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心の時空

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万引き家族(後)  シネマの世界<第847話>

a0212807_20343282.jpg是枝監督は、23年(13作)の監督生活で培った演出の技量を新作「万引き家族」(=原作・脚本・監督・編集)の随所で見せています。
映画の終盤、途中死亡した老女(祖母=樹木希林)を除き 残された家族全員が、万引き、年金の不正受給、少女誘拐容疑で警察の取調べを受けるシーンは、2017年作品「三度目の殺人」を思い起こさせました。
a0212807_14311490.jpgやっと自分の居場所(家族)を見つけたかに見えた5人も、やがてバラバラになりますが、それでも一緒に暮らした日々の中でお互いの心に育った家族としての絆は、消えませんでした。
今回のカンヌ国際映画祭審査員長で稀代の名女優 ケイト・ブランシェットは、劇中、母親役の安藤サクラが、取調官から誘拐動機について厳しい取a0212807_14311876.jpgり調べ受けているとき ‥ 「この子(幼い少女)は、捨てられたんだよ。 棄てられたものを拾って何が悪い! 悪いのは、この子を棄てた母親だろうが ‥」 と吐き捨てると絶句、両手で涙を拭きながら泣くシーン(カメラの長回しで是枝監督は、安藤サクラに台本を渡さず演技させたとか)を大絶賛、「今後、私も含め今回審査員を務めた俳優は、これから出演する映画のなかで泣くシーンa0212807_14564843.jpgが、あったら彼女(安藤サクラ)の真似をしたと思っていい。」と是枝監督に伝えたそうです。
映画のエンディングで、実の母親のもとに連れ戻された5歳の女の子が、アパートの通路で独り遊びながら、手すりから身を乗り出してじっと外を見ているシーンは、あまりに切なく、大人の保護と愛情が、絶対不可欠な幼い子供たちへの虐待は、無関心を装う回りの大人たちも同罪と改めて思いました。
(追記 : 三度目の「万引き家族」に続く)

by blues_rock | 2018-06-14 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
Commented by onscreen at 2018-06-10 20:49 x
あの安藤サクラの演技を引き出したのは監督だったんですね...
あのシーンも含め、またみたいです!
Commented by blues_rock at 2018-06-12 03:34
コメント、ありがとうございました。
是枝監督も あえて台本を渡さなかった安藤サクラの演技を見て「神がかり」と思ったそうです。
まさしく、そつたく(雛が、孵化するとき内側から殻をつつき親鳥は、雛が、孵化しやすいよう同じところを外側からつつく行為)したのだろうと思います。
母親になったばかり安藤サクラの母性愛が、劇中 母親になろうとした女性に憑依したと私は、思いました。