アイム・ノット・ゼア シネマの世界<第495話>
イギリスの異才トッド・ヘインズ監督(1961~ 「ベルベット・ゴールドマイン」)が、2007年映画「アイム・ノット・ゼア」(監督・原案・脚本)で、6人の俳優に多種多様な‘ボブ・ディラン’を演じさせるという奇想天外な秀作映画を
撮りました。
ヘインズ監督の脳内には、名前も年齢も人種さえも違うボブ・ディランが、存在するようで、言うなれば映画「アイム・ノット・ゼア」は、鬼才トッド・ヘインズ監督と天才ボブ・ディランのコラボレーションが、創り上げた芸術作品と云っても良いでしょう。
「アイム・ノット・ゼア」は、ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞、6人のボブ・ディランのうち1人を演じたケイト・ブランシェット(1969~)が、女優賞を受賞しました。
男性のボブ・ディランを演じて女優賞受賞とは‥ヴェネツィア国際映画祭の審査委員たちも粋でシャレたことをするものだといたく感激、確かに‘ロックミュージシャン、ボブ・ディラン’を演じたケイト・ブランシェットが、1970年代のボブ・ディランそっくりですばらしい演技力に感心しました。
映画は、6人のボブ・ディランが、シンクロナイズされて登場、映像もカラーとモノクロ(白黒)を使い分け、最初に登場するウディ•ガスリーと名のり放浪する黒人少年のボブ・ディラン(マーカス・カール・フランクリン 1993~)と最後に登場する山中で隠遁生活を送る中年ビリー・ザ・キッドのボブ・ディラン(リチャード・ギア 1949~)の2人が、カラー映像で、モノクロ映像は、反体制詩人アルチュール・ラン
ボーのボブ・ディラン(ベン・ウィショー 1980~)が、映画の語り部となり、社会派フォーク(プロテスト・ソング)シンガーのボブ・ディラン(クリスチャン・ベール 1974~)、映画俳優のボブ・ティラン(ヒース・レジャー 1979~2008、この映画に出演した翌年2008年、服薬事故で死亡)の4人です。
女優陣では、映画俳優ボブ・ディランの妻役でシャルロット・ゲンズブール(1971~)と、若いころボブ・ディランの
恋人であったフォークシンガー、ジョーン・バエズ役をジュリアン・ムーア(1960~)が、さすがと感じるリアルな演技で名女優ぶりを発揮しています。
ロックミュージシャン、ボブ・ディランのガールフレンド役でミシェル・ウィリアムズ(1980~)も出演していました。
映画の裏方ながら‘縁の下の力持ち’と云うべき役割で6人のボブ・ディラン、撮影現場でそれぞれの時代背景を
セッティングした女性プロダクションデザイナー、ジュディ・ベッカー(プロファィル詳細不明、彼女がプロダクションデザインした主な映画は2005年「ブローバック・マウンテン」、2011年「シェイム」、2012年「世界にひとつのプレイブック」、2013年「アメリカン・ハッスル」など、どれも秀作)の才能も光りました。
ワンカットながらビートルズ(演じるはそっくりさん俳優)も登場、しばらく庭でボブ・ディランとじゃれ合い遊んだあと別れるときジョン・レノンが、ボブ・ディランに日本語で「サヨナラ」というシーンにヘインズ監督脚色の粋を感じました。
ボブ・ディラン(1941~)本人が、出演した映画と云えば、1973年の西部劇「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」(原題 Pat Garrett and Billy the Kid、サム・ペキンパー監督作品)で、当時32才ボブ・ディランは、ビリー・ザ・キッド(クリス・クリストファーソン 1936~)の友人エリアス役で出演しています。
ビリー・ザ・キッドの恋人マリア役でリタ・クーリッジ(1945~)も出演していました。
ボブ・ディランは、出演と併せ音楽(サウンド・トラックがアルバム「ビリー・ザ・キッド」となる)も担当、中でも劇中に流れる「天国への扉」(Knockin' on Heaven's Door)は、名曲で今でも多くのロックミュージシャンにカヴァーされ歌い継がれています。
参考:ドイツの映画監督トーマス・ヤーンが、32才のとき「天国への扉」にインスパイアーされて撮ったドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(こちら)も斬新な映画です。
撮りました。ヘインズ監督の脳内には、名前も年齢も人種さえも違うボブ・ディランが、存在するようで、言うなれば映画「アイム・ノット・ゼア」は、鬼才トッド・ヘインズ監督と天才ボブ・ディランのコラボレーションが、創り上げた芸術作品と云っても良いでしょう。
「アイム・ノット・ゼア」は、ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞、6人のボブ・ディランのうち1人を演じたケイト・ブランシェット(1969~)が、女優賞を受賞しました。
男性のボブ・ディランを演じて女優賞受賞とは‥ヴェネツィア国際映画祭の審査委員たちも粋でシャレたことをするものだといたく感激、確かに‘ロックミュージシャン、ボブ・ディラン’を演じたケイト・ブランシェットが、1970年代のボブ・ディランそっくりですばらしい演技力に感心しました。
映画は、6人のボブ・ディランが、シンクロナイズされて登場、映像もカラーとモノクロ(白黒)を使い分け、最初に登場するウディ•ガスリーと名のり放浪する黒人少年のボブ・ディラン(マーカス・カール・フランクリン 1993~)と最後に登場する山中で隠遁生活を送る中年ビリー・ザ・キッドのボブ・ディラン(リチャード・ギア 1949~)の2人が、カラー映像で、モノクロ映像は、反体制詩人アルチュール・ラン
ボーのボブ・ディラン(ベン・ウィショー 1980~)が、映画の語り部となり、社会派フォーク(プロテスト・ソング)シンガーのボブ・ディラン(クリスチャン・ベール 1974~)、映画俳優のボブ・ティラン(ヒース・レジャー 1979~2008、この映画に出演した翌年2008年、服薬事故で死亡)の4人です。女優陣では、映画俳優ボブ・ディランの妻役でシャルロット・ゲンズブール(1971~)と、若いころボブ・ディランの
恋人であったフォークシンガー、ジョーン・バエズ役をジュリアン・ムーア(1960~)が、さすがと感じるリアルな演技で名女優ぶりを発揮しています。ロックミュージシャン、ボブ・ディランのガールフレンド役でミシェル・ウィリアムズ(1980~)も出演していました。
映画の裏方ながら‘縁の下の力持ち’と云うべき役割で6人のボブ・ディラン、撮影現場でそれぞれの時代背景を
セッティングした女性プロダクションデザイナー、ジュディ・ベッカー(プロファィル詳細不明、彼女がプロダクションデザインした主な映画は2005年「ブローバック・マウンテン」、2011年「シェイム」、2012年「世界にひとつのプレイブック」、2013年「アメリカン・ハッスル」など、どれも秀作)の才能も光りました。
ワンカットながらビートルズ(演じるはそっくりさん俳優)も登場、しばらく庭でボブ・ディランとじゃれ合い遊んだあと別れるときジョン・レノンが、ボブ・ディランに日本語で「サヨナラ」というシーンにヘインズ監督脚色の粋を感じました。
ボブ・ディラン(1941~)本人が、出演した映画と云えば、1973年の西部劇「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」(原題 Pat Garrett and Billy the Kid、サム・ペキンパー監督作品)で、当時32才ボブ・ディランは、ビリー・ザ・キッド(クリス・クリストファーソン 1936~)の友人エリアス役で出演しています。ビリー・ザ・キッドの恋人マリア役でリタ・クーリッジ(1945~)も出演していました。
ボブ・ディランは、出演と併せ音楽(サウンド・トラックがアルバム「ビリー・ザ・キッド」となる)も担当、中でも劇中に流れる「天国への扉」(Knockin' on Heaven's Door)は、名曲で今でも多くのロックミュージシャンにカヴァーされ歌い継がれています。参考:ドイツの映画監督トーマス・ヤーンが、32才のとき「天国への扉」にインスパイアーされて撮ったドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(こちら)も斬新な映画です。
by blues_rock
| 2015-05-28 00:00
| 映画(シネマの世界)
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