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グッバイ・ゴダール!  シネマの世界<第856話>

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フランス映画の革新運動家であった映画監督 ジャン=リュック・ゴダール(1930~)は、1960年「勝手にしやがれ」で長編映画監督デビュー、1965年の「気狂いピエロ」で‘ヌーヴェルヴァーグの旗手’として名を馳せますが、
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1967年、中国の文化大革命(共産主義原理運動)にかぶれたゴダール監督は、商業映画との決別を宣言、政治的(共産主義的)映画集団 ジガ・ヴェルトフ(1968~1972)を結成、そのリーダーとなるもメンバーの平等意見a0212807_14280438.jpg(必然として無能の混入)で製作(ジャン=リュック・ゴダールをクレジットせず匿名製作)をしましたので当然のことながら映画と呼べるものではありませんでした。
名匠 ミシェル・アザナヴィシウス監督(1967~、脚本・監督・製作、2011年作品「アーティスト」は、アカデミー賞作品賞・監督賞など5部門受賞)は、この新作「グッバイ・ゴダール!」をゴダール二番目の妻にして女優 アンヌ・a0212807_14281011.jpgヴィアゼムスキー(1947~2017、フランスのノーベル文学賞作家モーリャックの孫娘)の目を通し(自伝小説「それからの彼女」をもとに)、1967年ゴダール監督が、19歳のアンヌと結婚してから別れる(1972年に別居)までの数年間の長い低迷の時代を描いています。
時まさに1968年、フランスの反体制運動「五月革命」前夜でした。
a0212807_14284173.jpg私見ながらゴダール作品が、「気狂いピエロ」レベルに甦るのは、オランダ出身の無名の新人女優 マルーシュカ・デートメルス(1962~)を抜擢して撮った1983年傑作「カルメンという名の女」(ヴェネツィア国際映画祭グランプリ受賞)からと思います。
この映画の見どころは、何といってもゴダール二番目の妻で女優、原作者のアンヌ・ヴィアゼムスキーを演じるa0212807_14284508.jpg新鋭女優 ステイシー・マーティン(1991~、2013年22歳のとき出演した「ニンフォマニアック」第一巻、色情狂ジョーの若い頃をフルヌードで奔放に演じ注目される、ステイシーも今や27歳、引き締まった美しいヌードを披露)とジャン=リュック・ゴダールを演じた若手の名優 ルイ・ガレル(1983~)、二人の夫婦にして監督と女優、何より男と女としての人間模様をアザナヴィシウス監督が、ユーモアたっぷりシニカル(冷笑的)に描いa0212807_14285712.jpgていることです。
アザナヴィシウス監督は、名女優で愛妻のベレニス・ベジョ(1976~)を当時37歳のゴダールと19歳のアンヌの二人をよく知る親友として狂言回し役にして、意地が悪いくらい稀代の映画監督 ジャン=リュック・ゴダールの人として、さらに男としての未熟さ(ある意味エゴイスティックな人間らしさ)を活写しています。
a0212807_14291077.jpg映画は、チャプターごとに構成されていますが、ゴタールと云えば‘眼鏡’、チャプターをつなぐ小道具として都度「眼鏡を破壊していく演出」は、アザナヴィシウス監督の名匠たるセンスを感じました。
                 (上写真 : ゴダール夫人であったころの女優 アンヌ・ヴィアゼムスキー 本人)

by blues_rock | 2018-07-17 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)