名女優ニコール・キッドマン(続) 新作「虹蛇と眠る女」 シネマの世界<第638話>

監督は、「虹蛇と眠る女」(原題 STRANGERLAND 見知らぬ土地)が、長編映画監督デビューのオーストラリア

オーストラリア奥地(内陸部)の砂漠地帯にある辺境な町ナスガリを舞台に原住民族アボリニジの‘虹蛇伝

ある夜、ニコール・キッドマン演じる母親キャサリンが、子育てに手を焼いている思春期の子供2人(娘と息子)
は、家を出たまま行方不明になり失踪してしまいました。太陽が、昇ると灼熱の砂漠になる(劇中太陽の昇るショットが何度も登場)この地域で子供たちの生存は、せいぜい2、3日だが、2人は、家出の可能性が、高く24時間以内に帰ってくる、家庭に何か問題が、無かったのかと保安官(ヒューゴ・ウィービング 1960~)に云われ、キャサリンは、
愕然としました。見知らぬ土地(STRANGERLAND)で暮らしているうちキャサリンとの夫婦関係が、冷え切っていた夫(ジョセフ・ファインズ 1970~)は、失踪する日の前夜、子供2人が、深夜外出するところを見ていたものの妻キャサリンには、言いませんでした。
キャサリンは、キャサリンで娘が、密かに書いていた日記を本棚で発見、赤裸々な性や愛への憧れ、アボリニジの青年との性関係、両親への失望などを綴った日記に愕然としました。オーストラリアの小蠅が、いつもまとわりつく赤茶けた大地、ギラギラと照りつける灼熱の太陽、砂嵐の吹く町、大蛇のようにうねる渓谷、川、道路など
空撮した蛇に似る映像と地平から昇る太陽をキャサリンの変調‥不安、焦燥、恐怖、孤独の極限から狂気にいたる予兆として捉え演出したファラント監督のセンスは、すばらしいと思います。そしてパニックによるキャサリンの狂気が、極限に達したとき彼女は、何かに憑かれたようにセックスレスであった夫と激しくセックスを行ない、保安官や心配して訪ねて来たアボリニジの青年
にもセックスを求め、そして子供の名を叫びながら砂漠をさまよい、夜明けの町を一糸まとわぬ姿で歩く放心状態のキャサリンが、発見されました。アボリニジの青年が、心配してキャサリンを訪ねて来たとき、ワインに酔い娘のシースルーの服を着て、娘の聴いていた音楽をかけて踊り、家に招き入れた彼を挑発するキャサリンのエロ
ティックで妖艶なこと、ニコール・キッドマン ファンには、必見です。カンヌ国際映画祭審査員を務めたニコール・キッドマンは、是枝裕和監督作品「そして父になる」を絶賛、養子も含め子供4人の母親としてとても感動的だったと述べています
女優として映画に対する真摯な姿勢は、ニコール・キッドマンをさらなる大女優に育てることでしょう。
私は、ニコール・キッドマンが、女優として脱皮するターニング・ポイントになったのは、名匠スタンリー・キューブリック監督(1928~1999)最期の作品「アイズ・ワイド・シャット」に出演したことと思います。(上写真:演技の打合をするニコール・キッドマンとキム・ファラント監督)

