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心の時空

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インフルエンザ と エゴン・シーレ(死と乙女)  シネマの世界<第805話>

インフルエンザで夭折したオーストリアの画家 エゴン・シーレ(1890~1918没、享年28歳)が、亡くなったのは、ちょうど今から100年前の1918年、当時‘スペイン風邪’と呼ばれたインフルエンザ(A型)が、世界的に猛威(パ
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ンデミック=危機的な感染)を振い、彼もまた、その犠牲者のひとりです。
‘スペイン風邪’の世界感染者数は、5億人あまりと推定され、死者が、5千万人から1億人に及んだと言われてa0212807_22165788.jpgいます。
なぜ、インフルエンザ死亡者の数字に大きな隔たりが、あるかといえば、当時 第一次世界大戦中(1914~1918)であり、劣悪な環境の戦場で死んだ兵士たちの中には、インフルエンザ感染者も相当いたと推測されることから、その過酷な情況を考えるとインフルエンザによる死者の数が、もっと増えるかもしれません。
a0212807_22170866.jpg当時の世界人口は、18億人~20億人くらいと推定されているので、全人類の30%近く(3人に1人)が、インフルエンザに感染していたと推察されます。
‘スペイン風邪’と呼ばれていますが、発生源は、アメリカ北西部です。
高病原性鳥インフルエンザ ウイルスを渡り鳥(鴨類)が、カナダからアメリカへ持ち込み、野鳥の集まる水場(湖・a0212807_22172737.jpg川・沼・池など)で在来の野鳥(鳩や雀などの小鳥)に感染させ、さらに野鳥は、エサ場にしていた養豚場の豚に感染させました。
豚の体内で突然変異(A型は容易に突然変異する)したウイルスは、ヒト インフルエンザになりアメリカ北西部の農民へ、そして地域で猛威を振うとアメリカ陸軍基地に駐屯する兵士たちに感染し基地から第一a0212807_22234657.jpg次世界大戦下のヨーロッパ戦線へ出兵したアメリカの兵士たちによって‘スペイン風邪’のパンデミックが、発生したというわけです。
では、なぜ‘スペイン風邪’とスペイン発のように誤解されるのか ‥ 当時スペインは、第一次世界大戦において中立国であったため、猛威のインフルエンザ対策やその情報を一手に引き受けていたことから、a0212807_22234995.jpgそう呼ばれるようになりました。
オーストリアのディーター・ベルナー監督(1944~)が、2016年に撮った「エゴン・シーレ 死と乙女」を書こうと思いながら、いまインフルエンザの季節ということもあり、「インフルエンザ」に紙面の多くを割いてしまいました。
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インフルエンザについての詳しい話は、2014年4月19日付 拙ブログ「アヒルは 鳥インフルエンザにならない」で書きましたのでよかったらご覧ください。
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さて、主人公のエゴン・シーレ役を売れっ子美男モデルで長編映画初出演のノア・サーベトラ(1991~)が、初々しく演じています。
a0212807_22485660.jpgエゴン・シーレは、16歳でウィーンの美術アカデミーに入学し(画家を目指し受験した1歳年上のアドルフ・ヒトラーは不合格)、当時すでに有名であった28歳年上のグスタフ・クリムトから可愛がられ、若い女性たちと次々に浮名を流し独特の個性的な絵を描き残した夭折の天才画家を好演しています。
愛する兄エゴンのためにヌードモデルをした16歳の妹ゲルティ役のマレシ・リーグナー(1991~)、クリムトのモデル(愛人のひとり)からシーレの恋人となりミューズ(モデル)となった17歳のヴァリ役をファレリエ・ペヒナー(1987~)、彼にインスピレーションを与えるモデルのモアを演じたラリッサ・アイミー・ブレイドバッハなど奔放で破滅的な画家 エゴン・シーレのモデル役を見事に演じています。

by blues_rock | 2018-01-21 01:21 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)