美と殺戮のすべて(ドキュメンタリー) シネマの世界<第1245話>
著名な女性写真家 ナン・ゴールディン(1953~)は、姉の死をきっかけに 10代から写真家の道を歩み始め、自分自身や家族、友人のポートレートや、薬物、セクシュアリティなど 時代性を反映した作品を発表、写真ファンの 心を掴みました。病気とオピオイド中毒から回復すると自分自身が、陥った 酷いオピオイド中毒を告発、簡単に処方される オピオイド系(ケシ) 鎮痛剤の実態の改善と 中毒患者救済のための 団体「PAIN」を設立、医療用麻薬 オピオイド蔓延の責任を追及する活動を始めました。
そして、オキシコンチンを販売する大手製薬会社 パーデュー・ファーマ社と そのオーナーである大富豪サックラー家、そしてサックラー家から 多額の寄付を受けた芸術界(とくに美術館)の責任を追及しました。
ナン・ゴールディンは、自分の作品が、展示されている世界の美術館、メトロポリタン、グッゲンハイム、ロンドンの美術館に、大富豪 サックラーの
名前の入った展示室が、あることから、世界の著名な美術家や 活動を支援する市民を巻き込みながら、美術館の中で、ゲリラ的にサックラー家を告発する活動を行いました。


その全貌と成果を記録したのが、このドキュメンタリー映画「美と殺戮のすべて」です。







サックラー 一族の裁判では、被害者に 巨額の和解金を支払うのと引き換えに、創業者一族の 民事責任を免除

する合法性(司法取引=和解)が、現在、焦点になっていて、アメリカの連邦最高裁判所は、今年 2024年の夏までに判決すると予想されています。


by blues_rock
| 2024-06-27 09:00
| 映画(シネマの世界)
|
Comments(1)
6月27日のサイトニュースによると、アメリカ連邦最高裁判所は、サックラー創業者一族を不当に保護するとして和解を却下しました。
0

