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心の時空

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ダメージ  シネマの世界<第814話>

ヌーヴェルバークの鬼才ルイ・マル監督(1932~1995)、最晩年1992年の作品です。
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フランスの五月革命(国家的社会騒乱)を描いた1989年のファルス映画(風刺劇、ギリシャ語で膨らんだ物、隠語で勃起した男の性器)「五月のミル」(この映画も良かった!)から3年 ‥ マル監督は、亡くなる3年前、60歳a0212807_12111261.jpg(還暦)のとき、自分の死(悪性リンパ腫=血液のガン)を予感しているような‥私には、マル監督の精神の遺作と思え、フレンチロマンポルノ映画「ダメージ」として‘激しい男と女の性愛’を描きました。
この映画の見どころは、出演時44歳 イギリスの名優 ジェレミー・アイアンズ(1948~)と出演時28歳のフランスを代表する大女優 ジュリエット・ビノシュa0212807_12113860.jpg(1964~、1988年の傑作「存在の耐えられない軽さ」主演、1991年の名作「ポンヌフの恋人」主演、ヨーロッパ映画賞主演女優賞受賞)のAV顔負けの激しい性愛シーンです。
「ダメージ」には、AVのような余計なものを過剰に露出しモザイクばかりの目障りなシーンなど、まったくなく、二人の激しい絡みだけ ‥ これが、また激しく、美しく、エロチックで大人には、必見のフランス版ロマンa0212807_12114410.pngポルノです。
ストーリーの骨子は、イギリスの政治家(国会議員)スティーヴン・フレミング(ジェレミー・アイアンズ)が、フランス大使館主催のパーティで謎めいた若い女性アンナ(ジュリエット・ビノシュ)と知り合いました。
スティーヴンには、愛する良妻賢母のイングリッド(ミランダ・リチャードソン 1958~、出演時34歳で美しい)と新聞社に勤める息子マーティン、快活な娘サリーの二人の子供が、いて社会的家庭的に恵まれていました。
a0212807_12120224.jpgある日、息子マーティンは、婚約者を家族に紹介したいと連れてきたのが、アンナでした。
スティーヴンとアンナは、パーティで遭った時から、理性では抑えきれない情念(ひと目惚れ)を感じていましたので、二人が、情事に溺れていくのは、必然でした。
そして、二人の関係は、息子マーティンの知るところとなり事件が、起きました。
a0212807_12120619.jpg劇中、夫スティーヴンから愛されていると思っていた妻のイングリッドが、「なんであの女なの!? 私では、ダメなの!?」と夫をベッドに誘うシーンは、既婚の男性諸氏、必見のシーンです。
劇中もうひとつ、スティーヴンの愛人となったアンナが、スティーヴンから「なぜ息子と結婚するのだ」と詰め寄られると、アンナは、平然と「私が、マーティンと結婚すると(家族になると)いつa0212807_12121113.jpgでもあなたに会えるでしょ!?」と答えるシーンがあり、「女は、怖い!」と思いました。
ともあれ、男と女のベタな性愛をめぐる四角関係のドラマなのですが、人生を達観した境地のルイ・マル監督の演出ならびに男盛りのジェレミー・アイアンズと女盛りのジュリエット・ビノシュの演技、この三人のアンサンブルでなければ、陳腐な昼メロでしかないでしょう。
(上写真 : ジュリエット・ビノシュとジェレミー・アイアンズにシーンの確認をするルイ・マル監督)

by blues_rock | 2018-02-18 00:18 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)