ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

2018年 06月 12日 ( 1 )

a0212807_14271689.jpg
現在(いま)活躍中の、日本映画の監督で好きな監督を一人挙げて欲しいと求められたら私は、迷わず是枝裕和監督(1962~)の名前を挙げるでしょう。
a0212807_14272900.jpg是枝裕和監督は、1995年「幻の光」で長編映画監督にデビュー以来23年、現在公開中の「万引き家族」を入れ、これまで13の長編映画を発表しています。
是枝監督作品13作のすべてを見た私の感想は、新作「万引き家族」を是枝監督が、23年13作品の監督キャリアで培った演出の集大成にして撮ったと思いました。
a0212807_14275411.jpgそして、「万引き家族」は、カンヌ国際映画祭で‘パルムドール’(最優秀作品賞)を受賞、それだけの質を持った傑作映画で、一ファンとして慶賀の念に堪えません。
今年のカンヌ国際映画祭の審査委員長は、私の敬愛する名女優 ケイト・ブランシェット、審査員の8名が、ロシアの名監督アンドレイ・ズビャギンツェフ、カナダのドゥニ・ビルヌーブ監督、フランス若手の名女優 a0212807_14275882.jpgレア・セドゥー、アメリカ若手の名女優 クリステン・スチュワートなど、いずれも私の好きな名監督、名女優で構成され映画製作の立場ながら‘目利き’の方々ばかりです。
「万引き家族」のすばらしさは、どんな言葉より、映画館のスクリーンで実際ご覧いただくのが、一番です。
a0212807_14291554.jpgプロットをざっくり述べると 東京下町のビルの谷間にポツリとある古く小さなあばら家で 肩を寄せ合い ‘家族’ としてひっそり暮らす6人の物語です。
「万引き家族」は、イタリアネオレアリズモ映画の傑作「自転車泥棒」を彷彿とさせるもニッポン版ネオレアリズモ映画の新作それも傑作が、加わったと思えば良いでしょう。
a0212807_14293656.jpg閑話休題、彼ら6人‘家族’は、老女(年金暮らしの祖母=樹木希林 1943~)のわずかばかりの年金と併せ、日々の生活に必要な食料や日用品を男(日雇い労働者の父親=リリー・フランキー 1963~)と少年(未登校児の長男=城桧吏 2006~)が、スーパーや雑貨店から万引きすることで暮らしていました。
a0212807_14300282.jpg男の連れ合いと思われる女(パート勤務の母親=安藤サクラ 1986~)は、クリーニング店のパートとして働き、もうひとり若い女(母親の妹、風俗嬢=松岡茉優 1995~)が、同居していました。
ある冬の寒い晩、男と少年が、万引きを終えて帰宅しているとアパートの片隅にうずくまる幼い少女(5歳の児童虐待被害児=佐々木みゆ 2011~)を見つけました。

a0212807_14305114.jpg「万引き家族」の公開直前、東京目黒区で‘お願い、許して’と詫びる5歳の幼い少の子を寒さ厳しい真冬、裸足で外に出し凍傷させ餓死させるという鬼畜にも劣る言語道断な‘この映画の児童虐待シーンよりはるかに惨い虐待事件’が、実際に発生、劇中に登場する虐待シーンの数々は、まるでこの虐待事件を目の前で見ているような是枝監督の演出のリアリティ(迫真力)a0212807_14303897.jpgに、ただもう驚くばかりです。
この6人の‘家族’に、近所で小さな駄菓子屋を営む老店主(柄本明 1948~)など格差社会の底辺で、貧しくも慎ましく暮らしている善良な人たちが、絡み、是枝監督は、正しく現在(いま)の日本で拡大深化していくインビジブルな社会の原風景を見事な映像にして可視化(リアリティ映画に)しました。(後編に続く)

by blues_rock | 2018-06-12 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)