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心の時空

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a day in my life

キャデラック・レコーズ  シネマの世界<第808話>

ブルース、リズム&ブルース、ロックンロールを知らない人は、いないと思いますが、半世紀前(1950~60年代)まで、ほとんどの人が、知らないか、聴いたことのない黒人音楽でした。
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ロックンロールすらまだ誕生していない時代、ブルースさえもアメリカ南部の綿花農園(コットンフィールズ)で働く黒人奴隷の民謡(フォークソング)くらいに思われていました。
a0212807_13000653.jpg映画「キャデラック・レコーズ」(2008年製作)は、この当時、誰も知らなかった音楽でアメリカを変えた人たちのアメリカン・ドリーム物語です。
監督と脚本は、女性監督のダーネル・マーティン(1964~)、1950~60年代のシカゴを舞台にブルース、リズム&ブルース、ロックンロールを世界に送り出した“チェス・レコード”と所属していたミュージシャンについて熱く描いたa0212807_13001087.jpg監督が、女性であることに正直、私は、驚きました。
日本では、チェス・レーベルのレコードを音源にしたブルース、リズム&ブルースを1980年代の半ばからCDにして「P-VINE」(P-ヴァイン)レーベルでリリースしていましたので、私もお目当てのミュージシャンのものが、あれば購入していました。
a0212807_13004452.jpgさて、この映画の主人公となるチェス・レコード(1950~1969)の創始者 レナード・チェスをエイドリアン・ブロディ(1973~)が、演じています。
レナード・チェスは、ポーランドからの移民ながら黒人音楽が、好きで、当時誰も手を出さなかったブルースに魅かれ、弟のフィルとチェス・レコードを設立、この映画のもう一人の主人公 マディ・ウォーターズ(1913~1983、水遊び好きな子a0212807_13004118.jpg供の頃のあだ名‘泥水’をそのまま芸名にした)とシカゴで知り合い生涯続く深い友情で結ばれました。
マディ・ウォーターズを演じるのが、ジェフリー・ライト(1965~、1996年映画「バスキア」が印象的)で、チェス・レコードには、マディ・ウォーターズを慕って才能ある若い黒人ミュージシャンたち、リトル・ウォルター(1930~1968)、ハウリング・ウルフ(1910~1976)、チャッa0212807_13004937.jpgク・ベリー(1926~2017、ジョン・レノンは、ロックンロールに別名を付けるならチャック・ベリーというくらい尊敬していました)、エタ・ジェームス(1938~2012)などが、所属しました。
エタ・ジェームスを演じるビヨンセ(1981~、製作総指揮も)の歌と演技が、すばらしく、劇中涙を流しながら恩人で愛人でもあるレナード・チェスにa0212807_13005588.jpg向かって歌う「I‘d Rather Go Blind(いっそ盲目になれたなら)」は、しびれます。
マディ・ウォーターズは、1960年代のイギリスに誕生したロックバンドのミュージシャンたちにとって教祖(カリスマ)のようなもの、マディ・ウォーターズの名曲ブルース「ローリング・ストーン」が、ザ・ローリング・ストーンズの名前の由来になったのは、有名な話です。
映画には、チェス・レコードを創成期から陰で支えたベーシストで作詞・作曲家として多くの楽曲を提供したウィリー・ディクスン(1915~1992、演じるのは、セドリック・ジ・エンターテイナー 1964~)、自分のラジオ番組で流すリズム&ブルースを‘ロックンロール’と呼んでロックンロールを広めたDJのアラa0212807_13010444.jpgン・フリード(1921~1965)も登場、ブルース、リズム&ブルースの黎明期およびロックンロールの誕生を知るロック音楽史として若い世代の人たちに見ていただくとロックの源流が、良くわかると思います。
音楽監督 テレンス・ブランチャード(1962~)の当時を偲ばせるサウンドトラックも秀逸です。 (上写真:撮影の打合をするマーティン監督=中央左と主演キャストの面々)
余談ながら、拙ブログの管理者ネーム ‵BLUES_ROCK’ も、この時代の音楽に由来しています。

by blues_rock | 2018-01-29 00:09 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)