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心の時空

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しあわせの法則  シネマの世界<第820話>

アメリカの名監督 ミロス・フォアマン(1932~、1975年傑作「カッコーの巣の上で」他 アカデミー賞監督賞2度受賞)に師事したリサ・チョロデンコ監督(1964~)が、秀作「キッズ・オールライト」(2010)の前に撮った2002年作品
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「しあわせの法則」を見て、名匠フォアマン監督の薫香を受けただけあって ‘映画作りの上手い女性監督だなあ’と感心しました。
a0212807_21061878.jpg主演は、今年 2度目のアカデミー賞主演女優賞(1996年「ファーゴ」、2017年「スリービルボード」)を受賞したフランシス・マクドーマンド(1957~)ならびに名優 クリスチャン・ベール(1974~、1987年のスピルバーグ監督作品「太陽の帝国」でスクリーンデビュー、当時13歳ながら秀逸な演技に感心)およびイギリスの美人女優 ケイト・ベッキンセール(1973~)と同じくイギリスの舞台女優 ナターシャ・マケルホーン(1969~、1996年「サバイビング ピカソ」のフランソワーズ・ジロー役でスクリーンデビュー)a0212807_21060916.pngが、1960年代後半から1970年代初めの、精神の自由と性の解放(快楽)を求めたヒッピー・ムーヴメントさ中のロサンゼルス、ローレル・キャニオン(この映画の原題「Laurel Canyon」)を舞台に、男女4人それぞれの ‘カウンターカルチャーロマンスのゆらぎ(愛の不確実さ)’ をリアルに演じています。
a0212807_21065506.jpg1960年代の音楽と背景(時代の空気感)を見事に醸し出しているのが、音楽監督のクレイグ・ウェドレン(1969~、2003年音楽映画「スクール・オブ・ロック」の音楽監督)と撮影監督のウォーリー・フィスター(1961~、名匠クリストファー・ノーラン監督 1970~の盟友にして常連撮影監督)の2人、ともに映画の時代背景である1960年代生a0212807_21062559.jpgまれなのも面白いと思います。
ハーバード大学医学部出身の精神科医師サム(クリスチャン・ベール)と遺伝学博士論文執筆中の同窓の妻 アレックス(ケイト・ベッキンセール)は、サムのロサンゼルス臨床研修のため、サムの母でヒッピーロック音楽の辣腕プロデューサー ジェーン(フランシス・マクドーマンド)が、使っていない家を借りて住むことにしていました。
a0212807_21070292.jpgサムとアレックスの2人が、空き家であるはずのローレル・キャニオンの家に着くと母ジェーンは、若い愛人と一緒に彼のロックバンドの新曲をプロデュース(収録)中でした。
自由奔放な母ジェーンと頭脳明晰にして堅物の一人息子サムとは、親子ながら正反対の性格で不仲、何かにつけて対立していました。
ロサンゼルス郊外ローレル・キャニオンの静かな環境は、愛する妻アレックスの博士論文執筆に最適と考えてa0212807_21072016.jpgいたサムでしたが、またも見事に裏切られ、さっそくアパートを探し始めました。
アメリカ東海岸の名門育ちのアレックスは、最初こそ西海岸の自由奔放なヒッピー文化に面食らっていましたが、夫サムの母ジェーンと次第に打ち解け、庭のスタジオで収録しているロック音楽を聴いてバンドを見ているうちにアレックスは、今までにないリラックスした心の解放a0212807_08035687.jpgを感じるようになりました。
サムは、研修先の病院で魅力的な研修生のサラ(ナターシャ・マケルホーン)と知り合い親しくなっていました。
そして、新婚のサムとアレックス二人のゆるぎのなかった相思相愛のロマンスが、ゆらぎ始めました。
映画のエンディングが、秀逸です。
お互いのすれ違いでひと悶着あったサムとアレックスでしたが、サムは、妻アレックスに「君が、いないと駄目だ」と詫び抱きしめて、元のさやに納まるかに思えました。
アレックスと仲直りしたサムでしたが、一旦は、男女の仲になりかけていたサラから自宅にかかってきた電話で「私は、決してあきらめない。」と熱愛の告白をされ、それまで自分は、「妻を愛しているから」と拒んでいたサムでしたが、近くにいる妻アレックスに聞こえないよう「すぐにかけ直す」とサラに答えて映画は、終わります。
不穏を残して終わるロマンス映画に秀作が、多いのも、ロマンスの本質である「ゆらぎ」を描いているからでしょう。

by blues_rock | 2018-03-15 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)