある日、彼は、車イス障碍者の女性に一目惚れの恋をし ‘自分も車イスの障碍者’と嘘を付き続けることで、自分の「弱さ」や「痛み」a0212807_20110218.jpgを知り、やがて他人(ひと)を思いやる心に気付きます。
フロランスの妹ジュリー(キャロライン・アングラード 1982~)は、引っ越しの挨拶に訪ねた先で偶然車イスに座っていたジョスランを車イスの独身男性と思い込み、ヴァイオリニストで車イステニス・プレイヤーとしても活躍する姉のフロランスを紹介しました。
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人前では、明るく振る舞うフロランスですが、過去に下半身不随の車イス障碍者であったため失恋したトラウマで「恋する悦び」は、自分にもう無縁なものと諦めていました。
a0212807_20110863.jpgフロランスは、紹介されたときからジョスランが、車イス障碍者という嘘を嘘と知りつつも下半身不随障碍者の自分をそのまま受け入れてくれるジョスランへ諦めていた恋心が、芽生えたことで、彼女もまた彼の嘘を知りながら知らぬふり(彼女も嘘)を通しました。
普通の女性と同じような恋が、したいと思いながらフロランスは、予期せぬ突然の恋(ときめき)に素直になれずa0212807_20111047.jpg時おり物憂げな(ジョスランの嘘を承知で彼との恋を続けたいという葛藤)表情を見せ ‘大人の恋’ に迷います。
ジョスランに想いを寄せ健気に尽くす秘書のマリー(エルザ・ジルベルスタイン 1968~)、ジョスランの親友でゲイの医者マックス(ジェラール・ダルモン 1948~)、介護施設にいるジョスランの色ボケ認知症老人の父親(クロード・ブラッスール 1936~)などジョスランを取a0212807_20112333.jpgり巻く人物たちも皆ユニークで劇中のジョスランとの会話もおおいに笑いを誘います。
「パリ、嘘つきな恋」の洒脱な脚本を書き主演、初監督ながらエスプリの利いた見事な演出で私を感心させた(上手い!と唸らせた)コメディアン俳優フランク・デュボスクのフランス喜劇界で鍛えられた秀逸なコメディ・センスに賛辞を送ります。

by blues_rock | 2019-05-31 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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ベン・リューイン監督(1946~、1995年「シャイン」、2012年「セッション」の監督、ともに主人公は、障碍者)が、天才少女も今や25歳の女優ダコタ・ファニングと組み主人公を自閉スペクトラム症(アスペルガー症のうち
a0212807_05024912.jpg学習障害と緊張症パニックが、顕著)の女性にした2017年映画「500ページの夢の束」(原題「Please Stand By」 じっとしていて)を撮りました。
ダコタ・ファニング(1994~)は、2001年「アイ・アム・サム」のとき7歳で映画デビュー、名優ショーン・ペンと共演、その類まれな演技力で天才少女として有名になり、2004年「マイ・ボディガード」に出演時10歳、共演の名優デンゼル・ワシントンを驚かせました。
a0212807_05025694.jpg2019年公開予定のクエンティン・タランティーノ監督(1963~)が、監督・脚本・製作するホラー映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でダコタ・ファニングは、レオナルド・ディカプリオ(1974~)、ブラッド・ピット(1963~)、アル・パチーノ(1940~)という大物俳優と共演、妹のエル・ファニング(1998~、2歳8か月のとき「アイ・アム・サム」に出演した姉ダコタの幼女時代を演a0212807_05030870.jpgじる)共々、天才少女が、成長し大人になっても二人に対する名監督たちの評価は、高くオッファ(出演依頼)が、引っ切り無しなのですからファニング姉妹の実力(演技能力)は、いささかも衰えていないのが、分かります。
「500ページの夢の束」の原題「Please Stand By」は、‘じっとしていて’ という意味で、精神障碍(自閉症)のある娘ウェンディ(ダコタ・ファニング)が、社a0212807_05031092.jpg会生活訓練施設のグループホーム(自立を目指す精神障碍者施設)にいるときパニック(緊張症)発作を起こしたらウェンディ担当のソーシャルワーカー、スコッティ(トニ・コレット 1972~、2018年「ヘレディタリー/継承」は、アカデミー賞主演女優賞級の演技)が、彼女に「Please Stand By」と呼びかけてパニックを鎮める言葉です。
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妹のウェンディを愛し子供のころからずっと一緒だった姉オードリー(アリス・イブ 1982~)は、結婚し子供もでき幸せでしたが、妹ウェンディの行く末だけは、いつも心配で心から離れませんでした。
a0212807_05035261.jpgウェンディは、オードリーが、面会のためグループホームを訪ねると、いつも一緒で共に育った母の家(姉のオードリーが、ずっと守り結婚後も住まうも借金のために売ることを決意)に帰りたがりました。
オードリーは、妹ウェンディに「まだ病気が、治っていないので帰れないこと」、「借金返済のため家を売ることにしたこと」を伝えました。
a0212807_05040253.jpgウェンディは、パニックを起こしますが、彼女のケアマネージャースコッティの介護で鎮静化したある日、ウェンディは、パラマウント・ピクチャーズが、「スター・トレック」の新脚本募集コンテストを開催、優勝賞金10万ドルのフライヤーをグループホーム自室に貼っていたことに気づきました。
a0212807_05035467.jpgアスペルガー自閉症のウェンディは、「スター・トレック」が、子供のころから大好きでしたので「スター・トレック」についての知識と情報は、誰よりも豊富でした。
自室にいるとき彼女は、「スター・トレック」を空想し自分なりに物語の続きをノートに書くのが、趣味で、ウェンディは、姉のオードリーに「スター・トレック」脚本コンテストの賞金10万ドルで家を買い戻すことa0212807_05035822.jpgを提案しますが、オードリーは、妹ウェンディをなだめるだけでした。
ウェンディは、500ページに及ぶ「スター・トレック」脚本の原稿を書きあげますが、自分のまわりで起きたトラブルで郵送していたらパラマウント・ピクチャーズの締切り時間に間に合わないと気づき直接届けようと愛犬を連れハリウッドを目指しました。
a0212807_05035609.jpg途中、乗ったバスから追い出されたり、降りた町でわずかな所持金を盗まれたり、親切な黒人の老女に助けられたり、別のバスにやっと乗れたのにそのバスが、大事故を起こしたり‥そして血だらけのウェンディは、病院のベッドで目覚めました。
信号も渡れないウェンディが、いないのに気づいたスコッティは、オードリーに連絡、ウェンディ失踪による保護要請を受けた警察a0212807_05034102.jpgが、バス事故のケガで救急病棟にいるウェンディを発見するも病院を抜け出しハリウッドへ向かっていました。
ここからもまだいろいろハプニングは、続きます。
さて、ウェンディは、無事ハリウッドに着きパラマウント・ピクチャーズの締切りに間に合うのか、と今この記事を読まれている方の興味が、尽きないのは承知ながら、この続きは、映画をご覧ください。
きっとホロリとすると思います。

by blues_rock | 2019-05-29 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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この100年の間に大正、昭和から平成、そして令和へと天皇の代変わりで元号が、4回も変わる‘民主’古代国家日本の国体システム(民主主義による多数決の国民主権国家なのに天皇が、国家元首なのも不思議)も面a0212807_03245342.jpg白いものです。
前天皇の退位意向の発表から2年余り、令和に変わるまでの一連の騒ぎも国民3人に2人が、慶賀と感じていたようながら私個人は、残りの1人、歳を召された平成天皇が、昭和から平成へ変わるときのような‘過剰な自粛の大騒ぎ’とならぬよう早い退位を希望されたのだろうと推察します。
a0212807_03251635.jpg2016年の日本映画「64(ロクヨン) 前編/後編」は、7日間だけだった昭和64年の、1月5日、関東のある県で発生した64(ロクヨン)と呼ばれた少女誘拐殺人事件ならびに未解決の少女誘拐殺人のまま14年が、過ぎ時効まであと1年を残し発生した64(ロクヨン)を模倣したと思われる同じ手口の少女誘拐事件をシンクロさせて描いた前・後編合わせて4時間という長尺ながら内容は、シa0212807_03254715.jpgリアスでリアリティのある群像劇でした。
私は、公開時、気になりながらも大袈裟な予告編が、当時の昭和天皇の死に対する過剰な自粛騒ぎ (崩御などと大袈裟な自粛)を憶い出させるのでヘソ曲がりの私は、スルーしました。
2018年瀬々敬久監督(1960~、2007年「刺青 堕ちた女郎蜘蛛」、2017年「最低。」、2018年「友罪」といずれも秀作)の「菊とギロチン」を見て、自分の狭a0212807_03255460.jpg量なヘソ曲がりを猿なみに反省し、まだ見ていなかった「64(ロクヨン) 前編/後編」を一気に見ました。
4時間という長尺を最後までスクリーンに惹き付けさせる瀬々監督の演出力量は、秀逸です。
プロットの14年をはさむ二つの少女誘拐(一つは殺人)事件に絡む人物と家族たち、事件を捜査する県警(群馬が、映画の舞台なので群馬県警と推察)の広報官(群像a0212807_03255973.jpg劇の中心人物)と広報室スタッフの警官、県警記者クラブの事件記者たち、県警内部の権力闘争と保身(警察官僚の出世争い)そして情報の隠蔽と操作などシリアスな人間ドラマをリアルに演じるキャストが、ワンカットの端役まで名優、名女優ぞろいで瀬々監督の演出に彼らもきっちり応えています。
a0212807_03260224.jpg登場人物たち各人が、抱えるワケアリの心情を撮影監督斉藤幸一(プロファィル不詳、瀬々監督の盟友)のカメラクルーは、ヒンヤリとした映像でその心情を捉えています。
まあ、何といっても発生時、県警内でロクヨン事件と呼ばれ、14年前に6年間担当刑事として事件を捜査、その愚直さから突然広報室へ異動させられ(左遷され)、県警内部の陰湿な組織体質(官僚的な自己a0212807_04032393.jpg保身)と記者クラブ記者たちとの間(はざま)で苦悩する広報官、さらに一人娘が、ミス県警と呼ばれた母親似ではなく父親に似ている自分を恥じて引きこもり(身体醜形障害という精神障害=醜形恐怖症)、そして失踪(家出)した娘をもつ父親としての三上を演じ、映画の前・後編フル出演した名優佐藤浩市(1960~)が、さすが!と唸らせる見事な演技でぐいぐいドラマを引っ張って
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いきます。
三上の妻美那子を夏川結衣(1968~)、三上の部下で広報室の警官諏訪を綾野剛(1982~)、広報室女性警官a0212807_03270200.jpg美雲を榮倉奈々(1988~)、自分の保身しか頭にない刑事部長を奥田瑛二(1950~、こういう役は、実に上手い)、捜査課長松岡を三浦友和(1952~、実直で温厚な中年男を演じさせたら上手い)、64(ロクヨン)で誘拐され殺された少女の父親(被害者家族)雨宮を永瀬正敏(1966~、佐藤浩市の次に多く登場、彼の熱演もまた秀逸)、14年後娘(次女)を誘拐された父親の
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目崎を緒形直人(1967~)など、他にも演技派の俳優・女優たちが、大勢ワンカットのシーンに登場しますので、まだ「64(ロクヨン) 前編/後編」を見ておられない方は、予めキャストを調べてご覧になると、エーッ!こんな俳a0212807_03272009.jpg優・女優が、こんな役でと驚くとともに、その相乗効果と相俟ってさらに楽しい映画になること請合います。

by blues_rock | 2019-05-25 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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カンヌ国際映画祭でパルムドール(最優秀作品賞)を受賞した「アデル、ブルーは熱い色」(2013)で、レア・セドゥ(1985~)と共演し、一躍脚光を浴びたアデル・エグザルコプロス(1993~、当時二十歳)と、ベルギーの名優
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マティアス・スーナールツ(1977~、2011年「闇を生きる男」、2012年「君と歩く世界」、2014年「クライム・ヒート」、2015年「リリーのすべて」と秀作に数多く出演)が、共演した2017年フランス映画「ビヨンド・ザ・スピード」(原題a0212807_00504160.jpg「Le Fidele」忠実)は、「闇を生きる男」・「クライム・ヒート」を撮ったミヒャエル・R・ロスカム監督(1972~)が、三度(みたび)マティアス・スーナールツと組んだクライム・サスペンスとロマンスをシンクロさせた映画です。
クライム・サスペンス&アクションの撮影なら朝飯前のベルギーの撮影監督 ニコラス・カラカトサニス(1977~、a0212807_00504484.jpg2016年「トリプル9」の撮影監督)は、「ビヨンド・ザ・スピード」で、主演女優のアデル・エグザルコプロスが、スピードレースの女性ドライバービビ役で出演するのでロスカム監督の演出との呼吸を合わせレーシングサーキットの臨場感も秀逸です。
ビビは、ある日、レースを終えたサーキットで、兄の友人で高級車の輸出ディラーだと自称する男ジジと出遭い、恋に落ちました。
a0212807_00510069.jpgジジの正体は、金融機関を狙う強盗団のリーダーでしたが、ビビを愛し彼女と結婚するために犯罪から足を洗うことにしました。
しかし、長年組んで現金強奪を行なってきた仲間が、それを許すはずもなくジジを責めますが、彼の決意は、固く仲間との亀裂が、次第に大きくなり、犯罪シンジケートの仲間から現金輸送車襲撃依頼を最後a0212807_00510610.jpgに手に入れた大金でビビと外国に逃亡し結婚することにしました。
ジジは、用意周到な準備で、現金輸送車を襲撃するも現場でのあうんの呼吸が、できなくなった仲間のミスで待ち伏せた警察の特殊部隊から一網打尽となり彼は、逮捕され刑務所へ送られました。
a0212807_00513414.jpg婚約者のビビも彼女の家族も獄中のジジを支え、彼の出所を待ちました。
ジジは、ビビへの想い強く改悛し数年が、経ち仮出所して街を歩いているとき自分の足にまとわりついた飼い主のいる小さな犬を払い除けようとしたら噛み付いたので蹴飛ばしました。
a0212807_01022006.jpgジジは、子供のとき犬に襲われた体験から犬が、嫌い(犬へのトラウマ)で、たとえ小さな犬にさえ恐怖心を抱いていました。
よそ見していた飼い主の老女は、犬の鳴き声でジジから自分の犬が、虐待されたと叫び声をあげ警察官を呼びました。
a0212807_01015272.jpg仮出所中であったジジは、ビビと別れ刑務所に戻りたくないためとっさにその場を逃げ出し、そのことで新たな事件が、起きました。
クライム・サスペンスとロマンスが、程よくシンクロしストーリーのテンポ好く‘ややこしい映画’は、どうも‥という方にお薦めいたします。 (備考) 青文字を クリックすると過去に掲載した記事に飛びますので、よかったらご参考にしてください。

by blues_rock | 2019-05-23 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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ヴォーン・スタイン監督・脚本家は、プロファィル不詳ながら、この2018年映画「アニー・イン・ザ・ターミナル」(原題「Terminal」)が、デビュー作品です。
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制作もイギリス・ハンガリー・アメリカ・香港と多国籍で異国情緒たっぷり、舞台は、ロンドン地下鉄の薄暗い終着駅とその荒廃した街で、終始ネオン輝くレフン感(「オンリー・ゴッド」参照)のある「ブレードランナー」のような雰
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囲気を漂わせたサスペンススリラー映画の秀作です。
「アニー・イン・ザ・ターミナル」が、監督デビューながら助監督の経験を積んでいるヴォーン・スタイン監督の演
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出と脚色(スクリプト=脚本)のワザ(腕)は、ヤワではありません。
陰鬱な雰囲気の漂うターミナルと場末の街にいる主人公の女アニー(マーゴット・ロビー 1990~、2013年「アバ
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ウト・タイム 愛おしい時間について」、同年「ウルフ・オブ・ウォールストリート」)を始め、映画に登場する人物たちは、皆‘殺し屋’です。
a0212807_20121031.jpgマーゴット・ロビー演じるアニーは、妖艶な黒髪の ‘殺し屋’ であり、チャーミングな深夜カフェ(ダイナー)のウェイトレス、そしてセクシーなポールダンサー、さらに白衣の美人看護婦として、彼女のまわりにいる ‘殺し屋’ の男どもと関わり絡んでいきます。
映画に登場する ‘殺し屋’ たちは、不治の病を抱え余命宣告を受けた国語教師のビル(サイモン・ペグ 1970~、「ミッション:イン
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ポッシブル」の常連、2007年イギリスのブラックコメディ映画「ホット・ファズ」の脚本と主演)、足が、不自由ながら挙動の不審な老駅員のクリントン(マイク・マイヤーズ 1963~)、経験豊富な強面(こわもて)の暗殺者ヴィンス
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(デクスター・フレッチャー 1966~、「ボヘミアン・ラプソディ」の製作総指揮者)、若い男前(イケメン)の暗殺者アルフレッド(マックス・アイアンズ 1985~、2015年「黄金のアデーレ 名画の帰還」に出演、名優ジェレミー・アイア
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ンズ 1948~ の息子)など全員怪しく、黒幕は、誰で、誰の指示で誰が、誰を狙っているのか、セリフを注意深く聞いて(と云うより字幕を良く見て)展開を見ていないと「ん!?」てな、ことになります。(映画公式サイトの予告編
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を貼付します。)
サスペンススリラー映画をペラペラしゃべるなど愚の骨頂なのでギリギリ、ヒントとして「これは、ある人物が、仕
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組んだ復讐劇でした。」とだけお伝えしましょう、オシマイ。
(備考) 青文字部分を クリックすると過去に掲載した記事に飛びますので、よかったらご参考にしてください。

by blues_rock | 2019-05-19 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
a0212807_02081937.jpg私は、子供のころから映画が、好きで今でも映画なくして夜も日も明けない暮らしをしています。
生前すでにレジェンド女優であり子供のころから私の憧れの女性にして、いつも私の心の天上に燦然と輝く大スターであった最後の女優らしい女優 京マチ子さん(1924年=大正13年3月25日~2019年=令和元年5月12日)が、先日亡くなられました。
京マチ子さんは、巷の芸能誌に浮名を流すこともなく生涯独身で大正・昭和・平成・令和を生きた「女優が、女優であった時代の、最後の大女優」でした。
享年95歳の天寿を全うされ、お墓は、ハワイだとか、世界映画史で最も有名な日本の女優京マチ子さんも、この世知辛い日本を脱出し静かに永遠の眠りにつきたいのa0212807_02200940.jpgでしょう。
京マチ子さんが、主演女優として出演した「羅生門」(1950年、黒澤明監督作品)、「雨月物語」(1953年、溝口健二監督作品)、「地獄門」(1953年衣笠貞之助監督作品)は、どの作品も日本映画の代表作で、京マチ子さん以外の女優では在り得ないリメイク不能な‘One&Only’のレジェンド女優です。
今は亡き高峰秀子さんが、演じた「浮雲」のゆき子や先日亡くなられた京マチ子さんの「浮草」のすみ子は、昭和の浮き世を生きた日本女性の象徴として永久に映画ファンの心と記憶の中に残るでしょう。
私の憧れであった最後のスター女優 京マチ子さんのご冥福を心よりお祈りします。

by blues_rock | 2019-05-17 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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1986年の名作「スタンド・バイ・ミー」、メグ・ライアン(1961~)が、最高にキュートだった1989年の「恋人たちの予感」(当時28歳)、稀代の名優ジャック・ニコルソン(1937~)が、洒脱かつ軽妙に老境の芸を披露した2007年のa0212807_02585934.jpg秀作「最高の人生の見つけ方」(原題「The Bucket List」 死ぬまでにしたいことのリスト)を撮った名匠 ロブ・ライナー監督(1947~)は、2001年9月11日、アメリカで同時多発テロ事件が、起きるそれ以前からネオコン(保守層新右翼、現在同時進行で公開されているアダム・マッケイ監督作品「バイス」を参照願います)が、支配するホワイトハウスは、必ずイラクに因縁(イチャモン)を付a0212807_02590236.jpgけ攻撃(侵攻つまり戦争)すると確信していたそうです。
ロブ・ライナー監督は、2003年にアメリカ軍が、イラク戦争を開始した時から15年の歳月をかけて構想(プロット)し映画化しようと企画していたと云いますから “真理への気合” は、筋金入りで、鋼鉄(はがね)のような意思を感じます。
a0212807_02590547.png映画の原題「Shock and Awe(衝撃と畏怖)」とは、当時アメリカ軍が、イラク侵攻の極秘軍事作戦として使用していた暗号名のことです。
9.11から半年後の2002年1月29日、当時のブッシュ米大統領は、「イラクが、大量破壊兵器を保有し国際テロを支援している。」とアメリカ議会で演説し翌年イラクへ侵攻、こうしてイラク戦争(2003~、2011年オバマ大統領によるアメリカ軍完全撤退a0212807_02590846.jpg後も戦争は、継続している、アメリカ軍兵士・民間人合わせた戦争犠牲者現在56,000人、ベトナム戦争20年間の戦死者58,000人、2.4倍のペース)は、始まりました。
映画は、「イラクは、本当に大量破壊兵器を隠し持っているのか、国際テロを支援しているのか」と、アメリカが、大義とするイラク侵攻目的の虚偽(きょぎ、偽装と隠ぺい)をただ一社、愚直に訴え続けた中堅新聞a0212807_02591040.jpg「ナイト・リッダー社ワシントン支局記者4人」の孤軍奮闘を描いた社会派ドラマです。
映画には、当時のブッシュ大統領・チェイニー副大統領(映画「バイス」の主人公、この映画と併せて必見すると胸にストンと落ちます)・ラムズフェルド国防長官(イラク侵攻の虚偽で責任を取らされ辞任)・パウエル国務長官(イラク侵攻するために屈辱の国連演説を強いられた)、ライスa0212807_02591696.jpg国務長官(ブッシュ政権不始末の尻拭い)など当時ホワイトハウス(権力中枢)にいた実在の人物たちが、実写映像(当時報道された実写フィルム)で劇中に登場しますからドキュメンタリーを見ているようで臨場感(リアリティ)たっぷりです。
イラク侵攻の大義であった大量破壊兵器の存在も9.11テロの首謀者ビンラディンとの繋がりも結局何も発見できず、ナイト・リッダーa0212807_02592026.jpg社以外アメリカの全メディアは、謝罪記事を発表しました。
1972年のウォーターゲート事件(1974年ニクソン大統領引責辞任)を暴いたワシントン・ポストやアメリカ世論のピニオン・リーダー格であるニューヨーク・タイムズですらもホワイトハウスが、公表する情報の虚実を確認せずそっくりそのまま記事にしてアメリカ国民の愛国心を煽る片棒を担ぐ中国・ロシア・北朝鮮のようなプロバa0212807_02592242.jpgガンダ新聞だったのですから言語道断です。
ウォーターゲート事件のことは、1976年の秀作「大統領の陰謀」、2018年公開の「ザ・シークレットマン」と「ペンダゴン・ペーパーズ」をご覧になれば、当時アメリカ国家を揺るがす政治スキャンダルの顛末が、良く理解できると思います。
a0212807_02592607.pngさて、9.11テロ事件後のアメリカ社会には、イスラム国家とアラブ世界に対する嫌悪感が、漂い、過って敗戦前の日本帝国もまた‘個人の意見’は、非国民として非難(排斥)され弾圧(暴行、処刑)されていましたので他人事ではなく、国民個々人に批判精神と言論の自由のない社会(と国家)が、晒されている危うい現実は、常に存在しているということです。
a0212807_02594598.jpgそうそう、日本のメディア(テレビや新聞ほかマスコミすべて)もまた当時日本政府(首相官邸)の情報を鵜呑みにしてアメリカのイラク侵攻を大政翼賛会的に支持、フセイン政権打倒を叫んでいた幇間(ほうかん、太鼓持ちのこと)でした。
そして、未だにどこも「あれは、誤報でした」と謝罪しない(説明責任を果たさない)で、他人事(ひとごと)のようですから、何をか言a0212807_02594328.jpgわんや、ながら、まあメディアは、国民世論の茶坊主のようなものだから、それを責めない私たち国民(有権者・納税者)に責任が、あります。
ライナー監督の気骨は、監督・製作だけでなく、ナイト・リッダー社ワシントン支局長ウォルコット役の熱演にも表れています。
a0212807_02594872.jpg主人公の記者ジョナサンをウッディ・ハレルソン(1961~)、同じく記者ウォーレンをジェームズ・マースデン(1973~)、ジョナサンを励まし支える妻ヴラトカをミラ・ジョヴォヴィッチ(1975~、今までとは異なるリアリティのある渋い演技が、すばらしい)、ウォーレンの恋人リサにジェシカ・ビール(1982~)、ウォルコットの盟友で筋金入りの老ジャーナリストのジョー・ギャロウェイを名優トミー・a0212807_02595268.jpgリー・ジョーンズ(1946~)、政府筋の情報提供者をリチャード・シフ(1955~)が、個性豊かに演じています。
撮影監督は、バリー・マーコウィッツ(プロファィル不詳、2009年「クレイジー・ハート」の撮影監督)、字幕監修にジャーナリストの池上彰が、参加しています。
ロブ・ライナー監督(下写真)は、フェイクなんでもフェイクの現フェイク大統領が、中国・北朝鮮の国営放送のような自a0212807_02595610.jpg分に都合のいい偏向報道だけを伝えるよう騒いでいる現況を危惧、事実と真実この二つをきちんと伝えるメディアの必要性を強く訴えています。
エンド・クレジットで主人公である4人の記者の写真が、スクリーンに大写しされるのは、ライナー監督が、彼らを尊敬している証です。
(備考) 青文字部分を クリックすると過去に掲載した記事に飛びますので、よかったらご参考にしてください。

by blues_rock | 2019-05-11 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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1976年「タクシードライバー」、1977年「ローリング・サンダー」、1980年「レイジング・ブル」と不朽の名作を発表し続けた名匠 ポール・シュレイダー監督(1946~)の最新作(2017年作品、脚本・監督)「魂のゆくえ」(原題「First
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Reformed」映画の舞台となる旧いキリスト教会の名前)が、現在KBCシネマで公開されています。
ポール・シュレイダー監督は、たぶん(私の想像ながら)キリスト教義にある「七つの大罪」、傲慢(高慢)、憤怒
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(激情)、嫉妬(羨望)、怠惰(堕落)、強欲(貪欲)、暴食(大食)、色欲(性欲)にプロットのヒントを得て(インスパイアされて)撮った作品ではないかと私は、推察します。
a0212807_11214814.jpgそのシュレイダー監督による ‘スピリチュアルなサスペンス’ 心理ドラマ「魂のゆくえ」の演出(脚色)を撮影のアレクサンダー・ダイナン(プロファィル不詳)が、エッジを効かせた映像でシャープに捉えています。
主演の名優 イーサン・ホーク(1970~)は、期待に違(たが)わぬ ‘スピリチュアルな演技’ で、設立250年の旧い教会の牧師が、背負う「憤怒(激情)」と「暴食(「魂のゆa0212807_11220529.jpgくえ」では 暴飲)」を秀逸に演じ、2015年主演の映画「リグレッション」で演じたスピリチュアルな刑事役を彷彿とさせる演技で牧師の役を名演しています。
これまで美人若手女優として人気が、あったアマンダ・セイフライド(1985~、私の記憶に残るのは、2010年「親愛なるきみへ」)は、これまでの‘純愛映画のヒロイン’のイメージを払拭し、生活に疲れた三十代の女性を好演しています。
a0212807_11220351.jpgアマンダ・セイフライドは、「リグレッション」で、イーサン・ホークと共演したエマ・ストーン(1988~)と目の印象が、よく似ているので、私は、時おり二人の出演した映画が、頭の中で混乱します。
「魂のゆくえ」のストーリーについては、<ウィキペディア>に掲載されていた説明が、一番コンパクトで的確でしたので引用し私が、少し修正加筆して掲載しています。
ニューヨーク州の小さな教会で牧師を務めるトラー牧師(イーサン・ホーク)は、自分の信仰と思想を教会の年報に掲載する記事のために書いていましたが、満足できず破り捨てました。
トラー牧師は、元従軍牧師でしたが、息子ジョセフをイラク戦争で失くし軍を退役しました。
a0212807_11223261.jpg息子ジョセフに自分が、入隊を勧めて死なせたというトラー牧師の悔悟と苦悶、消えない自責の念は、悪化する持病の内臓疾患(胃ガンの疑い)と相俟って酒量が、増えていました。
そんなある日、トラー牧師は、信徒のメアリー(アマンダ・セイフライド)から夫マイケルに会って欲しいと依頼されました。
a0212807_11223508.jpg過激な環境保護活動家の夫マイケルは、メアリーの出産に反対し中絶するよう勧めていると打ち明けました。
マイケルは、トラー牧師に環境破壊による気候変動によって地球が、生存不能の過酷な環境になっている、今やもう元には、戻れないので生まれてくる子供を苦しませたくないのだと答えました。
a0212807_11224093.jpgメアリーは、夫が、製造し隠していた自爆用の爆弾をガレージで発見し驚きました。
連絡を受けたトラー牧師は、マイケルと会うことにしました。
トラー牧師が、彼から指定された公園に向うとショットガンで頭を撃ちぬいたマイケルの遺体を発見、彼の遺骨は、彼の遺書により環境破壊の象徴であった巨大企業の産業廃棄物が、投棄さ
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れる最終処理場近くの汚染された海に散骨されました。
その頃、トラー牧師が、所属する教会本部では、設立250周年を祝う式典の準備が、着々と進んでいました。
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式典には、地元市長や知事を始め各界から名士たちが、多数参列、その中に教会活動資金の大口提供者である巨大企業でマイケルの抗議行動相手であった会社オーナーの名前もありました。
a0212807_11225016.jpga0212807_11224787.jpgトラー牧師に芽生えた世界の行く末を悲観し自殺したマイケルの魂を救えなかったとの悔悟の念は、自らの信仰の実践と人生への価値観を大きく変えました。
トラー牧師は、胃ガンの悪化もあり亡きマイケルが、実践しようとしてできなかった人間の「傲慢(高慢)」と「怠惰(堕落)」に対する自爆テロ(贖罪)を自分の教会で開催される設立250周年祝典セレモニーの席で実行することにしました。
映画エンディングのトラー牧師とメアリーとの長いキス・シーンは、昇華された「色欲(孤独な性本能)」の象徴としてシュレイダー監督が、描いた「イエス・キリストとマグダラのマリアへのオマージュ」のように私は、思いました。

(写真 : 主演の二人とポール・シュレイダー監督、アマンダ・セルフライド、エマ・ストーン 二人ともいいなあ‥美しいなあ。 「美しい女性は、国宝である」は、女性写真家 蜷川実花の言葉で、私の戯れ言ではありませんので念のため申し添えます。)

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by blues_rock | 2019-05-09 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(5)
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料理の美味しさには、いろいろあります。
私は、食べ物(料理)に好き嫌いありませんが、食べる気にならない料理は、たくさんあります。
a0212807_05500055.jpg私は、映画も同じで、ロマンス(純愛から悲恋まで)、アクション、SF、バイオレンス、サスペンス、ミステリー、シリアス、コメディ、ホラー、ポルノ(わが国のAV)の類など何でも見ますが、見る気にならない(たぶん製作される映画の95%は見ない、見ていない)映画も多く、料理に例えて言うなら、たぶん食べず嫌いで 食べない(見ない、見なかった)映画もあるでしょう。
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日本映画への偏食(食べず嫌い、映画だから見らず嫌いかな)は、さらにひどく、ほとんど見ていない(たぶん98%は、見ない、見る気にならない、見ていない)ように思います。
a0212807_05501410.jpgそれでも、偶然飛び込んだ名もない安食堂(つまりインディペンデント系の映画)で、ぶっ飛ぶような美味い料理に巡り合たり、材料・調理にこだわるオーナー・シェフのレストラン(作家性の強い映画)に入り、期待に違(たが)わない美味い料理を食べるともう病み付きとなり、好い日本映画の新作を(食べたことのない美味い料理を探すように)鵜の目鷹の目で探します。
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最近の日本映画では、2017年「最低。」、2017年「巫女っちゃけん。」、2017年「万引き家族」、2018年「ハナレイ・ベイ」、2018年「岬の兄妹」などが、私の好きな日本の映画でした。
a0212807_05502292.jpg閑話休題、前置きが、長くなりました。
さて、いま公開中の日本映画の新作「愛がなんだ」(監督・脚本 今泉力哉 1981~)を私は、何となく(まったく期待しないで)中洲キャナルのミッドナイトショーで見て、監督以下、出演者、原作者、製作スタッフ、私の知らない名前ばかりながら妙に印象に残りました。
a0212807_05511144.jpg映画のプロットは、タイトルの「愛がなんだ」とおり、若い男女の恋愛や親子の愛情さらに友情に絡んだいわゆる愛を主題にしたもので劇中に事件など何も起きず、淡々と、まったりした雰囲気で、メリハリのないゆるく、だらだらした展開ながら映画に登場する人物たちの満たされているようで満たされない空虚な人間関係を見事に描き出しています。
a0212807_05513093.jpgベッドを共にする(とくにセックスシーンはない)のに付き合っていない(恋人同士ではない)という若い女と男、父親の愛人(妾)であった母親を疎み軽蔑しながら自分の暮らしは、母親に甘え任せているパラサイト娘とその母親、友人のはずなのに友だちの心に寄り添えない友人と、どれも愛するも、愛されるも、お互い自分勝手な “ジコチューの共依存(ともいぞん)” で成り立っていa0212807_05511687.jpgる関係を描いた「愛がなんだ」は、見る者へ「愛ってなんだ?」と静かに問いかけていきます。
映画を見る者は、主人公テルコ(岸井ゆきの 1992~)のバカじゃないの!と云うくらい一途な片想い、テルコが、片想いを寄せる相手マモル(成田凌 1993~、今泉監督の演出かもしれないが、ぼそぼそと活舌悪くセリフの半分は、聞き取れない)の身勝手さ、テルコの親友でジコチューa0212807_05511874.jpg女の葉子(深川麻衣 1991~)、そんな葉子を好きで彼女に都合よく利用される純情青年のセイ(若葉竜也 1989~)、さらに葉子に甘々の母親(筒井真理子 1960~)、テルコの同僚で生活に疲れたパート主婦(片岡礼子 1971~)、マモルを玩(もてあそ)ぶ お節介女のすみれ(江口のりこ 1980~)と彼らは、皆な身勝手で優柔不断です。
a0212807_05513339.jpgそんな彼らの ‘各人各様なジコチューぶり’を見る者が、イライラしながら「しっかりせんかい、はっきりしろ、いい加減にしろ」などと、彼らに感情移入し、さらに「えっ!? はぁ!? 何で?」と感情を昂ぶせ「ふうっ」と溜め息を付いたら今泉監督の狙いは、的中したことになります。
今泉監督の演出は、映画の劇中に事件を何も起こさず終始まったりしていてメリハリなく、ダラダラしていますa0212807_05513704.jpgが、私たち普通の人たち誰にでもある ‘人間の本質(無意識のエゴイズム)’ を指摘して見せます。
6年半前、拙ブログで「恋は自己中心で非常識」の戯れ文を描きましたが、映画を見て、ふと懐い出しました。
若い女優、俳優たちの中で、筒井真理子・礼岡礼子・江口のりこの中年女優、アラフォー女優のアクの強い存在感が、なかなか好く印象に残りました。

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by blues_rock | 2019-05-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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名匠スパイク・リー監督(1957~)の新作「ブラック・クランズマン」は、新米の黒人刑事が、白人至上主義の過激派犯罪組織KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査するという前代未聞の‘実話’を元(ネタ)にリー監督が、才覚あa0212807_18562361.jpgる軽妙な演出で、洒脱にしてコミカル、人工国家 ‛アメリカ合衆国’ を再び分断し(一度アメリカは、国を南北に分断し合衆国史最大の戦死者を出した内戦を経験している、 こちら参照)、アメリカ建国の国是である自由・平等・博愛の精神を否定する 現在(いま)のおバカなレイシスト(人種差別主義者)大統領へのおちょくりメッセージにたっぷり毒を塗って、そんなおバカな大統領に対する軽蔑ぶりa0212807_18571505.jpg(リリック=情感表現)も辛辣です。
実際、KKKは、当然そのレイシスト大統領を選挙で支持し、大統領もまた彼らの犯罪行為に寛容なのだから開いた口が、ふさがりません。
そんな背景を知ってこの映画を見るとプロットが、‘実話’(映画のエンディングで主人公たちのモデルとなった刑事たちの写真が、登場します)なだけに、スパイク・リー監督の新作「ブラック・クa0212807_18563016.jpgランズマン」に込めたブラックでシリアスなコメデイの毒は、映画にみなぎる緊張感と辛辣さ、そしてそれを笑い飛ばす軽みとユーモアのケミストリー(融合)が、実に見事で絶妙です。
アメリカの映画界には、マイケル・ムーア監督の2002年作品「ボウリング・フォー・コロンバイン」、2004年作品「華氏911」、2009年作品「キャピタリズム 〜 マネーは踊る」、2018年作品「華氏119」やアダム・マッケイ監督の2018年作品「バイス」に見られるように横暴な権力に対する抵抗や姑息な日本的忖度(そんたく)など微塵もない強靭な反骨精神が、しっかり健在しています。
黒人新米刑事のロン(ジョン・D・ワシントン 1984~、名優デンゼル・ワシントンの息子、父親のデンゼル・ワシントンは、スパイク・リー監督1992年作品a0212807_18573675.jpg「マルコムX」主演)は、意欲に燃えて着任した警察署での閑職が、嫌で、白人至上主義の過激派犯罪組織 KKKへの潜入捜査に志願します。
黒人刑事のロンは、黒人を差別し弾圧、時に襲撃しリンチして殺す白人たちが、結成するレイシストの犯罪組織 KKKの団員募集に応募、電話で接触するうちにスカウトされ自分の代わりにユダヤ系白人の同僚刑事フリップ(アダa0212807_18574615.jpgム・ドライバー 1983~、2016年「沈黙 サイレンス」、2017年「パターソン」)を潜入させるという奇抜なアイディアを署長に提案しました。
レイシスト組織のKKKは、WASP(ホワイト・アングロサンソン・プロテスタント)系の白人以外、ユダヤ系も(カトリックの)イタリア系も黒人始めアラブ系アジア系の有色人種(もちろん日本人を含む)も彼らにとって差別と排除の対象でした。
a0212807_18580033.jpgとにかく ‘可笑しい’ 実話の、メッチャ面白い映画です。
端役(脇役)ながら往年の大歌手にして名優のハリー・ベラフォンテ(1927~)、名優アレック・ボールドウィン(1958~)が、スパイク・リー監督の心意気に敬意を表し出演しています。
(上写真 : スパイク・リー監督とモニターで演技の確認をするロン役のアダム・ドライバー)
(備考) 青文字をクリックすると記事に飛びますので参考にしてください。

by blues_rock | 2019-05-03 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)