リー・ミラー(LEE) シネマの世界<第1263話>

リー・ミラーを演じた主演の ケイト・ウィンスレット(1975~、50歳)の、VOGUEの トップモデルにして、シュールレアリズム運動のミューズ(とくに芸術写真家 マン・レイのモデルにして恋人)から 女性として突如、第二次世界大
戦の報道写真家(従軍カメラマン)となった リー・ミラーに憑依したような 全身全霊の演技は、すばらしい!の一言です。


ケイト・ウィンスレットは、「写真を撮られる側ではなく、撮る側になりたい」と 写真家になった リー・ミラーの 強靭な そして不屈の精神と 真実への情熱、同時に 抑えきれない(隠された)恐怖心、幼女期からの 心的外傷、過酷
な最前線と 目と鼻を覆う 死屍累々の 残虐非道なナチス強制収容所で目撃したもの、トラウマ、ストレス(うつ病)によりアルコール(ジン)に依存する 心身の疲労感まで、渾身の力で演じています。


リーの恋人 ローランド・ペンローズ役で アレクサンダー・スカルスガルド(1976~、49歳)、編集者デイヴィッド・シャーマン役でアンディ・サムバーグ(1978~、47歳)、友人 ソランジュ・ダヤン役で マリオン・コティヤール(1975
~、50歳)と ベテラン俳優、女優たちが、準主演の役柄で主人公 リー・ミラー役の主演 ケイト・ウィンスレットと絶妙に絡み、映画の濃度を上げています。


常時、酒のグラス(リー・ミラーは、ジンを愛飲した)を手放さず、あきらかに過去のトラウマを引きずっている彼女の態度は、若いジャーナリストに つっけんどんながら、やがて少しずつ 彼に自分の過去を語り始めます。
南仏のリゾート地で、芸術家仲間たちと 気ままにヴァンカスを楽しんでいたリーは、ヨーロッパが、独裁者ヒトラー率いる ナチスドイツに侵略され戦争
状態に追い込まれたことを知り、当時、女性は、最前線へは、立入り禁止でしたが、タイムの編集者デイヴィッドを連れ、単身戦争の最前線へ行き、戦場の後方にいて 何も知らされていないヨーロッパ諸国の国民始め アメリカ市民ほか 世界の人々に向け、戦争(最前線)の悲惨な現実をカメラに収めました。
状態に追い込まれたことを知り、当時、女性は、最前線へは、立入り禁止でしたが、タイムの編集者デイヴィッドを連れ、単身戦争の最前線へ行き、戦場の後方にいて 何も知らされていないヨーロッパ諸国の国民始め アメリカ市民ほか 世界の人々に向け、戦争(最前線)の悲惨な現実をカメラに収めました。
映画の見どころは、ナチスドイツの敗戦と 同時にナチスの強制収容所を訪れ、悪臭を放つ ユダヤ人収容者たちの死体の山を前に、異臭に鼻を押さえ、吐きながら無我夢中で シャッターを切るシーン、自殺したヒットラー邸宅の浴槽に浸り、撮った有名な写真が、生れる史実を踏まえた経緯のシーンは、必見です。
しかし、リーが、撮影した最前線からの 極めて重要な報道写真は、ロンドンの イギリス版ヴォーグ誌編集長(アンドレア・ライズボロー、1981~)は、「過去を忘れたがっている人々にショックを与える」という判断で掲載しませんでした。(その後、アメリカでタイム誌が、掲載しました。)
それを知ったリーは、激怒、ロンドンのヴォーグに預けた写真を破壊、最前線で 生死の境をさまよい 艱難辛苦の末、撮影した大量のヨーロッパ戦線の 報道写真(第二次世界大戦の記録)をその後イギリスの片田舎に引き籠った 屋根裏に隠し 封印したことなどを 自宅の部屋で 若いジャーナリストに語りました。
by blues_rock
| 2025-08-17 08:17
| 映画(シネマの世界)
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