海の上のバルコニー(前) シネマの世界<第277話>
ニコール・ガルシア監督は、女優として1981年「愛と哀しみのボレロ」に出演、その後映画監督になっていますが、私は「海の上のバルコニー」で映画監督としてニコール・ガルシアを知りました。
「海の上のバルコニー」は、フランスで大ヒット‥100万人を超える観客動員であったとか、されど悲しいかな、わが日本では、劇場未公開(ビデオスルー)の憂き目にあった映画です。
2013年2月にWOWOW衛星劇場で上映、これも「海の上のバルコニー」で主演したジャン・デュジャンルダン(1972-)が、2011年映画「アーティスト」(こちら)でアカデミー賞主演男優賞、カンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞した知名度によりWOWOW上映が決定したのだと推察します。
1960年代初頭、アルジェリアのオランで暮らす十代の三人は、隣同士で幼なじみでした。
当時のアルジェリアは、フランスからの独立を求め内戦状態(こちら 映画「初めての人間」参照)で、アルジェリア独立反対派のマルクの家族は、内戦による身の危険を感じフランスへ帰国しました。
マルクは、キャティと会えないまま、マリ=ジャンヌに「必ず会いに戻るから」とキャティへの伝言を頼みました。(後編続く)