4Kデジタル完全版 グラン・ブルー シネマの世界<第1264話>

リュック・ベンソン監督(1959~)が、29歳の時に撮り、1988年公開の フランス映画「グラン・ブルー」に、未公開シーンの 49分を入れ、2025年37年ぶりに、「4Kデジタル完全版 グラン・ブルー」が、公開されました。

若い リュック・ベンソン監督の 才能溢れる演出と 撮影監督カーロ・ヴァリーニ(1946~2014)の 海の映像が、美しく、ジャック・マイヨール を演じる ジャン=マルク・バール(1960~、出演時28歳、ラース・フォン・トリアー監督作

品の常連俳優)、ジャック・マイヨールの 幼なじみで成人して、素潜りの世界チャンピオとなるも、ジャックの才能を高く評価、ライバルとなる エンゾ役の ジャン・レノ(1949~)、ジャックの恋人ジョアンナを アメリカの女優 ロザン

ナ・アークエット(1959~)が、それぞれ個性豊かに演じ、エンド・クレジットの出演者には、ジョアンナ役の ロザンナ・アークエットが、最初にクレジットされているのを見て、リュック・ベンソン監督にとって「グラン・ブルー」は、ジョアンナが、’主人公’の ラブロマンス映画と知りました。
とくに「グラン・ブルー」ラストの、ジャックとの別離(わかれ)の シークエンスは、哀しく切ないエンディングです。
映画ストーリーの骨子は、1965年のギリシャが、舞台で、8歳のフランス人の少年 ジャック・マイヨールは、イタリア人の少年 エンゾと出遭い、素潜りを競い合うようになります。

12年後、エンゾは、世界的な素潜りダイバーに成長、世界チャンピオンとなったエンゾは、幼い頃、素潜りを競ったジャックの行方を探しました。

ジャックは、その頃、水族館で イルカを唯一の友として静かに暮らしていました。
そこに アメリカ人女性ジョアンナが、現われ、ジャックに一目惚れ、二人は、愛し合い結婚しました。

映画のプロットが、海でしか 生きられない ジャック・マイヨールの 孤独感(生死観、無常観)として劇中、鎮かに 主旋律のように流れます。

ジャックが、達成した素潜り世界新記録を知ったエンゾは、その深海の先が、死の世界であることを 承知で潜り、救済に向かった ジャックの腕の中で亡くなりました。

映画エンディングの クライマックスで、ジョアンナとの幸せを感じながら 未明の海へ向かい、イルカとさらなる深海へ向かう ジャックの心(魂)と シンクロした人は、切な過ぎて 嗚咽することでしょう。
