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心の時空

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草原の河(前編)  シネマの世界<第871話>

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福岡市総合図書館の映像ホールで開催された‘8月のシネラ’で、チベット映画「草原の河」(原題「河」 River、2015年)が、3回上映されましたので、うち2回見ました。
a0212807_19253612.jpg製作国は、中国ながら監督と脚本が、チベットのソンタルジャ監督(1973~)で 製作スタッフおよびキャストも全員チベット人の皆さん方なので これは、正真正銘の ‘チベット映画’(映画冒頭のクレジットは、チベット文字で会話もすべてチベット語)と云ってよいでしょう。
「草原の河」は、ソンタルジャ監督の長編第2作でチベット人監督の作品が、日本で公開されるのは、これが初めa0212807_19254928.jpgてとか、もしこの映画が、今年のカンヌ国際映画祭に出品されていたら「万引き家族」とパルムドールを競ったかも、もしかしたら「草原の河」に軍配は、上がっていたかもしれません。
日本初公開のチベット映画「草原の河」が、いきなりこんな大傑作ですから 私は、心底驚きました。
a0212807_19255331.jpgさらにもっと驚くのは、出演しているのが、演技訓練を受けていないチベット高原アムド地方の住民たちで、皆なびっくりするくらい見事な演技(演じていると思えない演技)を披露しています。
とくに主人公の、牧畜民の少女 ヤンチェン・ラモ(6歳、本名で、‘小さな女神’という意味)の、素のままの演技をしない天才的演技(存在感=リアリティ)が、また何ともお見事で、ソンタa0212807_19255701.jpgルジャ監督は、故郷のチベット高原アムドで この幼女ヤンチェン・ラモ(監督の親戚の子供とか)に出遭ったことが、この映画製作すべての始まりだったと(映画のインスピレーションとイメージをヤンチェン・ラモから受けたと)コメントしています。
ソンタルジャ監督にとって6歳のヤンチェン・ラモは、まさしく‘小さな女神’で、主人公牧畜民の少女 ヤンチェン・ラモは、チベット高原アムドに住む6歳の幼女 ヤンチェン・ラモ、そのものだったのです。
子役経験もない素人で映画初出演の6歳のヤンチェン・ラモは、その年の上海国際映画祭で、何と史上最年少新人賞ならびに主演女優賞のダブル受賞、この映画を見た方なら、さもありなん!と 大いに納得すると思います。
映画のプロットは、標高3千㍍のチベット高原で、牧畜をしながら暮らす3人家族、ヤンチェン・ラモと父親のグル(グル・ツェテン~監督の親戚で幼なじみ)、2番目の子供を妊娠中の母親ルクドル(ルンゼン・トルマ~監督のa0212807_19262026.jpg友人、チベット語で歌う歌手)、さらに村人たちが、行者さまと崇めるチベット仏教の修行僧で、ヤンチェン・ラモの祖父を入れると家族4人の、世界どこの家族にも共通する ‘普遍’ の物語です。
ソンタルジャ監督演出のキーは、このチベット高原の4人家族それぞれの間を流れる「河」にあります。
a0212807_19262466.jpg映画のタイトル「河 River」が、出る前にヤンチェン・ラモの父親グルは、ヘベレケに酒に酔ってオートバイを運転し転倒、顔から血を流しながら「4年前‥」と独り言を言い、そしてスクリーンにチベット文字のクレジットが、流れて映画は、始まります。(後編に続く)

by blues_rock | 2018-08-26 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)