PARKER/パーカー シネマの世界<第283話>
ハックフォード監督は、映画のプロット(構想・構成)が巧く、見る者をプロローグからエピローグまで‘厭きさせない’テクニックに長けています。私が、これまで見たハックフォード監督作品は、「チャック・ベリー/ヘイル・ヘイル・ロックンロール」(1985 こちら)、「黙秘」(1995 キャッシー・ベイツ主演 こちら)、「ディアボロス/悪魔の扉」(1997 「名優アル・パチーノ」参考 こちら)、「プルーフ・オブ・ライフ」(2000 ラッセル・クロウ主演)、「Ray/レイ」(2004 ジェイミー・フォックス主演)です。
ジェイソン・ステイサムは、私の頭から「トランスポーター」(2002 当時34才)で見た無口でクールなトランスポーター(運び屋)のイメージが離れず、今でもジェイソン・ステイサム主演のベスト作品は、「トランスポーター」と思っています。
「PARKER/パーカー」の原作は、アメリカの小説家ドナルド・エドウィン・ウェストレイク(1933-2008)が、ペンネーム“リチャード・スターク”(1962-1974)で発表したハードボイルド(ピカレスク・ロマン)小説「悪党パーカー/地獄の分け前」です。私は、原作を読んでいないので推察するしかありませんが、ハックフォード監督のプロットとストーリー展開の仕かけは、原作のままではないかと思います。
パーカーは、天才的な犯罪者ですが、襲撃する相手、強奪する獲物に対し3つの厳格なルール、汚い金しか奪わない、悪者しか殺さない、仕事は完璧に美しく行なう、を自分に課していました。映画冒頭のシークエンスで、襲撃するターゲットと集められた男たちの顔を見せながら、襲撃と強奪の指揮を執るパーカーは、‘些細なミスや裏切り’に容赦のない男であることを見る者に教え、映画はテンポ良く展開していきます。
襲撃した賭博場で仲間の一人が、パーカーの指示を守らずミスを犯し、さらに現金を強奪し逃走する途中、パーカーは仲間の裏切りに遭い、拳銃で撃たれ道路脇に棄てられました。ここからパーカーのスリルとサスペンスの復讐アクション劇が始まります。
共演は、パーカーが信頼する旧友ハーリー役にニック・ノルティ(1941- こちら)、裏切り者たちが潜伏するフロリダでパーカーを支援する不動産会社社員レスリー役をジェニファー・ロペス(1969-)、パーカーを狙うギャングの
殺し屋役のダニエル・バーンハードも冷酷非情でインパントがありました。女盛りを過ぎ離婚歴あり、高齢の母親と二人暮らし、男性の理想高く、不動産の業績上がらずボスからイヤミを言われ鬱々とする毎日にパーカーが現われ、彼に胸ときめかすレスリー役のジェニファー・ロペスが、理想と現実の狭間で生活に疲れたアラフォー女性を好演しています。
パーカーは、裏切り者へ容赦なく復讐しますが、映画のラスト、拳銃で撃たれ瀕死の自分を助けてくれた農夫に謝礼の大金をあげたり、自分を助け好意を示してくれたレスリーに巨額の現金を宅配便でプレゼントしたり、と悪党パーカーの恩に報いるちょっとキザな義賊ぶりが、カッコイイ映画でもありました。

