画家ボナール ピエールとマルト シネマの世界<第1269話>

フランス映画の新作「画家ボナール ピエールとマルト」は、フランス近代絵画(ナビ派)の画家 ピエール・ボナールの作品に興味が、ないので画家への関心見なくつもりでいました。

シネフィルの友人と 新作映画談義していたら、彼から「画家ボナール ピエールとマルト」は、一人の男で画家であった ピエール・ボナールとモデルで妻となった一人の女 マルト、その男女二人の 生涯に亘る痴話と愛憎が、

混在した 愛の物語の秀作と勧められたので見に行きました。
ピカソの映画もそう、ロダンの映画もそう、天才芸術家の ロマンスは、男と女の性愛が、コアにあります。

「画家ボナール ピエールとマルト」の劇中でも モデルを頼まれた お針子のマルトが、画家ボナールに、「画家は、なんで女(のヌード)ばかり描くの?」と訊ねると「画家が、男だからさ。」とボナールは、素直に答えます。

これは、蓋し名言で、画家が、男である場合、創作意欲や作品をイメージする感動の源泉は、出遭った女、あるいは、目の前にいる女性の放つ色気(フェロモン)から インスパイアされるからです。

監督は、フランス映画の名匠 マルタン・プロボ(1957~)で、前作の 2017年作品「ルージュの手紙」でも 女性心理の描写が、上手いなあと感心しました。

この作品でも ナビ派の売れっ子 画家であるほかは、普通の男ピエール・ボナール(バンサン・マケーニュ 1978~)を挟んで、妻のマルト(セシル・ド・フランス 1975~)、と 画家ボナールを慕う エキセントリックな若いアメリカ人

女性の画学生 ルネ(ステイシー・マーティン 1991~)の間で 二兎を追い、どっちつかずで 右往左往する '一人の男' 画家ボナールを プロボ監督は、クールな演出で「画家ボナール ピエールとマルト」を描いています。

時代は、日本で云えば、幕末から明治初期から 大正時代なので、フランス近代絵画黎明期の画家たち(後に有名になる画家たち)が、映画に何人か登場します。

当時まだ若く、無名である画家たちの交友や交流を通して、当時のフランス画壇の様子が、分りますので、劇中、好きな画家の名前を耳にしたら 気を付けて見ると一段と 楽しくなるかもしれません。