神様の思し召し シネマの世界<第709話>

映画のイントロで、いきなりキレの好いハードロック・ギターが、流れ(劇中シーンの随所に流れドラマを盛り上げ



寝耳に水の、信仰心ゼロの医師トンマーゾは、父親のプライドから何とか平静を装いながらも卒倒せんばかり
のショックを受け、長年連れ添った妻のカルラ(ラウラ・モランテ 1956~)に相談しますが、昔学生運動の過激派であったカルラは、更年期の自己喪失感からアルコール依存症で、心ここに在らず状態でした。トンマーゾが、私立探偵を使って調べると息子は、刑務所帰りのカリスマ神父ピエトロ(アレッサンドロ・ガスマン 1965~)に心酔し
ていることが、分かりました。心臓外科医として自信満々のトンマーゾは、日ごろから「人びとを救っているのは、医者の自分で神ではない」と公言しており、ピエトロ神父に「息子は洗脳されている」と思いこみました。
それからトンマーゾは、ピエトロ神父の正体を明かすため密かに近づき、手練手管でその正体を探ろうとしますが、そのことは、やがて自分自身と向きあうことになりました。
神と人生、家族愛というシリアスなテーマをコミカルな演出に徹して描く抜群の物語センスは、脚本執筆で培ったファルコーネ監督の優れた才能でしょう。フランス映画「最強のふたり」が、おもしろかった方にお勧めするイタリア映画の新作です。

