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心の時空

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a day in my life

「追 想」と題する 二作品(前編)  シネマの世界<第873話>

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イギリス映画の新作「追想」(原題「On Chesil Beach」 チェジル・ビーチにて)を見ようか見まいか逡巡するも、2007年のイギリス映画「つぐない」の原作者 イアン・マキューアン(1948~)が、自分の原作「初夜(On Chesil
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Beach)」を自ら脚本にしていること、ならびに初めて長編映画を撮る舞台監督のドミニク・クック(1966~)は、‘どのような演出’をするのだろうかと二つの好奇心で見ることにしました。
a0212807_19470329.jpgさらにもう一つ、13歳のとき「つぐない」で思春期の性に敏感で残酷な少女という難しい役どころを名演した少女のシアーシャ・ローナン(1994~、2011年SF「ハンナ」主演時17歳)も あれから10年、成人(現在23歳)した彼女が、この「追想」(On Chesil Beach)で 無垢で純粋な主人公のフローレンスをどう演じるだろうかとの関心もありました。
そして、もう一作、1975年製作のフランス映画「追想」(原題「Le vieux fusil」 旧い猟銃)と同じタイトルながら、a0212807_19470715.jpgまったく異なる「追想」を二夜連続で紹介します。
フランス映画「追想」は、オーストリア(ウィーン)出身の美人女優ながらフランスで名女優になったロミー・シュナイダー(1939~1982病没、享年43歳)と名優 フィリップ・ノワレ(1930~2006、1988年イタリア名作映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のアルフレード役で有名)が、主人公を演じています。
ロミー・シュナイダーは、1972年 名匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の名作「ルートヴィヒ」に出演、当時、33歳のa0212807_19472474.jpgロミー・シュナイダーが、演じた美しく品格ある皇后 エリーザベトをヴィスコンティ監督は、絶賛しました。
品性ある美貌の女優としてオーストリア=ドイツ圏で、人気抜群のロミー・シュナイダーでしたが、1958年 奔放な雰囲気をもつ当時無名のアラン・ドロンと共演したことをきっかけに、恋に落ちアラン・ドロンのいるフランスに移住、ドイツ語のできないアラン・ドロンとフランスで女優に
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なるためにフランス語を特訓、そしてアラン・ドロンと婚約しました。
二人は、長い婚約期間を経て別れることになりますが、やがてロミー・シュナイダーは、‘フランス最高の女優’とa0212807_19474443.jpg称賛されるまでになります。
一方、オーストリアとドイツでは、彼女が、人気絶頂たっただけに ‘祖国を捨てた女優’のレッテルを貼られ、排斥されました。
ロミー・シュナイダーの人生は、華やかな印象と違って幸薄いものでした。
多くの男性に愛されましたが、1981年、生き甲斐のように溺愛する14歳の息子を事故で亡くすと、精神のバラa0212807_19474721.jpgンスを壊し、睡眠薬とアルコールに依存、その一年後、愛息のもとへ旅立つように亡くなりました。
「追想」(原題「旧い猟銃」)出演時、ロミー・シュナイダーは、36歳(凛として美しい)でフランスに侵攻したナチスドイツ軍に娘を目の前で殺され、集団レイプされたあげく火炎放射機により焼き殺されるという医者の妻を壮絶なリアリティで名演しています。
a0212807_19475279.jpgフランス映画の「追想」は、追想なんて甘っちょろいものではなく、愛する家族をナチスドイツ軍に惨殺された男(医者)による怨念の復讐劇です。
ストーリー(プロット)は、1944年ナチスドイツに占領されたフランスの田舎モントーバンの古城を舞台に、外科医のジュリアン(フィリップ・ノワレ)が、愛する妻クララ(ロミー・シュナイダー)と娘フロランスをナチスドイツ兵らに嬲(なぶり)り殺され、張り裂けa0212807_19474943.jpgる怒りと復讐心に燃え、家にある狩猟用の旧い散弾銃を持ち出しナチスドイツ兵を一つずつ殺しながら復讐していく物語です。
監督は、フランスの巨匠 ロベール・アンリコ(1931~2001)で、1967年のアラン・ドロン(1935~)とリノ・バンチェラ(1919~1987)主演の「冒険者たち」が、代表作として有名です。(後編に続く)

by blues_rock | 2018-09-01 00:00 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)