ラスト・ボディーガード シネマの世界<第904話>
2015年フランスとベルギー合作のハードボイルド映画「ラスト・ボディーガード」を今夜は、紹介いたします。
日本語のタイトルが、ベタで平凡なタイトルなのでアクション映画と思っていたら原題「Maryland」(英語タイトル「Disorder」無秩序)と意味深でサスペンスタッチのハードボイルド映画でした。
監督(と脚本)は、フランスの妙齢女性監督 アリス・ウィンクール(1976~)、撮影が、フランスの名撮影監督 ジョルジュ・ルシャプトワ(2010年「
美しき棘」、2013年「
グランド・セントラル」など)、音楽をフランスのDJで若手テクノミュージシャンのゲサフェルスタイン(1989~)、主演は、ドイツ語、フランス語、英語ともに流暢なドイツの才媛女
優 ダイアン・クルーガー(1976~、2002年「ザ・ターゲット」でデビュー、2009年「イングロリアス・バスターズ」、2011年「アンノウン」、2017年「
女は二度決断する」と国際派女優ぶり)、そして彼女を護るボディガードにベルギーの名優 マティアス・スーナールツ(1977~、2011年「闇を生きる男」、2012年「
君と歩く世界」、2017年「
レッド・スパロー」)
が、からむキスシーンもラブシーンもないロマンス心理劇映画の秀作です。
カンヌ国際映画祭でも好評だったそうですが、日本の配給会社は、節穴でWOWOWが、放映しただけ‥日本の映画レベルは、そんなものでしょう。
フランスの軍人ヴァンサン(マティアス・スーナールツ)は、アフガニスタンから帰還後もPTSDに苦しみ軍務の継続が、
困難と診断され休暇を取らされました。
休暇中、警備会社に勤務する友人ドゥニ(ポール・ハミー 1982~)から紹介されフランス政財界に太いネットワークをもつアラブ系フランス人で大富豪ワリードの豪邸(Maryland)を警備するアルバイトに就きました。
ヴァンサンは、ワリードの出張中、妻ジェシー(ダイアン・クルーガー)と息子アリのボディガードをすることになりました。
ヴァンサンは、遠くからワリードの美しいドイツ人妻ジェシーを見ているうちに心密かに惹かれるようになりました。
ジェシーから外出の要請を受け、彼女と息子アリを車に乗せ護衛し運転中、突然何者かに襲撃されました。
二人を間一髪で救出し邸宅(Maryland)に帰るも被害を受けた自分たちに対する警察のずさんな事情聴取に不審を抱いたヴァンサンは、友人ドゥニに協力を求め警備を強化しました。
雇用主の妻ジェシーを演じるダイアン・クルーガーとボディガードのヴァンサンを演じるマティアス・スーナールツ二人の ‘視線’ が、見どころの映画です。
(右写真 : アリス・ウィンクール監督とダイアン・クルーガー)