フィリピンのスラム街を舞台にストリートチルドレンの少女 ブランカ(サイデル・ガブテロ2004~、初めての映画出演かつ初主演)と、ホームレスの盲目のギター弾き ピーター(ピーター・ミラリ、映画の撮影後ヴェネツィア国
際映画祭での公開を待たずに病死)の心の交流を描いた2015年のイタリア映画で、監督・脚本が、日本人の長谷井宏紀(1975~、ポーランド国立映画大学出身、新人監督対象の新藤兼人賞を受賞)です。
フィリピンのタガログ語映画「ブランカとギター弾き」が、イタリア映画になっているのは、ヴェネツィア国際映画祭出資(プロデュース)だからで 長谷井宏紀監督の脚本と企画が、ヴェネツィア国際映画祭の制作プロジェクト対
象作品に選ばれたからです。
長編映画監督デビュー作品となった「ブランカとギター弾き」のキャストを長谷井監督は、主人公のブランカを演
じる11歳の少女
サイデル・ガブテロ(YouTubeの少女歌手)を抜擢した以外、もう一人の主人公である盲目のギター弾き ピーターも含め、劇中ブランカとピーターに関わるストリートチルドレンのセバスチャン少年役のジョマ
ル・ビスヨやラウル少年役のレイモンド・カマチョなど映画に登場する人物たち皆なストリートで見つけてキャスティングした素人俳優たちと云うから驚きです。
日本人の撮影監督 大西健之が、撮ったスラム街の喧騒と猥雑にして色鮮やかな風景をバックに瑞々しくもリアルな彼らの演技は、見事と云うしかありません。
コスモポリタン映画「ブランカとギター弾き」は、リアルにしてファンタジーな映画です。