ウルフマン シネマの世界<第263話>
ジョンストン監督は、今までの狼男とは違う個性的な「ウルフマン」の特殊メイクを特殊メイクアーティストのリック・ベイカー(1950~アカデミー賞メイクアップ部門で7度同賞受賞)に要請、VFXと特殊メイクの専門家二人に加え、主人公のウルフマン役を名優ベニチオ・デル・トロ(1967~)、さらにウルフマンの父役に名優にして怪優のアントニー・ホプキンズ(1937~)、ウルフマンを追跡する警部役にヒューゴ・ウィーヴィング(1960~ 1999年映画「マトリックス」でのエージェント・スミス役が印象的)を配役し最強のコラボレーションで「ウルフマン」を撮りました。
映画のプロットは、満月の夜になると、凶暴な殺人鬼「ウルフマン」に変身してしまう男の苦悩を描いたホラー映画と至ってシンプルですが、見る者に‘映画の醍醐味’を堪能させてくれるホラー映画の秀作です。
私は、子供のころから映画が好きで、現在まで国内・海外を問わずダボハゼのごとく世界中の映画を見てきましたが‘ホラー映画’は、あまり見ていません。
ホラー映画を見ない理由は、至ってシンプルで‥今までのホラー映画のほとんどがワンパターンで、映画のプロットといいシナリオといい、さらにストーリーも似たり寄ったりで目先のコケ脅しで観客の恐怖感をあおり、ワーワー、キャーキャーと悲鳴ばかりの安っぽさにウンザリしていました。
ホラー映画以外では、無芸無能なタレントを使ったお涙チョーダイ青春恋愛映画(日本映画・韓国映画に多い)や漫画のアニメーション映画、日本のドンパチ・アクション映画(韓国のドンパチ・アクション映画はおもしろい)に生理的な嫌悪感が強く、私は‘予告編’さえも、できれば見たくありません。
ジョンストン監督の「ウルフマン」は、‘狼男’という定番ホラーながら最高の映画人が、集まりお互い‘才能の火花’を散らすと映画好きには堪らない見応えあるホラー映画ができるというお手本を示してくれました。