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心の時空

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a day in my life

魂のゆくえ   シネマの世界<第942話>

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1976年「タクシードライバー」、1977年「ローリング・サンダー」、1980年「レイジング・ブル」と不朽の名作を発表し続けた名匠 ポール・シュレイダー監督(1946~)の最新作(2017年作品、脚本・監督)「魂のゆくえ」(原題「First
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Reformed」映画の舞台となる旧いキリスト教会の名前)が、現在KBCシネマで公開されています。
ポール・シュレイダー監督は、たぶん(私の想像ながら)キリスト教義にある「七つの大罪」、傲慢(高慢)、憤怒
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(激情)、嫉妬(羨望)、怠惰(堕落)、強欲(貪欲)、暴食(大食)、色欲(性欲)にプロットのヒントを得て(インスパイアされて)撮った作品ではないかと私は、推察します。
a0212807_11214814.jpgそのシュレイダー監督による ‘スピリチュアルなサスペンス’ 心理ドラマ「魂のゆくえ」の演出(脚色)を撮影のアレクサンダー・ダイナン(プロファィル不詳)が、エッジを効かせた映像でシャープに捉えています。
主演の名優 イーサン・ホーク(1970~)は、期待に違(たが)わぬ ‘スピリチュアルな演技’ で、設立250年の旧い教会の牧師が、背負う「憤怒(激情)」と「暴食(「魂のゆa0212807_11220529.jpgくえ」では 暴飲)」を秀逸に演じ、2015年主演の映画「リグレッション」で演じたスピリチュアルな刑事役を彷彿とさせる演技で牧師の役を名演しています。
これまで美人若手女優として人気が、あったアマンダ・セイフライド(1985~、私の記憶に残るのは、2010年「親愛なるきみへ」)は、これまでの‘純愛映画のヒロイン’のイメージを払拭し、生活に疲れた三十代の女性を好演しています。
a0212807_11220351.jpgアマンダ・セイフライドは、「リグレッション」で、イーサン・ホークと共演したエマ・ストーン(1988~)と目の印象が、よく似ているので、私は、時おり二人の出演した映画が、頭の中で混乱します。
「魂のゆくえ」のストーリーについては、<ウィキペディア>に掲載されていた説明が、一番コンパクトで的確でしたので引用し私が、少し修正加筆して掲載しています。
ニューヨーク州の小さな教会で牧師を務めるトラー牧師(イーサン・ホーク)は、自分の信仰と思想を教会の年報に掲載する記事のために書いていましたが、満足できず破り捨てました。
トラー牧師は、元従軍牧師でしたが、息子ジョセフをイラク戦争で失くし軍を退役しました。
a0212807_11223261.jpg息子ジョセフに自分が、入隊を勧めて死なせたというトラー牧師の悔悟と苦悶、消えない自責の念は、悪化する持病の内臓疾患(胃ガンの疑い)と相俟って酒量が、増えていました。
そんなある日、トラー牧師は、信徒のメアリー(アマンダ・セイフライド)から夫マイケルに会って欲しいと依頼されました。
a0212807_11223508.jpg過激な環境保護活動家の夫マイケルは、メアリーの出産に反対し中絶するよう勧めていると打ち明けました。
マイケルは、トラー牧師に環境破壊による気候変動によって地球が、生存不能の過酷な環境になっている、今やもう元には、戻れないので生まれてくる子供を苦しませたくないのだと答えました。
a0212807_11224093.jpgメアリーは、夫が、製造し隠していた自爆用の爆弾をガレージで発見し驚きました。
連絡を受けたトラー牧師は、マイケルと会うことにしました。
トラー牧師が、彼から指定された公園に向うとショットガンで頭を撃ちぬいたマイケルの遺体を発見、彼の遺骨は、彼の遺書により環境破壊の象徴であった巨大企業の産業廃棄物が、投棄さ
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れる最終処理場近くの汚染された海に散骨されました。
その頃、トラー牧師が、所属する教会本部では、設立250周年を祝う式典の準備が、着々と進んでいました。
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式典には、地元市長や知事を始め各界から名士たちが、多数参列、その中に教会活動資金の大口提供者である巨大企業でマイケルの抗議行動相手であった会社オーナーの名前もありました。
a0212807_11225016.jpga0212807_11224787.jpgトラー牧師に芽生えた世界の行く末を悲観し自殺したマイケルの魂を救えなかったとの悔悟の念は、自らの信仰の実践と人生への価値観を大きく変えました。
トラー牧師は、胃ガンの悪化もあり亡きマイケルが、実践しようとしてできなかった人間の「傲慢(高慢)」と「怠惰(堕落)」に対する自爆テロ(贖罪)を自分の教会で開催される設立250周年祝典セレモニーの席で実行することにしました。
映画エンディングのトラー牧師とメアリーとの長いキス・シーンは、昇華された「色欲(孤独な性本能)」の象徴としてシュレイダー監督が、描いた「イエス・キリストとマグダラのマリアへのオマージュ」のように私は、思いました。

(写真 : 主演の二人とポール・シュレイダー監督、アマンダ・セルフライド、エマ・ストーン 二人ともいいなあ‥美しいなあ。 「美しい女性は、国宝である」は、女性写真家 蜷川実花の言葉で、私の戯れ言ではありませんので念のため申し添えます。)

(備考) 青文字部分を クリックすると過去に掲載した記事に飛びますので、よかったらご参考にしてください。



by blues_rock | 2019-05-09 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(5)
Commented by mementomorierikon at 2019-05-17 06:51
お勧め頂いてから少し時間が経ちました。
実はあの日お勧め頂いた、次の日観に行かせてもらいました。
自分の中の思いを整理しながら、娘も観に行ったのでそれを踏まえながら考えておりました。
彼女ともこの映画に関してじっくり話し、そういう意味では
邦画の題名自分としての「魂のゆくえ」を考えさせられた時間でした。

何故なら個人的にも 長い時間をかけて
少々専門的に追及研究してきたので、それも考えに泳がせつつ・・・。オマージュの意味合いも考えつつetc・・・。

bluse rockさんはTBSラヂオは聞けますか?
そこでムービーウォッチメン 三宅隆太さんによる八作品二分間解説の中にこの映画も含まれていて、そこで語られた
[自己開示が苦手な男性]と評していた事と、[魔がさす]の
本来の意味を語られたのが自分としても共感できるものでした。
もし聞くことが出来たら再生できるようなシステムになっていますので、映画ファンとしても面白いので聞いてみてください。

映画は深いですね。

Commented by blues_rock at 2019-05-18 22:19
ご丁寧なご連絡、ありがとうございました。
TBS‥と云うのは、東京のラジオ局のことですよね。
私が、住まうのは、博多なので、どうすれば、聴けるのでしょうか?
あいにく、テレビもラジオ(カーラジオはありますが)も所有せず、PCしかありませんが、ラジオ機能は、ないようです。
TBSラジオを聴く、良いお知恵が、在れば、ご伝授願います。
Commented by mementomorierikon at 2019-05-19 21:03
ムービーウォッチメン「三宅隆太さんによる8作品 特別編」 https://radiocloud.jp/archive/a6j/?content_id=57206
こちらで視聴可能です。(無料ですが登録が必要です…)
IEでは聴けないので、良かったらほかのブラウザかスマホのアプリで聴いてみてください。

と、ここまでは娘に方法の文面入れてもらいました。
参考にして言ってみてください。
Commented by blues_rock at 2019-05-22 01:00
さっそく登録してアクセスしてみました。
されど1650もある番組の中に、「三宅隆太さんによる8作品 特別編」を見つけることが、できませんでした。
ラジオの放送もずいぶん変わったものですねえ‥いくつか聴いてみたい番組もありましたが、ここも映画同じく玉石混交(ほとんど石)ながら、考えてみれば、ジャンルと人で選択できるのでフルイにかけやすいですね。
Commented by mementomorierikon at 2019-05-22 18:38
あら、残念でした。
詳しくお伝え出来なくてごめんなさい。

もともとは ライムスター宇多丸氏による
「アフター6ジャンクション」
https://www.tbsradio.jp/a6j/ と言う番組の中の
金曜日に放送されたものでした。
この日は宇多丸さん体調不良で数週間お休みで代わりに
三宅隆太さんが主演されたものです。
「アフター6ジャンクション」はとても面白いので
機会がありましたら是非どうぞ。
曜日ごとに少々マニアックなテーマを含めて、放送していますが、すご~く面白いです。(中には。当たり前にう~む、と言う物もありますが、…)