認知症(門前小僧の経読み) ~ アミロイドβ(ベータ)
わが国で‘2025年問題’と、さも社会の重大問題かのごとき‘悪意ある言い方’で表現される10年後の後期高齢者である団塊の世代の私にとって、この6年は、明日の自分を知る(10年後のわが身をシュミレーションする)貴重な経験でした。 (下の写真5枚 : 私が働く福岡市南区にある高齢者在宅介護施設「森の家」の風景です。)
去年の5月、介護施設の庭仕事で右膝半月板を損傷、手術するほどではないと診断されて治療(ロキソニン貼付)を続けましたが、未だ完治するに至りません。
顧みれば、四十過ぎて健康診断の項目に「*」マークが、ずらり並んでも‘夜毎の暴飲暴食’は、一向に変わりませんでした。
四十代後半のある朝、猛烈な頭痛に襲われ、最寄りの病院に仕方なく行くとヘモグロビンA1Cが、10を超え、血圧も高く(下が100を超え)、いきなり医師から深刻な糖尿病なので即刻入院を告げられましたが、なんだかんだと言いわけして入院だけは、免れました。
正しく自業自得‥日ごろ人に人生は‘自立・自助・自己責任’と知ったふうなこと言っていた私が、一番だらしない生活をしていました。
少し悔い改め‥現在、主治医の定期診察と服薬、週2~3回プールでの運動でA1C6台、血圧も平常値ながら新たな心配事が、出てきました。
これは、自立・自助・自己責任と簡単に片付けられない「認知症」という病気の発症です。
認知症は、高齢化(加齢)による脳の老化現象で身体の機能が、だんだん衰弱するように脳の機能も衰退していく脳神経障害症の一種です。
つまり、年を重ねると脳細胞の中に「老人斑=アミロイドβ(ベータ)タンパク質」が、蓄積される一方で正常な脳神経細胞は、壊れ萎縮して行きます。
やがて、脳に障害が顕われ、初期認知症を発症、最初は‘簡易な物忘れ’から始まり、次第に認知症の周辺症状が、見られるようになります。
この時点で認知症の初期症状と診断されれば、早期治療や投薬により認知症の進行を遅らせること(認知症は治りません)は、可能です。
団塊の世代が、2025年に75歳を超え後期高齢者となることは、75年も前から周知の事実、それを長年放置したお粗末極まりない国の政策を今ごろ大騒ぎするなんざ、すべからく私たち有権者(と同時に納税者)の結果責任と言えます。 (上写真:純真無垢、汚れなき命、ハナ=ミズキ・タナカ・ラムナラインちゃん、1歳)
私たち国民は、政治家や厚労省官僚、県や市当局を厳しく監視し、と同時に一市民として認知症にならないための予防対策も大切なことです。
高齢になり認知症を発症しても、それで‘人生おしまい’ではなく、認知症と云っても一人ひとりの症状‥記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などの中核症状は、千差万別です。
ともあれ、健常者が、ある日いきなり認知症の中核症状へとジャンプするわけではなく、健常者と認知症の中間
例えば、「物の名前や人の名前が出て来ない」(あれこれそれの代名詞が多くなる)、「物事をすぐ忘れ話の内容が分からない」、「好きなことに興味がなくなる」、「生活動作に時間がかかる」、「約束をすぐ忘れる」など‥しかし、どれも若い人たちにも日ごろ良くあることなので、そう大袈裟に考える必要は、ありませんが、初期認知症の前段である「軽度認知障害症状の早期発見」をする手立てにはなるでしょう。(門前小僧の経読み、了)