筑後平野
夏の盛りも過ぎ夏休みが終わるころになると、農道と畑の境に埋められた大甕(おおがめ、‘肥溜め’のこと)のまわりには夏草が、背高く生い茂り、遊びに夢中の子供たちにとって‘肥溜め’は、いつも死角でした。

肥溜めに胸まで浸かり、熟成した屎尿の匂いが鼻を突く中、やっとのことで這い上がり家に帰ると母親が、「キャー!」と悲鳴をあげ、近くの堀(クリーク こちら)まで野良犬を追うように、シッシッと言いながら私を連れて行き

私は、発酵熟成した肥溜めの中が、温泉のようにとても温かったことと母親に連れて行かれた堀(クリーク)の水が、やけに冷たかったことを憶えています。

