
名優ジョニー・デップ(1963~)が、30年ぶりに監督した作品「モディリアーニ!」(原題は、「モディ 狂気の翼を付けた三日間」)を観ました。

ジョニー・デップは、20数年前、旧くからの友人である名優 アル・パチーノから「‘モディ 狂気の翼を付けた三日間’を 君の主演で撮ろう」と 提案していましたが、名優として引く手数多の ジョニー・デップは、多忙ゆえ スケジュール調整できず実現しませんでした。

それを忘れていなかった アル・パチーノは、俳優として ジョニー・デップが、彼の現在の年齢では(1963~、現在63歳)、35歳で 夭折した天才画家(彫刻家)モディリアーニを 年齢的に演じられないので「監督」として提案、モディリアーニの新作映画「モディリアーニ!」は、完成しました。

ジョニー・デップは、主演こそしていませんが、還暦過ぎた デップ監督は、劇中 31歳の 破滅的天才画家(真の姿は彫刻家)モディリアーニを俳優の自分が、演じているように撮っています。
1958年、フランスの名優 ジェラール・フィリップ主演の「モディリアーニ モンパルナスの灯」、2004年アメリカの

名優 アンディ・ガルシア主演「モディリアーニ 真実の愛」の二作は、内縁の愛妻 ジャンヌとの ロマンスをプロット(二人が、出遭ってから二人共に亡くなるまでの三年間を物語の軸)にしていますが、デップ監督は、モディリアーニが、ジャンヌと出遭う(1917年)前の 1916年、芸術家として自分の矜持(魂の表現)に苦悩し、貧乏と 病気(結

核の持病)、さらに薬(たぶんヘロイン)ならびに アルコール依存症で、日々破滅に向かう若い天才画家 モディリアーニの姿を‘表現者’として演出しています。
デップ監督は、俳優ジョニー・デップが、演じたかった モディリアーニを撮っていると 私は、感じました。

芸術家(画家やジャズ、ロックのミュージシャン)が、なぜ浴びるように 酒を飲むのか(心身を破壊する破滅的なアルコール依存症になるのか)、ヘロイン中毒(ジャンキー)になるのか、それまでして画家は、なぜ絵を描くのか、ジャズ、ロックのミュージシャンが、音楽にこだわりクロスロードを渡る(究極の音に憑りつかれる)のか、そして、

彼らは、なぜ夭折(あるいは自死)するのか、私は、デップ監督のメッセージ(演出)からそれが、痛いように解りました。
ジョニー・デップ自身、マルチな才能を持つ表現者、ロック・ミュージシャン(ギタリスト、エンド・クレジットの冒頭

にリスペクトする 名ロック・ギタリスト ジェフ・ベックに捧げるとメッセージ)、俳優、映画監督、画家と多才なので、「自分の内なるもの」を表現したかったのだろうと推察します。
新作「モディリアーニ!」は、エコール・ド・パリ絵画数寄の方に お薦めしたい映画です。
