
今や押しも押されもせぬ ハリウッドの名優に成長した インド系イギリス人の俳優 デヴ・パテル(1990~)も早 34歳、2008年「スラムドッグ&ミリオネラー」で 世界の映画ファンにその名を知らしめたのが、18歳の時でした。

新作のアメリカ映画「モンキーマン」では、主演・原案・脚本かつ‘初監督’と八面六臂の大活躍です。
映画のプロットは、インドの架空の都市を舞台に、不動産開発企業とカルト教団が、結託し 腐敗した行政権力と

癒着、そのインド社会の底辺で貧困に喘ぐ民衆を抑圧、暴力で支配し、悪化の一途をたどるインドの格差社会を揶揄した リベンジ・アクション映画で、支配層の手先である警察から立ち退きに抵抗する母を幼い頃、自分の目の前で撲殺され焼かれた 青年キッド(モンキーマン)が、燃えた

ぎる復讐心で、体を鍛え、一身を賭して腐敗した権力と エセ宗教の カルト教団に挑んでいく ベタなストーリーです。
映画前半の見せ場は、成長したキッドが、猿のマスクを被り、闇賭博のイカサマ格闘技に リングネーム「モンキーマン」として登場、胴元の指示通りに一方的に殴打され血

だらけになって敗ける格闘シーンです。
キッドが、なぜそうするのか?映画は、キッドの過去を フラッシュバックさせながら、貧困層が、暮らすハーレムの廃屋での亡き母と少年キッドの暮らしの様子を描きます。
後半は、敵地に乗り込んだ モンキーマンの復讐バイオレンス・シーンで、その激しく動き回る格闘シーンを手持ちカメラが、アップで撮った映像は、迫力満点で お見事です。

全編 アナログの格闘シーンながら デヴ・パテルの 体を張ったスピーディな格闘アクションは、虐待や拷問の暴力シーン嫌いの私も 固唾を飲んで見ていました。
最近のアクション映画は、安易なワイヤーCG特撮か、実に つまらないドンパチ銃撃シーンばかりで、そんな映画

に食傷気味で辟易していた私ですが、久しぶりに ワイヤーCGなし、ドンバチ銃撃戦なしの ベタな 体を張った格闘シーンの連続と 勧善懲悪活劇映画でしたので大いに楽しめました。
私は、子供の頃から映画が、好きで 多くの時代劇や アクション映画を見て来ました。

そのころは、どの映画も、最後に必ず正義が、勝つので、世の中は、そうなっているのだと 無邪気に思っていました。
成長するにつれ、「悪人が、常に生残り、社会の規範は、悪で、大人社会の常識なのだ」と思うようになり、ますます巨悪の蔓延る世界の現実にうんざりしていました。

久しぶりに無邪気な稚児の目に戻り、正義が、勝つエンディングに溜飲を下げました。
デヴ・パテル主演・初監督の新作「モンキーマン」は、勧善懲悪 活劇映画として大いに楽しめます。