デジタル・リマスター版 ミツバチのささやき シネマの世界<第1224話>

拙ブログの「シネマの世界」で、同じ作品を繰り返し掲載することは、記事の内容が、重複するため、ほとんどありません。
それでも時に、改めて見た感動が、‘初めて見た作品’のように新鮮で、興奮収まらないときが、あります。
これまで見た私の映画ベスト 1は、アメリカ映画の「存在の耐えられない軽さ」(
こちら)ですが、今日見た スペイン映画「ミツバチのささやき」(
こちら)は、それと甲乙付け難い最高傑作です。
今回、イジワルな目で粗探ししながら鑑賞しましたが、見つからず、ますます私の評価は、高まるばかり、10年に 1作くらいの寡作な スペインの映画監督 ビクトル・エリセ(1940〜)が、1973年に

発表した(当時33歳)デビュー作品「ミツバチのささやき」は、当時から絶賛されていましたが、日本公開は、1985年でした。

ビクトル・エリセ監督の原案(プロット)・脚本(スクリプト)・監督(演出)が、静謐な中にも映画の舞台となる 1940年当時スペイン社会の不穏さを醸し出し、映像は、デジタル・リマスター効果もあって色彩が、傑作絵画(例え

ば、アンドリュー・ワイエスの「クリスチーナの世界」、室内画、風景画)を見ているようで 今回さらに、改めて感心、さらに感動するばかりでした。

映画は、日本公開当時、六本木にあったミニ・シアター シネ・ヴィヴァン(185席、1983~1999)で公開されるや 12週間のロングラン・ヒットとなり話題になりました。

撮影監督 ルイス・クアドラド(1934〜1980)は、この映画の撮影中に失明しています。
音楽監督のスペイン現代音楽作曲家 ルイス・デ・パブロ(1930〜2021)の音楽もエリセ監督の不穏な演出と クラ

ドラド撮影監督の色調を抑えた明暗(昼と夜、生と死)映像と一体となって、「総合芸術の極みである映画(映像絵画)」を創造しています。

本当の映画を見たいと思っておられる方から、もし私に 1作だけ見るならと問われたら、この1973年製作のスペイン映画「ミツバチのささやき」をお薦めしたいと思います。

他にもお薦めしたい映画は、数多ありますが、映画好きも いろいろ、人生 いろいろ、恋も いろいろ、わくわくドキドキ ときめくものが、人生で価値のあるもの、自分で選べば、過ぎていく時間の中で自分が、選択した失敗もまた 人生の美しい(かどうか分かりませんが)景色の一つとなるでしょう。 (付録:最後の画像は、1948年 アンドリュー・ワイエス テンペラ画「クリスチーナの世界」です。)