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心の時空

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a day in my life

嚥下(えんげ)と誤嚥(ごえん)

普段あまり聞き慣れない言葉ですが、高齢者介護施設の日常業務では、居宅介護支援員(ケアマネージャー)のケアプランや介護員のケア・アセスメントで普段に使われています。
高齢者介護事業所の事務方として働いている私も門前の小僧よろしく、小僧の経読みのように耳で高齢者介護の専門用語を憶えました。
先日、私たちの高齢者介護施設ご利用のお客様のために訪問診療していただいている先生(循環器内科医)嚥下(えんげ)と誤嚥(ごえん)_a0212807_2235233.jpgから‘嚥下(えんげ)障害と誤嚥(ごえん)性肺炎のリスク’についてレクチュアしていただきました。
嚥下(えんげ)とは、飲み物・食べ物を咽喉(のど)から食道を通して胃に飲み込むこと、誤嚥(ごえん)とは、飲み物・食べ物が、咽喉(のど)から誤って気管支へ行き、唾液や飲み物・食べ物に混じった細菌が、気管支炎や肺炎を発症させ、死に至る致命的な炎症に至ることくらいは、門前の小僧も予備知識としてありました。
先生は、さらに嚥下障害と誤嚥性肺炎の因果関係を分かりやすく話してくださり、医学の素人アタマにもストンと落ちるような図解入りでした。
年齢的に若いころは、当然身体も若く、内臓器官も内分泌器官も活発で意識せずとも健康に働いています。
高齢になり老いていくと活発で健康であった内臓器官・内分泌器官にも衰えが目立つようになり自覚しようがしまいが、高齢による劣化衰弱から何人なりとも逃れることはできません。
嚥下(えんげ)と誤嚥(ごえん)_a0212807_22355138.png左図で分かるとおり脳や身体マヒの疾患があると嚥下障害と誤嚥性肺炎の発症リスクが高く、その疾患により咽喉(のど)で食道と気管支の機能を交互に作用させる筋力が、次第に劣化衰弱し嚥下障害による誤嚥の発生リスクも高くなります。
「誤嚥性肺炎は、右の肺に起きます。」と先生が説明されたので、私は「どうして左の肺に誤嚥性肺炎がないのですか?」と質問しました。
左には‘心臓がある’ので、肺は左右対称ではなく、少し右の肺のほうに気管支が傾いているからと先生から説明がありました。
嚥下(えんげ)と誤嚥(ごえん)_a0212807_224036.jpg私は、聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥とばかり「人の心臓は、なぜ左ですか?右心臓では、何か不都合なのでしょうか?」と質問すると先生の答えは「右心臓の方もおられ、内臓が左右逆位になります。」とのことでした。
後で調べたところ右心臓(内臓全逆位)の人が、10万人に1人くらいの割合でいるそうです。
先生から嚥下障害と誤嚥防止対策は‘おしゃべり’にあるとアドバイスがありました。
嚥下障害疾患は、統計的に女性高齢者に少なく、男性高齢者が多いとのこと、それは女性に‘おしゃべり’が多く日ごろから咽喉(のど)の筋肉を鍛えているからだそうです。
男性に嚥下障害患者が多いのは、昔からの間違った男性への‘寡黙’教育に起因していると喝破されました。
‘おしゃべり’を自認している私への啓示に聞こえました。
by blues_rock | 2013-09-08 00:24 | 高齢者介護(認知症) | Comments(0)
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