この「共継ぎ 唐津片口茶碗」は、八月半ばにお預かりしたもの、粉々と言ってもいいくらい 13ピースに壊れた陶片を繋ぐために、まず 立体ジグゾーパズルをするように、割れた陶片の断面を合わせながら お互いの断面に
番号を付けることから始めました。
この唐津片口茶碗は、割れた陶片が、すべて揃い残されていたので、いくつかのパートに分け、糊漆(漆・上新

粉)で慎重に繋いでいきます。
一度壊れた器は、運よくきれいに割れ、一見元の形に戻りそうでも、糊漆で繋いでいくと必ずズレが、生じます。


糊漆で繋いだパートが、強固に接着したら、各パートを接着した糊漆の固まり具合を見ながら、全体の形をルーターで整え、最後に全体を糊漆で繋ぎ固めたら「共継ぎ」の ベースが、できあがります。


全体の形が、できても、13ピースの陶片の繋ぎ目には、スキ間や ズレの段差が、ありますので、刻苧漆と 錆漆で、きれいに整えなければなりません。

刻苧漆と 錆漆が、固まったら砥いで、漆で固めたら下地のできあがりです。
この下地の出来が、色漆直しにするにしろ、本金直しの金継ぎにするにしろ、仕上がりに大きく影響いたします。
今回の「共継ぎ 色漆唐津片口茶碗」は、色漆直しのごご希望でしたので、朱合赤漆と 弁柄漆を混ぜた 赤漆で仕上げました。