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心の時空

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ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>

アメリカ建国の精神、何人からも、国家からさえも束縛されない‘言論(報道)の自由’を国是とするアメリカ合衆国にあって、敗戦泥沼化の様相を呈するベトナム戦争の戦況を報告したアメリカ国防総省(1954年のアイゼン
ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17100519.jpg
ハワー大統領から1975年のフォード大統領5代のアメリカ軍最高総司令官)が、保管する最高機密文書(ペンダゴン・ペーパーズ)は、勝ち目のないベトナムでの戦況を知っていながらアメリカ国民に嘘をつき続け、徴兵令にザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17101485.jpgよりアメリカの若者(とくに黒人の子弟)を危険な統治能力ゼロの南ベトナムに派兵した記録が、残されていました。
そのベトナム戦争の末期、ニクソン大統領を辞任に追い込んだ ‘政治スキャンダル’ の実話をプロットにした最新作の社会派政治サスペンスの秀作映画 2作を紹介します。
ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17101889.jpg「ザ・シークレットマン」は、ピーター・ランデズマン監督(1965~)、製作に映画界の大御所 リドリー・スコット監督(1937~)、名優 トム・ハンクス(1956~、この後紹介する「ペンダゴン・ペーパーズ」主演)が、名を連ねています。
「ザ・シークレットマン」の原題は、「Mark Felt : The Man Who Brought Down the White House」(マーク・フェルト : ホワイトハウスを打倒した男)ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17102322.jpgで、マーク・フェルトは、当時FBIの副長官でした。
歴代アメリカ大統領すべてが、スキャンダルを恐れ、どの大統領も解任できずに ‘何と48年間!’ 8代の大統領政権下で終身FBI長官を務めたフーヴァー(1924~1972没、クリント・イーストウッド監督2011年作品、レオナルド・ディカプリオ主演映画「J・エドガー」に詳細、彼を解任しようとした J・F・ケネデイ大統領とFBIを統括ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17102730.jpgするロバート・ケネディ司法長官は、暗殺された)の死で、次のFBI長官と自他ともに考えていた副長官マーク・フェルトは、ホワイトハウスの意のままにならないFBI嫌いのニクソン大統領からFBI長官就任を拒否され、長官代理としてニクソンが、任命したのは、彼の腹心の部下でした。
ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17103024.jpgさらに、1972年6月17日深夜、民主党選挙対策本部に賊が、侵入、警察は、盗聴機を取り付けていた5人の男たちを逮捕すると全員元CIAと元FBIでした。
これが、世に言う ‘ウォーターゲート事件’ で、事件発生6日後の6月23日、ニクソン大統領の補佐官が、CIA副長官を使い、あからさまにFBIの捜査を阻止しようとしました。
ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17104039.jpgこの妨害工作にFBI副長官のマーク・フェルトは、激怒しました。
この時から、ホワイトハウスとFBIとの暗闘(権力闘争)が、始まり ホワイトハウスの捜査妨害とFBIの情報リークという異常事態にアメリカ社会と政界は、大混乱しました。
「ザ・シークレットマン」の主人公は、FBI副長官マーク・フェルト(1913~2008)です。
ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17104361.jpgマーク・フェルトは、ホワイトハウスの執拗なFBIへの介入と捜査妨害に立腹、ニクソンからFBI長官昇格を拒否されたこともあり堪忍袋の緒が切れ、ついにウォーターゲート事件に関するFBI捜査情報とホワイトハウスの捜査妨害をワシントン・ポスト紙に正体を明かさず情報リーク(機密漏洩)を始めました。
ザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17104671.jpg主人公のFBI副長官マーク・フェルトを名優のリーアム・ニーソン(1952~)が、冷徹に時に激しく演じ、母親に反抗し家出した一人娘のことで情緒の不安定な妻オードリーを名女優のダイアン・レイン(1965~)は、鬱屈した表情で好演しています。
当時‘ディープ・スロート’とワシントン・ポスト内で呼ばれていたナゾの国家機密漏洩者は、ウォーターゲート事件から33年後のザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17104956.jpg2005年、元FBI副長官マーク・フェルトが、ディープ・スロートは、自分であることを認め、その3年後に亡くなりました。
このウォーターゲート事件を新聞社のワシントン・ポスト紙の視点で描いたのが、1976年のサスペンスの秀作映画「大統領の陰謀」で、ワシントン・ポストの二人の記者 ボブ・ウッドワード(1943~、演じるのは、ロバート・レッドフォード 1936~)とカール・バーンスタインザ・シークレットマン と ペンダゴン・ペーパーズ(前)  シネマの世界<第827話>_a0212807_17105267.jpg(1944~、演じるのは、ダスティン・ホフマン 1937~)が、主人公です。
後編でご紹介する現在公開中の映画「ペンダゴン・ペーパーズ/最高機密文書」のラストは、ウォーターゲート事件となるワシントンの民主党選挙対策本部に何者かが、侵入するシーンで終わります。(後編に続く)

by blues_rock | 2018-04-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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