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心の時空

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孤狼の血  シネマの世界<第843話>

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東映配給なので、てっきり東映ヤクザ映画のニューバージョンと思い、この映画は、当初スルーするつもりでいました。
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私は、昔から東映のヤクザ映画や昨今の暴力団ものの映画が、大嫌いで、まったくと言っていいくらい見た記憶なく、現在公開中の「孤狼の血」は、私の好きな名優 役所広司(1956~)主演であることと、監督が、白石和彌a0212807_10071518.jpg監督(1974~、2013年の「凶悪」は、秀作)でなければ、見る気にならない映画でした。
先日、昼食を終え、KBCシネマで公開中の「モリの居る場所」を見ようと思い、上映時間を見るとまだ2時間余あり、他の映画館で公開されている作品と上映時間をサイトで調べると中州大洋映画劇場で「孤狼の血」が、ちょうど好い時間でした。
a0212807_10075469.jpg私が、やはり気になったのは、相変わらず体中(からだじゅう)イレズミしたチンケな男たちの登場するヤクザ映画のように思えたことでした。
あまり期待せずに私は、見始めましたが、さにあらん、これは、私の先入観で、さすが白石監督でした。
白石監督は、原作「孤狼の血」の著者、作家の柚月裕子(1968~)が、ヤクザ映画の巨匠 深作欣二監督(1930a0212807_10084629.jpg~2003、「仁義なき戦い」シリーズが有名)の大ファンでもあり、深作監督へのオマージュとして原作のまま映画の舞台を暴力団対策法成立前の昭和63年(1988年)、広島県の架空都市‘呉原市’に設定、リアリズムに徹するためオール広島ロケを敢行、ほとんどのシーンを呉市内で撮影し実録もののヤクザ(暴力団)抗争のようにリアルに撮っています。
a0212807_10091587.jpg冒頭は、ヤクザ映画のように見せながら、丸暴の古参刑事で、暴力団組長も幹部も一目置く無頼な刑事 大上(役所広司)が、「警察じゃけえ、何をしてもええんじゃ!」とタンカを切るあたりから映画は、がらりとハードボイルドとサスペンスに変調していきます。
大上刑事を内偵する役割を帯びて広島県警本部から呉原市警察署に送り込まれてきたエリート新人刑事日岡a0212807_10090955.jpg(松坂桃李 1988~、私の初めて見る若手俳優でしたが、秀逸)は、無理やりコンビを組まされた直属の上司が、大上でした。
大上は、ウワサ通りの悪徳警官でそのワルデカぶりに呆れ果てた日岡が、何かと反発するも、そのたびに殴られ放り投げられました。
呉原市の地元暴力団と新興の広域暴力団の縄張り抗争が、多発、過激な暴力沙汰や流血事件も起き、地元暴a0212807_10092613.jpg力団の資金源(金庫番)であった金融業を営む民間人の失踪事件で暴力団組織の戦争(流血抗争の勃発)のニオイを嗅ぎつけたベテラン丸暴刑事の大上は、長年の勘で失踪事件の裏に黒幕が、いると考えました。
役所広司演じる悪徳デカの大上は、過去に暴力団捜査中に起きた殺人事件(この事件にクラブのママを演じる真木よう子 1982~が、絡むことで映a0212807_10092969.jpg画は変奏します)を闇に葬ったスキャンダル容疑を抱えていました。
そのことを知った日岡刑事は、無頼な大上刑事の傍若無人な振る舞いについに我慢できなくなりました。
映画に数多登場する冷酷で過激な暴力を振るう暴力団員を演じる俳優陣が、じつに素晴らしく ‥ 石橋蓮司(1941~)の暴力団組長は、似合い過ぎで言うに及ばず、ピエール滝(1967~)もa0212807_10093738.jpgさすがという名演技を見せ、特筆すべきなのが、昔の二枚目俳優 江口洋介(1967~)と竹野内豊(1971~)の暴力団幹部ぶりは、お見事、目を剥きドスの効いた声でタンカを切るシーンは、必見です。
血しぶきの飛び散る過激な暴力シーンやグロテスクなシーンもありますが、白石監督は、スピーディかつクールな演出で描きカットも短く、目を背けたくなるほどでもありまa0212807_10093937.jpgせん。
松坂桃李 演じる広島県警エリートの新人刑事 日岡が、暴力団組織の悪辣さ、卑劣さ、残酷さを目の当たりにし、悪徳警官と思っていた丸暴のベテラン大上刑事(一匹狼=孤狼)の本性を知ったとき、大上のDNA(魂)は、、新人刑事日岡に憑依し、彼の目は、いつしか凶犬のようになっていました。
a0212807_10093493.jpg「孤狼の血」の原作者柚月裕子は、日岡を主人公に新作を発表、白石監督は、惨殺された丸暴刑事大上の魂が、憑依した丸暴刑事日岡を主人公に「孤狼の血」の続編を撮るとコメント、次回は、迷うことなく見るつもりです。

by blues_rock | 2018-05-31 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)