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ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>

ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_1011302.jpgポーランドの異才にして名匠ロマン・ポランスキー監督(1933~ 2002年監督・脚本・製作作品「戦場のピアニスト」でカンヌ国際映画祭パルムドール受賞とアカデミー賞3部門を受賞)が、初期の1968年に撮った「ローズマリーの赤ちゃん」(監督・脚本)は、ホラー映画の代表作にして金字塔(ちなみに1963年のヒッチコック監督作品「鳥」はパニック映画の金字塔)です。
これに刺激(インスパイヤー)されたのが、ドキュメンタリー映画出身の名監督ウイリアム・フンドーキン(1935~ 1971年クライム・アクション映画の名作「フレンチ・コネクション」でアカデミー賞監督賞・作品賞など5部門受賞)です。
フンドーキン監督は、「ローズマリーの赤ちゃん」公開から 5年後の1973年、オカルト映画の象徴(代名詞)となったホラー映画の傑作「エクソシスト」を発表‥この3作が、今まで製作された‘恐怖(パニック・ホラー・オカルト)映画’の本歌(お手本にするオリジナル作品のこと)になっています。
ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_1013166.jpgさて、ホラー映画の古典とも云うべき「ローズマリーの赤ちゃん」のプロットは、悪魔が、悪魔崇拝主義者たちを操り、彼らは、悪魔に命じられるまま悪魔の子を身ごもる胎(子宮)を探し、選ばれたのが、ローズマリーでした。
悪魔は、ローズマリーの意識を幻惑し幻覚不能の彼女を悪魔崇拝者たちの前でレイプ、妊娠させて子供(悪魔の子)を産ませるまでの物語です。
ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_10134426.jpg
当時、30代半ばで新進気鋭の映画監督ポランスキーの秀逸な演出もさることながら、何と云っても特筆すべきは、主人公ローズマリーを演じた長編映画初出演のミア・ファロー(1945~、出演時23歳でフランク・シナトラ夫ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_1017270.jpg人ながらこの映画撮影中に離婚)の‘演技のすばらしさ’です。
映画は、1965年のニューヨーク、新婚早々のローズマリー夫婦が、子供を産み育てるために古いながらも広いアパート(ダコタ・ハウスで撮影、後年ジョン・レノンが亡くなるまで住でいた)に引っ越して来るところから始まります。
ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_10204133.jpgローズマリーは、すぐに善良ながらお節介な隣人の老夫婦と養女テレサと親しくなりますが、ローズマリーの旧い友人で後見人でもある初老の童話作家エドワードだけは、ローズマリーが、このアパートに住むことに反対します。
ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_1027429.jpg間もなく、不可解な遺書を残して親しくなったばかりの隣人テレサが、アパートから投身自殺、ローズマリーの身を心配していた後見人エドワードも彼女に一冊の本(「悪魔のしもべたち」)を遺して病死しました。
ローズマリーは、愛する夫や親しい隣人たち、主治医など衆人の前で悪魔にレイプされる悪夢(夫や主治医はローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_10284552.png彼女の妄想と説明)を見てから、念願の妊娠の喜びもつかの間、ローズマリーの体内(胎=子宮)で何か得体の知れないものが、育っていると感じ、夫や主治医・看護婦さらにローズマリーの妊娠を祝福する隣人夫婦に異常を訴えても初産の妊婦は、誰でも不安なもの(マタニティブルーなのだ)とやさしくなだめられるだけでローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_1032910.jpgした。
孤立無援の中で独り恐怖心に怯えるローズマリー=ミア・ファローの痩せた体に妊婦腹、ショートヘアに不安に慄く大きな目とその存在感が、とにかく「すばらしい!」の一言に尽きます。
やがて、ローズマリーは、売れない俳優ながらも愛する夫が、スターにする条件で悪魔に魂を売り(ローズマ
ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_10355332.pngリーを悪魔に差出し)、自分の周りにいる隣人たちならびに主治医や看護婦もすべて悪魔崇拝主義者と知り彼らと恐怖と緊張感に満ちた駆け引きを始めました。
ミア・ファローは、孤立無援の中、信頼できる者が、いない不安と恐怖に慄くローズマリーの姿を真に迫るリアルな感情(人間らしい表現力)で演じてい
ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_10374868.pngます。
出産した我が子が、死産したと聞かされていたローズマリーは、数日後、隣人の部屋で赤子の泣き声が、するのを耳にしました。
そこは、悪魔崇拝主義者たちの集まるアジト(巣窟)でした。
ローズマリーは、ナイフを片手に単身、アジトに乗り込みます。
ローズマリーの赤ちゃん  シネマの世界<第673話>_a0212807_1039468.jpg
彼女は、ゆりカゴの中にいる赤子を見て、一瞬驚きますが、すぐに母の顔になり、やさしく微笑むのでした。
by blues_rock | 2016-11-27 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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