ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

赤い航路  シネマの世界<第898話>

a0212807_06261473.jpg
先夜に続きフランスの名匠ロマン・ポランスキー監督(1933~)の1992年作品「赤い航路」を紹介します。
「赤い航路」の原題は、「Bitter Moon」で「Honey Moon(ハネムーン)」の反対語のような夫婦旅行と理解していただくa0212807_06262653.jpgと映画は、分かりやすいと思います。
映画には、二組の夫婦が、登場、この二組の夫婦は、豪華クルーザーの船旅で出遭い、親しくなるうちに次第にお互い相手の夫と妻に‘男と女の部分’を露骨に見せ始め、やがて屈折した性愛に発展していきました。
ポランスキー監督は、シニカルな夫婦の愛情劇を描いたと云うか、相当捻じれた男女の(夫婦の)愛憎と性愛をa0212807_06263276.jpg抉(えぐり)り出すように描いたエロチック・ミステリー映画の秀作です。
結婚7年目のイギリス人夫婦、ナイジェル(ヒュー・グラント 1960~)とフィオナ(クリスティン・スコット・トーマス 1960~)は、傍目に仲の良いまじめなカップルで7年目の愛を確認するために豪華クルーザーの船旅に出ました。
二人は、船の中で車椅子のアメリカ人作家オスカー(ピーター・コヨーテ 1941~)と、オスカーの若い妻ミミ(エマニュa0212807_06264815.pngエル・セニエ 1966~)に出遭いました。
ミミの妖しい雰囲気やクールな言動にフィオナの夫でマジメ男のナイジェルは、出遭った時から翻弄されました。
ナイジェルの妻フィオナも夫が、ミミに興味をもっていると女の直感で察し警戒するも車椅子のミミの夫オスカーは、ナイジェルに「私の妻を抱きたいa0212807_06265404.jpgだろ? 正直に言ってみろ。」とナイジェルを挑発しました。
そして‥これから後の展開は、映像ならではの夫婦二組の愛憎と男女(夫と妻)のエロチックなシーンが、続きますので
‘この夫婦’の精神構造を理解したい方は、映画をご覧ください。
ヒュー・グラント演じる顕在化した男の性愛、ピーター・コヨーテの屈折した車椅子の初老男が、見せるサディステックな性愛への偏狂、クリスティン・スコット・トーマスは、他の女に興味をもつ夫への嫉妬による妻の乱心を、a0212807_06265904.jpgエマニュエル・セニエ演じる妖艶なエロチック女ぶり‥など、いずれも秀逸な演技でお薦めしたい映画です。
劇中のセリフが、すばらしく、「好きの反対語は、嫌いではない、好きの反対語は、興味がない」とか、「憎しみ合うために結婚する」、さらに「便利な女か 不要な女だ」とか、「世の中で一番悲しいことは、誰にも相手にされないことだ」と続きます。
憎しみ合える関係を結べた夫婦(男女)は、‘運命の人’(男ならばファムファタル)と出遭ったのだとポランスa0212807_06270234.jpgキー監督のつぶやく声が、聞こえるようです。
劇中、インド人の父親と娘(少女)が、時おり登場するのは、ポランスキー監督の演出の妙で、この屈折した夫婦の性愛(愛憎)ドラマに良い塩梅のバランス(社会の現実に引き戻す)役をしているように思いました。

by blues_rock | 2018-11-21 05:55 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)