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心の時空

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EO(イーオー)  シネマの世界<第1209話> 

1か月ぶりの「シネマの世界」です。
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拙ブログ長年の熱心な読者にして「シネマの世界」の厳しい批評家であった横浜の我が友が、いま大病を患い入院中なので、このポーランド映画の傑作「EO(イーオー)」をお見舞いとして彼女に贈りたいと思います。
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監督・脚本・製作は、ポーランドの名匠イエジー・スコリモフスキ(1938~)です。
これまでに イエジー・スコリモフスキ監督の作品で私が、見たのは、1962年「水の中のナイフ」(脚本)、2010年
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「エッセンシャル・キリング」(監督・脚本・製作) 2015年「イレブン・ミニッツ」(監督・脚本・製作)と 傑作ばかりでしたが、今年85歳の スコリモフスキ監督は、さらに映画史に間違いなく残る 傑作「EO(イーオー)」を発表しました。
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イエジー・スコリモフスキ監督のプロットと 脚本、演出を新進気鋭 ポーランドの若手撮影監督 ミハウ・ディメク(1990~)が、見事に映像化、主人公の ロバ EO(イーオーは、ロバの鳴き声に由来、一頭のロバ「EO(イーオ
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ー)」を演じたのは、6頭の灰色のロバながら ‘愁いを帯びたまなざしと その寂しげな表情’は、国際映画祭の演技賞部門にノミネートされても ‘主演賞’に値します。
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「EO(イーオー)」は、スコリモフスキ監督の エッジの利いた演出と ディメク撮影監督の美しい映像、音楽監督 パベェウ・ミキェティン(1971~)の ジャンルを超えた音楽を駆使した キレのある音響(サウンド・デザイン)が、ケミEO(イーオー)  シネマの世界<第1209話> _a0212807_01491909.jpgストリーした主人公の ロバEO(イーオー)の ポーランドからイタリアまでの ロード・ムービーで、予期せぬ放浪の旅の途中、善人にも 悪人にも出遭い、EO(イーオー)の つぶらな瞳から見える人間世界の 善意・傲慢・慈愛・邪悪が、入り乱れた理不尽な現実を描いた一大叙事詩です。
EO(イーオー)  シネマの世界<第1209話> _a0212807_01492383.jpg灰色のロバ イーオーは、サーカス団で ショウの相棒である カサンドラ(サンドラ・ドルジマルスカ 1993~)と幸せに暮らしていましたが、ある日、市の動物愛護条例でサーカス団が、解散させられ、無理やりトラックに乗せられ連れ去られました。
ここから、一頭の灰色のロバ、イーオーの ポーランドから イタリアまでの長い放浪の旅を スコリモフスキ監督は、寂寥感あふれる EO(イーオー)  シネマの世界<第1209話> _a0212807_01494965.jpgロード・ムービーとして描き、イーオーの無垢な瞳を通して見た人間社会の どこにでもある 善と悪を ユーモアと アイロニー(皮肉)を交え シニカル(冷笑的)に、ときに慈愛に満ちた演出で テンポ良く撮っています。
ドラマは、イーオーが、放浪する先々で出遭う人間たちと織りなす エピソードで構成され、サンドラ(サンドラ・ドルジマルスカ)は、イーオーが、寂しい時や 哀しい時、不安なEO(イーオー)  シネマの世界<第1209話> _a0212807_01500549.jpg時に 思い出す唯一の人間として時おり、イーオーの中で フラッシュバックして登場します。
イーオーが、出遭う多くの人間たちの中で、若い司祭の ヴィトー(ロレンツォ・ズルゾロ2000~)、長距離トラック運転手の マテオ(マテウシュ・コシチュキェビチ 1986~)、イタリアに到着し降ろされた庭で出遭う 伯爵夫人(イザベル・ユペール 1953~)などは、重要な役どころでしょう。
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私は、EO(イーオー)が、2018年 イタリア映画の傑作「幸福なラザロ」の主人公 ラザロ少年の無垢さと重なり、切なくなりました。
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85歳のスコリモフスキ監督は、これまだ見た映画の中で 唯一涙を流した作品が、ロベール・ブレッソン監督(1901~1999)の 1966年作品「バルタザールどこへ行く」とのこと、その オマージュとして、7年ぶりの新作「EO(イーオー)」をEO(イーオー)  シネマの世界<第1209話> _a0212807_01503636.jpg製作・監督したとそうです。
最後に、スコリモフスキ監督の製作をサポートした イギリスの名プロデューサー ジェレミー・トーマス(1949~)の手腕(製作総指揮のセンス)も称賛したいと思います。
ジェレミー・トーマスが、プロデュースした作品には、傑作・秀作が、多いのも特長で「戦場のメリークリスマス」(1983)、「ラストエンペラー」(1987)、「裸のランチ」(1991)、
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クラッシュ」(1996)、「ドリーマーズ」(2003)、「猟人日記」(2003)、「十三人の刺客」(2010)、「一命」(2011)、「危険なメソッド」(2011)、「イレブン・ミニッツ」(2015)、「誰のせいでもない」(2015)と 結構見ていました。
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映画の エンディングも スコリモフスキ監督の演出は、 容赦なく、エッジが、利いていて 見ている者に 現実のリアルを 突き付けて終わります。 (備考:青文字をタップすると記事が、表示されますのでご参考にしてください。)

by blues_rock | 2023-05-17 23:59 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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