ジャンゴ 繋がれざる者 シネマの世界<第203話>
2013年公開の新作映画「ジャンゴ 繋がれざる者」は、映画料理人タランティーノ監督らしいこだわりの‘ケイジャン料理’(アメリカ南部料理)でした。
タランティーノ監督は、自分のDNAに多民族の血が流れているためか、マイノリティ(少数民族)や被支配(抑圧された)民族への社会的正義感が強く、今回「ジャンゴ 繋がれざる者」の主人公は、黒人奴隷出身のガンマン(ジェイミー・フォックス 1967~)とドイツ系移民の賞金稼ぎ(クリストフ・ヴァルツ 1956~)です。
この賞金稼ぎコンビを迎え討ち、血で血を洗う銃撃戦で対抗するのが、アメリカ南部の冷酷非道な奴隷農園主(レオナルド・ディカプリオ 1974~)と主人に忠実な奴隷頭(サミュエル・L・ジャクソン 1948~)です。
この名優4人の繰り広げる演技バトルは、見ものです。
前作「イングロリアス・バスターズ」(2009)では、ナチスドイツによるユダヤ人虐殺を徹底的に糾弾、ナチスへ怒りを爆発させていました。
タランティーノ映画では、いまやお馴染みとなった豪快に鮮血が噴き出すシーン(今回はガン・ファイト)や残虐で過激な暴力シーンは、私のような悪趣味ファン(ホラー映画の悪趣味は嫌いです)へのサービス精神でしょう。
タランティーノ監督の脚本は、凶悪な犯罪と過激な暴力にあふれるプロットを複雑に交錯させ、時には、それを意図的にシャッフルした構成にしてストーリーが、展開していくので良く見ていないと分からなくなります。
「レザボア・ドッグス」(1992)・「パルプ・フィクション」(1992 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞)などが、その良
タランティーノ監督は、必ず自分の映画へ俳優として‘カメオ出演’することでも有名です。
梶芽衣子の大ファンらしく「キル・ビル」(2003・2004)を彼女に捧げるオマージュとしているところなど少年のようで可愛らしいと思います。