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心の時空

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a day in my life

エリック・クラプトン 12小節の人生(後編)  シネマの世界<第902話>

a0212807_12284897.jpgクラプトンは、親友ジョージ・ハリスンの当時妻であった運命の女性(ファムファタル)パティに恋(当時まだプラトニックな一途な恋でした)をしました。
クリーム(1966~1968)そしてブラインド・フェイス(1969)とバントを変えながらブルースにのめり込むクラプトンは、生来の孤独とパティから拒絶される寂しさを忘れるため、ヘロインに溺れていきました。
a0212807_12285084.jpg1970年ブルースの盟友 ジミ・ヘンドリックスが、ヘロインの過剰摂取で亡くなり、悲痛なクラプトンは、アメリカに渡りデレク・アンド・ザ・ドミノス(1970~1971)を結成、オールマンブラザーズバンドの名ギタリスト デュアン・オールマン(1946~1971バイク事故で死亡、享年25歳)を迎え名盤「レイラ(Layla and Other Assorted Love Songs)」を制作しました。
a0212807_12285302.jpg名曲「レイラ」のモデルは、クラプトンのファムファタル、パティです。
天才ギタリスト デュアン・オールマンの奏でるスライド(ボトルネック)ギターの音色は、親友の妻に横恋慕する当時のクラプトンの苦悩と心の内を見事に表現しています。
a0212807_12285629.jpgこのアルバム制作中、ジミ・ヘンドリックスの死を忘れさせた若い友人にして名ギタリストのデュアン・オールマンをバイク事故で亡くすとクラプトンは、その喪失感と孤独で重度のアルコール依存症になりました。
1979年ジョージ・ハリスンと離婚したパティは、クラプトンと結婚(結婚式にジョージ・ハリスンも出席、二人の結婚を祝福)しますが、アルコールに依存するクラプトンは、パa0212807_12290746.jpgティの知る昔の彼(自分を愛するエリック)では、ありませんでした。
アルバムを制作するごとにブルースが、ロックと融合し深化していくクラプトンの音楽は、ファンを広げますが、彼のアルコール依存症は、治らず女性遍歴を続けるクラプトンにパティが、愛想つかして1988年二人は、離婚しました。
映画は、1970年代のヘロイン中毒(重度のジャンキー)であったクラプトンの幻覚による虚ろな目(‘ピンクの綿に包まれている感じ’と本人のナレーション)、1980年代のアルコール酩酊(へa0212807_12285859.jpgべれけ状態)によるコンサート会場での観客への暴言や暴力沙汰、ライブ不能による突然のコンサート中止などクラプトンほどの有名人だったら必ず隠す過去の恥をクラプトン自らが、ナレーションで語り、赤裸々に自分の内面を曝(さらけ)出す姿を描いていきます。
1991年クラプトンは、イタリア人女性との間に生まれた溺愛する幼い息子コナー(当時4歳半)をニューヨークの自宅高層アパート53階からの転落事故で亡くし、そのa0212807_13073483.jpgショックで外との接触を断ち自宅に引きこもりました。
彼の友人たちは、不幸を重ねる彼が、またドラッグとアルコールに依存することをたいへん心配しました。
親友のジョージ・ハリスンは、クラプトンを説得し日本で開催する自分のコンサートに連れ出しバンドのギターを依頼しました。
a0212807_12291059.jpg映画に登場しませんが、このコンサートで奏でるクラプトンの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」のギターは、それはもう最高!、演奏の最後にジョージ・ハリスンが、「エリック・クラプトン、最高!」と日本語でMCしています。
1992年愛息コナーの死を乗り越え作詞作曲した天国の息子に呼びかける名曲「Tears in Heaven」をリリース、1998年私費を投じてカリブ海の島にドラックとアルコール中毒患者を救済する更生施設「クロスロードセンター」を設立、財団運営のためにチャリティ・コンサートの開催を続け、さらに所有している大事なギター数百本をオークションにかけて得た資金は、全部寄付しています。
2002年に現在の妻メリアと再婚、73歳になったクラプトンは、3人の娘の父親としていま平穏な生活をしています。
映画に映る家庭で和み、十代の娘たち3人に弄られるクラプトンの普通のパパぶりが、微笑ましく、日本公演にa0212807_13073844.jpg連れて来た娘たちと寛ぐ子煩悩なクラプトンを見て1970年代からのファンである私は、ほっとするとともに、心底うれしく思いました。

(上写真 : ザナック監督とエリクック・クラプトン、右写真 : 名ギタリストの布袋寅泰と歌手の今井美樹夫妻も憧れのクラプトンの横では、いちファン顔)

by blues_rock | 2018-12-12 00:12 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)