ミモザの島に消えた母 シネマの世界<第703話>

映画の舞台は、西フランス(ナント市)の北大西洋に面したノワールムーティエ島で‘ミモザの島’ と呼ばれてい

本土とミモザの島をつなぐ長さ4.5㎞の砂州道路(海の中道)は、潮の干満により現われたり、消えたり(1日2回
海に沈む)します。30年前、ミモザの島に住む一人の女性が、海の中道で溺死しました。
彼女には、10歳の息子アントワーヌと幼い娘アガットが、いました。
アントワーヌは、40歳になった現在も母の死のトラウマを抱えていました。
祖母と父親は、二人の子供(兄妹)に母親の死(海での溺死)を封印し、当時の母ことについての一切を秘密にしていました。
成人してもなお精神分析医に通い払拭できない疑念(母親の死因を未だ知らないトラウマ)を父親にぶつける兄アントワーヌをローラン・ラフィット(1973~「悲哀クラブ」主演)が、秀逸な演技力でアントワーヌの鬱屈した心理を表現しています。そんな兄を諌めながらも心配し行動を供にする気丈な妹アガット役をメラニー・ロラン(1983~ 2009年映画「オーケストラ!」のヴァ
イオリニスト役は、美しく印象的 )が、好演しています。「母は、なぜ満潮になろうとする砂州の道を渡ろうとしたのか?」アントワーヌは、病院で偶然知り合った遺体修復師の女性アンジェル(オドレイ・ダナ 1977~ 監督・脚本家・女優)が、教えてくれた溺死した遺体についての医学的な話から母親の死因を知りました。
映画は、30年前の過去と現在をフラッシュバックしながらファヴラ監督の緊張感あふれる見事な演出で家族の不毛を描いていきます。「ミモザの島に消えた母」の真実は、先夜ご紹介しました「ダーク・プレイス」と同様、ミステリーなので映画をご覧になってのお楽しみにいたします。

(上写真 : 主演のローラン・ラフィットとフランソワ・ファヴラ監督)

