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4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>

4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17471889.jpgカルトの帝王と称される デイヴィッド・リンチ監督(1946~)ですが、1980年に モノクロ映像で撮った 初期作品の「エレファント・マン」は、真っ向から人間の精神世界の醜悪をシリアスに描いた傑作映画です。
製作から 42年が、経ち フィルムの劣化もあるのでしょう、4Kデジタルの修復版は、42年前の クラシカルなところもありますが、それも演出であるかのように 新鮮で、改めて感動しました。
この作品の後、リンチ監督は、ジョージ・ルーカス監督(1944~)から1983年の「スター・ウォーズ」監督のオッファーを受けますが、断って 翌1984年に、自分の中で温めていた大宇宙を舞台にした SF映画「デューン/砂の惑星」(脚本・監督)を撮りました。
しかし、4時間を超える超大作に 配給会社が、クレームを付け、勝手に再編集(リンチ監督に編集権が、なかった)、2時間弱に大幅にカットされた映画は、「エレファント・マン」の監督 デイヴィッド・リンチの新作とし
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て公開されましたが、ボロボロにカットされているので人気なく、映画ファン(とくにSFファン)や リンチ監督ファンを失望させました。
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それでも 前衛画家を目指していただけに(シュールレアリズム絵画の信奉者) デイヴィッド・リンチ監督独特の 悪趣味的世界観が、映画に残っていて リンチ監督ファンの中には、カルト的な人気が、あった(私は、見ていない4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17475696.jpgので ノーコメント)そうです。
私が、見たデイヴィッド・リンチ監督作品は、1980年の「エレファント・マン」に始まり、1986年の「ブルーベルベット」、1990年の「ワイルド・アット・ハート」、2001年の「マルホランド・ドライブ」くらいですが、「デューン/砂の惑星」は、その後1990年代に テレビドラマ・シリーズ「ツイン・ピークス」の監督として名を4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17480663.jpg馳せたリンチ監督の人気にあやかって 180分版をテレビ映画として放送したら高い視聴率を獲得したそうです。
2021年、カナダの名匠 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(1967~)が、「DUNE/デューン 砂の惑星」として、その個性的な演出と 斬新な映像でリメイク、宇宙SF映画のプロットとしての斬新さは、ありませんが、映画としては、見事(秀作)でした。
4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17481655.jpg「4K修復版 エレファント・マン」に 話を戻し、見所だけご紹介します。
主演の名優 アンソニー・ホプキンス(1938~、出演時42歳、その後主演した1991年の「羊たちの沈黙」 ハンニバル・レクター医師のイメージが、強烈です)が、骨格の変形と 皮膚の異常な増殖という奇病に苦しみ、‘奇人 エレファ4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17481854.jpgント・マン’として 見世物小屋で人前に晒される ジョン・メリック(実在の人物 本名ジョセフ・メリック 1862~1890没、享年27歳)を 一人の人間として 自分の患者(進行性の難病を患う病人)として 慈愛を以って接し、彼の精神を支える外科医トリーヴスをシリアスに名演しています。
奇人 ‘エレファント・マン’として 晒し物にされた悲劇の青年 ジョン・メリックの 痛々しくも 凛とした魂を名優 ジョン・4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17482981.jpgハート(1940~2017)が、特殊メイクで扮し、熱演しています。
‘エレファント・マン’ジョン・メリックの 凛とした魂と、子供のころ死に別れ 写真でしか見たことのない母親への愛慕の念を常に失わず、それを知った 名女優 アン・バンクロフト(1931~2005、1962年「奇跡の人」、1967年「卒業」)演じる ロンドンの劇場支配人で女優 ゲンドル夫人は、ジョンを 自分の劇場に招待、居合わせた上流社会の観客たちに友人として紹介しました。
4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17483279.jpgジョン・メリックは、身体の極度な変形と 頭蓋骨の膨張により 大きくて 重い頭のため頚椎が、脱臼し窒息死しないよう、いつも眠るときは、横にならずに 壁にもたれるか、ベッドなら背中に クッション(大きな枕)を積み重ねて置いて 上半身を起こしたまま眠っていました。
エンディングで ジョン・メリックが、自由になる 左手一つで 空き箱の厚紙を使い、長年作り続けていた自室の窓4K修復版 エレファント・マン  シネマの世界<第1166話>_a0212807_17483455.jpgから尖塔しか見えない大聖堂を 想像で創り上げ、その夜、ベッドに入るとき、「これで全部終わった」とつぶやき、ベッドから クッションをすべて取り去り、身体を真っ直ぐに伸ばして 横になり、愛しいお母さんの姿を想い出しながらゆっくり 目を閉じて眠るシーンは、何度見ても秀逸です。

by blues_rock | 2022-06-02 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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