福岡金継ぎ工芸会10周年記念作品展(
こちら)に出品する作品が、一つ完成しました。
古唐津系木原窯(キハラガマ 現長崎県佐世保市木原町、佐賀県有田市と隣接)の‘絵唐津沓茶碗’で、口縁部にあった2か所のカケを補修し‘青金’直しの金継ぎにしました。
絵唐津沓茶碗の高さ7.5㌢、口径12㌢(短10.5㌢)で、手に持って少し重めながら、陶胎染付(陶土の生地に白化粧土を塗り呉須で意匠の文様を染付けする技法)の少しグリーンを帯びた薄灰色釉のうえに呉須で描いた文様の絵が、素朴な雰囲気を醸し出しています。
古唐津の影響を受けた陶器の陶胎染付は、寛永から元禄(1624~1704)にかけて焼成されましたが、やがて古伊万里の磁器窯へ転換していきました。
この陶器の陶胎染付技法を受け継いだのが、現川(ウツヅガワ)窯です。
1691年に開窯された古現川窯は、1748年に突然廃窯、現在の現川窯は、明治時代に再興され、木原刷毛目と呼ばれています。
私の知る現川窯は、
臥牛窯だけ、現在その臥牛窯の深縁4寸丸皿5枚(5枚すべて深縁にワレ・カケ有り)を‘本銀’直しで銀継ぎ修理しています。