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心の時空

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ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男  シネマの世界<第828話>

第二次世界大戦の戦中と戦後、イギリス首相であったウィンストン・チャーチル(1874~1965没享年90歳)ほど、毀誉褒貶(きよほうへん)の多い、個性的な(自我の塊のような)破格の政治家(カリスマ的な人気は、今でも
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NO.1)は、いないでしょう。
チャーチルは、若いころ軍人を目指しますが、26歳で国会議員になると保守党と自由党を行き来し首相に推挙
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されるや保守党の宿敵である労働党を抱き込み、第二次世界大戦中の1940年5月、挙国一致内閣を組閣し、独裁者ヒトラー率いるナチスドイツ相手に戦況不利な中、背水の陣でイギリス軍の形勢を立て直し、アメリカとソ連
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の軍事大国をイギリス・フランスの連合国に引き入れドイツ・イタリア・日本の枢軸国を敗戦に追い込む稀代の国際政治家でした。
a0212807_16204386.jpg映画のサブタイトルにある ‘ヒトラーから世界を救った男’ は、歴史を後付けした言い回しであって、当時のチャーチルは、政治家としての秀でた才能であった演説(言葉)で国民の愛国心を鼓舞しナチスドイツのイギリス侵略(ブリテン島侵攻)を阻止しつつ ヨーロッパの戦争に参戦するつもりのないアメリカを 第二次世界大戦に参戦させ、a0212807_16211869.jpgノルマンディへの上陸作戦を転機にヒトラー率いるナチスドイツ軍を敗戦に追い込んだのであって、‘ヒトラーから世界を救う’ ためではなく大英帝国の滅亡を阻止するためでした。
前任のチェンバレン首相は、イタリア(ムッソリーニ)を介してヒトラーとの和平交渉を試みますが、相手にされず辞任、主戦派チャーチルは、敗戦も覚悟のうえで、ヒトラードイツとの決戦をa0212807_16213200.jpg決断しました。
チャーチルは、親の代からの借金と併せ自分の豪奢な生活で借金を重ねイギリスのユダヤ系金融財閥ロスチャイルド家などから多額の借金が、あることもあってイギリスのユダヤ人に友人も多く、シオニストでしたので、ユダヤ民族を迫害し虐殺するヒトラーを嫌悪した政治家でした。
a0212807_16212363.jpgチャーチルは、どこにそんな時間が、あったのかと思うくらい ヨーロッパ史に関わる膨大な自伝を著作しノーベル文学賞を受賞、さらに日曜画家としても 500枚以上の油絵を描き、ピカソから画家になれると評されたほどの絵の腕前でした。
チャーチルといえば、葉巻、大変なヘビースモーカーで酒豪(食事でシャンペン1本空け昼間ウィスキー、夜ブランデーを毎日飲んa0212807_16213641.jpgでいた)、猫背で肥満ながら 運動のために早足で歩くチャーチルを名優の ゲイリー・オールドマン(1958~)が、‘まるでウィンストン・チャーチルその人’ のように、じつにリアルに演じています。
ゲイリー・オールドマンの面影は、目に少しあるくらいで、60代半ばのウィンストン・チャーチルを名演したことでアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。
a0212807_16214088.jpg同時にゲイリー・オールドマンを見事 ‘ウィンストン・チャーチル’ に変身させた特殊メイク・アーティストの辻一弘(1969~)が、アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しました。
監督は、イギリスの名監督ジョー・ライト(1972~、2005年「プライドと偏見」、2007年「つぐない」)です。
a0212807_16214636.jpgライト監督の演出は、切れ味(テンポ)が、よく、チャーチルを追うフランスの名撮影監督 ブリュノ・デルボネル(1959~、2001年「アメリ」、2007年「アクロス・ザ・ユニバース」、2011年「ファウスト」、2013年「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」)は、撮影カメラを駆使し、時代のリアリティあふれる映像を撮っています。
a0212807_16215082.jpgチャーチルの秘書(タイピスト)役にリリー・ジェームズ(1989~、2016年「偽りの忠誠 ナチスが愛した女」、2017年「ベイビー・ドライバー」)、チャーチルの愛妻クレメンタイン役を個性派女優のクリスティン・スコット・トーマス(1960~)、2010年映画「英国王のスピーチ」の主人公であった吃音の国王ジョージ6世役にベン・メンデルソーン(1969~)が、それぞれ秀逸に演じています。
a0212807_18350162.jpg映画は、外交の失敗で辞任したチェンバレン首相の後任に、貧乏クジを引くような首相の適任者は、おらず、イギリス政界の嫌われ者であったチャーチルに首相の白羽の矢が、立つところから始まります。
国王ジョージ6世も偏屈なチャーチルの相手をするのが、イヤで冷たい態度でした。
しかし、首尾一貫してヒトラーとナチスドイツへの徹底抗戦を訴えるチャーチルしか イギリスの首相として戦時下a0212807_18350792.jpgの国家を率いる適任者は、いなかったのです。
そのころ フランス軍と連合し西ヨーロッパでナチスドイツ軍と戦っていたイギリス軍は、敗退しフランスのダンケルク海岸に追い詰められ全滅の危機を迎えていました。
チャーチルは、首相になるや ‘ダンケルク’ にいるイギリス将兵ほか40万人の救出(救出されたのは33万人)作a0212807_18351165.jpg戦を国家総動員令で実施しました。
現在公開中の話題作映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」は、1940年5月から6月にかけて首相になったばかりのチャーチルを描いています。
ゲイリー・オールドマンいわく、1945年2月、クリミヤ半島のヤルタで、ドイツと日本に勝利した後の覇権(世界の領土分割)をイギリス首相のチャーチル、アメリカ大統領のa0212807_18465636.jpgルーズベルト、ソ連共産党書記長のスターリンが、密会し協議したヤルタ会談(3国秘密協定)の映画製作企画もあるのだとか ‥ いま世界の至る所で起きているすべての領土紛争の原因は、この3者によるヤルタでの秘密協定によるものです。
ぜひ歴史に忠実なリアリティのある映画にして欲しいと強く思います。

by blues_rock | 2018-04-12 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
Commented by j-machj at 2018-04-10 22:16
こんばんは。
この映画、すぐに観に行こうと思っていたら、福岡市では「KBCシネマ」だけでしか上映されていないのですね。
結構、エンターティーメント性もある作品のように思えますが・・・
そのうち「トリアス久山」に観に行ってきます。

たまたま、この時期って「英国王のスピーチ」とか、ケイト・ブランシェットの「エリザベス」とかメルリ・ストリープの「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」とかイギリスの指導者の伝記映画が多かったですね。
そして、どれもアカデミー賞を受賞しましたしね。

僕が、この映画に興味を持ったのは、なんといってもカメレオン俳優ゲイリー・オールドマンの特殊メイクが凄いと思ったからです。
Commented by blues_rock at 2018-04-10 22:29
ゲイリー・オールドマンのチャーチル首相ぶりは、ダニエル・デイ=ルイスのリンカーン大統領と同じ、俳優としての‛最高レベル’でした。
ゲイリー・オールドマンをチャーチルにした 特殊メイクアーティストの辻一弘さんも すばらしい と思います。