ミッドナイト・イン・パリ シネマの世界<第238話>

ウディ・アレン監督・脚本の作品は、映画を発表するたびアカデミー賞各賞候補にノミネートされたり受賞したりとアカデミー賞イベントの常連です。アレン監督自身は、アカデミー賞のお祭りにはあまり関心ないらしく、授賞式をスッポカシてライブハウスでジャズ・クラリネットを吹いていたそうですから‘本物の才人’(相当の変わり者)です。
「ミッドナイト・イン・パリ」は、アカデミー賞脚本賞を受賞しています。映画のプロットは、ウディ・アレン監督によるパリを舞台に現代とベルエポックをタイムスリップするシャレた寓話です。
パリの映像が美しく、映画を見ている者を現在のパリから1920年代と1980年代のベルエポックのパリへと誘(いざな)い、ベルエポックのパリで活躍した有名な芸術家たちに会わせてくれることです。
ウディ・アレン監督が、自分の趣味をこうまではっきりと映画に描くと見ている方は実に愉快で楽しくなります。映画の中でアメリカの美術収集家にして詩人のガートルード・スタインのサロンやパリのカフェに集まるアメリカ人のジョセフィン・ベーカー(ジャズ歌手)、F・S・フィッツジェラルド(作家)、アーネスト・ヘミングウェイ(作家)、マン・レイ(写真家)、イギリス人のT・S・エリオット(劇作家)、スペイン人のパプロ・ピカソ(画家)、サルバドール・ダリ(画家)、ルイス・ブニュエル(映画監督)、フランス人のアンリ・マチス(画家)、アンリ・ロートレック(画家)、ポール・ゴーギャン(画家)、エドガー・ドカ(画家)たちの生き生きした姿に出会えます。
私は、ウディ・アレン=ニューヨーク偏愛と思っていましたが、映画「ミッドナイト・イン・パリ」を見るとアレン監督の‘パリ溺愛’も相当なものです。ウディ・アレン監督は、きっと‘生粋のムッシュ・ドゥ・パリ’になりたいのだろうと思いました。
この映画で私が何よりうれしいのは、マリオン・コティヤール(1975~)、レア・セドゥ(1985~上写真)、レイチェル・マクアダムス(1978~)三女優の美しい艶姿(あですがた)を堪能できたことです。

