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ジャンゴ 繋がれざる者  シネマの世界<第203話>

ジャンゴ 繋がれざる者  シネマの世界<第203話>_a0212807_21183572.jpg異才クエンティン・タランティーノ監督(1963~)の映画は、どれを見ても‘オーナーシェフ・タランティーノ’のスパイシーな味付けと分かる料理(作品)ばかりです。
2013年公開の新作映画「ジャンゴ 繋がれざる者」は、映画料理人タランティーノ監督らしいこだわりの‘ケイジャン料理’(アメリカ南部料理)でした。
タランティーノ監督は、自分のDNAに多民族の血が流れているためか、マイノリティ(少数民族)や被支配(抑圧された)民族への社会的正義感が強く、今回「ジャンゴ 繋がれざる者」の主人公は、黒人奴隷出身のガンマン(ジェイミー・フォックス 1967~)とドイツ系移民の賞金稼ぎ(クリストフ・ヴァルツ 1956~)です。
この賞金稼ぎコンビを迎え討ち、血で血を洗う銃撃戦で対抗するのが、アメリカ南部の冷酷非道な奴隷農園主(レオナルド・ディカプリオ 1974~)と主人に忠実な奴隷頭(サミュエル・L・ジャクソン 1948~)です。
この名優4人の繰り広げる演技バトルは、見ものです。
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今回タランティーノ監督は、アメリカ建国理念の汚点とも言うべき黒人奴隷制度へ怒りを爆発させています。
前作「イングロリアス・バスターズ」(2009)では、ナチスドイツによるユダヤ人虐殺を徹底的に糾弾、ナチスへ怒りを爆発させていました。
タランティーノ映画では、いまやお馴染みとなった豪快に鮮血が噴き出すシーン(今回はガン・ファイト)や残虐で過激な暴力シーンは、私のような悪趣味ファン(ホラー映画の悪趣味は嫌いです)へのサービス精神でしょう。
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しかし目を覆いたくなるような残忍なシーンであっても私が痛快に思うのは、タランティーノ監督の映画が、世の中の理不尽なこと・愚劣なこと・卑怯なことを徹底的に嫌悪し批判する精神を表現しているからです
タランティーノ監督の脚本は、凶悪な犯罪と過激な暴力にあふれるプロットを複雑に交錯させ、時には、それを意図的にシャッフルした構成にしてストーリーが、展開していくので良く見ていないと分からなくなります。
「レザボア・ドッグス」(1992)・「パルプ・フィクション」(1992 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞)などが、その良
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い作品例です。
タランティーノ監督は、必ず自分の映画へ俳優として‘カメオ出演’することでも有名です。
梶芽衣子の大ファンらしく「キル・ビル」(2003・2004)を彼女に捧げるオマージュとしているところなど少年のようで可愛らしいと思います。
by blues_rock | 2013-08-14 23:00 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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