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心の時空

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ホールドオーバーズ/フェラーリ(前編)  シネマの世界<第1251話>

新作の「ホールドオーバーズ」と「フェラーリ」が、福岡市警固の キノシネマで ロングラン公開されています。
ホールドオーバーズ/フェラーリ(前編)  シネマの世界<第1251話>_a0212807_22004966.jpg二作とも ずいぶん前に見ましたが、その後、名優 アンソニー・ホプキンス(1937〜)主演の新作映画「ONE LIFE」を見て、三作いずれも秀作なので「シネマの世界」での紹介作品を迷い、今夜は、分断と対立、支配と強欲に満ちた荒んだ社会にあって、それぞれ家族のいない 孤独な三人の心温まる アメリカ映画の新作「ホールドオーバーズ」をご紹介したいと思います。
監督は、皮肉たっぷりの会話、心温まる優しさ、思わず笑ってしまう ユーモアに満ちた 人間関係の物語を撮らせたら抜群のセンスを発揮する アレクサンダー・ペイン(1961~、2001年「ジュラシック・パーク III」の脚本、2002年「アバウト・シュミット」の監督)で、新作の「ホールドオーバーズ」(残された者)でも、その才能が、フルに顕われています。
ストーリーは、1970年代の マサチューセッツ州にある全寮制の男子寄宿学校(高校)が、舞台です。
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生真面目で 皮肉屋、同校の学生や 校長、同僚教師たちからも 嫌われている最古参の臨時教師 ポールは、二週間の クリスマス休暇で 帰省できない学生たちと寄宿舎に残り「ホールドオーバーズ」することになりました。
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残留生の一人 アンガスは、再婚した母親が、新しい夫とクリスマス旅行するため邪魔になる息子アンガスを寄宿舎に預け、なんだかんだと言い訳し迎えに来ませんでした。
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寄宿舎食堂の料理人として住み込みで働く メアリーは、ベトナム戦争で 一人息子を亡くした癒えないトラウマ(心の傷)を抱え、独りクリスマス休暇も寄宿舎に残っていました。
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その「ホールドオーバーズ」の三人が、2週間のクリスマス休暇を一緒に過ごすことになりました。
アレクサンダー・ペイン監督は、脚本家としてのセンスも発揮、三人の会話が、実に秀逸、お互い皮肉を言い合い
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容赦ない毒舌もあれば、相手の心に寄り添う慈愛に満ちた言葉や、ときにユーモアたっぷりの会話など 劇中のセリフは、センス抜群の一言です。
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さらに、ペイン監督は、デジタル撮影しているのに映像を あえて 35mmの画質の粗いフィルムにプリントして公開しています。(後編に続く)
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by blues_rock | 2024-08-29 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
Commented by onscreen at 2024-08-31 08:30
感想を眺めてるだけでホッコリさせられる名作でした!

私の考えるその理由はブログに書いてあります
Commented by blues_rock at 2024-09-02 04:24
同感です。 コメント、ありがとうございました。
ご意見ありましたとおり、映画としての純度は、オッペンハイマーより、こちらかも知れません。 そんな気が、します。 傑作だと私も思います。

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